有価証券報告書-第73期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針と経営戦略
当社グループは、「Yes, We Do!」の創業の精神の下、お客様の要望に真摯に向き合い、創業以来のモノづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、常に新しい価値創造に挑戦し続ける企業として、持続的な成長を遂げてまいりました。
現在、自動車産業は電動化や自動運転などの次世代技術への移行が進みつつあり、既存のビジネスモデルを超越した価値の創造が求められています。
当社グループは、これらの大きな変化をチャンスと捉え、より高い経営目標を達成するため、2023年6月に「新中期経営計画2026」(最終年度2027年3月期)を策定・公表いたしました。
計画達成に向けた取り組みを全社一丸となって進めているほか、中長期的視点においては、独自のコア技術で高付加価値製品やソリューションを提供し続けることで飛躍的に成長するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献できる“心から愛される企業”を目指してまいります。
①「既存事業の強化」
ⅰ)ソリューションビジネスによる拡販
・当社の主力製品であるワイパーブレードラバーにおいては、顧客要求(高払拭性能・迅速性)に応えるため、ラバーの形状だけでなく、ラバーの最適な動きを科学し、その動きに影響を与えるワイパーシステム側構成部品の設計仕様に対しても提案可能な体制を、中国でのR&D強化や日本での実験施設の拡充などを通じて構築しております。
・こうしたソリューションビジネスを通じて、ワイパーシステムの開発期間が大幅に短縮したほか、中国ローカルメーカーへの拡販が進んでおります。結果、中国国内シェアが大きく拡大したほか、中資系ワイパーシステムメーカーと協働した欧州系メーカーへの拡販も進んだことで、ワイパーブレードラバーの世界シェアは2024年度の50%から58%へ増加しております。
今後も、顧客要求にスピーディにお応えできる体制を強化することで、ワイパー事業の拡大、及び、グローバルシェアの拡大につなげてまいります。
ⅱ)強い成長地域への拡販
・強い成長地域の一つと見込んでいるインドにおいては、現地シェアの約半分を占める日系メーカーへの拡販を進めるほか、韓国系メーカーとのダンパー取引を開始しました。またインド系メーカーへのワイパー拡販とともに、自動車以外の分野である建機・農機、鉄道、バッテリー製品への開拓も進めることで、事業拡大を進めてまいります。
・またインドネシアにおきましても、防振事業の鉄道製品について、インドネシア国営鉄道(INKA)より受注を獲得いたしました。お客様から信頼いただいている技術力・対応力を活かして、強い成長地域における拡販を続けてまいります。
② 「成長事業・新事業の拡大」
ⅰ)CASE市場への拡大
・EV車への転換については地域的に停滞も見られますが、将来的な電動化の拡大を見据えて、多様なお客様のニーズに応えるべく、「バッテリーホールドシート」や「放熱ギャップフィラー」の製品ラインアップを拡充していきます。また、AIの普及・拡大でデータセンター等の熱の問題もクローズアップされており、各種の熱マネ課題へも貢献してまいります。
ⅱ)ライフサイエンス製品の拡大
・バイオ製品では、技術的強みを活かしたソリューション提案に注力しています。細胞別培地、用途別バッグの開発力を強化しており、2026年3月に新製品「活性化NK細胞大量培養キット」を発売いたしました。事業規模拡大に向け、世界最大市場である中国での現地生産化を進めているほか、アカデミアとの共同研究も継続し技術力の強化を図ってまいります。
・細菌検査分野では、2026年2月に「RaST-TAS腸内細菌目細菌用試薬チップ(研究用試薬)」発売し、薬剤耐性菌検査チップの拡販も進めております。さらなる拡販に向けて、今後保険適用を取得し、売上拡大・医療現場への本格展開を目指してまいります。
③ 「ESGを主体とした経営基盤の改革」
ⅰ)環境への取組み(E)
・当社は環境負荷低減・脱炭素社会を実現するために「フコク環境目標」を設定し、この目標を達成するための重点取組事項に沿って、製造工程廃棄物の削減とCO2の削減に向けて活動しております。また、TCFD提言に賛同し、TCFDが推奨するシナリオ分析によって、気候変動が企業にもたらすリスクと機会を把握し、その影響に対する戦略策定を行っています。また、2026年2月には、国際環境非営利団体CDPの実施した気候変動分野の質問書において、昨年に引き続き「B」スコアを獲得いたしました。
・これらの環境への取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への取組み」をご参照ください。
ⅱ)社会への取組み(S)
・ダイバーシティ&インクルージョンへの対応や働き甲斐のある環境づくりに積極的に取組んでおります。
・人的資本に関する取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。
ⅲ)ガバナンスへの取組み(G)
・コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスの強化に取組むとともに、従来の発想から抜け出し、価値創造に貢献する組織風土の醸成を推進しております。
・創業70周年を節目として、これまでの企業理念を刷新し、2023年に制定されたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の社内推進活動を行っております。
・2024年11月に発覚した当社連結子会社元従業員の不正な経理処理による資金の着服行為の発生を受け、当該子会社の管理体制の立て直し及び当社の当該子会社を含むグループ会社に対する内部統制の改善・強化を目的とした再発防止策を策定・推進してまいりましたが、当連結会計年度末において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。引き続きガバナンス向上のための活動を推進しています。
尚、「新中期経営計画2026」の数値目標は、2026年5月15日公表の『中期経営計画最終年度の業績目標「取り下げ」に関するお知らせ』に記載の通り一旦取り下げ、2027年3月期の通期連結業績予想値に置き換えております。2027年3月期は、「持続的成長のための強固な事業基盤構築」を最優先課題と位置づけ、経営が強くコミットし変革に取り組んでまいります。

(1) 経営方針と経営戦略
当社グループは、「Yes, We Do!」の創業の精神の下、お客様の要望に真摯に向き合い、創業以来のモノづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、常に新しい価値創造に挑戦し続ける企業として、持続的な成長を遂げてまいりました。
現在、自動車産業は電動化や自動運転などの次世代技術への移行が進みつつあり、既存のビジネスモデルを超越した価値の創造が求められています。
当社グループは、これらの大きな変化をチャンスと捉え、より高い経営目標を達成するため、2023年6月に「新中期経営計画2026」(最終年度2027年3月期)を策定・公表いたしました。
計画達成に向けた取り組みを全社一丸となって進めているほか、中長期的視点においては、独自のコア技術で高付加価値製品やソリューションを提供し続けることで飛躍的に成長するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献できる“心から愛される企業”を目指してまいります。
| (2) 中期経営計画 当社は、「新中期経営計画2026」を2023年6月に公表しております。 この「新中期経営計画2026」は、「中期経営計画(2021年度-2023年度)」にて培ってきた「体質改善(生産工程合理化・不良削減・間接業務効率化)」をさらに推し進めるとともに、「既存事業の強化」と「成長事業・新事業の拡大」の事業戦略の両輪に加え、「ESGの各観点を重視した経営基盤の改革」を通じて、収益力の最大化を狙うことを戦略スキームとして、2026年3月期は以下の取り組みを進めてまいりました。 | <「新中期経営計画 2026」戦略スキーム>![]() |
①「既存事業の強化」
ⅰ)ソリューションビジネスによる拡販
・当社の主力製品であるワイパーブレードラバーにおいては、顧客要求(高払拭性能・迅速性)に応えるため、ラバーの形状だけでなく、ラバーの最適な動きを科学し、その動きに影響を与えるワイパーシステム側構成部品の設計仕様に対しても提案可能な体制を、中国でのR&D強化や日本での実験施設の拡充などを通じて構築しております。
・こうしたソリューションビジネスを通じて、ワイパーシステムの開発期間が大幅に短縮したほか、中国ローカルメーカーへの拡販が進んでおります。結果、中国国内シェアが大きく拡大したほか、中資系ワイパーシステムメーカーと協働した欧州系メーカーへの拡販も進んだことで、ワイパーブレードラバーの世界シェアは2024年度の50%から58%へ増加しております。
今後も、顧客要求にスピーディにお応えできる体制を強化することで、ワイパー事業の拡大、及び、グローバルシェアの拡大につなげてまいります。
ⅱ)強い成長地域への拡販
・強い成長地域の一つと見込んでいるインドにおいては、現地シェアの約半分を占める日系メーカーへの拡販を進めるほか、韓国系メーカーとのダンパー取引を開始しました。またインド系メーカーへのワイパー拡販とともに、自動車以外の分野である建機・農機、鉄道、バッテリー製品への開拓も進めることで、事業拡大を進めてまいります。
・またインドネシアにおきましても、防振事業の鉄道製品について、インドネシア国営鉄道(INKA)より受注を獲得いたしました。お客様から信頼いただいている技術力・対応力を活かして、強い成長地域における拡販を続けてまいります。
② 「成長事業・新事業の拡大」
ⅰ)CASE市場への拡大
・EV車への転換については地域的に停滞も見られますが、将来的な電動化の拡大を見据えて、多様なお客様のニーズに応えるべく、「バッテリーホールドシート」や「放熱ギャップフィラー」の製品ラインアップを拡充していきます。また、AIの普及・拡大でデータセンター等の熱の問題もクローズアップされており、各種の熱マネ課題へも貢献してまいります。
ⅱ)ライフサイエンス製品の拡大
・バイオ製品では、技術的強みを活かしたソリューション提案に注力しています。細胞別培地、用途別バッグの開発力を強化しており、2026年3月に新製品「活性化NK細胞大量培養キット」を発売いたしました。事業規模拡大に向け、世界最大市場である中国での現地生産化を進めているほか、アカデミアとの共同研究も継続し技術力の強化を図ってまいります。
・細菌検査分野では、2026年2月に「RaST-TAS腸内細菌目細菌用試薬チップ(研究用試薬)」発売し、薬剤耐性菌検査チップの拡販も進めております。さらなる拡販に向けて、今後保険適用を取得し、売上拡大・医療現場への本格展開を目指してまいります。
③ 「ESGを主体とした経営基盤の改革」
ⅰ)環境への取組み(E)
・当社は環境負荷低減・脱炭素社会を実現するために「フコク環境目標」を設定し、この目標を達成するための重点取組事項に沿って、製造工程廃棄物の削減とCO2の削減に向けて活動しております。また、TCFD提言に賛同し、TCFDが推奨するシナリオ分析によって、気候変動が企業にもたらすリスクと機会を把握し、その影響に対する戦略策定を行っています。また、2026年2月には、国際環境非営利団体CDPの実施した気候変動分野の質問書において、昨年に引き続き「B」スコアを獲得いたしました。
・これらの環境への取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への取組み」をご参照ください。
ⅱ)社会への取組み(S)
・ダイバーシティ&インクルージョンへの対応や働き甲斐のある環境づくりに積極的に取組んでおります。
・人的資本に関する取り組み内容の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。
ⅲ)ガバナンスへの取組み(G)
・コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスの強化に取組むとともに、従来の発想から抜け出し、価値創造に貢献する組織風土の醸成を推進しております。
・創業70周年を節目として、これまでの企業理念を刷新し、2023年に制定されたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の社内推進活動を行っております。
・2024年11月に発覚した当社連結子会社元従業員の不正な経理処理による資金の着服行為の発生を受け、当該子会社の管理体制の立て直し及び当社の当該子会社を含むグループ会社に対する内部統制の改善・強化を目的とした再発防止策を策定・推進してまいりましたが、当連結会計年度末において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。引き続きガバナンス向上のための活動を推進しています。
尚、「新中期経営計画2026」の数値目標は、2026年5月15日公表の『中期経営計画最終年度の業績目標「取り下げ」に関するお知らせ』に記載の通り一旦取り下げ、2027年3月期の通期連結業績予想値に置き換えております。2027年3月期は、「持続的成長のための強固な事業基盤構築」を最優先課題と位置づけ、経営が強くコミットし変革に取り組んでまいります。

