有価証券報告書-第157期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/28 15:04
【資料】
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【項目】
123項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
わが国経済は、底堅い国内需要の下支えにより緩やかな回復基調が続いてきましたが、米中貿易摩擦の長期化とそれに伴う中国経済の減速リスク、英国のEU離脱プロセスにおける円滑な離脱成否とEU経済に与えるインパクト等の不確実性は日増しに顕在化しております。今後の内外経済動向については、情勢変化を注視し、経済の変調に対し迅速に対応できる体制を整える必要があります。
当社関連業界においては、黒鉛電極とその主要原料であるニードルコークスの需給ひっ迫による黒鉛電極価格の高騰、世界的に堅調な自動車販売に支えられたカーボンブラック市況等の恵まれた事業環境の中、米国カーボンブラックメーカーSid Richardson Carbon, Ltd.の買収、ファインカーボン事業におけるTokai Carbon Korea Co., Ltd.の連結子会社化を含め、ほぼ計画通り成長戦略を実行することができました。この結果、2018年度の当社業績は、前中期経営計画T-2018の目標を大きく上回り、売上高2,313億円、営業利益752億円、ROS32.5%、ROIC31.8%と、企業規模を大きく飛躍させることができました。
2019年は新中期経営計画T-2021の初年度となりますが、米国を中心とする一連の買収に伴うPMI(統合作業)に加え、更なる成長戦略にも取り組んでまいります。また、上場企業として持続的な成長を果たすため、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)にフォーカスしたESG経営基盤の構築にも取り組む所存です。
なお、当社は中期経営計画T-2021策定のタイミングを捉え、長期ビジョン「炭素で社会を支えるグローバル企業」を新たに策定いたしました。当社グループは、企業理念である「信頼の絆」と四つの行動指針(価値創造力、公正、環境調和、国際性)のもと、お客様、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え、企業としての社会的責任(CSR)を果たしてまいります。