有価証券報告書-第69期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 15:32
【資料】
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【項目】
57項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米国においては、堅調な個人消費を背景に景気拡大が持続したほか、欧州も個人消費や輸出を牽引役として回復基調が続き、また中国及び他の新興国においても景気は堅調に推移した。日本経済も、輸出や設備投資の増加に支えられ、景気回復が続いた。
このような経営環境において、当社グループは、持続的成長を可能とする強靭な事業基盤を構築するため、2016年度からスタートした3ヵ年の中期経営計画の下、「戦い方の変革によるトップシェア事業の育成」「オープン・イノベーションを中心とした事業化の加速」を方針に掲げ、新たな価値創造の実現に向け、「ニッチ&クラスター型事業戦略」の効果創出、新製品・新事業立上げ力の強化、M&A及びアライアンスによる事業拡大等の施策に取り組んできた。
以上の諸施策を実施した結果、当連結会計年度の売上収益は半導体用材料、銅張積層板、リチウムイオン電池用カーボン負極材等の需要増やM&Aによる新規連結子会社の増加により6,692億円(前年度比20.8%増)となった。一方、利益については、物量増や継続的な原価低減等の増益要因があったものの、原材料価格の高騰や、M&Aによる新規連結子会社とのシナジー効果の発揮が不十分であったことに加え、当社グループのコンデンサ事業における過去のカルテル行為に関する制裁金等の費用を計上したことにより、営業利益は462億円(前年度比13.0%減)、親会社株主に帰属する当期利益は363億円(前年度比9.6%減)となった。
① 機能材料セグメント
電子材料
半導体用エポキシ封止材は、中国市場における売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
半導体用ダイボンディング材料は、一部顧客の需要が減少したことにより、前年度実績を下回った。
半導体回路平坦化用研磨材料は、3次元構造のNAND型フラッシュメモリーの需要増により、前年度実績を上回った。
電気絶縁用ワニスは、海外市場における自動車向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
無機材料
リチウムイオン電池用カーボン負極材は、環境対応自動車向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
樹脂材料
機能性樹脂は、食品包装用樹脂が堅調に推移したほか、エポキシ樹脂硬化剤の売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
ディスプレイ用回路接続フィルム及びタッチパネル周辺材料は、スマートフォン向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
粘着フィルムは、半導体モールド用離型フィルムの売上が増加したものの、液晶ディスプレイ表面保護用フィルムの売上が減少したことにより、前年度実績を下回った。
配線板材料
銅張積層板は、スマートフォン向け及びICTインフラ向けのパッケージ用基板の売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
感光性フィルムは、スマートフォン向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
この結果、当セグメントの売上収益は2,971億円(前連結会計年度比8.8%増)、セグメント損益は468億円(同5.9%増)となった。
② 先端部品・システムセグメント
自動車部品
樹脂成形品は、当年度第2四半期にドイツ連邦共和国のISOLITE GmbHを連結子会社化したほか、新製品の立ち上げにより、前年度実績を上回った。
摩擦材は、銅含有量を抑えた新製品の立ち上げにより、前年度実績を上回った。
粉末冶金製品は、建設機械用部品の売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
蓄電デバイス・システム
車両用電池及び産業用電池・システムは、前年度第4四半期にイタリア共和国のFIAMM Energy Technology S.p.A.を、当年度第2四半期にタイ王国のThai Storage Battery Public Company Limitedを連結子会社化したことにより、前年度実績を上回った。
キャパシタは、産業機器向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
電子部品
配線板は、産業機器向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
その他
診断薬・装置は、当年度第4四半期に協和メデックス(株)を連結子会社化したことにより、前年度実績を上回った。
この結果、当セグメントの売上収益は3,722億円(前連結会計年度比32.4%増)、セグメント損益は△6億円(前連結会計年度はセグメント損益88億円)となった。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から236億円減少し、840億円となった。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資本の増加等から、前連結会計年度実績と比較して259億円少ない、349億円の収入となった。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度実績と比較して532億円多い、878億円の支出となった。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が増加したこと等から、前連結会計年度実績と比較して654億円多い、289億円の収入となった。
当連結会計年度における社債の発行及び借入による資金調達は、主に子会社株式の取得に充当している。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため、生産、受注及び販売の状況については、(業績等の概要)におけるセグメント業績に関連付けて示している。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たり、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り及び予測を実施している。しかし、これらには特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合がある。
個々の項目については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 主要な会計方針についての概要」に記載のとおりである。
(2) 財政状態の分析
① キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりである。
② 資産及び負債・資本の分析
イ.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から920億円増加し7,012億円となった。
企業結合や売上収益の増加により売上債権が増加したこと、企業結合に伴い無形資産が増加したこと等によるものである。
ロ.負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末から644億円増加し2,921億円となった。
企業結合に伴う資金需要の増加等により主として社債及び借入金が増加したことによるものである。
ハ.資本
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末から276億円増加し4,091億円となった。
当期利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものである。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度から1,151億円(20.8%)増加し6,692億円となった。各区分の概況は下記のとおりである。
イ.機能材料セグメント
当区分の売上収益は、前連結会計年度から241億円(8.8%)増加し2,971億円となり、総売上収益に対する比率は4.9ポイント減少し44.4%となった。
ロ.先端部品・システムセグメント
当区分の売上収益は、前連結会計年度から910億円(32.4%)増加し3,722億円となり、総売上収益に対する比率は4.9ポイント増加し55.6%となった。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度から926億円(23.0%)増加し4,956億円となり、売上収益に対する比率は1.3ポイント増加し74.0%となった。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から198億円(20.4%)増加し1,169億円となり、売上収益に対する比率は前連結会計年度と同じ17.5%となった。研究開発費は、前連結会計年度から27億円(9.5%)増加し308億円となり、売上収益に対する比率は0.5ポイント減少し4.6%となった。
③ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度から69億円(13.0%)減少し462億円となり、売上収益に対する比率は2.7ポイント減少し6.9%となった。
区分別では、機能材料セグメントのセグメント損益は、前連結会計年度から26億円(5.9%)増加し468億円、同区分の売上収益に対する比率は0.4ポイント減少し15.8%となった。先端部品・システムセグメントのセグメント損益は、前連結会計年度から94億円減少し△6億円となった。
④ 親会社株主に帰属する当期利益
法人所得税費用は、前連結会計年度から19億円(13.6%)減少し118億円となり、税引前当期利益に対する比率(税負担率)は、0.9ポイント減少し24.2%となった。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期利益は、前連結会計年度から39億円(9.6%)減少し363億円となった。
(4) 経営指標について
当社グループは、2018年度を最終年度とする中期経営計画において、営業利益率 11%、ROIC 15%、ROE 12%を目標値としている。
当連結会計年度の利益については、物量増や継続的な原価低減等の増益要因があったものの、原材料価格の高騰や、M&Aによる新規連結子会社とのシナジー効果の発揮が不十分であったことに加え、当社グループのコンデンサ事業における過去のカルテル行為に関する制裁金等の費用を計上したことにより、営業利益、税引前当期利益、当期利益、親会社に帰属する当期利益ともに前連結会計年度実績から減少した。
この結果、当連結会計年度の営業利益率は6.9%、ROICは7.7%、ROEは9.4%となった。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
今後の経済見通しについては、世界経済、日本経済ともに持続的な成長が見込まれる一方、米国と中国間の貿易摩擦や英国のEU離脱交渉の動向が懸念されるほか、東アジアにおける地政学リスクなどもあり、依然として先行き不透明な状況にある。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、中期経営計画の最終年度となる本年、重点方針である「戦い方の変革によるトップシェア事業の育成」「オープン・イノベーションを中心とした事業化の加速」をさらに推し進め、不断にイノベーションを創出し、市場の伸びを上回る事業の成長と収益力の強化に取り組んでいく。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めている。上記(5)及び(6)の問題認識の下、下記の方針により事業を遂行することとしている。
① グローバル事業の強化
② 新製品・新事業の早期戦力化
③ 経営基盤の強化
④ ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
並行開示
IFRSにより作成した連結財務諸表と、日本基準により作成した場合との主要な差異は以下のとおりである。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんはその投資効果の及ぶ期間で償却するが、IFRSにおいては2011年10月1日以降、のれんの償却を行っていない。
このため当連結会計年度の販売費及び一般管理費は日本基準と比較して概ね50億円程度少なくなっているものと見積もられる。

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