四半期報告書-第152期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)

【提出】
2015/08/11 9:30
【資料】
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【項目】
27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。米国経済は、一時的な停滞が見られましたが、次第に回復の勢いを取り戻しました。欧州経済は、ギリシャの債務問題の影響は限定的なものに留まっており、緩やかな回復が続きました。中国経済は、減速しながらも安定した成長が続きました。アジアの新興諸国においては、インド等、一部で経済に持ち直しの動きが見られましたが、総じて停滞感がありました。
わが国の経済は、円安等による企業収益の改善や政府の経済対策を背景に、緩やかな回復が続きました。
工作機械の需要動向につきましては、北米市場は堅調に推移し、欧州市場は緩やかな回復基調で進みました。中国市場では電気・精密分野で需要の落ち込みが見られましたが、一般機械等、その他の分野では緩やかな回復が続きました。国内市場では、企業の設備投資意欲が高まる中、政府による設備投資補助金等の投資促進策の後押しもあり、高水準の受注が続きました。
このような状況の下、当グループは「グローバル70」を指針に、「ものづくりサービス」による顧客価値の創造で、受注、売上、収益の拡大を図ってまいりました。
販売戦略におきましては、中国最大の工作機械見本市である「第14回中国国際工作機械展覧会(CIMT2015)」をはじめ、アジア諸国のローカル展示会に積極的に参加し、受注・売上の拡大に努めてまいりました。
国内及び欧米の先進国市場では、好調な航空機産業向けにソリューション提案を展開し、受注拡大を図りました。また、アメリカに次いでフランスの販売拠点にAerospace Center of Excellenceを開設し、最新鋭機による加工デモやテストカットを行うと共に、ユーザーや工具メーカー等と協同で、新たな技術、ソリューションの開発を推進してまいりました。
技術戦略におきましては、高精度、高剛性、高機能を基軸とした新商品の開発を進め、機械・電気・情報・知能化の技術が融合した先進技術の開発に取り組んでまいりました。
知能化技術と省電力技術が融合した「ECO suite」は、世界初の工作機械アイドリングストップ機能等により、高精度を維持しながら運転電力の低減と待機電力の削減を実現する新世代省エネルギーシステムであり、高度な省エネルギー技術と共に稼動状況の見易さ等の機能性が評価され、このたび第45回機械工業デザイン賞最優秀賞・経済産業大臣賞(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。
コスト戦略におきましては、需要予測や生産計画の精度を更に高める等、生産システムの高度化を進め、多品種少量での高効率生産とリードタイム短縮を一段と強化してまいりました。
これらの戦略を確実に実行してまいりました結果、当第1四半期連結累計期間の連結受注高は479億10百万円(前年同四半期比23.5%増)、連結売上高は399億21百万円(前年同四半期比29.2%増)、営業利益は34億17百万円(前年同四半期比175.5%増)、経常利益は34億98百万円(前年同四半期比165.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億29百万円(前年同四半期比154.0%増)となりました。
次に、セグメント別の状況は、次のとおりであります。
① 日本
日本経済は、円安等による企業収益の改善や政府の経済対策を背景に、緩やかな回復が続きました。工作機械需要は、企業収益の改善により老朽化設備に対する更新意欲が高まり、また、政府の投資促進策の後押しもあり、自動車関連、一般機械向けを中心に好調に推移いたしました。
その結果、売上高は344億6百万円(前年同四半期比34.3%増)となりました。
利益面では、本社新工場(ドリームサイト1)を核として、多品種少量生産における生産効率向上に努め、営業利益は28億64百万円(前年同四半期比328.8%増)となりました。
② 米州
米国経済は、一時的な停滞が見られましたが、次第に回復の勢いを取り戻しました。工作機械需要は、自動車及び航空機関連を中心に、堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は111億58百万円(前年同四半期比20.9%増)、営業利益は7億50百万円(前年同四半期比194.4%増)となりました。
③ 欧州
欧州経済は、ギリシャの債務問題の影響は限定的なものに留まっており、緩やかな回復が続きました。工作機械需要は、緩やかな回復基調で推移いたしました。
その結果、売上高は59億53百万円(前年同四半期比6.0%増)、営業利益は56百万円(前年同四半期比69.0%減)となりました。
④ アジア・パシフィック
中国経済は、景気が緩やかに減速しながらも安定成長に向かいました。工作機械需要は、高水準で推移していた電気・精密分野の需要が落ち着く一方で、自動車関連や一般機械における需要は緩やかな回復が続きました。アセアン市場では、需要は弱い動きが続きました。
その結果、売上高は44億57百万円(前年同四半期比4.5%減)、営業利益は3億88百万円(前年同四半期比21.7%増)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当グループの研究開発費の総額は、8億26百万円であります。