有価証券報告書-第114期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/25 15:26
【資料】
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【項目】
116項目
当社グループが平成29年4月からカンパニー制を導入し、組織体制を変更したことに伴い、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
なお、セグメントに関する前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後の区分方法により組み替えを行ったうえで比較しております。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行きが懸念されたものの、世界経済の景気が回復するなかで、日本政府や日銀の各種政策により、緩やかな回復基調で推移しました。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(212,837百万円)に比べ11.0%増の236,237百万円となりました。
利益につきましては、前連結会計年度比増益となりました。主な要因としましては、販売数量の増加、販売価格の値上がり及び前連結会計年度における、平成28年1月の爆発事故に起因する原価悪化要因や取引先で発生した物流費等の当社負担がなくなったことなどによるものです。これらにより、減益要因として、原材料・エネルギーなどの購入品価格の値上がりや経費の増加などがあったものの、営業利益は63.7%増の11,813百万円(前連結会計年度 7,218百万円)となりました。また、経常利益は前連結会計年度(6,863百万円)に比べ71.6%増の11,774百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度(5,084百万円)に比べ60.9%増の8,182百万円となりました。
なお、セグメント区分ごとの売上高は、次のようになっております。
鋼(ハガネ)カンパニー
主力製品である特殊鋼及びステンレス鋼の販売数量の増加と販売価格の値上がりにより、当連結会計年度の売上高は110,974百万円(前連結会計年度 96,225百万円)と前連結会計年度に比べ15.3%増加しました。
鍛(キタエル)カンパニー
主力製品である自動車用型打鍛造品の販売数量の増加や販売価格の値上がりにより、当連結会計年度の売上高は107,352百万円(前連結会計年度 99,599百万円)と前連結会計年度に比べ7.8%増加しました。
スマートカンパニー
電子部品の売上数量の増加により、当連結会計年度の売上高は14,786百万円(前連結会計年度 13,820百万円)と前連結会計年度に比べ7.0%増加しました。
その他事業
当連結会計年度の売上高は3,123百万円(前連結会計年度 3,191百万円)と前連結会計年度に比べ2.1%減少しました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、借入金の返済により、現金及び預金が減少したものの、受取手形及び売掛金の増
加などにより、前連結会計年度末(273,107百万円)に比べ4,740百万円増の277,847百万円となりました。
負債は、借入金の返済などにより、4,793百万円減の117,041百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、9,533百万円増の160,806百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末(44,732百万円)に比べ17,292百万円減少し、27,439百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は13,164百万円と前連結会計年度(13,350百万円)に比べ186百万円減少しました。これは、税金等調整前当期純利益が12,371百万円と前連結会計年度に比べ4,326百万円増加(前連結会計年度は、8,045百万円)したこと、仕入債務の増加による資金の増加2,699百万円(前連結会計年度は、仕入債務の減少による資金の減少3,819百万円)があったものの、たな卸資産の増加による資金の減少3,600百万円(前連結会計年度は、159百万円)、その他流動負債の減少による資金の減少2,316百万円(前連結会計年度は、その他流動負債の増加による資金の増加4,722百万円)があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は20,954百万円と前連結会計年度(19,677百万円)に比べ1,277百万円増加しました。これは、前連結会計年度に比べ投資有価証券の売却による収入が1,604百万円減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は9,509百万円(前連結会計年度は、財務活動による資金の増加15,231百万円)となりました。これは、前連結会計年度において社債の発行による収入が20,000百万円あったことなどによるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
鋼(ハガネ)カンパニー148,17020.0
鍛(キタエル)カンパニー107,4867.7
スマートカンパニー14,7346.1
その他事業15,1877.3
合計285,57913.6

(注) 1 セグメント間取引については、内部振替前の金額によっております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における鋼(ハガネ)カンパニー・鍛(キタエル)カンパニーの受注実績を示すと、次のとおりであります。
なお、スマートカンパニー及びその他事業は見込生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
鋼(ハガネ)カンパニー114,02324.018,88519.3
鍛(キタエル)カンパニー108,8525.933,0734.7

(注) 1 セグメント間の内部受注金額は、消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
鋼(ハガネ)カンパニー110,97415.3
鍛(キタエル)カンパニー107,3527.8
スマートカンパニー14,7867.0
その他事業3,123△2.1
合計236,23711.0

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
トヨタ自動車㈱26,85512.627,44511.6
豊田通商㈱38,60318.146,49619.7

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用は、数理計算上使用される前提条件に基づいております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の多くの見積りが存在します。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、将来の退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用に大きな影響を与える可能性があります。
②繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が増額する可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績
当社グループの当連結会計年度の売上高は、主力製品である鋼材・鍛造品の堅調な需要に支えられ、前連結会計年度に比べ11.0%増加し、236,237百万円となりました。
セグメント別の売上高については、鋼(ハガネ)カンパニーは主力の特殊鋼及びステンレス鋼の販売数量の増加と販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して15.3%増加、鍛(キタエル)カンパニーは販売数量の増加と販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して7.8%増加、スマートカンパニーは電子部品の売上数量の増加により、前連結会計年度と比較して7.0%増加しました。
利益につきましては、前連結会計年度比増益となりました。主な要因としましては、販売数量の増加、販売価格の値上がり及び前連結会計年度における、平成28年1月の爆発事故に起因する原価悪化要因や取引先で発生した物流費等の当社負担がなくなったことなどがありました。これらにより、減益要因として、原材料・エネルギーなどの購入品価格の値上がりや経費の増加などがあったものの、当連結会計年度の営業利益は11,813百万円となり、前連結会計年度(7,218百万円)に比べ4,595百万円増加しました。経常利益は11,774百万円となり、前連結会計年度(6,863百万円)に比べ4,911百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は8,182百万円となり、前連結会計年度(5,084百万円)に比べ3,098百万円増加しました。
当社グループが目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。当該指標の達成を目指して、引き続き、中期取組の確実な実行とグローバル経営基盤強化に努めてまいります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度末の現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度末(44,732百万円)に比べ17,292百万円減少し、27,439百万円となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローが13,164百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが20,954百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが9,509百万円の資金の減少であったことによるものであります。
当社グループは、中期的には製造設備の合理化や生産能力増強に対応するための設備投資を計画的に行っていく予定でありますので、今後も、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの状況を睨みながら、必要に応じて外部資金の調達を行い資金の流動性を維持するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローの増加に努め有利子負債の削減を図っていく所存であります。