有価証券報告書-第104期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 11:18
【資料】
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【項目】
111項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

以下の記述のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在における当社グループの判断に基づくものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金などの各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断などにつきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析
資産残高は、売上債権、たな卸資産、投資有価証券や退職給付に係る資産の減少などにより、前連結会計年度末比223億44百万円減の1,798億98百万円となりました。
負債残高は、借入金の返済を実施したことや仕入債務の減少などにより、前連結会計年度末比218億40百万円減の667億58百万円となりました。
純資産残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が増加したものの、その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整累計額の減少などにより、前連結会計年度末比5億3百万円減の1,131億40百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末におけるD/Eレシオ(純資産残高に対する有利子負債残高(現預金残高控除後)の割合)は0.13(前連結会計年度末は0.29)となりました。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は1,491億48百万円となり、前連結会計年度に比べ223億46百万円の減収となりました。これは、「1 業績等の概要」に記載のとおり、販売数量の減少や鉄スクラップサーチャージ制度の適用に伴う販売価格の低下などによるものであります。
② 営業利益
営業利益は121億88百万円となり、前連結会計年度に比べ30億18百万円の増益となりました。これは、販売数量が減少した一方で、原燃料価格の低下、減価償却費の減少やコストダウンの実施などによるものであります。
③ 経常利益
経常利益は115億40百万円となり、前連結会計年度に比べ18億5百万円の増益となりました。これは、営業利益が前連結会計年度に比べ30億18百万円の増益となった一方で、営業外損益が円高による為替差損の計上などにより、前連結会計年度に比べ12億13百万円悪化したことによるものであります。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は74億16百万円となり、前連結会計年度に比べ8億69百万円の増益となりました。これは、経常利益が前連結会計年度に比べ18億5百万円の増益となった一方で、特別損益が前連結会計年度に比べ9億21百万円悪化したことにより、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ8億83百万円増加したことなどによるものであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13億2百万円増加し206億28百万円となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上などにより287億70百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローでは、設備投資の実施などにより85億10百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の減少などにより188億7百万円の支出となったことなどによるものであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後につきましては、わが国の景気が緩やかに回復していくことが期待される一方で、新興国経済の減速や金融資本市場の変動等の影響、特殊鋼業界における国際競争の激化や主要需要業界における在庫調整の継続、原燃料価格の上昇懸念などもあり、当社グループをとりまく事業環境は、引き続き楽観を許さない状況で推移するとみられます。
こうした中、当社グループといたしましては、非価格競争力の強化に向けた取り組みに一層注力いたしますとともに、需要動向に即した生産の実施やコストダウンの徹底など内部努力を重ね、需要家ニーズに的確に対応した高品質の特殊鋼を安定的かつグローバルに供給できる事業体制の構築へ向けてグループの総力を挙げて取り組んでまいります。