有価証券報告書-第149期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/18 11:27
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1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況は次のとおりである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 概要
当連結会計年度の連結売上高は、2,501,107百万円(前連結会計年度比38.7%増)となった。利益については、営業利益は271,581百万円(前連結会計年度比56.0%増)となった。売上高営業利益率は前連結会計年度を1.2ポイント上回る10.9%となった。税引前当期純利益は、投資有価証券の売却益もあり291,807百万円(前連結会計年度比75.3%増)、当社株主に帰属する当期純利益は196,410百万円(前連結会計年度比73.2%増)となった。
2017年度 実績前連結会計年度比
売上高2,501,107百万円38.7%増
建設機械・車両2,280,967百万円44.7%増
リテールファイナンス60,309百万円22.8%増
産業機械他185,414百万円2.9%減
消去△ 25,583百万円-
セグメント利益302,977百万円71.6%増
建設機械・車両275,971百万円70.7%増
リテールファイナンス12,963百万円191.1%増
産業機械他14,459百万円16.0%増
消去又は全社△ 416百万円-
営業利益271,581百万円56.0%増
税引前当期純利益291,807百万円75.3%増
当社株主に帰属する当期純利益196,410百万円73.2%増

② 為替レート変動の影響
当連結会計年度は前連結会計年度に比較し、主に米ドルが円安に推移した。為替レートの変動により、建設機械・車両事業のセグメント利益は前連結会計年度比で約60億円増加したと試算される。為替レート変動の影響は、各社の外貨建取引額に各為替レートの変動を乗じて算出した金額の合計として試算されている。為替レート変動に対応した販売価格変更の影響は考慮していない。
③ 売上高
売上高は前連結会計年度の1,802,989百万円と比較して38.7%増加の2,501,107百万円となった。国内売上高は前連結会計年度の393,488百万円と比較して0.7%増加の396,061百万円、海外売上高は前連結会計年度の1,409,501百万円と比較して49.3%増加の2,105,046百万円となった。
④ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度比37.3%増加して1,765,832百万円となった。売上高に対する比率は70.6%と前連結会計年度比で0.7ポイント減少した。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比27.2%増加して432,298百万円となった。
なお、売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、前連結会計年度比4.4%増加して73,625百万円となった。
⑤ 長期性資産等の減損
長期性資産等の減損は、前連結会計年度の1,743百万円と比較して4,886百万円増加の6,629百万円となった。当連結会計年度の長期性資産等の減損は、主として非償却無形固定資産及び有形固定資産の減損によるものである。
⑥ 営業権の減損
営業権の減損は、前連結会計年度に計上がなかったため、13,413百万円増加の13,413百万円となった。
⑦ その他の営業収益(△費用)
その他の営業収益(△費用)は、前連結会計年度の739百万円の費用に対し11,354百万円の費用となった。これは主として別荘地管理事業の譲渡により認識した損失によるものである。
⑧ 営業利益
営業利益は以上の結果、前連結会計年度の174,097百万円と比較して56.0%増加の271,581百万円となった。
⑨ その他の収益(△費用)
受取利息及び配当金は、前連結会計年度の3,462百万円と比較して1,793百万円増加の5,255百万円となった。支払利息は、前連結会計年度の8,212百万円と比較して10,160百万円増加の18,372百万円となった。当連結会計年度の投資有価証券売却損益(純額)の49,083百万円の収益は、市場性のある持分証券の売却益である。
⑩ 税引前当期純利益
税引前当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の166,469百万円と比較して75.3%増加の291,807百万円となった。
⑪ 法人税等
法人税等は、前連結会計年度の50,405百万円と比較して35,982百万円増加の86,387百万円となった。税引前当期純利益に対する法人税等の比率(実効税率)は、前連結会計年度30.3%から0.7ポイント減少し、当連結会計年度は29.6%となった。法定税率31.5%と実効税率29.6%との差異は、評価性引当金の増減等によるものである。
⑫ 持分法投資損益
持分法投資損益は、前連結会計年度の3,302百万円の利益と比較して243百万円増加の3,545百万円の利益となった。
⑬ 当期純利益
当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の119,366百万円と比較して89,599百万円増加の208,965百万円となった。
⑭ 非支配持分に帰属する当期純利益
非支配持分に帰属する当期純利益は、主にコマツマーケティングサポートオーストラリア㈱と小松山推建機公司の収益が増加したことから、非支配持分に帰属する部分が増加し、前連結会計年度の5,985百万円と比較して6,570百万円増加の12,555百万円となった。
⑮ 当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の113,381百万円と比較して73.2%増加の
196,410百万円となった。1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の120.26円から208.25円
となった。潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の120.10円から207.97円となった。
⑯ セグメント利益の状況
(セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出している。)
建設機械・車両事業のセグメント利益は、ジョイ・グローバル社の買収に係る一時費用が発生したものの、北米、中国、アジア等で売上高が増加したことにより、前連結会計年度の161,686百万円と比較して114,285百万円増加の275,971百万円となった。
リテールファイナンス事業のセグメント利益は、中国での引当金計上の影響がなくなったこと等に伴い、前連結会計年度の4,453百万円と比較して8,510百万円増加の12,963百万円となった。
産業機械他事業のセグメント利益は、自動車業界向けの工作機械の販売が増加したこと等に伴い、前連結会計年度の12,464百万円と比較して1,995百万円増加の14,459百万円となった。
これらに、全社及びセグメント間取引消去を差し引いたセグメント利益(連結)は、前連結会計年度の
176,579百万円と比較して126,398百万円増加の302,977百万円となった。
なお、セグメント利益(連結)は米国会計基準に則っていないが、財務諸表利用者に有益な情報を提供するた
めに表示している。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資本が増加したものの、当期純利益や減価償却費等により、148,394百万円の収入(前連結会計年度比107,732百万円の収入減)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、売却可能投資有価証券等の売却があったものの、ジョイ・グローバル
社の買収等により、377,745百万円の支出(前連結会計年度比244,446百万円の支出増)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、上記の買収資金の調達等により、243,949百万円の収入(前連結会計年度は107,718百万円の支出)となった。
これらに為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ24,496百万円増加し、144,397百万円となった。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の実績については、「2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示している。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成している。作成にあたって当社のマネジメントは、知り得る限りの情報に基づいて妥当であると考えられる見積りや判断を継続して実施している。これらの見積りや判断は、連結財務諸表において、決算日の資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値及び偶発資産・債務の開示情報に影響を与える。これらの見積りや判断は、当社グループの過去からの経験、既存の諸契約の内容、業界動向の分析、顧客からの情報、その他の外部からの情報に基づいているものであるが、その性質上、内在する不確実性の度合いが影響するため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。当社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記1に記載されている。
当社は特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えている。
① 貸倒引当金
当社グループは、それぞれの顧客の財務状態等を含む多くの要素を考慮して最終的な実現可能性を判定し、債権の回収可能性を推定している。
当社グループは、過去の実績を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当を計上している。顧客の信用状況は継続的に内外の情報を入手して分析を行い把握している。これまで実際に発生した貸倒れは、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社のマネジメントは、当社グループの見積りが妥当であると信じているが、債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財務状態に変化が生じるような場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記4に記載されている。
② 法人税等と繰延税金資産
当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税の見積りを行っている。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果計算を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上している。
繰延税金資産を計上するにあたっては、これらが将来の課税所得や有効な税務計画により実現されることの確実性を検証する必要がある。
当社のマネジメントは、取締役会で承認された経営計画や、期中での各社からの経営報告、将来の市場状況、実行性の高い税務戦略等に基づき、将来の課税所得を推定し繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと考えられる部分については評価性引当金を計上している。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社のマネジメントの判断が変わることにより、評価性引当金が変動する可能性がある。
また、当社グループは、税務ポジションの不確実性から生じる影響額については、税務上の技術的な方法に基づき、50%超の可能性で認められる場合、財務諸表に認識している。その税務ポジションに関連する財務諸表への影響額は、税務当局との解決により50%超の可能性で実現が予想される最大金額で測定される。当社グループはその税務ポジションが有効的に解決されるまで、決算日ごとに持続可能性を検証し、見積りによる変動の影響を財務諸表へ反映させる。
当社のマネジメントは、計上した繰延税金資産(評価性引当金控除後)全額が実現可能であり、認識された不確実性のあるすべての主要な税務ポジションは瑕疵なく持続していると判断しているが、経営計画が実現できず、将来の課税所得の見積りが大幅に減少する場合や、関連する税務当局の解釈等、これらの判断が結果として現実と異なる場合には、評価性引当金や認識すべき財務諸表への影響額を見直す必要があり、追加の税金費用が発生することで当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記15に記載されている。
③ 長期性資産及び営業権の評価
当社グループは長期性資産に関して、経営環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施している。
当社グループが保有しかつ使用している資産の回収可能性は、帳簿価額とその資産から生じる割引前将来キャッシュ・フローとの比較で判定される。この割引前将来キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出される。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定される。もし、資産の帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回り、回収可能性が認められずその資産が減損状態であると判定された場合、帳簿価額が公正価値を上回った額が減損額として測定され計上される。公正価値は、主に市場において想定されるキャッシュ・フローの変動リスクを考慮した加重平均資本コストを割引率として使用する割引後将来キャッシュ・フローモデル、あるいは独立した鑑定評価で測定される。処分予定の長期性資産については、帳簿価額と公正価値から処分のためのコストを差し引いた額とのいずれか低い方で評価される。
当社グループは営業権については、少なくとも各年度に1回減損の検討を実施している。報告単位の帳簿価額が公正価値を上回る場合、その報告単位に配分された営業権の帳簿価額を限度とし、当該差額を営業権の減損損失として認識する。
現状では、長期性資産及び営業権については、重要な追加の減損の発生はないと考えているが、経営戦略の変更、市場の変化があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産及び営業権の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
④ 金融商品の公正価値
主に外国為替予約や金利スワップ契約等のデリバティブ金融商品の公正価値は、市場で観察可能なインプットに基づいた業者からの情報をもとに評価している。この公正価値の情報は、特定のある時点での適切な市場の情報と商品についての情報に基づいて推定されるものであるが、これらの推定はその性格上、市場の不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なってくる可能性がある。
投資有価証券及び関連会社に対する投資の公正価値については、市場性のあるものは市場で値付けされた価額で評価しているが、公正価値の下落があった場合、それが一時的かどうかについて、下落の期間や程度、被投資会社の財政状態及び業績予想等を考慮して判断している。市場性のない投資の価値の下落が一時的かどうかの判断は、被投資会社の財政状態及び業績予想等から行っている。
現状では、投資有価証券あるいは関連会社に対する投資については、重要な追加の減損の発生はないと考えているが、将来の経済環境の変化によっては投資先の企業の業績が悪化し、減損を認識する可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記19、20、21に記載されている。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループの年金債務及び年金費用の額は、算出時に使用した仮定に影響される。これらの仮定は連結財務諸表注記12に記載されており、割引率、長期期待収益率、平均報酬水準増加率等を含む。当社グループは、仮定と実績が乖離した場合には、その差額を累積し従業員の平均残存勤務年数にわたって償却を実施する事で、将来の期間にわたり、費用として認識する。
割引率は、現在かつ年金受給が満期となる間に利用可能と予想される信用度の高い固定利付き債券の利率に基づいて算出される。また、長期期待収益率は、投資対象の様々な資産カテゴリー別に将来収益に対する予測や過去の運用実績を考慮し決定される。
当社グループは、これらの仮定は妥当なものであると信じているが、重要な実績との乖離もしくは重要な仮定の変化があった場合、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性がある。
当連結会計年度末の当社グループの年金制度において、割引率又は長期期待収益率が0.5%変動した場合、年金債務及び年金費用に及ぼす影響は、その他すべての仮定を一定とすると、それぞれ以下のとおりである。
仮定の変更変動率年金債務年金費用
割引率0.5%増/0.5%減236億円減/252億円増3億円減/5億円増
長期期待収益率0.5%増/0.5%減15億円減/15億円増

⑥ 今後適用となる新会計基準
米国財務会計基準審議会は、2014年5月に会計基準アップデート2014-09「顧客との契約から生じる収益」を発行した。同アップデートは、米国財務会計基準審議会会計基準編纂書605「収益の認識」を改訂し、顧客への財やサービスの移転を、企業が財やサービスと交換に受け取れると見込まれる対価を反映した金額で収益を認識することを要求している。同アップデートは、2016年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用され、早期適用は認められない。米国財務会計基準審議会は、2015年8月に会計基準アップデート2015-14「顧客との契約から生じる収益-適用日の延期」を発行した。同アップデートは、収益認識に関する基準書の強制適用日を1年延期するものであるが、当初の適用日から適用することも認められる。当社グループは、現在、適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
米国財務会計基準審議会は、2016年1月に会計基準アップデート2016-01「金融資産及び金融負債の認識及び測定」を発行した。同アップデートは、企業が保有する持分投資が損益計算書に与える影響及び公正価値オプションの適用を選択した金融負債の公正価値変動の認識を変更するものである。持分投資については、原則として公正価値で評価され、その公正価値変動を損益で認識することを要求している。また、公正価値オプションの適用を選択した金融負債については、当該金融負債固有の信用リスクによる公正価値の変動をその他の包括利益で認識することを要求している。同アップデートは、2017年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用される。当社グループは、現在、適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
米国財務会計基準審議会は、2016年2月に会計基準アップデート2016-02「リース」を発行した。同アップデートは、借手については、ほとんどすべてのリース契約に対して、貸借対照表上でのリース資産とリース負債の計上を要求している。貸手については、現行基準から概ね変更されていない。同アップデートは、2018年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用され、早期適用も認められる。当社グループは、現在、適用時期及び適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
米国財務会計基準審議会は、2017年3月に会計基準アップデート2017-07「期間年金費用及び期間退職後給付費用の表示の改善」を発行した。同アップデートは、期間年金費用及び期間退職後給付費用を勤務費用要素とそれ以外の要素に区分し、前者は他の人件費と同一の項目に表示する一方、後者は営業外損益に表示することを要求している。また、同アップデートでは、資産計上が適格であるのは勤務費用要素のみであることを明示している。同アップデートは、2017年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用される。当社グループは、現在、適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
米国財務会計基準審議会は、2017年8月に会計基準アップデート2017-12「ヘッジ活動に関する会計処理の限定的改善」を発行した。同アップデートは、企業のリスク管理活動の経済的結果をより的確に財務諸表へ反映するため、特定の状況におけるヘッジ会計の適用を改善している。同アップデートは、ヘッジの有効部分と非有効部分を分けて測定・表示する要求事項を削除し、また、ヘッジ手段の公正価値変動全額をヘッジ対象から生じる損益と同一の損益計算書の表示科目に計上することを要求している。同アップデートは、2018年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用される。当社グループは、現在、適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の連結売上高は、2,501,107百万円(前連結会計年度比38.7%増)となった。建設機械・車両事業では、中国やインドネシアをはじめ多くの地域で需要を着実に取り込んだことに加え、昨年4月に買収した米国の大手鉱山機械メーカーであるジョイ・グローバル社(新社名「コマツマイニング㈱」)の新規連結の効果もあり、売上高は前連結会計年度を大幅に上回った。産業機械他事業では、自動車業界向けの工作機械の販売増加等があったものの、鍛圧機械やワイヤーソーの販売減少等があったことから、売上高は前連結会計年度を下回った。利益については、ジョイ・グローバル社の買収に係る一時費用が発生したものの、各地で売上高が増加したことにより、営業利益は271,581百万円(前連結会計年度比56.0%増)となった。
当連結会計年度末の総資産は、コマツマイニング㈱の新規連結等により、前連結会計年度末比716,056百万円増加の3,372,538百万円となった。有利子負債残高は、ジョイ・グローバル社の買収資金調達等により前連結会計年度末比401,895百万円増加の810,597百万円となった。株主資本は前連結会計年度末比87,866百万円増加の1,664,540百万円となった。これらの結果、株主資本比率は前連結会計年度末比10.0ポイント減少の49.4%となった。
② 流動性及び資金の源泉
<資金調達と流動性管理>当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としている。この方針に従い、当社グループは金融機関借入、社債等の発行、融資枠の設定等、様々な資金調達の源泉を確保している。設備投資資金及び運転資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー及び外部より調達した資金を充当している。更に、当社グループの資金の効率性を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のキャッシュマネジメントシステム(グローバル・キャッシュ・プーリング、以下、「GCP」)を特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限にGCP参加会社は借入を行っている。当GCPにおいては、預入金及び借入金の残高を相殺できる条項が含まれており、当連結会計年度末現在の相殺金額は244,289百万円となっている。
短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借入及びコマーシャル・ペーパーの発行等でまかなっている。一部の連結子会社は、当連結会計年度末現在、金融機関との間に合計30,251百万円のコミットメントライン契約を締結して代替流動性を確保しており、その未使用枠は22,484百万円となっている。コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、当社で180,000百万円のプログラムを保有しており、未使用枠は112,000百万円となっている。
当社は、中長期資金需要に機動的に対応するため、社債発行枠とユーロ・ミディアム・ターム・ノート(以下、「EMTN」)プログラムを保有している。当社は2016年11月に2年間有効の150,000百万円の社債発行枠を登録した。当連結会計年度末現在の未使用枠は100,000百万円となっている。なお、これ以外の過去に登録した社債発行枠に基づいて発行した分も含めた当社グループの社債の当連結会計年度末現在の残高は154,811百万円である。また、当社、コマツファイナンスアメリカ㈱及び欧州コマツコーディネーションセンター㈱で合わせて20億米ドルのEMTNプログラムを保有しており、このプログラムに基づいて、それぞれの発行体はディーラーとの間で合意されたすべての通貨の債券を発行できる。当連結会計年度末現在、当該EMTNプログラムにより発行された債券の残高は114,273百万円である。
当連結会計年度末現在、当社グループの短期債務残高は259,093百万円となり、前連結会計年度末に比べて130,641百万円増加した。短期債務は主に銀行借入であり、ジョイ・グローバル社の買収資金及び運転資金等に使用されている。
当連結会計年度末現在、長期債務残高(1年以内期限到来分含む)は551,504百万円で、前連結会計年度末に比べて271,254百万円増加した。長期債務は銀行、保険会社等からの借入金等280,768百万円、無担保社債154,811百万円、EMTN114,273百万円、キャピタルリース債務1,652百万円で構成されており、主にジョイ・グローバル社の買収資金、設備投資資金及び長期運転資金に使用されている。
当連結会計年度末現在のキャピタルリース債務を含めた有利子負債残高は前連結会計年度末比401,895百万円増加の810,597百万円となり、更に現預金を差し引いたネット有利子負債残高は前連結会計年度末比377,228百万円増加の663,740百万円となった。これらに加え株主資本が増加した結果、当連結会計年度末現在のネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット有利子負債と株主資本の比率)は前連結会計年度末の0.18に対して0.40となった。
当連結会計年度末現在、流動資産は1,797,591百万円となり、前連結会計年度末に対し、378,070百万円増加し、また流動負債は989,661百万円となり、前連結会計年度末に対し289,479百万円増加した。その結果、流動比率は181.6%と前連結会計年度末に対し21.1ポイント減少となった。
営業活動から得られるキャッシュ・フロー、様々な資金調達手段、流動比率の水準に基づき、当社グループは、流動性ニーズや将来の債務履行のための手段を十分に確保しているものと考えている。
なお、当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は144,397百万円であり、そのうち120,875百万円は海外子会社が保有している。
当社は、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ・インベスターズ・サービス及び㈱格付投資情報センターから信用格付を取得している。当連結会計年度末現在、当社の発行体格付けは、スタンダード&プアーズ:A(長期)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス:A2(長期)、㈱格付投資情報センター:AA-(長期)、a-1+(短期)となっている。
<設備投資>建設機械・車両事業では、主に生産性向上のための設備投資及び循環事業強化のための設備投資等を行った。リテールファイナンス事業では、賃貸用資産に係る設備投資等を行った。産業機械他事業では、老朽設備更新等のための設備投資を行った。これらの結果、当連結会計年度の設備投資額は145,668百万円と前連結会計年度比3,662百万円の増加となった。
<契約上の債務>当連結会計年度末現在の契約上の債務は次のとおりである。
期間別支払見込額(百万円)
合計1年以内1-3年3-5年5年超
短期債務259,093259,093---
長期債務
(キャピタルリース債務を除く)
549,85270,080156,317279,45743,998
キャピタルリース債務1,652726458276192
オペレーティングリース債務22,4827,2288,7904,5951,869
有利子負債に関する利息
(キャピタルリース債務を含む)
46,42913,69919,89112,254585
年金及びその他の退職給付債務5,3505,350---
合計884,858356,176185,456296,58246,644

(注)1. 長期債務の公正価額の調整額はない。
2. 有利子負債に関する利息は、当連結会計年度末現在有効な利率に基づき計算されている。
3. 年金及びその他の退職給付債務は、2019年度以降の拠出額は未確定であるため、2018年度に生じるものだけを記載している。
なお、当連結会計年度末現在の設備発注残高は、約19,700百万円である。
③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<建設機械・車両事業セグメント>建設機械・車両事業の売上高は前連結会計年度を44.7%上回る2,280,967百万円となった。
オフロード法2014年基準(米国ではTier4 Final)に適合する中型油圧ショベル「PC200-11」並びに中型ICT油圧ショベル「PC200i-11」を発売した。窒素酸化物等の排出を大幅に低減しながら生産性と燃費性能の両方で高いレベルを達成するなど、環境・安全・ICTに磨きをかけた最新機種を市場に導入し、販売拡大に努めている。
また、2015年2月にスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を着実に推進し、これまでに5,000を超える現場に導入した。同事業については昨年10月、㈱ランドログを設立し、建設生産プロセス全体を一元管理して最適化するためのオープンな新プラットフォーム「LANDLOG」の運用を開始した。また、同じく12月には、AIや画像解析の分野で高い技術力を持つ米国の大手半導体メーカーNVIDIA社と協業していくことを発表した。コマツはオープンイノベーションで様々な分野におけるパートナーシップを構築し、より安全で生産性の高い「未来の現場」の実現を加速させていく。
(以下、地域別売上高は外部顧客向け売上高を表示している。)
(日本)
レンタル業界向けを中心にした新排出ガス規制実施前の需要増加により、売上高は前連結会計年度を4.7%上回る315,690百万円となった。
(米州)
米国及びカナダでは、インフラ及びエネルギー関連向けを中心に一般建機の需要が増加した。また、中南米においては、アルゼンチンやメキシコを中心に一般建機の需要が増加した。更に、コマツマイニング㈱の新規連結の効果もあり、米州での売上高は前連結会計年度を57.6%上回る853,023百万円となった。
(欧州・CIS)
欧州では、主要市場であるドイツや北欧を中心に需要が堅調であり、売上高は前連結会計年度を33.2%上回る180,486百万円となった。CISでは、石炭や金鉱山を中心に鉱山向け需要が引き続き好調であり、売上高は前連結会計年度を53.9%上回る108,557百万円となった。
(中国)
全国的にインフラ工事が進行し、一般建機の需要が引き続き伸長したことから、売上高は前連結会計年度を69.2%上回る164,772百万円となった。
(アジア・オセアニア)
アジアでは、石炭価格の上昇に伴い、最大市場であるインドネシアで鉱山機械の需要が増加したこと等から、売上高は前連結会計年度を44.5%上回る298,654百万円となった。オセアニアでは、鉱山機械の需要が増加したこと等に加え、コマツマイニング㈱の新規連結の効果もあり、売上高は前連結会計年度を72.2%上回る181,972百万円となった。
(中近東・アフリカ)
中近東では、原油安を受けた各国政府の緊縮財政の影響はあったものの、一部地域での需要が回復傾向にあること等により、売上高は前連結会計年度を10.4%上回る39,554百万円となった。アフリカでは、南アフリカでの鉱山向け需要が増加したこと等に加え、コマツマイニング㈱の新規連結の効果もあり、売上高は前連結会計年度を73.4%上回る124,624百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比689,223百万円増加の2,434,291百万円となった。
なお、建設機械・車両事業全体の生産規模は、前連結会計年度比55.3%増加し、約2兆4,122億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。この主な理由は、需要増加とコマツマイニング㈱の新規連結によるものである。
<リテールファイナンス事業セグメント>リテールファイナンス事業では、北米での資産の増加等に伴い、売上高は前連結会計年度を22.8%上回る60,309百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比56,967百万円増加の728,518百万円となった。
<産業機械他事業セグメント>産業機械他事業では、自動車業界向けの工作機械の販売増加等があった一方、鍛圧機械やワイヤーソー及び防衛省向け製品の販売減少等があったことにより、売上高は前連結会計年度を2.9%下回る185,414百万円となった。
コマツ産機㈱では、本年3月に新型サーボプレス「H2FM630」を発売した。新開発の「水冷式高トルクサーボモーター」や「大容量キャパシタ蓄電システム」を搭載し、従来機に比べて大幅な生産性・環境性の向上を実現している。同社が培ってきた技術・ノウハウと先進のICT技術を投入した最新機種を市場に導入し、販売拡大に努めている。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比2,351百万円減少の209,476百万円となった。
なお、産業機械他事業全体の生産規模は、前連結会計年度比11.6%増加し、約2,066億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
④ 目標とする経営指標の達成状況等
2019年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標に対し、2年目の実績は順調に推移しており、当連結会計年度の売上高成長率は前連結会計年度比+38.7%、前中期経営計画最終年度の前々連結会計年度比+34.8%となった。
売上高営業利益率は10.9%となり、前連結会計年度の9.7%から更に改善した。
ROEは12.1%となり、前連結会計年度の7.3%から4.8ポイント改善し、目標である10%レベルを上回った。
リテールファイナンス事業については、ROAは若干の未達となったが、ネット・デット・エクイティ・レシオは、3.5倍となり、引き続き5倍以下となった。

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