四半期報告書-第128期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/14 13:07
【資料】
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【項目】
24項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、メディカルシステム、バイオCDMO、イメージング等を中心に売上を伸ばし、660,759百万円(前年同期比5.6%増)となりました。営業利益は、52,217百万円(前年同期比5.4%増)となりました。税金等調整前四半期純利益は、投資有価証券評価益の増加等により69,297百万円(前年同期比25.5%増)、当社株主帰属四半期純利益は54,412百万円(前年同期比31.5%増)となりました。
当第1四半期連結会計期間末では、総資産は棚卸資産、有形固定資産の増加等により240,278百万円増加し、4,374,589百万円(前年度末比5.8%増)となりました。負債は社債及び短期借入金の増加等により119,731百万円増加し、1,466,182百万円(前年度末比8.9%増)となりました。純資産は為替換算調整額の増加等により120,547百万円増加し、2,908,407百万円(前年度末比4.3%増)となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
セグメント前第1四半期
連結累計期間
(百万円)
当第1四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
ヘルスケア182,850206,82923,97913.1
マテリアルズ172,318154,460△17,858△10.4
ビジネスイノベーション188,233194,2406,0073.2
イメージング82,459105,23022,77127.6
連結合計625,860660,75934,8995.6

(事業セグメント別の営業利益)
セグメント前第1四半期
連結累計期間
(百万円)
当第1四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
ヘルスケア11,36210,323△1,039△9.1
マテリアルズ22,2999,347△12,952△58.1
ビジネスイノベーション14,20016,8562,65618.7
イメージング10,54223,30812,766121.1
全社費用及び
セグメント間取引消去
△8,853△7,6171,236-
連結合計49,55052,2172,6675.4

① ヘルスケア部門
本部門の連結売上高は、206,829百万円(前年同期比13.1%増)となりました。営業利益は、10,323百万円(前年同期比9.1%減)となりました。
メディカルシステム事業では、内視鏡、医療IT等の分野で販売が好調に推移したことにより、売上が増加しました。X線画像診断分野では、東南アジアを中心に超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FDR nano」の販売が伸長したことに加え、国内での販売が好調に推移し、売上が増加しました。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」や3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」を中心としたシステム・サービス販売が米国・欧州・中国等の海外市場を中心に伸長し、売上が増加しました。超音波診断分野では、据置型超音波診断装置の新製品「ARIETTA 850DI」「ARIETTA 650DI」の販売が日本を中心に伸長し、売上が堅調に推移しました。内視鏡分野では、粘膜の僅かな色の違いを強調し、内視鏡観察をサポートするLCI(Linked Color Imaging)をはじめとする画像強調機能を搭載した「7000システム」等の販売が日本・欧州・中国を中心に伸長し、売上が大幅に増加しました。体外診断(IVD)分野では、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・スライドの販売は堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)関連の検査試薬の需要低下を受けて、売上が減少しました。CT・MRI画像診断分野では、中南米や中東でのCT販売が伸長したことに加え、国内では半導体等部品不足の解消に伴いMRIの販売が順調に進捗し、売上が増加しました。
バイオCDMO事業では、バイオ医薬品の製造受託がデンマーク拠点で堅調に推移したこと等により、売上が増加しました。2023年6月には、日本・アジア市場におけるバイオ医薬品の開発・製造受託ビジネスを拡大するため、「富士フイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ・ジャパン㈱」を設立しました。今後、当社は日本・アジア・欧州・米国でグローバルかつ統一的なオペレーションを展開することで、事業の成長を一段と加速していきます。
ライフサイエンス事業では、培地の販売伸長や、細胞創薬支援が堅調に推移したことで売上が増加しました。培地のグローバル市場は、抗体医薬品の需要増や、細胞治療・遺伝子治療といった先端医療の発展に伴い成長が続いています。当社は米国・欧州・日本のグローバル生産体制で、バイオ医薬品の研究開発・製造を強力にサポートしていきます。
医薬品事業では、抗菌剤の需要回復や、COVID-19に対する国産ワクチンの治験薬受託製造が寄与し、売上が増加しました。
コンシューマーヘルスケア事業では、化粧品の新製品「ASTALIFT THE SERUM BRIGHTENING
(アスタリフト ザ セラム ブライトニング)」が販売を伸ばしましたが、サプリメントの販売減少等により、事業全体では売上が減少しました。2023年6月には、化粧水「ASTALIFT ADVANCED LOTION(アスタリフト アドバンスドローション)」とクリーム「ASTALIFT ADVANCED CREAM
(アスタリフト アドバンスドクリーム)」の発売を発表しました。今後も顧客のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。
② マテリアルズ部門
本部門の連結売上高は、154,460百万円(前年同期比10.4%減)となりました。営業利益は、9,347百万円(前年同期比58.1%減)となりました。
電子材料事業では、半導体市場の市況軟化の影響を受けて売上が減少しました。2023年5月には、米国Entegris社の半導体用プロセスケミカル事業の買収を発表しました。本買収により、製品ラインアップ拡充による顧客提案力強化を通じて新規ビジネスのさらなる拡大を図っていきます。また、今後の半導体市場拡大を見据えて、2023年4月には欧州における半導体材料工場の製造設備増強、2023年5月には台湾における最先端半導体材料工場の新設を発表しました。積極的な設備投資を継続し、高品質材料の安定生産や強固なグローバル製造体制を構築していきます。
ディスプレイ材料事業では、COVID-19流行下での特需の反動によるサプライチェーン全体での生産調整の影響が継続しており、売上が減少しました。
産業機材事業では、大手IT企業によるデータセンター建設への投資抑制を受けたデータアーカイブ用のテープ需要停滞や、業務用PCの需要低迷の影響を受けたタッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売減少等により、売上が減少しました。
ファインケミカル事業では、重合材料等の欧州での需要低迷の影響を受け、化成品販売が減少したことにより、売上が減少しました。
グラフィックコミュニケーション事業では、刷版材料分野において日本・欧米を中心とした印刷物需要減の影響等により、売上が減少しました。デジタル印刷分野においては、2023年4月に、新たに米国・英国・フランス・カナダにおいて当社デジタル印刷機(Print On Demand)の販売を開始したことに加えて、日本及びアジアパシフィック市場向けの、カラー中高速クラスのプロダクションカラープリンター「Revoria Press EC1100」及び「Revoria Press SC180 / SC170」の販売を開始する等、さらなる事業拡大を図っています。
インクジェット事業では、セラミック市場向けインクジェットヘッドの販売が、欧州・中国市場の需要低迷の影響を受け減少したこと等により、売上が減少しました。
③ ビジネスイノベーション部門
本部門の連結売上高は、194,240百万円(前年同期比3.2%増)となりました。営業利益は、16,856百万円(前年同期比18.7%増)となりました。
オフィスソリューション事業では、新規OEMの拡大、ワールドワイドでの価格改定等があるも、欧米向け輸出が減少したこと等により、売上が減少しました。
ビジネスソリューション事業では、自治体向け売上が国内で増加したことや、2022年度に買収した豪州MicroChannel Services社が寄与したこと等により、売上が増加しました。2023年6月には、国内で自治体による罹災証明書交付の迅速化に向けて「被害調査統合システム」と「家屋被害判定アプリ」の提供を開始しました。また、お客様のDX活動を通じた成功体験 CHX(カストマー・ハッピー・エクスペリエンス)を実現するソリューション・サービスとして、IT資産の可視化や運用/管理から環境改善支援まで、お客様のニーズに合わせてワンストップで提供するITサポートサービス「IT Expert Services」を発表しました。今後も当社はお客様のIT環境をより深く理解し、最新のセキュリティー対策や新たなITの活用によるDXの推進等を通じて、お客様に求められるサービスを提供することで、ビジネスソリューション事業の成長を加速していきます。
④ イメージング部門
本部門の連結売上高は、105,230百万円(前年同期比27.6%増)となりました。営業利益は、23,308百万円(前年同期比121.1%増)となりました。
コンシューマーイメージング分野では、インスタントフォトシステム、カラーペーパー・ドライプリント機器及び材料の販売が好調に推移し、売上が増加しました。2023年6月には、スクエアフォーマットに対応した「INSTAX SQUARE SQ40」を発売しました。当社は、今後もINSTAX“チェキ”を通じてアナログとデジタルの技術を掛け合わせ、世界中の人々に「新たな価値」を提供していきます。
プロフェッショナルイメージング分野では、デジタルカメラ「Xシリーズ」にて、前年度に発売した「X-H2」「X-H2S」「X-T5」を中心に販売が好調に推移し、売上が大幅に増加しました。2023年6月には、小型軽量ボディに大容量バッテリー・高性能AF・動画撮影機能を搭載したオールインワンモデル「X-S20」を発売しました。今後も、「GFXシリーズ」ではラージフォーマットによる圧倒的高画質を、「X シリーズ」では画質とサイズのベストバランスを実現し、魅力的な製品を提供していきます。また、2023年4月には、世界最望遠1600mm※・光学40倍ズームを実現し、監視や点検等の幅広い用途で活用可能なレンズ一体型超遠望カメラ「FUJIFILM SX1600」を発売しました。当社は幅広いレンズ製品の開発で培った独自の光学技術と最先端の画像処理技術を駆使し、今後もお客様や市場のニーズに応える画期的な製品の開発に取り組んでいきます。
※ レンズ一体型遠望カメラとして。2023年4月6日現在。当社調べ。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より18,580百万円減少し、当第1四半期連結会計期間末においては250,028百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は74,671百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して59,944百万円増加(前年同期比407.0%増)しておりますが、これは棚卸資産の増加額が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は98,545百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して16,514百万円増加(前年同期比20.1%増)しておりますが、これは有形固定資産の購入額が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は13,341百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して110,572百万円増加(前第1四半期連結累計期間は97,231百万円の収入)しておりますが、これは長期債務による調達額が減少したこと等によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、38,638百万円(前年同期比2.8%増)であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 重要な会計上の見積り
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容④重要な会計上の見積り」の記載について重要な変更はありません。