有価証券報告書-第156期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 15:43
【資料】
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【項目】
122項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
今後のわが国経済は、世界経済が緩やかに成長推移することが見込まれるなか、引き続き回復基調で推移することが期待されますが、朝鮮半島情勢、米国政権の内向きの政策、中国経済の量から質への転換による経済動向、テロの拡散脅威等の不確実性に鑑み、今後の動向を十分注視し、経済の変調に対し迅速に対応できる体制を整える必要があります。
当社関連業界においては、黒鉛電極における世界的な需要の回復と主要原料であるニードルコークスの需給逼迫による電極価格の高騰、世界的に堅調な自動車生産に支えられたカーボンブラック市況の回復、並びにファインカーボンにおける太陽電池及び半導体市場の好調に支えられた需要の回復等、前年と比較して事業環境が大きく変化しました。このような情勢下、当社グループは、中期経営計画T-2018初年度の構造改革による成果に加え、事業環境に恵まれたこともあり数値目標として掲げた2018年の売上高1,100億円、営業利益90億円、ROS8%以上、ROIC6%
以上については、売上高を除き一年前倒しで達成しました。
2018年は、T-2018の主要課題でもある「社内意識改革」、「技術力の復権」に引き続き取り組む一方、既存事業の収益性向上に加え、市場拡大が見込まれる負極材事業への取り組み、新製品開発による新規事業創出等、当社グループの事業領域拡大を図ります。2017年11月に買収した米国のTOKAI CARBON GE HOLDING LLCを加えた日米独のグローバル3極体制の早期立ち上げは、2018年の最重要課題の一つですが、戦略投資枠を活用したM&A戦略の次の一手、次期中期経営計画を展望した成長戦略の策定にも取り組んでまいります。
経営管理に関する課題については、コンプライアンスを重視した経営は最低限の要件と認識しており、不確実性の高い経営環境下、内外グループ会社を含めたリスク管理体制の拡充も課題です。上場企業として持続的な成長を果たすため、取締役会による実効性のある経営監督体制の構築等、コーポレート・ガバナンス強化についても引き続き努めてまいります。また、このような様々な課題に対応していくための人材育成・強化にも取り組んでまいります。
当社グループは、企業理念である「信頼の絆」のもと、四つの行動指針(価値創造力、公正、環境調和、国際性)に従い、中長期的な企業価値の向上を目指すことにより、お客様、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え、企業としての社会的責任(CSR)を果たしてまいります。