有価証券報告書-第158期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 15:53
【資料】
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【項目】
162項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、中期経営計画「T-2021」(2019年~2021年)の基本方針「収益基盤の強化」「成長機会の拡大」「連結ガバナンス体制構築」のもと重点施策を着実に実行してまいりました。2019年7月には、アルミ産業分野向けの炭素・黒鉛製品メーカーであるCOBEX HoldCo GmbH(現: Tokai COBEX HoldCo GmbH)を買収するなど、成長戦略を推進しました。
こうしたなか、2019年の当社業績は、欧州経済の低迷や米中貿易摩擦による世界経済の減速などの影響を受けた結果、買収による増収効果はありましたが、売上高2,620億円、営業利益543億円となりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、きわめて不透明な状況にあります。米中貿易戦争、英国のBrexit問題、中東情勢の緊張など政治・経済情勢が混迷を続けるなか、世界経済も大きく減速し、日本の製造業も弱含みで推移しております。一部に改善や回復に向けた動きは出てきているものの、新型コロナウイルスの感染拡大など今後の世界経済に深刻な影響を与える事象も発生しております。当社グループは、今後も内外の諸情勢を慎重に注視し、環境の変化に柔軟に対応していく方針です。
このような環境のなか、当社グル―プは、2020年から2022年を対象としたローリング新中期計画「T-2022」を策定いたしました。2020年は、黒鉛電極の在庫調整等の影響で一時的な業績の下振れが見込まれますが、前回中期経営計画「T-2021」の基本方針を引き続き踏襲し、事業環境の変化もふまえ、各種重点施策を推進する所存です。特に、昨年連結子会社化したTokai COBEX HoldCo GmbHをはじめとする、ここ数年間の買収に伴う連結子会社のPMI(統合作業)を確実に実行し、成長軌道への回帰を図るとともに経営基盤をさらに強化してまいります。
また、2015年9月の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向け、官民一体となった取り組みが展開される中、ESG(環境、社会、ガバナンス)への対応が、重要な経営課題と位置付けられるようになりました。当社グループにおいても、グローバルに広がるさまざまな課題の解決と企業経営をシンクロナイズさせ、社会のサステナビリティへ貢献すべく、中期経営計画の中で「ESG経営基盤構築」を重点施策に掲げ、ESGの観点から、当社として優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、課題解決に向けた活動を開始しております。活動状況につきましては、今後当社のウェブサイト等を通じて、適宜開示してまいります。
当社グループは、長期ビジョン「炭素で社会を支えるグローバル企業」実現に向けて、企業理念である「信頼の絆」と四つの行動指針(価値創造力、公正、環境調和、国際性)のもと、顧客、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え、企業としての社会的責任(CSR)を果たしてまいります。