有価証券報告書-第45期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 15:32
【資料】
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【項目】
150項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 当期の経営成績
売上高は247億81百万円(前期比7.0%増)となり、8期連続の増収、過去最高を記録しました。
2019年10月に薬価改定がありましたが、主力製品の販売数量が増加することにより、増収となりました。
営業利益は32億44百万円(前期比34.7%減)、経常利益は32億93百万円(前期比35.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億78百万円(前期比27.9%減)となり、いずれも減益となりました。
研究開発費は37.7%増加し、59億97百万円(前期比16億42百万円増)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社の報告セグメントは単一セグメントに変更したため、セグメント別の記載は省略しております。
前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減
金額(百万円)金額(百万円)%
売上高23,16024,7817.0
営業利益4,9673,244△34.7
経常利益5,0683,293△35.0
親会社株主に帰属する当期純利益3,7152,678△27.9

営業利益の増減要因は以下の通りです。
・主力製品の寄与による売上高の増加 1,621百万円
・新製品の上市による売上原価の増加 △1,333百万円
・売上高増加に伴う販売費・一般管理費の増加 △368百万円
・積極的な研究開発による研究開発費の増加 △1,642百万円
② 主要な売上
前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減
金額(百万円)金額(百万円)%
ヒト成長ホルモン製剤
グロウジェクト®
11,97812,6505.6
再生医療等製品
テムセル®HS注
2,0413,12653.2
腎性貧血治療薬
エポエチンアルファBS注「JCR」
ダルベポエチンアルファBS注「JCR」
4,511
4,511
-
5,509
4,097
1,412
22.1
△9.2
-
ファブリー病治療薬
アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」
74317327.4
契約金収入3,5602,050△42.4

(注)1 テムセルを除く製品は2019年10月に薬価改定を受けました。
2 「エポエチンアルファBS注JCR」を除き、販売数量の増加により売上増となりました。
3 持続型腎性貧血治療薬「ダルベポエチンアルファBS注JCR」を2019年11月より発売した影響で、短期型腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」の売上が減少しました。
4 契約金収入は研究開発の進捗によるマイルストンなどの契約に由来します。
③ 研究開発の状況
[ライソゾーム病治療薬]
・現在重点的に取り組んでいるライソゾーム病治療薬の開発では、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の開発を行っております。
・血液脳関門通過型ハンター症候群治療薬(開発番号:JR-141)については、2018年6月よりブラジル連邦共和国で臨床第2相試験、2018年8月から日本で臨床第3相試験をそれぞれ開始いたしました。その他の地域では2018年10月に米国食品医薬局(FDA)、2019年2月に欧州医薬品庁(EMA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受ける等、グローバル展開の準備を進めております。
・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬(ポンペ病治療薬(開発番号:JR-162)、ハーラー症候群治療薬(開発番号:JR-171)、サンフィリッポ症候群A型治療薬(開発番号:JR-441)、スライ症候群治療薬(開発番号:JR-443)、サンフィリッポ症候群B型治療薬(開発番号:JR-446)についても、研究開発を順次行うとともにグローバル展開を推進してまいります。
[再生医療等製品]
・2019年7月から新生児低酸素性虚血性脳症(開発番号:JR-031HIE)への「テムセル®HS注」の新たな適応拡大として臨床第1/2相試験を開始しております。
・「テムセル®HS注」の皮下投与による表皮水疱症に対する適応拡大(開発番号:JR-031EB)について、厚生労働省への承認申請を行い、当局と協議を重ねてまいりましたが、同適応症に対する有効性をより明確に示す必要性があると判断し、2019年9月に本承認申請を取り下げました。今後の開発方針については、現在検討しております。
・他家(同種)歯髄由来幹細胞(DPC)を用いた急性期脳梗塞を適応症とする再生医療等製品(開発番号:JTR-161/JR-161)については、2019年2月より臨床第1/2相試験を開始しております。
[ヒト成長ホルモン製剤]
・2018年7月から「グロウジェクト®」の効能追加としてSHOX異常症に対する臨床第3相試験を開始しております。
・2019年5月からは遺伝子組換え持続型成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の臨床第1相試験を開始しております。
[腎性貧血治療薬]
・持続型赤血球造血刺激因子製剤「ダルベポエチンアルファBS注JCR」の製造販売承認を2019年9月に取得し、同年11月に発売いたしました。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ28億36百万円増加して109億28百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、49億27百万円(前連結会計年度比10億22百万円の収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額34億22百万円、減価償却費の計上額14億34百万円および売上債権の減少額8億57百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、41億61百万円(前連結会計年度比44億1百万円の支出増)となりました。これは主に有価証券の売却及び償還による収入6億98百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出48億38百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、20億48百万円(前連結会計年度比29億65百万円の収入増)となりました。これは主に、配当金の支払額9億89百万円があった一方で、長期借入れによる収入30億50百万円があったことによるものであります。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業17,22372.5
合計17,22372.5

(注)1 金額は販売価格により表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループは見込生産によっており、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業24,781107.0
合計24,781107.0

(注)1.主な相手先別の販売実績およびそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社メディセオ5,52123.86,98928.2
キッセイ薬品工業株式会社5,01121.66,00924.3

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
⑥ 経営成績への影響
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、当連結会計年度につきましては影響を受けておりません。
また、本報告書作成時点においては、パイプラインの臨床試験の遅延等は発生しておらず、製品や原材料、製造用資材についても当面の生産に必要な在庫は確保しており、大きな影響はないと判断しております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、たな卸資産、有価証券、貸倒引当金、退職給付に係る負債および繰延税金資産などについて、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおり、資産・負債および収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束まではある程度の期間を要すると想定しておりますが、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり当社グループの業績への影響は軽微であると判断しております。従いまして、当連結会計年度における会計上の見積りへの影響はございません。また、本報告書提出日現在において、翌連結会計年度におきましても同様であると判断しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・財政状態
当連結会計年度末における資産合計は477億75百万円(前連結会計年度末比52億59百万円増)、負債合計は151億95百万円(前連結会計年度末比35億53百万円増)、純資産合計は325億79百万円(前連結会計年度末比17億5百万円増)となりました。
流動資産は、受取手形及び売掛金および有価証券が減少した一方で、現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ9億73百万円増加して283億42百万円となりました。固定資産につきましては、主に研究関連施設の増強があったことで有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ42億85百万円増加して194億33百万円となりました。
流動負債は短期借入金および未払金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ17億49百万円増加して104億34百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億3百万円増加して47億61百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ17億5百万円増加して325億79百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.5ポイント低下して66.6%となりました。
・経営成績
売上高は前連結会計年度に比べ16億21百万円(7.0%)増加して247億81百万円となりました。
主力製品であるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」につきましては、液状製剤の市場への浸透およびプロモーション戦略の強化により、前年同期比6億72百万円(5.6%)の増収となりました。また、2019年10月の薬価改定により販売単価は引き下げとなりましたが、数量ベースでは前期比8.6%増加したことにより、増収を確保することが出来ました。また、2020年度につきましては、新型コロナウイルス感染症対策としてプロモーション活動の方法の変更等が必要とはなりますが、2020年4月の薬価改定の影響を吸収して増収となることを見込んでおります。
腎性貧血治療薬につきましては、2019年11月に持続型腎性貧血治療薬「ダルベポエチンアルファBS注JCR」の販売を開始しております。その影響で、短期型腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」の売上高は減少しておりますが、腎性貧血治療薬合計では55億9百万円(前年同期比9億97百万円・22.1%増)となっております。2021年3月期につきましても引き続き需要増が見込まれ、増収を見込んでおります。
再生医療等製品「テムセル®HS注」の販売につきましては、2016年2月の発売以降、市場への浸透が進み、当連結事業年度の売上高は当初予想を上回り、前連結事業年度比53.2%の増収と順調に推移しております。今後は需要に合わせた供給体制の増強が課題となっております。
また、国産初となるライソゾーム病治療薬として、2018年11月よりファブリー病治療薬「アガルシダーゼベータBS点滴静注JCR」の販売を開始いたしましたが、徐々に市場への浸透が進んでおり、当連結会計年度は前期比で増収となっております。2021年3月期に関しましても引き続き増収が見込まれております。
契約金収入に関しましては、当連結会計年度に締結を見込んでいた契約が2021年3月期にずれ込んだことにより、前連結会計年度比では減収となりました。2021年3月期には当該契約の締結が見込まれることもあり、増収となる見込みです。
一方で、研究開発費につきましては59億97百万円と前連結会計年度比16億42百万円(37.7%)の増加となっております。研究開発費は対売上高比率20%を目安に行っておりますが、当連結事業年度における対売上高比率は24.2%に達しております。これは、2020年度中の承認申請を目指しているハンター症候群治療薬JR-141を始めとするJ-Brain Cargo®を適用した一連のライソゾーム病治療薬について、将来の成長に向けて積極的に研究開発投資を行ったことによるものです。開発中のライソゾーム病治療薬は当社のグローバル市場進出への重要な開発品目でもあるため、今後も必要であれば当期のように対売上高比率が20%を超えることもあります。2021年3月期につきましても、将来の収益基盤の強化のため、より積極的に研究開発を行う必要があり、64億円(当期比6.7%増・対売上高比23.5%)を見込んでおります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの資本の財源および資金の流動性
・資金需要の主な内容
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費、人件費および販売費などの運転資金、ならびに生産および研究開発を目的とする設備投資に主たる資金需要が生じます。
なお、研究開発費につきましては、対売上高比率20%を目安に投資を行っております。
また、株主還元についても、経営上の重要な施策の一つとして位置づけております。剰余金の配当等につきましては、将来の利益の源泉となる新薬開発や経営体質強化のための内部留保を確保しつつ、業績およびキャッシュ・フローの状況を勘案しながら継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としており、ご期待に応える株主還元と財務の健全性のバランスを重視し、配当性向につきましては30%を目安としております。
・資金調達
これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、不足する場合は金融機関からの借入金による調達を実施しております。
当連結会計年度末時点の現金同等物残高は109億28百万円となっており、事業遂行に必要な資金を十分確保しております。
なお、現時点では当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響は受けておりませんが、今後の世界情勢の見通しが立たない中、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、2020年4月および5月に総額150億円のコミットメントライン契約を締結しております。

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