有価証券報告書-第12期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 9:06
【資料】
PDFをみる
【項目】
61項目

対処すべき課題

医薬品産業は付加価値の高い製品を製造する産業の一つとしてわが国の経済成長への寄与が期待されておりますが、当社が担っている創薬事業は、失敗リスクを避ける傾向が強い日本においては常に厳しい環境に置かれております。しかし、会社及び事業の持続性に関わる企業の社会的責任の遂行も強く求められております。
このような中、当社は対処すべき課題について以下のように考えております。
(1) 創薬研究開発の推進
当社は「PC-SOD NE(吸入製剤)」の日韓共同の第Ⅱ相臨床試験について、平成26年9月頃の終了を目標として最終症例固定化作業を進めております。また、同時並行で製薬会社へのライセンス活動も積極的に行っております。
一方、その他のパイプラインにつきましても、ライセンスアウトを視野に入れながら開発ステージアップに向けて着実に準備を進めて参ります。
(2) 新規テーマの立ち上げと人材育成
当事業年度は3つの新たなパイプラインを追加しましたが、パイプラインのさらなる充実のため、常に新しい研究開発テーマを検討し、現在探索的研究中のテーマを速やかに開発ステージに発展させることが重要であると考えております。
また、基幹技術であるDDS技術とDR研究による研究開発を進めるためには有能な人材の確保が重要であり、産学連携を中心とした他の研究機関との連携強化により日進月歩の科学技術を支えている大学などの外部研究者と緊密な連携を継続することが重要であると考えております。
(3) 企業の社会的責任の遂行
当社は、多様なステークホルダーの皆様から継続的に信頼をいただくために、企業の社会的責任の遂行が経営の重要課題であると認識し、全役員・社員がそれぞれの立場でコンプライアンス、牽制体制の構築、実践に取り組んでおります。
(4) 事業資金の確保
当社は製剤の特許期限切れによりロイヤリティ収入がほとんど望めず継続的に営業キャッシュフローのマイナスが発生しております。また、公的資金の助成は当社の申請事業が採択される保証はなく、北京泰徳製薬の受取配当金も毎期大きく変動します。
このため、今後の研究開発の進展に対応した資金需要を賄う方法として、ライセンスアウトはもとより共同開発の推進など多様な方法を検討し事業継続に注力して参ります。