有価証券報告書-第50期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 15:36
【資料】
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【項目】
159項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 当期の経営成績
売上高は330億72百万円(前期比22.9%減)となりました。
ムコ多糖症Ⅱ型治療剤「イズカーゴ®点滴静注用10mg」は好調に推移し、遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」も、2024年4月に薬価改定があったものの販売数量が増加したことにより増収となりましたが、腎性貧血治療薬の減収等により製品売上高は減収となりました。加えて、予定していたライセンス契約が当期中の締結には至らなかったことなどにより、前年同期に比べて減収となりました。
また、積極的な研究開発活動の結果、研究開発費は37.4%増加し154億31百万円(前期比41億96百万円増)となりました。
加えて、コロナ禍において製品の安定供給を継続するために調達した製造関係の資材および治験薬等について、今後使用予定のないものに係る損失を計上したこと、および神戸サイエンスパークセンターの原薬工場(2022年11月竣工)の建設費用に係る補助金の確定が翌期にずれ込んだことにより、予定していた特別利益を計上できなかったことなどから、営業損失は66億50百万円(前期は75億31百万円の営業利益)、経常損失は74億77百万円(前期は72億64百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は47億59百万円(前期は55億7百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)を計上しております。
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
増減
金額(百万円)金額(百万円)%
売上高42,87133,072△22.9
営業利益又は営業損失(△)7,531△6,650-
経常利益又は経常損失(△)7,264△7,477-
親会社株主に帰属する当期純利益又は
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
5,507△4,759-

営業利益の増減は以下のとおりであります。
・契約金収入の減少による売上高の減少 △9,799百万円
・売上原価の減少 287百万円
・販売費・一般管理費の増加 △473百万円
・研究開発費の増加 △4,196百万円
② 主要な売上
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
増減
金額(百万円)金額(百万円)%
ヒト成長ホルモン製剤
グロウジェクト®
17,91318,0981.0
ムコ多糖症Ⅱ型治療剤
イズカーゴ®点滴静注用
5,1715,71810.6
腎性貧血治療薬
エポエチンアルファBS注「JCR」
ダルベポエチンアルファBS注「JCR」
4,652
1,994
2,658
3,784
1,690
2,093
△18.7
△15.2
△21.2
再生医療等製品
テムセル®HS注
3,2362,904△10.2
ファブリー病治療薬
アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」
1,6611,149△30.8
製品計32,63631,655△3.0
契約金収入7,413517△93.0

(注)前連結会計年度の契約金収入は、事業化についての実施許諾契約および共同プロモーションに関する契約が締結されたこと等によるものであり、当連結会計年度の契約金収入はマイルストーンの達成等によるものであります。
③ 研究開発の状況
[ライソゾーム病治療薬]
・当社では現在、17種類を超えるライソゾーム病治療薬について、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の研究開発に重点的に取り組んでおります。
・血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤pabinafusp alfa(開発番号:JR-141)については、現在、グローバル臨床第3相試験が進行中であります。また、いわゆる軽症型の患者さんを対象としたCohort Bについて、目標としていた20例の症例登録が完了し、より重症な患者さんを対象としたCohort Aにおいても、95%以上の症例登録が完了いたしました。
・血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤lepunafusp alfa(開発番号:JR-171)については、現在、日本・ブラジル・米国での13週間の臨床第1/2相試験を完了し、その継続試験を実施しております。また、当該品目については、自社開発ではなくライセンスアウトにより開発を進める方針であり、パートナー候補との導出交渉を進めております。
・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢA型治療酵素製剤(開発番号:JR-441)については、ドイツにて臨床第1/2相試験が進行中であります。また、2024年上半期に予定していた12名の症例登録を完了いたしました。また、日本国内においては、2024年10月に臨床第1相試験での治験薬投与が開始されました。なお、2022年1月に欧州委員会(EC)より、2023年12月に米国食品医薬品局(FDA)より、そして2024年12月に厚生労働省より、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けております。
・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢB型治療酵素製剤(開発番号:JR-446)については、2023年9月に株式会社メディパルホールディングスと、海外における事業化についての実施許諾契約および日本における共同開発・商業化契約を締結いたしました。2024年12月に日本国内において臨床第1/2相試験での治験薬投与が開始され、2025年4月にはFDAよりオーファンドラッグの指定を受けております。
・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬であるフコシドーシス治療薬(開発番号:JR-471)については、2022年10月に締結した実施許諾契約に基づき、株式会社メディパルホールディングスに対し、日本を除く全世界における研究・開発、製造および販売などの事業化に関する再実施許諾権付の独占的実施権を許諾いたしました。現在、臨床試験開始に向けて必要な研究等を進めております。
[基盤技術の創出]
・JCR独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」の様々なモダリティへの応用可能性を広げる研究の他、J-Brain Cargo®技術に続く新たな基盤技術の創出に注力しております。その成果のひとつとして、アデノ随伴ウイルスベクターを用いた新しい遺伝子治療技術「JUST-AAV」を創出しました。脳へと効率的にベクターを送達できるだけではなく、肝臓へのベクターの集積を低減することで副作用の軽減も期待され、新たなプラットフォーム技術として開発を進めております。2023年12月より株式会社モダリスと本技術を用いた新規遺伝子治療の開発に向けた共同研究を開始しており、2025年1月には、本共同研究において初期の技術コンセプトの検証を達成したため、新たな共同研究契約を締結いたしました。
[ヒト成長ホルモン製剤]
・長時間作用型遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤redalsomatropin alfa(開発番号:JR-142)の臨床第2相試験の継続試験を実施中であります。また、2024年12月に日本国内において臨床第3相試験での治験薬投与が開始されました。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ55億59百万円減少して131億96百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、54億86百万円(前連結会計年度比147億98百万円の支出増)となりました。これは主に、売上債権の減少額26億98百万円、減価償却費の計上額33億74百万円があった一方で、税金等調整前当期純損失の計上額64億14百万円、法人税等の支出額22億84百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、98億74百万円(前連結会計年度比71億84百万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出98億88百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、97億36百万円(前連結会計年度比117億68百万円の収入増)となりました。これは主に、短期借入金の純増額148億5百万円があったことなどによるものであります。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業34,12098.2
合計34,12098.2

(注) 金額は販売価格により表示しております。
(2)受注実績
当社グループは見込生産によっており、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業33,07277.1
合計33,07277.1

(注) 主な相手先別の販売実績およびそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社メディパルホールディングス
(注)
25,31659.020,80062.9
キッセイ薬品工業株式会社4,75611.13,87111.7

(注)売上高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する売上高を含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、棚卸資産、有価証券、特許権、貸倒引当金、退職給付に係る負債および繰延税金資産などについて、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおり、資産・負債および収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・財政状態
当連結会計年度末における資産合計は1,048億55百万円(前連結会計年度末比26億29百万円増)、負債合計は574億20百万円(前連結会計年度末比116億69百万円増)、純資産合計は474億35百万円(前連結会計年度末比90億40百万円減)となりました。
流動資産は、棚卸資産が増加した一方で、現金及び預金および売掛金及び契約資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ65億24百万円減少して510億56百万円となりました。固定資産につきましては、新製剤工場建設に伴う建設仮勘定等の有形固定資産および繰延税金資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ91億54百万円増加して537億98百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等が減少した一方で、短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ138億52百万円増加して439億88百万円となりました。固定負債は、長期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ21億83百万円減少して134億31百万円となりました。
純資産につきましては、その他有価証券評価差額金が増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失の計上、配当金の支払、自己株式の増加および新株予約権の減少などにより、前連結会計年度末に比べ90億40百万円減少して474億35百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ9.4ポイント低下して44.8%となりました。
当社グループがグローバルで持続的な成長を行うため、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、総額495億円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、このうち265億円については、新製剤工場の建設に関する資金調達のために締結したものであります。この新製剤工場の建設は、経済産業省「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、同事業における補助金を用いて当該建設を行いますが、当コミットメントライン契約につきましては、補助金受領までの必要資金に充当することを目的としたものであります。

・経営成績
売上高は前連結会計年度に比べ97億99百万円(22.9%)減少して330億72百万円となりました。
主力製品であるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」につきましては、薬価改定の影響はありましたが販売数量が増加したことにより、前期比1億84百万円(1.0%)の増収となりました。2026年3月期につきましては、減収を見込んでおります。
「イズカーゴ®点滴静注用10mg」につきましては、販売開始以降順調に市場への浸透が進んでおり、前期比5億47百万円(10.6%)の増収となりました。2026年3月期につきましても、引き続き増収を見込んでおります。
腎性貧血治療薬につきましては、短期型腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」・持続型腎性貧血治療薬「ダルベポエチンアルファBS注JCR」の売上高は、腎性貧血治療薬合計で37億84百万円(前期比868百万円・18.7%減)となりました。2026年3月期につきましても、減収を見込んでおります。
再生医療等製品「テムセル®HS注」につきましては、前期比3億31百万円(10.2%)の減収となりました。2026年3月期につきましても、減収を見込んでおります。
国産初のライソゾーム病治療薬であるファブリー病治療薬「アガルシダーゼベータBS点滴静注JCR」につきましては、前期比5億12百万円(30.8%)の減収となりました。2026年3月期につきましては、減収を見込んでおります。
契約金収入につきましては、前期比68億96百万円(93.0%)の減収となりました。2026年3月期につきましては、新たな契約締結を計画しており増収となる見込みです。
なお、売上高合計としましては、契約金収入が増加する影響により増加する見込みです。
研究開発費につきましては、154億31百万円と前期比41億96百万円(37.4%)の増加となりました。研究開発活動につきましては、将来のさらなる飛躍に向けた重要な位置づけと捉え、ここ数年間は積極的な投資に取り組んでおり、2026年3月期につきましては150億円(当期比2.8%減・対売上高比39.7%)の研究開発費を見込んでおります。
その結果、営業利益は26億円、経常利益は24億円、親会社株主に帰属する当期純利益は30億円を見込んでおります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの資本の財源および資金の流動性
・資金需要の主な内容
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費、人件費および販売費などの運転資金、ならびに生産および研究開発を目的とする設備投資に主たる資金需要が生じます。
なお、研究開発費につきましては、将来のさらなる飛躍に向けた重要な位置づけと捉え、ここ数年間は積極的な投資を見込んでおります。
また、株主還元についても、経営上の重要な施策の一つとして位置づけております。剰余金の配当等につきましては、将来の利益の源泉となる新薬開発や経営体質強化のための内部留保を確保しつつ、業績およびキャッシュ・フローの状況を勘案しながら継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としており、ご期待に応える株主還元と財務の健全性のバランスを重視し、配当性向につきましては30%を目安としております。
・資金調達
これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、不足する場合は金融機関からの借入金による調達を実施しております。
当連結会計年度末時点の現金及び現金同等物残高は131億96百万円となっており、事業遂行に必要な資金を十分確保しております。
また、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間でバックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、当連結会計年度に総額495億円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、このうち265億円については、新製剤工場の建設に関する資金調達のために締結したものであります。この新製剤工場の建設は、経済産業省「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、同事業における補助金を用いて当該建設を行いますが、当コミットメントライン契約につきましては、補助金受領までの必要資金に充当することを目的としたものであります。

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