有価証券報告書-第49期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 14:07
【資料】
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【項目】
158項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 当期の経営成績
売上高は428億71百万円(前期比24.8%増)となりました。
遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」は、2023年4月に薬価改定はありましたが、販売数量が大きく増加しました。また、「イズカーゴ®点滴静注用10mg」なども好調に推移しました。アストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチン原液の国内製造の受託を予定どおり終了したことなどによる減収はありましたが、主力製品が好調に推移し、契約金収入も増加した結果、前年同期に比べて増収となりました。
営業利益は75億31百万円(前期比51.4%増)、経常利益は72億64百万円(前期比34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は55億7百万円(前期比46.0%増)となりました。
積極的な研究開発活動の結果、研究開発費は27.6%増加し112億34百万円(前期比24億31百万円増)となりました。
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
増減
金額(百万円)金額(百万円)%
売上高34,34342,87124.8
営業利益4,9757,53151.4
経常利益5,4187,26434.1
親会社株主に帰属する当期純利益3,7725,50746.0

営業利益の増減は以下のとおりであります。
・主力製品の増収による売上高の増加 8,528百万円
・売上原価の増加 △2,733百万円
・売上高増加に伴う販売費・一般管理費の増加 △806百万円
・研究開発費の増加 △2,431百万円
② 主要な売上
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
増減
金額(百万円)金額(百万円)%
ヒト成長ホルモン製剤
グロウジェクト®
12,26117,91346.1
ムコ多糖症Ⅱ型治療剤
イズカーゴ®点滴静注用
4,4145,17117.2
腎性貧血治療薬
エポエチンアルファBS注「JCR」
ダルベポエチンアルファBS注「JCR」
4,696
2,710
1,986
4,652
1,994
2,658
△0.9
△26.4
33.8
再生医療等製品
テムセル®HS注
3,4043,236△4.9
ファブリー病治療薬
アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」
9641,66172.2
契約金収入6,5467,41313.3
AZD1222原液1,931-△100.0

(注)契約金収入は、事業化についての実施許諾契約および共同プロモーションに関する契約が締結されたこと等に由来します。
③ 研究開発の状況
[ライソゾーム病治療薬]
・当社では現在、17種類を超えるライソゾーム病治療薬について、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の研究開発に重点的に取り組んでおります。
・血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤pabinafusp alfa(開発番号:JR-141)については、米国において米国食品医薬品局(FDA)より2022年12月にRare Pediatric Disease(※)の指定を受けております。2022年2月に最初の被験者への投薬が開始されたグローバル臨床第3相試験は、現在、中枢神経症状を有する患者さんを対象としたcohort Aにおける中間解析に必要な症例数を2024年度第1四半期中に登録完了するよう取り組みを進めております。
・血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤lepunafusp alfa(開発番号:JR-171)については、現在、日本・ブラジル・米国での13週間の臨床第1/2相試験を完了し、その継続試験を実施しております。グローバルでの臨床第3相試験の早期開始に向けて、準備を進めております。
・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢA型治療酵素製剤(開発番号:JR-441)については、ドイツ連邦共和国規制当局Paul-Ehrlich Institute(PEI)に第1/2相試験のCTA(clinical trial application)が受理され、2023年10月には最初の被験者への投薬が開始されました。現在、被験者の登録を進めており、2024年下半期には症例登録を完了する見込みです。2023年12月には、米国においてFDAよりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けております。
・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢB型治療酵素製剤(開発番号:JR-446)については、現在、2024年度中のグローバル臨床試験開始に向けた取り組みを進めております。2023年9月に株式会社メディパルホールディングスと海外における事業化についての実施許諾契約および日本における共同開発・商業化契約を締結いたしました。
・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬(ポンペ病治療薬(開発番号:JR-162)、スライ症候群治療薬(開発番号:JR-443)、GM2ガングリオシドーシス治療薬(開発番号:JR-479)についても、研究開発を順次行うとともにグローバル展開を推進してまいります。なお、フコシドーシス治療薬(開発番号:JR-471)につきましては、2022年10月に締結した実施許諾契約に基づき、株式会社メディパルホールディングスに対し、日本を除く全世界における研究・開発、製造および販売などの事業化に関する再実施許諾権付の独占的実施権を許諾いたしました。現在、臨床試験開始に向けた必要な研究等を進めております。
[基盤技術の創出]
・JCR独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」の様々なモダリティへの応用可能性を広げる研究の他、J-Brain Cargo®技術に続く新たな基盤技術の創出に注力しております。
・2023年5月にアンジェリーニファーマとてんかんを対象疾患として、J-Brain Cargo®技術を適用した新規生物学的治療薬の独占的グローバル開発および商業化契約を締結いたしました。
・2023年12月にアレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズ(アレクシオン社)と、J-Brain Cargo®技術を適用した新規核酸医薬品創製を目的とした共同研究、選択権およびライセンス契約を締結いたしました。また、2023年3月に契約したJ-Brain Cargo®技術適用の神経変性疾患治療薬に関する共同研究において、研究段階におけるマイルストーンを2024年3月に達成いたしました。
[再生医療等製品]
・「テムセル®HS注」の新たな適応拡大として新生児低酸素性虚血性脳症(開発番号:JR-031HIE)に対する臨床第1/2相試験を終了いたしました。今後の開発計画については検討中であります。
[ヒト成長ホルモン製剤]
・「グロウジェクト®」の骨端線閉鎖を伴わないSHOX異常症における低身長(開発番号:JR-401X)の効能追加については、2023年6月に一部変更承認を取得いたしました。
・長時間作用型遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の臨床第2相試験を終了いたしました。現在、投与された患者さんを対象とした継続試験を実施中であります。また、2024年度の臨床第3相試験の開始に向けた準備を進めております。
※ Rare Pediatric Disease指定
希少小児疾患の予防と治療のための新薬および生物製剤の開発を促進することを目的としているもの。今後の米国における製造販売承認のための優先審査バウチャーを取得できる可能性がある。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ54億77百万円増加して187億56百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、93億12百万円(前連結会計年度比148億13百万円の収入増)となりました。これは主に、売上債権の増加額37億97百万円、棚卸資産の増加額24億37百万円があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上額72億44百万円、減価償却費の計上額31億97百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、26億90百万円(前連結会計年度比123億12百万円の支出減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出15億26百万円、関係会社株式の取得による支出6億円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、20億31百万円(前連結会計年度比39億80百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払額25億円があったことなどによるものであります。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業34,722134.2
合計34,722134.2

(注) 金額は販売価格により表示しております。
(2)受注実績
当社グループは見込生産によっており、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業42,871124.8
合計42,871124.8

(注) 主な相手先別の販売実績およびそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社メディパルホールディングス
(注)
19,72557.425,31659.0
キッセイ薬品工業株式会社4,79214.04,75611.1

(注)売上高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する売上高を含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、棚卸資産、有価証券、特許権、貸倒引当金、退職給付に係る負債および繰延税金資産などについて、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおり、資産・負債および収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・財政状態
当連結会計年度末における資産合計は1,022億26百万円(前連結会計年度末比72億88百万円増)、負債合計は457億50百万円(前連結会計年度末比32億26百万円増)、純資産合計は564億75百万円(前連結会計年度末比40億61百万円増)となりました。
流動資産は、未収入金が減少した一方で、現金及び預金、売掛金及び契約資産および棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ97億79百万円増加して575億81百万円となりました。固定資産につきましては、有形固定資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ24億90百万円減少して446億44百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等および未払消費税等が増加した一方で、短期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ56億26百万円減少して301億35百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ88億53百万円増加して156億15百万円となりました。
純資産につきましては、配当金の支払があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ40億61百万円増加して564億75百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末と同じ54.2%となりました。
当社グループがグローバルで持続的な成長を行うため、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、総額400億円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、このうち170億円については、新製剤工場の建設に関する資金調達のために新たに締結したものであります。この新製剤工場の建設は、経済産業省「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、同事業における補助金を用いて当該建設を行いますが、当コミットメントライン契約につきましては、補助金受領までの必要資金に充当することを目的としたものであります。
・経営成績
売上高は前連結会計年度に比べ85億28百万円(24.8%)増加して428億71百万円となりました。
主力製品であるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」につきましては、薬価改定の影響はありましたが販売数量が大きく増加し、前期比56億52百万円(46.1%)の増収となりました。2025年3月期につきましても、引き続き増収を見込んでおります。
「イズカーゴ®点滴静注用10mg」につきましては、販売開始以降順調に市場への浸透が進んでおり、前期比7億57百万円(17.2%)の増収となりました。2025年3月期につきましても、引き続き増収を見込んでおります。
腎性貧血治療薬につきましては、短期型腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」・持続型腎性貧血治療薬「ダルベポエチンアルファBS注JCR」の売上高は、2023年4月の薬価改定の影響を受け、腎性貧血治療薬合計で46億52百万円(前期比43百万円・0.9%減)となりました。2025年3月期につきましても、減収を見込んでおります。
再生医療等製品「テムセル®HS注」につきましては、前期比1億68百万円(4.9%)の減収となりました。2025年3月期につきましても、減収を見込んでおります。
国産初のライソゾーム病治療薬であるファブリー病治療薬「アガルシダーゼベータBS点滴静注JCR」につきましては、販売体制を強化したことにより前期比6億97百万円(72.2%)の増収となりました。2025年3月期につきましては、減収を見込んでおります。
契約金収入につきましては、前期比8億67百万円(13.3%)の増収となりました。2025年3月期につきましては、新たな契約締結を計画しており増収となる見込みです。
なお、売上高合計としましては、受託製造売上が減少する影響により減少する見込みです。
研究開発費につきましては、112億34百万円と前期比24億31百万円(27.6%)の増加となりました。研究開発活動につきましては、将来のさらなる飛躍に向けた重要な位置づけと捉え、今後数年間は積極的な投資を予定しており、2025年3月期につきましては130億円(当期比15.7%増・対売上高比31.5%)の研究開発費を見込んでおります。
その結果、営業利益は54億円(当期比28.3%減)、経常利益は46億円(当期比36.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億円(当期比32.8%減)を見込んでおります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの資本の財源および資金の流動性
・資金需要の主な内容
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費、人件費および販売費などの運転資金、ならびに生産および研究開発を目的とする設備投資に主たる資金需要が生じます。
なお、研究開発費につきましては、将来のさらなる飛躍に向けた重要な位置づけと捉え、今後数年間は積極的な投資を見込んでおります。
また、株主還元についても、経営上の重要な施策の一つとして位置づけております。剰余金の配当等につきましては、将来の利益の源泉となる新薬開発や経営体質強化のための内部留保を確保しつつ、業績およびキャッシュ・フローの状況を勘案しながら継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としており、ご期待に応える株主還元と財務の健全性のバランスを重視し、配当性向につきましては30%を目安としております。
・資金調達
これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、不足する場合は金融機関からの借入金による調達を実施しております。
当連結会計年度末時点の現金及び現金同等物残高は187億56百万円となっており、事業遂行に必要な資金を十分確保しております。
また、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間でバックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、当連結会計年度に総額400億円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、このうち170億円については、新製剤工場の建設に関する資金調達のために新たに締結したものでありま す。この新製剤工場の建設は、経済産業省「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に 採択されており、同事業における補助金を用いて当該建設を行いますが、当コミットメントライン契約につきまし ては、補助金受領までの必要資金に充当することを目的としたものであります。

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