有価証券報告書-第90期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 13:23
【資料】
PDFをみる
【項目】
154項目

対処すべき課題

今後の我が国経済につきましては、世界の新型コロナウイルスの感染拡大には、いまだ終息の目途が立たず、世界経済の減速による輸出の減少や、国内消費の冷え込みなどの影響による景気後退が、いよいよ深刻度を増してまいりました。
石油業界におきましては、産油国の足並みの乱れや、世界経済低迷による需要の減少懸念などから、原油価格は大きく下落しました。その後、産油国の減産合意もあり若干持ち直してきたものの、不安定な動きは続き、先の見えない状況となっております。また、国内の石油需要減少が予想される中で、石油元売各社は、生産体制の見直しに動いており、これらの動きが、今後も国内市況に大きく影響を及ぼすものと考えられております。
このような厳しい経営環境の下で、当社グループにおきましては、中期経営計画の最終年度にあたり、当社グループを取り巻く事業環境を再度認識するとともに、市場からの情報収集と分析を更にきめ細かく行ってまいります。そのうえで、環境変化に対して機動的かつ柔軟に対応することによって、お客様のニーズに応え、販売の維持と拡大・販路の安定化を図ってまいります。また、メガソーラー発電事業におきましては、既存の5発電所に3月に取得した2発電所が加わり、7発電所の体制となります。
当社グループは、大きく変動する事業環境へ対応すべく、組織・個人が進化に努め、コア事業である石油事業の収益基盤の再構築に取り組むとともに、環境関連事業を始めとした非石油事業の育成・展開に更に力を入れ、強固な事業基盤の確立とグループ事業ポートフォリオの最適化を目指してまいります。加えて、適正なガバナンスとCSRの実践を通じた企業価値の向上により、ステークホルダーの期待に応えてまいります。
中期経営計画『「FK20 次代への進化と挑戦」~さらなる企業価値向上を求めて~』の基本方針、事業別施策、株主還元方針並びに目標とする経営指標は、次のとおりであります。
① 基本方針
厳しさを増していく事業環境に対応すべく、組織・個人が進化に努め、コア事業である石油事業の収益基盤強化に継続して取り組むとともに、非石油事業の拡充による事業ポートフォリオの最適化を追求し、持続的な成長とさらなる企業価値向上に挑戦します。加えて、適正なガバナンスとCSRの実践を通じ、ステークホルダーの期待に応えてまいります。
計画の基本方針は以下のとおりであります。
a.石油事業における安定的な販路確保と新規顧客開拓による収益基盤の強化
b.非石油事業の拡充によるグループ事業ポートフォリオの最適化追求
② 事業別施策
a.石油事業
・新規顧客開拓と既存顧客への営業強化による適正販売規模の確保
・顧客とのさらなる信頼関係構築と地域需要の確実な吸収
・潤滑油製品全般の販売強化
b.ホームエネルギー事業
・LPG事業への適正投資と営業基盤の拡大
・サービス体制の充実による顧客満足の追求
c.レンタル事業
・建設機械の計画的な刷新
・顧客ニーズを反映したラインナップの充実
d.環境関連事業
・再生可能エネルギー事業のさらなる拡充
・グリーン商品の販売拡大
③ 株主還元方針
会社業績に応じた配当を基本としつつ、中期的な収益見通しおよび将来の事業展開に備えるための内部留保の充実等を勘案し、安定した配当の継続に努めてまいります。
④ 目標とする経営指標
中期経営計画の最終年度である2020年度において、連結ベースで下記の数値目標を目指します。
経常利益 : 8億円以上
ROE : 5%以上
以上、当社グループは、中期経営計画の目標達成に向け、グループ全体で鋭意取り組んでまいります。
〈新型コロナウイルス感染症の事業活動への影響〉
有価証券報告書の提出日(2020年6月26日)現在において判断した当社グループへの影響は、次のとおりであります。
営業体制
新型コロナウイルスの感染防止対策として従業員には手洗いや咳エチケットの徹底、会議・出張・会合の制限、顧客訪問などの対面営業活動の一部自粛、テレワークや時差出勤の利用等により当社グループ内での感染防止に努めることにより、営業体制の維持を図っております。
供給体制
取引先や一般消費者への製品やサービスの供給体制に特段の影響は生じておりません。
事業(セグメント)別の影響
(石油事業)
得意先の工場・施設の一時稼働停止、漁業関係の一時操業停止により燃料油を中心に販売数量の減少があるものの、主力製品である暖房用の燃料油は冬期が需要期であり、不需要期である現時点では、損益に与える影響は小さいと考えております。
(ホームエネルギー事業)
顧客訪問の自粛により給湯器・ストーブ等の物品販売が減少しているものの、主力製品である暖房用のLPG・灯油は冬期が需要期であり、不需要期である現時点では、損益に与える影響は小さいと考えております。
(レンタル事業)
経済活動の停滞による民間投資の減少があるものの、経済対策による公共投資の増加により、計画通りの進捗となっております。
(環境関連事業)
主たる事業であるメガソーラー発電事業には、直接的な影響はありません。
資金調達
当社は従来より、複数の金融機関に十分な借入枠を有するとともに、総額20億円のコミットメントライン契約を主要取引金融機関と締結し、資金の流動性を補完しております。
今後の影響
有価証券報告書の提出日(2020年6月26日)現在においては、新型コロナウイルス感染症による当社グループの事業計画に大きな影響はありません。
今後の感染状況により、営業体制の維持ができなくなるリスク、国内の経済活動が著しく停滞または低下し、需要が減少するリスク、取引先等の信用リスク等が増加した場合、当社グループの業績に重要な影響が生じる可能性があります。
当社グループの業績に重要な影響が生じた場合は、適宜事業計画の見直しを行います。