有価証券報告書-第125期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結売上高は、バイオCDMO事業、医薬品事業、電子材料事業等で売上を伸ばしましたが、フォトイメージング事業、光学・電子映像事業、ドキュメント事業の売上減少等により2,192,519百万円(前年度比5.3%減)となりました。営業利益は、165,473百万円(前年度比11.3%減)となりました。税金等調整前当期純利益は235,870百万円(前年度比36.3%増)、当社株主帰属当期純利益は181,205百万円(前年度比45.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
イメージング ソリューション部門の連結売上高は、前年度の332,603百万円に対し、カラーペーパー等の販売の減少やCOVID-19の影響による店舗の休業や外出規制により47,367百万円減少し、285,236百万円となりました。ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門の連結売上高は、前年度の1,024,209百万円に対し、バイオCDMO事業、医薬品事業、電子材料事業等で売上を伸ばしたことにより28,384百万円増加し、1,052,593百万円となりました。ドキュメント ソリューション部門の連結売上高は、前年度の958,329百万円に対し、COVID-19の影響や為替の円高影響等により103,639百万円減少し、854,690百万円となりました。
(事業セグメント別の営業利益)
イメージング ソリューション部門の営業利益は、前年度の25,076百万円に対し、COVID-19や為替の影響等により9,485百万円減少し、15,591百万円となりました。ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門の営業利益は、前年度の92,402百万円に対し、バイオCDMO事業、ディスプレイ材料事業等で売上を伸ばしたことにより15,105百万円増加し、107,507百万円となりました。また、ドキュメント ソリューション部門の営業利益は、前年度の105,045百万円に対し、COVID-19や為替の影響等により31,761百万円減少し、73,284百万円となりました。
当連結会計年度末では、総資産は営業権の増加等により、227,511百万円増加し3,549,203百万円(前年度末比6.8%増)となりました。負債は社債及び借入金の減少等により889百万円減少し、1,327,046百万円(前年度末比0.1%減)となりました。純資産は当社株主帰属当期純利益等により228,400百万円増加し、2,222,157百万円(前年度末比11.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、為替変動による影響等を合わせて、前連結会計年度末より1,296百万円減少し、当連結会計年度末において394,795百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により得られた資金は420,861百万円となり、前連結会計年度と比較して165,194百万円(64.6%)増加しておりますが、これは前払費用及びその他の流動資産が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動に使用した資金は279,381百万円となり、前連結会計年度と比較して34,531百万円(14.1%)増加しておりますが、これは事業の買収による支出や固定資産の購入等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動に使用した資金は163,093百万円となり、前連結会計年度と比較して87,850百万円(35.0%)減少しておりますが、これは前連結会計年度において非支配持分との資本取引による支出があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量・構造・形式等は必ずしも一様ではなく、また、受注生産形態は基本的にとっておらず、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
販売の実績につきましては、「① 財政状態及び経営成績の状況」の記載に含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(連結キャッシュ・フロー指標)
ⅱ)財務政策
当社グループの資金需要には、運転資金需要及び投資を目的とした資金需要、株主還元のための資金需要が含まれます。
運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用によるものであり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収を含む投融資等によるものであります。また、株主還元の方針は次のとおりであります。
(株主還元方針)
配当につきましては、連結業績を反映させるとともに、成長事業のさらなる拡大に向けたM&A、設備投資、研究開発投資等、将来にわたって企業価値を向上させていくために必要となる資金の水準等も考慮した上で決定いたします。また、その時々のキャッシュ・フローを勘案し、株価推移に応じて自己株式の取得も機動的に実施していきます。株主還元方針については、配当を重視し、配当性向25%以上を目標としております。
これらの資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末の残高の内訳は、短期の社債及び借入金63,729百万円、長期の社債及び借入金439,351百万円となっております。
② 経営成績
ⅰ)売上高、営業費用及び営業利益
当連結会計年度の売上高は、前年度の2,315,141百万円に対し、122,622百万円減少し、2,192,519百万円(前年度比5.3%減)となりました。国内売上高は927,910百万円(前年度比7.6%減)、海外売上高は1,264,609百万円(前年度比3.5%減)となりました。実績為替レートは106円/米ドル(前年度比3円高)、124円/ユーロ(前年度比3円安)となりました。
販売費及び一般管理費は、前年度の610,043百万円に対し57,975百万円減少し、552,068百万円(前年度比9.5%減)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.3%となりました。
研究開発費は、前年度の157,880百万円に対し5,730百万円減少し、152,150百万円(前年度比3.6%減)となりました。研究開発費の売上高に対する比率は6.9%でした。
セグメントの業績は次のとおりであります。
「イメージング ソリューション部門」
本部門の連結売上高は、285,236百万円(前年度比14.2%減)となりました。営業利益は、15,591百万円(前年度比37.8%減)となりました。
フォトイメージング事業では、COVID-19流行拡大によるイベント自粛・中止の影響等により、売上は減少しましたが、撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムが下期では前年を上回る売上となりました。インスタントフォトシステムは、自宅での時間を充実させる新たな楽しみ方についてのSNSを通じた提案や、オンライン販売を強化したことで、欧米、中国を中心に販売が回復しています。スマートフォン用プリンター「instax mini Link」やインスタントカメラ「instax mini 11」の販売が好調に推移し、2020年11月に発売した人気のスクエアフォーマットのフィルムに対応したエントリーモデル「instax SQUARE SQ1」も売上の増加に寄与しました。プリントサービスでは、2020年4月に、フォトブック「Year Album」に、AI技術を活用し、ユーザーの趣味嗜好に合った画像選択とレイアウトを自動作成、提案するパーソナライズ機能等を新たに搭載し、好評を得ています。今後も多様化する顧客のニーズに応え、便利で付加価値の高い製品・サービスを提供するとともに、「撮る、残す、飾る、そして贈る」という写真本来の価値を世界中で伝え続けていきます。
光学・電子映像事業の電子映像分野では、COVID-19影響による需要減を受けて売上が減少した上期に対して、下期は前年実績を上回る水準まで回復しました。2020年11月に発売したミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-S10」が、小型ボディながら高性能手振れ補正と大型グリップ搭載が好評を得て、Xマウントのユーザー層拡大に貢献しました。また、2021年2月に発売した「FUJIFILM GFX100S」は、同時発売のレンズ「フジノンレンズGF80mmF1.7 R WR」と合わせて、ラージフォーマットによる最高画質を小型ボディで楽しめることから世界各地で高い評価を受け、想定を上回る販売となりました。今後も特長ある魅力的な製品を供給して市場の活性化を図るとともに、写真を撮る悦びを提供していきます。
光学デバイス分野では、各種イベント・撮影中止に伴い包装・シネマ用レンズの販売が減少しましたが、監視ズームレンズ・一体型監視カメラの販売は第2四半期以降前年を上回る販売を続けています。同分野では、超短焦点プロジェクターや長焦点監視カメラの開発・発売のほか、マルチスペクトルカメラシステムを新たに開発する等、事業領域の拡大を進め、多様な市場ニーズに応える画期的な製品を開発し続けることで、事業成長を図っていきます。
「ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門」
本部門の連結売上高は、1,052,593百万円(前年度比2.8%増)となりました。営業利益は、107,507百万円(前年度比16.3%増)となりました。
メディカルシステム事業では、COVID-19の流行拡大により病院への営業活動自粛や商談遅延等一部影響を受けたものの、COVID-19関連の検査に有用な製品(超軽量移動型デジタルX線撮影装置、超音波画像診断装置)の需要拡大等により、第3四半期に続き、第4四半期の売上も前年を上回りました。抗菌材料分野では、銀系材料と超親水ポリマーを組み合わせることにより、長時間にわたり高い抗菌・抗ウイルス性能が持続する独自の抗菌技術「Hydro Ag+(ハイドロ エージー プラス)」を活用したアルコール製剤、薬用ハンドジェル、抗菌フィルムの販売が急増し、売上が大幅に増加しました。X線画像診断分野では、欧米・アジアを中心に病室内の病床を移動しながら撮影可能な超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」及び「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」の旺盛な需要が継続し、販売が好調に推移しました。超音波診断分野では、欧州や日本を中心としたCOVID-19流行下での需要増にタイムリーに対応したことに加え、2020年7月に米国、同8月に欧州、2021年1月に日本で販売を開始した超音波画像診断装置「Sonosite PX」の販売が好調に推移し、売上が増加しました。医療IT分野では、3次元画像解析システム(3D)「SYNAPSE VINCENT」等医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステム販売が日本を中心に堅調に推移しました。2021年2月に、放射線治療計画支援ソフトウェア「SYNAPSE Radiotherapy」の販売を開始しました。これまで提供してきた放射線診療科向けソリューションに放射線治療科向けソリューションを加え、放射線科全体のワークフローを支援していきます。内視鏡分野では、特殊光観察が可能な「7000システム」等の販売が中国において堅調に推移しました。体外診断(IVD)分野では、上期に国内外ともにCOVID-19流行の影響を受けたものの、下期は海外の動物市場を中心に血液生化学検査「富士ドライケム」機器・スライドの販売が好調に推移しました。また、2021年3月31日には㈱日立製作所の画像診断関連事業の買収が完了し、当該事業を継承した「富士フイルムヘルスケア㈱」が新しいグループ会社としてスタートしました。
医薬品事業では、期首より、COVID-19治療薬としての承認が期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の増産に向けて、富士フイルム和光純薬㈱や国内外の協力企業と新たなサプライチェーンを構築しました。日本政府から要請のあった国家備蓄積み増し(164百万錠)や、提携先であるインド大手製薬企業Dr. Reddy's Laboratories Ltd.、及び世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aidからのライセンス収入、海外への提供等により、売上は増加しました。当社グループは、高付加価値な医薬品の提供を通じて、医療のさらなる発展に貢献していきます。
バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託及び製造受託が好調に推移し、売上が増加しました。事業成長を一段と加速させるため、2020年6月には、約1,000億円を投じてデンマーク拠点に製造設備を増強することを発表しました。2021年1月には、米国ノースカロライナの第2サイトとしてバイオ医薬品の大型製造拠点を新設するため、2,000億円を超える大規模投資を行うことを発表しました。原薬の大量製造受託のみならず、製剤・包装までワンサイト・ワンストップで対応できる体制を米国に構築し、2025年春に稼働させる予定です。また、今後の市場拡大が見込まれている遺伝子治療分野において、米国ボストンに約40億円を投じて遺伝子治療薬のプロセス開発・原薬製造受託拠点を新設し、2021年秋より順次稼働させる予定です。今後も、高品質な医薬品の安全供給を通じて顧客の新薬創出をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応等社会課題の解決、及びヘルスケア産業の発展に貢献していきます。
再生医療事業では、FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(米国)が展開するバイオ医薬品製造用途の培地販売が好調に推移し、売上が増加しました。また、FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.(米国)が展開する医薬品候補化合物の評価試験等に使用するiPS細胞由来分化細胞を、製薬企業やアカデミアに提供する創薬支援事業、及び次世代がん免疫治療薬に使用する他家iPS細胞の開発受託事業が好調でした。2021年3月には、バイオ医療領域の事業ポートフォリオ最適化の一環として、㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの全保有株式を、帝人㈱へ譲渡しました。自社の強みを最大化できる細胞・培地にフォーカスして、創薬支援事業のさらなる強化を図るとともに、今後、市場が立ち上がり大きな成長が見込まれる細胞治療薬において、パートナーと連携した効率的な研究開発や、開発受託事業の拡大を進めていきます。
ライフサイエンス事業では、新製品を中心に化粧品の販売が好調だったことに加え、サプリメント「メタバリアEX」等が好調に推移し、全体の売上が増加しました。2020年4月には、「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける」機能を持つ、機能性表示食品「アスタリフト サプリメント ホワイトシールド」と「アスタリフト ドリンク ホワイトシールド」を、2020年9月には、水分を保持し肌のうるおいをキープする成分を配合したベースメイクアイテム「アスタリフト ルミナス エッセンス」、弾ける泡で肌を引き締める美容液「アスタリフト スパークル タイト セラム」を発売しました。さらに2021年3月には、2010年9月の発売以来、ロングセラー商品となっているジェリー状先行美容液「アスタリフト ジェリー アクアリスタ」に美白有効成分と独自の美容成分を配合した「アスタリフト ホワイト ジェリー アクアリスタ」を発売しました。今後も顧客のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。
ディスプレイ材料事業では、COVID-19流行下でのモニター及びタブレット需要の増加や、TVの販売好調に加えて、スマートフォン需要の回復に伴い、各種の高機能フィルム製品の販売が好調に推移し、全体の売上が増加しました。
産業機材事業では、COVID-19流行拡大の影響を受けて非破壊検査用機器・材料等の販売が減少しましたが、在宅勤務・在宅学習向けのモバイルPC需要が増加したことにより、タッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売が好調に推移しました。
電子材料事業では、COVID-19流行下での在宅勤務拡大を背景としたデータセンター用サーバーや、スマートフォンをはじめとする先端ロジック向けを中心に、CMPスラリーや先端レジスト、現像液等幅広い製品群で販売が好調に推移し、売上が増加しました。拡大する半導体需要に対し、当社は先端プロセス用材料を軸としてさらなる事業成長を図るとともに、5G/IoT時代における社会価値創造に貢献していきます。
ファインケミカル事業では、COVID-19の流行拡大により大学や企業の研究活動が停滞し、試薬の需要減少等の影響を受けた一方で、需要が増加した消毒用エタノール等の販売が堅調に推移し、全体の売上が増加しました。
記録メディア事業では、COVID-19流行下で在宅勤務等に対応する通信インフラの能力増強が優先され、データアーカイブへの投資が抑制されたこと等を背景にテープ需要が落ち込み、売上は減少しました。中長期的なデータ量の増加傾向及びテープの優位性に変化はなく、足元のアーカイブ需要も回復基調にある中で、ビッグデータ時代の顧客ニーズに対応する製品やサービスの拡充によって、事業成長を図っていきます。
グラフィックシステム事業では、刷版材料分野において、COVID-19流行拡大の影響による需要の減少を受けて売上が減少しました。デジタル印刷分野では、デジタル化が進む商業印刷及びパッケージ印刷市場に対して、インクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」を中心とした画期的な製品を今後も開発・提供することで事業成長を図っていきます。
インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売が中国のセラミック市場での需要増により堅調に推移しました。インクの販売は、COVID-19流行拡大の影響で需要が減少していましたが、ワイドフォーマット市場向けUVインクを中心に下期から回復してきました。また、用途が拡大する産業用インクジェット市場の需要拡大を見据え、水性顔料インクジェットインク用色材である顔料分散液の製造設備を米国に新設することを決定しました。インクジェット市場のニーズにあわせたグローバルな生産体制を構築し、事業成長を一段と加速させていきます。
「ドキュメント ソリューション部門」
本部門の連結売上高は、854,690百万円(前年度比10.8%減)となりました。営業利益は、73,284百万円(前年度比30.2%減)となりました。
オフィスプロダクト&プリンター事業のオフィスプロダクト分野で、日本・中国及びアジアパシフィック地域のそれぞれで販売台数が前年を上回りました。オフィスプリンター分野は、販売台数が前年から減少しました。国内では、全国のセブン-イレブン店頭に設置されたマルチコピー機を利用した「ネットプリント®サービス」の需要が拡大しました。また、「FUJIFILM」ブランドによるグローバル展開に当たって、2021年4月にはデザインを一新し、セキュリティ機能を強化したデジタルカラー複合機及びプリンター「Apeos」の新製品を発売しました。
プロダクションサービス事業では、COVID-19流行拡大の影響による経済の先行き不透明感から顧客が投資を抑制したことで、販売台数は前年から減少しました。
ソリューション&サービス事業では、COVID-19流行拡大の影響を受けて、営業活動が制限されたこと等により、全体の売上が減少しましたが、在宅勤務を始めとする新たな働き方を支援するソリューションの販売が好調に推移し、第4四半期では前年を上回る売上となりました。電子文書を紙文書と同じような操作性で扱うことができる、ドキュメント・ハンドリングソフトウェアの「DocuWorks®」は、国内外でこれまで累計777万ライセンスの販売をしています。また、外出先や移動中のスキマ時間を活用し、安全・快適にテレワークを行える個室型ワークスペース「CocoDesk」の利用も増加しています。今後も新しいソリューション&サービスメニューを順次提供し、顧客の多様化する働き方を支援していくとともに、当領域でのさらなる成長を目指します。
ⅱ)営業外損益及び税金等調整前当期純利益
営業外収益及び費用は、前年度13,499百万円の営業外費用に対し、70,397百万円の営業外収益となりました。
税金等調整前当期純利益は、前年度の173,071百万円に対し62,799百万円増加し、235,870百万円となりました。
ⅲ)法人税等
法人税等は、前年度の36,114百万円に対し19,497百万円増加し、55,611百万円となりました。
ⅳ)持分法による投資損益及び非支配持分帰属損益
持分法による投資損益は、前年度1,341百万円の利益に対し1,857百万円増加し、3,198百万円の利益となりました。
非支配持分帰属損益は、前年度の13,311百万円に対し11,059百万円減少し、2,252百万円となりました。
ⅴ)当社株主帰属当期純利益
当社株主帰属当期純利益は、前年度の124,987百万円に対し56,218百万円増加し、181,205百万円となりました。基本的1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の306.18円に対し、453.28円となりました。また、希薄化後1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の305.22円に対し、451.75円となりました。
③ 次期の見通し
(単位:億円)
2021年度業績は、連結売上高は2兆4,400億円(前年度比11.3%増)、営業利益は1,800億円(前年度比8.8%増)、税金等調整前当期純利益は1,850億円(前年度比21.6%減)、当社株主帰属当期純利益は1,300億円(前年度比28.3%減)を予想しております。
通期での対米ドル円為替レートを104円、対ユーロ円為替レートを124円で想定しております。
④ 重要な会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす見積り及び仮定を行う必要があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
COVID-19の影響については、依然として収束の時期は見通せず、今後の当社への影響を予測することは極めて困難であります。最善な見積りを行う上での一定の仮定として、2021年度は各国で積極的に推進される拡張的な財政政策と緩和的な金融政策に支えられた景気回復が期待されるものの、当連結会計年度に大きく影響を受けた事業においてCOVID-19流行前までの需要が完全に回復しない状況や、変異株による感染拡大が長期化した場合のリスクを踏まえ、一部事業においては一定期間にわたり当該影響が継続する可能性があるとの前提で、会計上の見積りを行っております。
なお、COVID-19による経済活動への影響は不確実性が高いため、上記仮定に変化が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ)企業結合
企業結合は取得法で処理しております。取得法では、取得した全ての資産及び引き受けた全ての負債を、支配獲得日における公正価値に基づき認識及び測定します。公正価値の決定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
企業結合の処理における公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化に伴い公正価値が修正され、取得した資産の将来における減損損失の計上、引き受けた負債の増加につながる可能性があります。
なお、当事業年度に実施した事業買収については、連結財務諸表注記「22 事業買収及び子会社株式の売却」に記載しております。
ⅱ)営業権の減損
営業権は償却せず、毎年1月1日時点で減損の有無を検討しております。営業権の減損テストは、当社の報告単位毎に見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値に基づいて行われており、使用される割引率は、報告単位のWACC(加重平均資本コスト)に基づいて算出しております。また、客観的事実や状況の変化により当該資産の公正価値が帳簿価額を下回る可能性がある場合には、その都度減損の有無を検討しております。
見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値の算定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
営業権の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において営業権の減損損失を認識することになる可能性があります。
なお、オペレーティングセグメント毎の営業権の残高については、連結財務諸表注記「8 営業権及びその他の無形資産」に記載しております。
ⅲ)長期性資産の減損
営業権及び耐用年数を確定できないその他の無形固定資産を除く、保有及び使用予定の長期性資産について、客観的事実や状況の変化により当該資産の帳簿価額の回収可能性に疑いのある場合には、減損の有無を検討しております。減損の兆候があると判断されるときは、その資産に関連する見積割引前将来キャッシュ・フローとその資産の帳簿価額を比較し、帳簿価額の減額が必要かどうかを検討しております。この結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを超過すると判断される場合は、当該資産の帳簿価額を見積公正価値へ減額処理しております。公正価値を決定するにあたり、当社は市場取引価格又はその他の評価方法を使用しております。市場取引価格を利用できない場合には、主に資産の使用や最終的な処分から生じる見積将来キャッシュ・フローに基づく割引現在価値法、ロイヤルティ免除法又は超過収益法を使用しております。
これらの手法は、将来見積利益又はキャッシュ・フローの予測及び割引率等の、重要な見積りを伴います。
長期性資産の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において長期性資産の減損損失を認識することになる可能性があります。
ⅳ)退職給付引当金及び退職給付費用
当社の一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しており、当該制度に係る退職給付引当金及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出しております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待収益率、予想再評価率、退職率、死亡率等が含まれております。
数理計算上の仮定は、最善の見積りにより決定しておりますが、見直しが必要となった場合には、退職給付引当金及び退職給付費用が増加する可能性があります。
なお、数理計算上の仮定については連結財務諸表注記「10 退職給付制度」に記載しております。
ⅴ)貸倒引当金
営業債権、リース債権及びその他の債権に対する貸倒引当金は、過去の貸倒実績、延滞状況及び問題が生じている取引先の財政状態に基づき決定しております。裁判所による決定等によって、回収不能であることが明らかになった場合は、その時点で帳簿価額を直接減額しております。
貸倒引当金は、過去の実績や評価時点で利用可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で見積りを行っていますが、相手先の財政状態が悪化した場合等見積りの根拠となる仮定又は条件等が変化した場合には、貸倒引当金を積み増すことになる可能性があります。
なお、貸倒引当金の残高については、連結財務諸表注記「20 金融債権の状況」に記載しております。
ⅵ)繰延税金資産
資産及び負債の財務会計上の金額と税務上の金額の差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その算出にあたっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。また、繰延税金資産のうち回収されない可能性が高い部分については、評価性引当金を計上しております。
回収可能性の検討にあたっては、評価時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っておりますが、見積りの前提とした仮定や条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
なお、繰延税金資産の残高については、連結財務諸表注記「11 法人税等」に記載しております。
ⅶ)棚卸資産
棚卸資産については、原則として移動平均法による低価法により評価しております。また、当社は定期的に陳腐化、滞留、又は過剰在庫の有無を検討し、該当する場合には正味実現可能価額まで評価減しております。
評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績や評価時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が下落する場合には、追加の評価損計上が必要となる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結売上高は、バイオCDMO事業、医薬品事業、電子材料事業等で売上を伸ばしましたが、フォトイメージング事業、光学・電子映像事業、ドキュメント事業の売上減少等により2,192,519百万円(前年度比5.3%減)となりました。営業利益は、165,473百万円(前年度比11.3%減)となりました。税金等調整前当期純利益は235,870百万円(前年度比36.3%増)、当社株主帰属当期純利益は181,205百万円(前年度比45.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
| セグメント | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | 増減率 (%) |
| イメージング ソリューション | 332,603 | 285,236 | △47,367 | △14.2 |
| ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション | 1,024,209 | 1,052,593 | 28,384 | 2.8 |
| ドキュメント ソリューション | 958,329 | 854,690 | △103,639 | △10.8 |
| 連結合計 | 2,315,141 | 2,192,519 | △122,622 | △5.3 |
イメージング ソリューション部門の連結売上高は、前年度の332,603百万円に対し、カラーペーパー等の販売の減少やCOVID-19の影響による店舗の休業や外出規制により47,367百万円減少し、285,236百万円となりました。ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門の連結売上高は、前年度の1,024,209百万円に対し、バイオCDMO事業、医薬品事業、電子材料事業等で売上を伸ばしたことにより28,384百万円増加し、1,052,593百万円となりました。ドキュメント ソリューション部門の連結売上高は、前年度の958,329百万円に対し、COVID-19の影響や為替の円高影響等により103,639百万円減少し、854,690百万円となりました。
(事業セグメント別の営業利益)
| セグメント | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | 増減率 (%) |
| イメージング ソリューション | 25,076 | 15,591 | △9,485 | △37.8 |
| ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション | 92,402 | 107,507 | 15,105 | 16.3 |
| ドキュメント ソリューション | 105,045 | 73,284 | △31,761 | △30.2 |
| 全社費用及び セグメント間取引消去 | △35,953 | △30,909 | 5,044 | - |
| 連結合計 | 186,570 | 165,473 | △21,097 | △11.3 |
イメージング ソリューション部門の営業利益は、前年度の25,076百万円に対し、COVID-19や為替の影響等により9,485百万円減少し、15,591百万円となりました。ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門の営業利益は、前年度の92,402百万円に対し、バイオCDMO事業、ディスプレイ材料事業等で売上を伸ばしたことにより15,105百万円増加し、107,507百万円となりました。また、ドキュメント ソリューション部門の営業利益は、前年度の105,045百万円に対し、COVID-19や為替の影響等により31,761百万円減少し、73,284百万円となりました。
当連結会計年度末では、総資産は営業権の増加等により、227,511百万円増加し3,549,203百万円(前年度末比6.8%増)となりました。負債は社債及び借入金の減少等により889百万円減少し、1,327,046百万円(前年度末比0.1%減)となりました。純資産は当社株主帰属当期純利益等により228,400百万円増加し、2,222,157百万円(前年度末比11.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、為替変動による影響等を合わせて、前連結会計年度末より1,296百万円減少し、当連結会計年度末において394,795百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により得られた資金は420,861百万円となり、前連結会計年度と比較して165,194百万円(64.6%)増加しておりますが、これは前払費用及びその他の流動資産が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動に使用した資金は279,381百万円となり、前連結会計年度と比較して34,531百万円(14.1%)増加しておりますが、これは事業の買収による支出や固定資産の購入等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動に使用した資金は163,093百万円となり、前連結会計年度と比較して87,850百万円(35.0%)減少しておりますが、これは前連結会計年度において非支配持分との資本取引による支出があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量・構造・形式等は必ずしも一様ではなく、また、受注生産形態は基本的にとっておらず、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
販売の実績につきましては、「① 財政状態及び経営成績の状況」の記載に含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(連結キャッシュ・フロー指標)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 株主資本比率(%) | 58.8 | 62.1 |
| 時価ベースの株主資本比率(%) | 65.4 | 74.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 2.5 | 1.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 110.4 | 163.3 |
| (注)株主資本比率 | :株主資本/総資産 |
| 時価ベースの株主資本比率 | :株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数*)/総資産 *自己株式を除く |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | :有利子負債(社債、短期・長期借入金)/営業キャッシュ・フロー |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | :営業キャッシュ・フロー/利払い(支払利息) |
ⅱ)財務政策
当社グループの資金需要には、運転資金需要及び投資を目的とした資金需要、株主還元のための資金需要が含まれます。
運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用によるものであり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収を含む投融資等によるものであります。また、株主還元の方針は次のとおりであります。
(株主還元方針)
配当につきましては、連結業績を反映させるとともに、成長事業のさらなる拡大に向けたM&A、設備投資、研究開発投資等、将来にわたって企業価値を向上させていくために必要となる資金の水準等も考慮した上で決定いたします。また、その時々のキャッシュ・フローを勘案し、株価推移に応じて自己株式の取得も機動的に実施していきます。株主還元方針については、配当を重視し、配当性向25%以上を目標としております。
これらの資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末の残高の内訳は、短期の社債及び借入金63,729百万円、長期の社債及び借入金439,351百万円となっております。
② 経営成績
ⅰ)売上高、営業費用及び営業利益
当連結会計年度の売上高は、前年度の2,315,141百万円に対し、122,622百万円減少し、2,192,519百万円(前年度比5.3%減)となりました。国内売上高は927,910百万円(前年度比7.6%減)、海外売上高は1,264,609百万円(前年度比3.5%減)となりました。実績為替レートは106円/米ドル(前年度比3円高)、124円/ユーロ(前年度比3円安)となりました。
販売費及び一般管理費は、前年度の610,043百万円に対し57,975百万円減少し、552,068百万円(前年度比9.5%減)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.3%となりました。
研究開発費は、前年度の157,880百万円に対し5,730百万円減少し、152,150百万円(前年度比3.6%減)となりました。研究開発費の売上高に対する比率は6.9%でした。
セグメントの業績は次のとおりであります。
「イメージング ソリューション部門」
本部門の連結売上高は、285,236百万円(前年度比14.2%減)となりました。営業利益は、15,591百万円(前年度比37.8%減)となりました。
フォトイメージング事業では、COVID-19流行拡大によるイベント自粛・中止の影響等により、売上は減少しましたが、撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムが下期では前年を上回る売上となりました。インスタントフォトシステムは、自宅での時間を充実させる新たな楽しみ方についてのSNSを通じた提案や、オンライン販売を強化したことで、欧米、中国を中心に販売が回復しています。スマートフォン用プリンター「instax mini Link」やインスタントカメラ「instax mini 11」の販売が好調に推移し、2020年11月に発売した人気のスクエアフォーマットのフィルムに対応したエントリーモデル「instax SQUARE SQ1」も売上の増加に寄与しました。プリントサービスでは、2020年4月に、フォトブック「Year Album」に、AI技術を活用し、ユーザーの趣味嗜好に合った画像選択とレイアウトを自動作成、提案するパーソナライズ機能等を新たに搭載し、好評を得ています。今後も多様化する顧客のニーズに応え、便利で付加価値の高い製品・サービスを提供するとともに、「撮る、残す、飾る、そして贈る」という写真本来の価値を世界中で伝え続けていきます。
光学・電子映像事業の電子映像分野では、COVID-19影響による需要減を受けて売上が減少した上期に対して、下期は前年実績を上回る水準まで回復しました。2020年11月に発売したミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-S10」が、小型ボディながら高性能手振れ補正と大型グリップ搭載が好評を得て、Xマウントのユーザー層拡大に貢献しました。また、2021年2月に発売した「FUJIFILM GFX100S」は、同時発売のレンズ「フジノンレンズGF80mmF1.7 R WR」と合わせて、ラージフォーマットによる最高画質を小型ボディで楽しめることから世界各地で高い評価を受け、想定を上回る販売となりました。今後も特長ある魅力的な製品を供給して市場の活性化を図るとともに、写真を撮る悦びを提供していきます。
光学デバイス分野では、各種イベント・撮影中止に伴い包装・シネマ用レンズの販売が減少しましたが、監視ズームレンズ・一体型監視カメラの販売は第2四半期以降前年を上回る販売を続けています。同分野では、超短焦点プロジェクターや長焦点監視カメラの開発・発売のほか、マルチスペクトルカメラシステムを新たに開発する等、事業領域の拡大を進め、多様な市場ニーズに応える画期的な製品を開発し続けることで、事業成長を図っていきます。
「ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門」
本部門の連結売上高は、1,052,593百万円(前年度比2.8%増)となりました。営業利益は、107,507百万円(前年度比16.3%増)となりました。
メディカルシステム事業では、COVID-19の流行拡大により病院への営業活動自粛や商談遅延等一部影響を受けたものの、COVID-19関連の検査に有用な製品(超軽量移動型デジタルX線撮影装置、超音波画像診断装置)の需要拡大等により、第3四半期に続き、第4四半期の売上も前年を上回りました。抗菌材料分野では、銀系材料と超親水ポリマーを組み合わせることにより、長時間にわたり高い抗菌・抗ウイルス性能が持続する独自の抗菌技術「Hydro Ag+(ハイドロ エージー プラス)」を活用したアルコール製剤、薬用ハンドジェル、抗菌フィルムの販売が急増し、売上が大幅に増加しました。X線画像診断分野では、欧米・アジアを中心に病室内の病床を移動しながら撮影可能な超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」及び「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」の旺盛な需要が継続し、販売が好調に推移しました。超音波診断分野では、欧州や日本を中心としたCOVID-19流行下での需要増にタイムリーに対応したことに加え、2020年7月に米国、同8月に欧州、2021年1月に日本で販売を開始した超音波画像診断装置「Sonosite PX」の販売が好調に推移し、売上が増加しました。医療IT分野では、3次元画像解析システム(3D)「SYNAPSE VINCENT」等医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステム販売が日本を中心に堅調に推移しました。2021年2月に、放射線治療計画支援ソフトウェア「SYNAPSE Radiotherapy」の販売を開始しました。これまで提供してきた放射線診療科向けソリューションに放射線治療科向けソリューションを加え、放射線科全体のワークフローを支援していきます。内視鏡分野では、特殊光観察が可能な「7000システム」等の販売が中国において堅調に推移しました。体外診断(IVD)分野では、上期に国内外ともにCOVID-19流行の影響を受けたものの、下期は海外の動物市場を中心に血液生化学検査「富士ドライケム」機器・スライドの販売が好調に推移しました。また、2021年3月31日には㈱日立製作所の画像診断関連事業の買収が完了し、当該事業を継承した「富士フイルムヘルスケア㈱」が新しいグループ会社としてスタートしました。
医薬品事業では、期首より、COVID-19治療薬としての承認が期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の増産に向けて、富士フイルム和光純薬㈱や国内外の協力企業と新たなサプライチェーンを構築しました。日本政府から要請のあった国家備蓄積み増し(164百万錠)や、提携先であるインド大手製薬企業Dr. Reddy's Laboratories Ltd.、及び世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aidからのライセンス収入、海外への提供等により、売上は増加しました。当社グループは、高付加価値な医薬品の提供を通じて、医療のさらなる発展に貢献していきます。
バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託及び製造受託が好調に推移し、売上が増加しました。事業成長を一段と加速させるため、2020年6月には、約1,000億円を投じてデンマーク拠点に製造設備を増強することを発表しました。2021年1月には、米国ノースカロライナの第2サイトとしてバイオ医薬品の大型製造拠点を新設するため、2,000億円を超える大規模投資を行うことを発表しました。原薬の大量製造受託のみならず、製剤・包装までワンサイト・ワンストップで対応できる体制を米国に構築し、2025年春に稼働させる予定です。また、今後の市場拡大が見込まれている遺伝子治療分野において、米国ボストンに約40億円を投じて遺伝子治療薬のプロセス開発・原薬製造受託拠点を新設し、2021年秋より順次稼働させる予定です。今後も、高品質な医薬品の安全供給を通じて顧客の新薬創出をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応等社会課題の解決、及びヘルスケア産業の発展に貢献していきます。
再生医療事業では、FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(米国)が展開するバイオ医薬品製造用途の培地販売が好調に推移し、売上が増加しました。また、FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.(米国)が展開する医薬品候補化合物の評価試験等に使用するiPS細胞由来分化細胞を、製薬企業やアカデミアに提供する創薬支援事業、及び次世代がん免疫治療薬に使用する他家iPS細胞の開発受託事業が好調でした。2021年3月には、バイオ医療領域の事業ポートフォリオ最適化の一環として、㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの全保有株式を、帝人㈱へ譲渡しました。自社の強みを最大化できる細胞・培地にフォーカスして、創薬支援事業のさらなる強化を図るとともに、今後、市場が立ち上がり大きな成長が見込まれる細胞治療薬において、パートナーと連携した効率的な研究開発や、開発受託事業の拡大を進めていきます。
ライフサイエンス事業では、新製品を中心に化粧品の販売が好調だったことに加え、サプリメント「メタバリアEX」等が好調に推移し、全体の売上が増加しました。2020年4月には、「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける」機能を持つ、機能性表示食品「アスタリフト サプリメント ホワイトシールド」と「アスタリフト ドリンク ホワイトシールド」を、2020年9月には、水分を保持し肌のうるおいをキープする成分を配合したベースメイクアイテム「アスタリフト ルミナス エッセンス」、弾ける泡で肌を引き締める美容液「アスタリフト スパークル タイト セラム」を発売しました。さらに2021年3月には、2010年9月の発売以来、ロングセラー商品となっているジェリー状先行美容液「アスタリフト ジェリー アクアリスタ」に美白有効成分と独自の美容成分を配合した「アスタリフト ホワイト ジェリー アクアリスタ」を発売しました。今後も顧客のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。
ディスプレイ材料事業では、COVID-19流行下でのモニター及びタブレット需要の増加や、TVの販売好調に加えて、スマートフォン需要の回復に伴い、各種の高機能フィルム製品の販売が好調に推移し、全体の売上が増加しました。
産業機材事業では、COVID-19流行拡大の影響を受けて非破壊検査用機器・材料等の販売が減少しましたが、在宅勤務・在宅学習向けのモバイルPC需要が増加したことにより、タッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売が好調に推移しました。
電子材料事業では、COVID-19流行下での在宅勤務拡大を背景としたデータセンター用サーバーや、スマートフォンをはじめとする先端ロジック向けを中心に、CMPスラリーや先端レジスト、現像液等幅広い製品群で販売が好調に推移し、売上が増加しました。拡大する半導体需要に対し、当社は先端プロセス用材料を軸としてさらなる事業成長を図るとともに、5G/IoT時代における社会価値創造に貢献していきます。
ファインケミカル事業では、COVID-19の流行拡大により大学や企業の研究活動が停滞し、試薬の需要減少等の影響を受けた一方で、需要が増加した消毒用エタノール等の販売が堅調に推移し、全体の売上が増加しました。
記録メディア事業では、COVID-19流行下で在宅勤務等に対応する通信インフラの能力増強が優先され、データアーカイブへの投資が抑制されたこと等を背景にテープ需要が落ち込み、売上は減少しました。中長期的なデータ量の増加傾向及びテープの優位性に変化はなく、足元のアーカイブ需要も回復基調にある中で、ビッグデータ時代の顧客ニーズに対応する製品やサービスの拡充によって、事業成長を図っていきます。
グラフィックシステム事業では、刷版材料分野において、COVID-19流行拡大の影響による需要の減少を受けて売上が減少しました。デジタル印刷分野では、デジタル化が進む商業印刷及びパッケージ印刷市場に対して、インクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」を中心とした画期的な製品を今後も開発・提供することで事業成長を図っていきます。
インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売が中国のセラミック市場での需要増により堅調に推移しました。インクの販売は、COVID-19流行拡大の影響で需要が減少していましたが、ワイドフォーマット市場向けUVインクを中心に下期から回復してきました。また、用途が拡大する産業用インクジェット市場の需要拡大を見据え、水性顔料インクジェットインク用色材である顔料分散液の製造設備を米国に新設することを決定しました。インクジェット市場のニーズにあわせたグローバルな生産体制を構築し、事業成長を一段と加速させていきます。
「ドキュメント ソリューション部門」
本部門の連結売上高は、854,690百万円(前年度比10.8%減)となりました。営業利益は、73,284百万円(前年度比30.2%減)となりました。
オフィスプロダクト&プリンター事業のオフィスプロダクト分野で、日本・中国及びアジアパシフィック地域のそれぞれで販売台数が前年を上回りました。オフィスプリンター分野は、販売台数が前年から減少しました。国内では、全国のセブン-イレブン店頭に設置されたマルチコピー機を利用した「ネットプリント®サービス」の需要が拡大しました。また、「FUJIFILM」ブランドによるグローバル展開に当たって、2021年4月にはデザインを一新し、セキュリティ機能を強化したデジタルカラー複合機及びプリンター「Apeos」の新製品を発売しました。
プロダクションサービス事業では、COVID-19流行拡大の影響による経済の先行き不透明感から顧客が投資を抑制したことで、販売台数は前年から減少しました。
ソリューション&サービス事業では、COVID-19流行拡大の影響を受けて、営業活動が制限されたこと等により、全体の売上が減少しましたが、在宅勤務を始めとする新たな働き方を支援するソリューションの販売が好調に推移し、第4四半期では前年を上回る売上となりました。電子文書を紙文書と同じような操作性で扱うことができる、ドキュメント・ハンドリングソフトウェアの「DocuWorks®」は、国内外でこれまで累計777万ライセンスの販売をしています。また、外出先や移動中のスキマ時間を活用し、安全・快適にテレワークを行える個室型ワークスペース「CocoDesk」の利用も増加しています。今後も新しいソリューション&サービスメニューを順次提供し、顧客の多様化する働き方を支援していくとともに、当領域でのさらなる成長を目指します。
ⅱ)営業外損益及び税金等調整前当期純利益
営業外収益及び費用は、前年度13,499百万円の営業外費用に対し、70,397百万円の営業外収益となりました。
税金等調整前当期純利益は、前年度の173,071百万円に対し62,799百万円増加し、235,870百万円となりました。
ⅲ)法人税等
法人税等は、前年度の36,114百万円に対し19,497百万円増加し、55,611百万円となりました。
ⅳ)持分法による投資損益及び非支配持分帰属損益
持分法による投資損益は、前年度1,341百万円の利益に対し1,857百万円増加し、3,198百万円の利益となりました。
非支配持分帰属損益は、前年度の13,311百万円に対し11,059百万円減少し、2,252百万円となりました。
ⅴ)当社株主帰属当期純利益
当社株主帰属当期純利益は、前年度の124,987百万円に対し56,218百万円増加し、181,205百万円となりました。基本的1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の306.18円に対し、453.28円となりました。また、希薄化後1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の305.22円に対し、451.75円となりました。
③ 次期の見通し
(単位:億円)
| 2021年度 (次期の見通し) | 2020年度 (実績) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 24,400 | 21,925 | 11.3% |
| 営業利益 | 1,800 | 1,655 | 8.8% |
| 税金等調整前当期純利益 | 1,850 | 2,359 | △21.6% |
| 当社株主帰属当期純利益 | 1,300 | 1,812 | △28.3% |
| ROE(%) | 6.2 | 8.7 | 2.5ポイント減 |
| ROIC(%) | 4.6 | 4.3 | 0.3ポイント増 |
| 為替レート(円/米ドル) | 104円 124円 | 106円 124円 | △2円 0円 |
| 為替レート(円/ユーロ) |
2021年度業績は、連結売上高は2兆4,400億円(前年度比11.3%増)、営業利益は1,800億円(前年度比8.8%増)、税金等調整前当期純利益は1,850億円(前年度比21.6%減)、当社株主帰属当期純利益は1,300億円(前年度比28.3%減)を予想しております。
通期での対米ドル円為替レートを104円、対ユーロ円為替レートを124円で想定しております。
④ 重要な会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす見積り及び仮定を行う必要があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
COVID-19の影響については、依然として収束の時期は見通せず、今後の当社への影響を予測することは極めて困難であります。最善な見積りを行う上での一定の仮定として、2021年度は各国で積極的に推進される拡張的な財政政策と緩和的な金融政策に支えられた景気回復が期待されるものの、当連結会計年度に大きく影響を受けた事業においてCOVID-19流行前までの需要が完全に回復しない状況や、変異株による感染拡大が長期化した場合のリスクを踏まえ、一部事業においては一定期間にわたり当該影響が継続する可能性があるとの前提で、会計上の見積りを行っております。
なお、COVID-19による経済活動への影響は不確実性が高いため、上記仮定に変化が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ)企業結合
企業結合は取得法で処理しております。取得法では、取得した全ての資産及び引き受けた全ての負債を、支配獲得日における公正価値に基づき認識及び測定します。公正価値の決定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
企業結合の処理における公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化に伴い公正価値が修正され、取得した資産の将来における減損損失の計上、引き受けた負債の増加につながる可能性があります。
なお、当事業年度に実施した事業買収については、連結財務諸表注記「22 事業買収及び子会社株式の売却」に記載しております。
ⅱ)営業権の減損
営業権は償却せず、毎年1月1日時点で減損の有無を検討しております。営業権の減損テストは、当社の報告単位毎に見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値に基づいて行われており、使用される割引率は、報告単位のWACC(加重平均資本コスト)に基づいて算出しております。また、客観的事実や状況の変化により当該資産の公正価値が帳簿価額を下回る可能性がある場合には、その都度減損の有無を検討しております。
見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値の算定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
営業権の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において営業権の減損損失を認識することになる可能性があります。
なお、オペレーティングセグメント毎の営業権の残高については、連結財務諸表注記「8 営業権及びその他の無形資産」に記載しております。
ⅲ)長期性資産の減損
営業権及び耐用年数を確定できないその他の無形固定資産を除く、保有及び使用予定の長期性資産について、客観的事実や状況の変化により当該資産の帳簿価額の回収可能性に疑いのある場合には、減損の有無を検討しております。減損の兆候があると判断されるときは、その資産に関連する見積割引前将来キャッシュ・フローとその資産の帳簿価額を比較し、帳簿価額の減額が必要かどうかを検討しております。この結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを超過すると判断される場合は、当該資産の帳簿価額を見積公正価値へ減額処理しております。公正価値を決定するにあたり、当社は市場取引価格又はその他の評価方法を使用しております。市場取引価格を利用できない場合には、主に資産の使用や最終的な処分から生じる見積将来キャッシュ・フローに基づく割引現在価値法、ロイヤルティ免除法又は超過収益法を使用しております。
これらの手法は、将来見積利益又はキャッシュ・フローの予測及び割引率等の、重要な見積りを伴います。
長期性資産の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において長期性資産の減損損失を認識することになる可能性があります。
ⅳ)退職給付引当金及び退職給付費用
当社の一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しており、当該制度に係る退職給付引当金及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出しております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待収益率、予想再評価率、退職率、死亡率等が含まれております。
数理計算上の仮定は、最善の見積りにより決定しておりますが、見直しが必要となった場合には、退職給付引当金及び退職給付費用が増加する可能性があります。
なお、数理計算上の仮定については連結財務諸表注記「10 退職給付制度」に記載しております。
ⅴ)貸倒引当金
営業債権、リース債権及びその他の債権に対する貸倒引当金は、過去の貸倒実績、延滞状況及び問題が生じている取引先の財政状態に基づき決定しております。裁判所による決定等によって、回収不能であることが明らかになった場合は、その時点で帳簿価額を直接減額しております。
貸倒引当金は、過去の実績や評価時点で利用可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で見積りを行っていますが、相手先の財政状態が悪化した場合等見積りの根拠となる仮定又は条件等が変化した場合には、貸倒引当金を積み増すことになる可能性があります。
なお、貸倒引当金の残高については、連結財務諸表注記「20 金融債権の状況」に記載しております。
ⅵ)繰延税金資産
資産及び負債の財務会計上の金額と税務上の金額の差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その算出にあたっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。また、繰延税金資産のうち回収されない可能性が高い部分については、評価性引当金を計上しております。
回収可能性の検討にあたっては、評価時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っておりますが、見積りの前提とした仮定や条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
なお、繰延税金資産の残高については、連結財務諸表注記「11 法人税等」に記載しております。
ⅶ)棚卸資産
棚卸資産については、原則として移動平均法による低価法により評価しております。また、当社は定期的に陳腐化、滞留、又は過剰在庫の有無を検討し、該当する場合には正味実現可能価額まで評価減しております。
評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績や評価時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が下落する場合には、追加の評価損計上が必要となる可能性があります。