有価証券報告書-第95期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 11:12
【資料】
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【項目】
114項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、当社の技術研究所が中心となり、各工場の生産技術部、技術部、営業部門が密接に連携を保ちながら、将来の事業の基盤となるべき基礎研究から、地球環境や資源を視野に入れた応用開発まで、幅広い研究開発活動を行っております。当連結会計年度における連結対象ベースでの研究開発費は14億31百万円であり、業界別の研究成果は以下のとおりであります。
(1) 電子・半導体業界
太陽電池用シリコンインゴットの切断に使われている電着ダイヤモンドワイヤ(商品名「EcoMEP(エコメップ)」では、年々高まる精度向上要求を先取りすべく、付着数を精密に制御した製品を開発しました。開発製品は切断面精度が著しく向上することが確認されており、国内外顧客への販売を開始しました。
各種半導体基板研削に使用されるダイヤモンドホイールでは、次世代パワーデバイス素材となる単結晶炭化ケイ素(単結晶SiC)研削用にボンド構造や結合材の強さを調整したビトリファイドダイヤモンドホイールを開発し、国内外顧客へ販売を開始しました。
(2) 輸送機器業界
自動車などの変速機に使われる歯車や部品加工用では砥粒の突出量を制御し、切れ味持続性や加工精度向上を両立させた電着CBNホイールを開発いたしました。
歯車やエンジン部品の孔内壁加工に使われるホーニング加工では、メタルボンドの構成を見直したことで、表面粗さを維持しつつ、工具寿命を延ばすことにも成功し、本製品の市場投入を開始いたしました。同時に、ワンパスで加工が可能な電着ホーニング工具も開発し、これがラインアップされたことで、顧客要求や加工方法に合致した工具が提供できるようになりました。
(3) 機械業界
軸受部品加工に使用されている砥粒配列ロータリドレッサ(商品名「アイストロール」)では、成形性、成形精度向上のため、様々な配列パターンに対応できるよう砥粒の付着方法、ダイヤモンド種類の最適化を行いました。これにより広範囲で使用できるようになり、軸受以外の市場へも投入できるようになりました。
(4) 石材・建設業界
石材・建設業界ではコンクリート構造物改修・解体用ワイヤソーの開発を進め、橋梁、高架道路の高配筋部を乾式で切断するものや水中の構造物を切断する製品のラインアップを拡充しました。
また、今後増加していくと思われる、鋼材構造物を切断するワイヤソーの開発も進めております。