有価証券報告書-第105期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度における世界経済は、米国は堅調に推移しましたが、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格・エネルギーコストの上昇や世界的なインフレ進行などがあり、欧州を中心に足踏み状態となりました。また、中国も個人消費の伸び悩みと不動産市場の悪化により回復が遅れました。
日本経済は、個人消費やインバウンド需要の回復の動きが見られたものの、原材料価格・エネルギーコストの上昇や為替レートの大幅な変動など、先行き不透明な状況が継続しました。
このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、お客様が求める商品・ブランド力のある商品創りに注力してまいりました。具体的には、省エネルギー関連製品、環境対応製品、防災関連製品、生活関連製品、インフラ整備関連製品などの重点分野、およびグローバル化へ積極的な事業展開を推進するとともに、継続してコストダウンおよび省エネルギー・廃棄物の削減に取組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は売上高79,093百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業損失436百万円(前連結会計年度は営業損失958百万円)、経常損失220百万円(前連結会計年度は経常損失171百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益427百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失8,210百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当社は主に企業向けの中間財と最終消費者向けの消費財を製造、販売しております。消費財がもつ当社のブランド力を中間財の拡販に有効活用していくためにも、今後、消費財への注力は重要との観点から、消費財・中間財に区分して記載しております。
〈シューズ事業〉
◆消費財
健康志向の高まりの中で、ランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」はライフスタイルにランニングを取り入れる層の拡大を背景として、また衝撃吸収素材「ソルボセイン」搭載のコンフォートシューズ「アキレス・ソルボ」もその性能や履き心地の良さが市場から評価され、それぞれ好調に推移しております。しかしながら、その他の商品群の苦戦から、全体では前年売上を下回りました。
シューズ事業の当連結会計年度の売上高は10,116百万円(前連結会計年度比2.9%減)、セグメント損失(営業損失)は972百万円(前連結会計年度は841百万円のセグメント損失)となりました。
〈プラスチック事業〉
◆中間財
車輌内装用資材は、日本・中国・北米市場で日系自動車メーカーの生産減少の影響を受け前年売上を下回りました。なお、中国子会社の阿基里斯(佛山)新型材料有限公司が保有する車輌資材事業の固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき将来の回収可能性を検討した結果、自動車市場の急激な環境変化に伴い、当初の事業計画において想定していた収益が見込めなくなり、短期的な業績改善が難しいとの判断により、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。
フイルムは、米国子会社が苦戦しましたが、エレクトロニクス分野、ライフサイエンス分野向けが大きく伸長し、前年売上を上回りました。
建装資材は、住宅市場の低迷の影響を受けて市況が鈍化し、前年売上を下回りました。
価格改定の効果も含めた中間財の当連結会計年度の売上高は37,795百万円(前連結会計年度比0.7%増)となりました。
◆消費財
防災対策商品は、国内・海外ともに販売が伸び悩み、前年度の国内レスキューボート増の反動もあり、前年売上を下回りました。
消費財の売上高は2,328百万円(前連結会計年度比7.9%減)となりました。
プラスチック事業全体の当連結会計年度の売上高は40,124百万円(前連結会計年度比0.2%増)、セグメント利益(営業利益)は222百万円(前連結会計年度比77.5%減)となりました。
〈産業資材事業〉
◆中間財
ウレタンは、車輌用が低調に推移しましたが、寝具・雑貨用が復調し、前年売上を上回りました。
断熱資材は、ボード製品が住宅、非住宅建築向けで好調に推移し、スチレン製品も好調に推移したことにより、前年売上を上回りました。
工業資材は、半導体ウエハー搬送用部材が回復基調で推移したことや、医療機器向け大型成型品の伸長により、前年売上を上回りました。
中間財の売上高は28,033百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。
産業資材全体の当連結会計年度の売上高は、28,853百万円(前連結会計年度比2.5%増)、セグメント利益(営業利益)は2,662百万円(前連結会計年度比87.4%増)となりました。
(財政状態の状況)
イ.資産
当連結会計年度末の資産合計は79,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,157百万円減少となりました。これは主に、退職給付信託財産の一部返還に伴い投資有価証券が3,003百万円増加しましたが、退職給付に係る資産が2,598百万円、有形固定資産が1,794百万円、棚卸資産が1,718百万円、受取手形が974百万円減少したことによるものであります。
ロ.負債
当連結会計年度末の負債合計は40,168百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,943百万円減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,451百万円、繰延税金負債が643百万円減少したことによるものであります。
ハ.純資産
当連結会計年度末の純資産合計は39,336百万円となり、前連結会計年度末に比べ213百万円減少となりました。これは主に、為替換算調整勘定が1,705百万円増加しましたが、自己株式の取得により959百万円、退職給付に係る調整累計額が956百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。) は6,719百万円(前連結会計年度末比131百万円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は2,686百万円(前連結会計年度末比807百万円収入増)となりました。これは主に固定資産除売却損益2,257百万円、仕入債務の減少2,166百万円、退職給付信託返還益1,958百万円、その他の資産の増加1,034百万円等の減少要因と、減損損失3,256百万円、減価償却費2,898百万円、棚卸資産の減少2,042百万円等の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,918百万円(前連結会計年度末比1,875百万円収入増)となりました。これは主に固定資産の取得による支出3,793百万円等の減少要因と、固定資産の売却による収入2,381百万円等の増加要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は1,246百万円(前連結会計年度末比3,004百万円支出増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出959百万円と配当金の支払額286百万円の減少要因によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| シューズ事業 | 2,106 | △3.5 |
| プラスチック事業 | 34,770 | 2.0 |
| 産業資材事業 | 23,416 | △0.1 |
| 合計 | 60,293 | 0.9 |
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| シューズ事業 | 10,220 | △4.4 | 232 | △20.6 |
| プラスチック事業 | 47,271 | 11.6 | 9,627 | 123.1 |
| 産業資材事業 | 30,574 | 3.1 | 1,329 | 15.4 |
| 合計 | 88,066 | 6.5 | 11,189 | 94.3 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| シューズ事業 | 10,116 | △2.9 |
| プラスチック事業 | 40,124 | 0.2 |
| 産業資材事業 | 28,853 | 2.5 |
| 合計 | 79,093 | 0.6 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績の分析
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は、79,093百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
当社及び連結子会社の売上高の状況は以下のとおりであります。
・当社において、シューズは、「BROOKS(ブルックス)」と「アキレス・ソルボ」は好調に推移しましたが、その他の商品群の苦戦により減収となりました。車輌内装用資材は、日系自動車メーカーの生産減少の影響を受け減収となり、建装資材は、住宅市場の低迷の影響を受けて苦戦しました。一方、フイルムは、エレクトロニクス分野・ライフサイエンス分野向けで大きく伸長し、ウレタンは、寝具・雑貨用が復調、断熱資材は、ボード製品が住宅・非住宅建築向けで好調に推移し、工業資材は、半導体ウエハー搬送用部材が回復基調で推移しました。また、コストの高止まりや円安の影響による仕入コストの増加等の対応として価格改定を進めた効果により、全体としては前連結会計年度に比べて売上高は増加しました。
・国内子会社は、ウレタンの寝具向けや、断熱資材の住宅・非住宅建築向けが好調に推移し、全体としては前連結会計年度に比べて売上高は増加しました。
・海外子会社は、北米市場における医療用フイルムや、中国・北米市場における車輌内装用資材が低調に推移したこと等により、全体としては前連結会計年度に比べて売上高は減少しました。
(b) 営業損失
当連結会計年度の営業損失は、436百万円(前連結会計年度は営業損失958百万円)となりました。
・当社及び連結子会社において、原材料価格・エネルギーコストの上昇・高止まりや円安による仕入れコスト上昇の影響等への対応として、生産性の向上、経費削減、価格改定の推進や新しい価値創造の取組みを進めましたが、海外市場での減収による粗利減の影響等により営業損失となりました。
(c) 経常損失
当連結会計年度の経常損失は、220百万円(前連結会計年度は経常損失171百万円)となりました。
・当社において、中国の車輌関連会社等に関する持分法投資利益209百万円の計上がありましたが、営業損失の影響により経常損失となりました。
(d) 親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、427百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失8,210百万円)となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・当連結会計年度の特別利益は、不動産売却に伴う固定資産売却益2,308百万円と、退職給付信託返還益1,958百万円を計上しております。
・当連結会計年度の特別損失は、中国子会社が保有する車輌内装用資材に関する固定資産の減損損失3,256百万円を計上しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)※7 減損損失」に記載しております。
・当連結会計年度の法人税等の税金費用は、353百万円となりました。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ.当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は79,504百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,157百万円の減少となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,559百万円減少の45,720百万円となりました。これは主に現金及び預金が869百万円増加しましたが、商品及び製品が1,096百万円、受取手形が974百万円減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,597百万円減少の33,784百万円となりました。これは、有形固定資産が主に減損処理の影響により1,794百万円減少し、投資その他の資産では、退職給付信託財産の一部返還の影響等により、投資有価証券が3,003百万円増加し、退職給付に係る資産が2,598百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の負債合計は40,168百万円であり、前連結会計年度末に比べ2,943百万円の減少となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,998百万円増加の29,161百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が1,451百万円減少しましたが、1年以内返済予定の長期借入金が5,750百万円増加したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6,942百万円減少の11,006百万円となりました。これは主に長期借入金5,750百万円、繰延税金負債が643百万円、退職給付に係る負債が522百万円減少したことによります。
連結会計年度末の純資産合計は39,336百万円であり、前連結会計年度末に比べ213百万円の減少となりました。これは主に為替換算調整勘定が1,705百万円増加しましたが、自己株式の取得により959百万円、退職給付に係る調整累計額が956百万円減少したことによります。
ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
〈シューズ事業〉
当連結会計年度の売上高は、10,116百万円(前連結会計年度比2.9%減)となりました。主な分析内容は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 セグメントごとの経営成績」に記載のとおりであります。
セグメント損失は、販売費の削減等に努めたものの、円安による仕入れコストの増加等により972百万円の損失(前連結会計年度は841百万円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は、主に棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,631百万円減少の8,127百万円となりました。
〈プラスチック事業〉
当連結会計年度の売上高は、40,124百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。主な分析内容は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 セグメントごとの経営成績」に記載のとおりであります。
セグメント利益は、主に海外市場での減収による粗利減の影響等により、前年同期に比べ768百万円減少の222百万円(前連結会計年度比77.5%減)となりました。
セグメント資産は、主に中国子会社が保有する車輌資材事業の固定資産の減損処理により有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ2,183百万円減少の39,459百万円となりました。
〈産業資材事業〉
当連結会計年度の売上高は、28,853百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。主な分析内容は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 セグメントごとの経営成績」に記載のとおりであります。
セグメント利益は、価格改定の効果や生産性の向上による利益率の改善、前期に減損処理を行ったウレタン・断熱資材の減価償却費の減少等により、前年同期に比べ1,241百万円増加の2,662百万円(前連結会計年度比87.4%増)となりました。
セグメント資産は、売上債権の増加等により前連結会計年度末に比べ566百万円増加の19,563百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 59.6 | 53.6 | 47.8 | 49.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 24.7 | 23.7 | 26.7 | 24.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.1 | ― | 7.8 | 5.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 151.4 | ― | 31.5 | 19.5 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し
ております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を
対象としております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4.2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、
営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(資本の財源及び資金の流動性、財務政策)
当社グループは、安定した収益を確保するための運転資金及び新たな成長に繋がる投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としておりますが、資金需要に応じて金融機関からの借入により調達しております。
当社グループを取り巻く事業環境は、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊張の高まりによる原材料価格やエネルギーコストの高止まり、さらには世界的なインフレの進行、大幅な為替変動など外的な要因が企業経営に大きな影響を及ぼしております。また、各地で高まる地政学リスクは当社のグローバルサプライチェーンや市場環境にも引き続き不確実性をもたらしています。
当社グループは、当連結会計年度において運転資金及び設備資金の充当のため、金融機関からの借り換えによる資金の調達を行い、2025年3月末時点の手許資金としての現金及び預金残高は7,721百万円であります。
足元の業績は改善傾向にあるものの、金融機関との信頼関係を維持し、安定した資金を確保し続ける為には高収益体質への早期転換が喫緊の課題です。生産性の向上(コストダウン)や更なる価格改定に加え、中期経営計画に掲げた『グローバル ソリューション プロバイダー』としての新たな価値創造の取組みを加速してまいります。
財務政策の基本方針は、キャピタルアロケーション戦略として中期経営計画において以下の2点を掲げております。
・安定した財務基盤を念頭に、キャッシュをさらなる成長投資や株主還元等に最適に配分する
・中長期的な企業成長に向けては人材の成長・活力向上が不可欠であるため、人的資本への投資を優先的に実施する
中期経営計画期間におけるキャッシュ・インは、全社戦略の推進による営業活動によるキャッシュ・フローの創出を基本とし、それに必要運転資金を踏まえた現預金の活用や投資有価証券の売却等による保有資産の最適化、及び財務健全性を意識したレバレッジの有効活用を考えております。
キャッシュ・アウトは、維持更新・環境投資への配分を優先順位付けしながら実施する一方、イ.成長投資、ロ.株主還元についても積極的に配分いたします。
イ.成長投資の考え方は、以下の2点です。
(a) 人的資本(人材を軸とした積極的な基盤整備・拡充、従業員還元の強化)への優先的な配分
(b) 事業基盤の強化(重点分野に関する研究開発の強化、全社的なDXの推進)、及び戦略的M&A(ソリューションの質・幅の拡充、バリューチェーンの強化、海外拠点の拡大)に配分
ロ.株主還元の基本方針としては、継続的かつ安定的な配当を基本としつつ、自己株式の取得も機動的に実施し、総合的な株主還元の充実を図ります。具体的には以下のとおりです。
| 基本方針 | 配当 | 直近の経営状況を踏まえ、当面は特に下記を意識した配当を行う ・配当性向30%以上 ・1株当たり配当金50円 |
| 自己株式取得 | 連結業績や成長投資、株価の状況等を総合的に勘案しながら柔軟に実施する |
(契約債務)
2025年3月31日現在の契約債務の概要は、次のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 4,400 | 4,400 | ― | ― | ― |
| 長期借入金(一年内返済予定を含む) | 10,250 | 5,750 | 4,500 | ― | ― |
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、その他の主な会計上の見積りは以下のとおりであります。
(退職給付に係る資産及び負債の算定)
当社及び一部の連結子会社では確定給付型の退職金制度を採用し、退職給付債務の算定における数理計算は、割引率、退職率、死亡率、予想昇給率などの計算基礎に基づいております。また、年金資産(退職給付信託を含む)の長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の支払に充てられるまでの時期、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)2.確定給付制度 (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
これらの前提条件の見積りと実績の差異は、数理計算上の差異として計上され、翌連結会計年度より退職給付費用の一部として処理されますが、主に株式市場等の市況が急激に変化した場合に数理計算上の差異が大きく変動し、将来の退職給付費用、退職給付に係る資産及び負債に影響を及ぼす可能性があります。