有価証券報告書-第152期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況は次のとおりである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 概要
当連結会計年度の連結売上高は、2,189,512百万円(前連結会計年度比10.4%減)となった。利益については、営業利益は167,328百万円(前連結会計年度比33.3%減)となった。売上高営業利益率は前連結会計年度を2.7ポイント下回る7.6%となった。税引前当期純利益は、162,775百万円(前連結会計年度比27.0%減)、当社株主に帰属する当期純利益は106,237百万円(前連結会計年度比30.9%減)となった。
② 為替レート変動の影響
当連結会計年度は前連結会計年度に比較し、為替レートが主に米ドルに対して円高に推移した。為替レートの変動により、建設機械・車両事業のセグメント利益は前連結会計年度比で約101億円減少したと試算される。為替レート変動の影響は、各社の外貨建取引額に各為替レートの変動を乗じて算出した金額の合計として試算されている。為替レート変動に対応した販売価格変更の影響は考慮していない。
③ 売上高
売上高は前連結会計年度の2,444,870百万円と比較して10.4%減少の2,189,512百万円となった。国内売上高は前連結会計年度の396,584百万円と比較して3.1%減少の384,302百万円、海外売上高は前連結会計年度の2,048,286百万円と比較して11.9%減少の1,805,210百万円となった。
④ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度比8.0%減少して1,608,457百万円となった。売上高に対する比率は73.5%と前連結会計年度比で2.0ポイント増加した。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比7.3%減少して408,716百万円となった。
なお、売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、前連結会計年度比1.2%減少して738億円となった。
⑤ 長期性資産等の減損
長期性資産等の減損は、前連結会計年度の3,194百万円と比較して791百万円減少の2,403百万円となった。当連結会計年度の長期性資産等の減損は、主として非償却無形固定資産及び有形固定資産の減損によるものである。
⑥ 営業権の減損
営業権の減損は、当連結会計年度に計上がなかったため、3,699百万円減少となった。
⑦ その他の営業収益(△費用)
その他の営業収益(△費用)は、前連結会計年度の2,570百万円の収益に対し2,608百万円の費用となった。
⑧ 営業利益
営業利益は以上の結果、前連結会計年度の250,707百万円と比較して33.3%減少の167,328百万円となった。
⑨ その他の収益(△費用)
受取利息及び配当金は、前連結会計年度の7,378百万円と比較して2,085百万円減少の5,293百万円となった。支払利息は、前連結会計年度の24,592百万円と比較して10,826百万円減少の13,766百万円となった。
⑩ 税引前当期純利益
税引前当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の223,114百万円と比較して27.0%減少の162,775百万円となった。
⑪ 法人税等
法人税等は、前連結会計年度の62,873百万円と比較して15,954百万円減少の46,919百万円となった。税引前当期純利益に対する法人税等の比率(実効税率)は、前連結会計年度の28.2%から0.6ポイント増加し、当連結会計年度は28.8%となった。法定税率31.3%と実効税率28.8%との差異は、海外子会社の適用税率の差異等によるものである。
⑫ 持分法投資損益
持分法投資損益は、前連結会計年度の3,443百万円の利益と比較して683百万円減少の2,760百万円の利益となった。
⑬ 当期純利益
当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の163,684百万円と比較して45,068百万円減少の118,616百万円となった。
⑭ 非支配持分に帰属する当期純利益
非支配持分に帰属する当期純利益は、コマツマーケティングサポートオーストラリア㈱等の収益が増加したことから、非支配持分に帰属する部分が増加し、前連結会計年度の9,840百万円と比較して2,539百万円増加の12,379百万円となった。
⑮ 当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の153,844百万円と比較して30.9%減少の
106,237百万円となった。1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の162.93円から112.43円
となった。潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の162.80円から112.39円となった。
⑯ セグメント利益の状況
(セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出している。)
建設機械・車両事業のセグメント利益は、固定費の削減に取り組んだものの、販売量減少や構成差、円高の影響等により、前連結会計年度の227,311百万円と比較して83,523百万円減少の143,788百万円となった。
リテールファイナンス事業のセグメント利益は、支払猶予の影響及びリースアップ車の評価を見直したこと等もあり、前連結会計年度の12,673百万円と比較して2,099百万円減少の10,574百万円となった。
産業機械他事業のセグメント利益は、半導体市場向けエキシマレーザー関連事業の売上高が堅調であったことから、前連結会計年度の13,703百万円と比較して2,639百万円増加の16,342百万円となった。
これらに、全社及びセグメント間取引消去を差し引いたセグメント利益(連結)は、前連結会計年度の
255,030百万円と比較して82,691百万円減少の172,339百万円となった。
なお、セグメント利益(連結)は米国会計基準に則っていないが、財務諸表利用者に有益な情報を提供するた
めに表示している。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産が減少したこと等により、354,129百万円の収入(前連結会計年度比58,948百万円の収入増加)となった。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入等により、163,057百万円の支出(前連結会計年度比27,873百万円の支出減少)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払い等により、199,667百万円の支出(前連結会計年度は3,457百万円の支出)となった。
これらに為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ5,813百万円減少し、241,803百万円となった。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の実績については、「2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示している。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成している。作成にあたって当社のマネジメントは、知り得る限りの情報に基づいて妥当であると考えられる見積りや判断を継続して実施している。これらの見積りや判断は、連結財務諸表において、決算日の資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値及び偶発資産・債務の開示情報に影響を与える。これらの見積りや判断は、当社グループの過去からの経験、既存の諸契約の内容、業界動向の分析、顧客からの情報、その他の外部からの情報に基づいているものであるが、その性質上、内在する不確実性の度合いが影響するため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。当社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記1に記載されている。
新型コロナウイルス感染症が当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響については、収束時期等が不透明であるものの、現時点で入手可能な情報や予測に基づき、今後も一定程度当該影響が継続すると仮定している。会計上の見積りの中でも比較的重要性のある貸倒見積額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、長期性資産及び営業権の減損の判定については、当該仮定に基づき最善の見積りを行っているが、今後の実際の推移が当該仮定と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性がある。
当社は特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えている。
① 貸倒引当金
当社グループは、それぞれの顧客の財務状態等を含む多くの要素を考慮して最終的な実現可能性を判定し、債権の回収可能性を推定している。
当社グループは、過去の実績を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当を計上している。顧客の信用状況は継続的に内外の情報を入手して分析を行い把握している。特にリテールファイナンス事業の金融債権は回収が長期間に及ぶうえに、貸倒見積額の算定及び担保による回収可能見込額の算定には不確実性が伴うことから、顧客ごとの信用状況や期日未回収債権の状況調査及び担保となる資産の市場価格調査を行い、入手可能な情報に基づいて最善の見積りを行っている。これまで実際に発生した貸倒れは、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社のマネジメントは、当社グループの見積りが妥当であると信じているが、債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財務状態に変化が生じるような場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記4に記載されている。
② 法人税等と繰延税金資産
当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税の見積りを行っている。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果計算を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上している。
繰延税金資産を計上するにあたっては、これらが将来の課税所得や有効な税務計画により実現されることの確実性を検証する必要がある。
当社のマネジメントは、取締役会で承認された経営計画や、期中での各社からの経営報告、将来の市場状況、実行性の高い税務戦略等に基づき、将来の課税所得を推定し繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと考えられる部分については評価性引当金を計上している。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社のマネジメントの判断が変わることにより、評価性引当金が変動する可能性がある。
また、当社グループは、税務ポジションの不確実性から生じる影響額については、税務上の技術的な方法に基づき、50%超の可能性で認められる場合、財務諸表に認識している。その税務ポジションに関連する財務諸表への影響額は、税務当局との解決により50%超の可能性で実現が予想される最大金額で測定される。当社グループはその税務ポジションが有効的に解決されるまで、決算日ごとに持続可能性を検証し、見積りによる変動の影響を財務諸表へ反映させる。
当社のマネジメントは、計上した繰延税金資産(評価性引当金控除後)全額が実現可能であり、認識された不確実性のあるすべての主要な税務ポジションは瑕疵なく持続していると判断しているが、経営計画が実現できず、将来の課税所得の見積りが大幅に減少する場合や、関連する税務当局の解釈等、これらの判断が結果として現実と異なる場合には、評価性引当金や認識すべき財務諸表への影響額を見直す必要があり、追加の税金費用が発生することで当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記16に記載されている。
③ 長期性資産及び営業権の評価
当社グループは長期性資産に関して、経営環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施している。
当社グループが保有しかつ使用している資産の回収可能性は、帳簿価額とその資産から生じる割引前将来キャッシュ・フローとの比較で判定される。この割引前将来キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出される。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定される。もし、資産の帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回り、回収可能性が認められずその資産が減損状態であると判定された場合、帳簿価額が公正価値を上回った額が減損額として測定され計上される。公正価値は、主に市場において想定されるキャッシュ・フローの変動リスクを考慮した加重平均資本コストを割引率として使用する割引後将来キャッシュ・フローモデル、あるいは独立した鑑定評価で測定される。処分予定の長期性資産については、帳簿価額と公正価値から処分のためのコストを差し引いた額とのいずれか低い方で評価される。
当社グループは営業権については、少なくとも各年度に1回、又は減損の可能性を示す事象や、状況の変化が生じた時点で減損の検討を実施している。
報告単位の公正価値の測定にあたっては、通常、割引後将来キャッシュ・フローモデルにより算定している。将来見積キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出される。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定される。報告単位の帳簿価額が公正価値を上回る場合、その報告単位に配分された営業権の帳簿価額を限度とし、当該差額を営業権の減損損失として認識する。
現状では、長期性資産及び営業権については、重要な追加の減損の発生はないと考えているが、経営戦略の変更、市場の変化があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産及び営業権の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
④ 金融商品の公正価値
主に外国為替予約や金利スワップ契約等のデリバティブ金融商品の公正価値は、市場で観察可能なインプットに基づいた業者からの情報をもとに評価している。この公正価値の情報は、特定のある時点での適切な市場の情報と商品についての情報に基づいて推定されるものであるが、これらの推定はその性格上、市場の不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なってくる可能性がある。
市場性のある持分証券は、公正価額で評価されている。公正価額の変動は、当期純利益で認識している。
市場性がなく、容易に算定可能な公正価値がない持分証券のうち、1株当たり純資産価値で評価している持分証券以外について、減損による評価下げ後の取得価額にて測定している。また、同一発行体の同一又は類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を識別した場合は、当該持分証券を観察可能な取引が発生した日の公正価値で測定している。
関連会社に対する投資の公正価値については、公正価値の下落があった場合、それが一時的かどうかについて、下落の期間や程度、被投資会社の財政状態及び業績予想等を考慮して判断している。
現状では、投資有価証券あるいは関連会社に対する投資については、重要な追加の減損の発生はないと考えているが、将来の経済環境の変化によっては投資先の企業の業績が悪化し、減損を認識する可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記20、21、22に記載されている。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループの年金債務及び年金費用の額は、算出時に使用した仮定に影響される。これらの仮定は連結財務諸表注記12に記載されており、割引率、長期期待収益率、平均報酬水準増加率等を含む。当社グループは、仮定と実績が乖離した場合には、その差額を累積し従業員の平均残存勤務年数にわたって償却を実施する事で、将来の期間にわたり、費用として認識する。
割引率は、現在かつ年金受給が満期となる間に利用可能と予想される信用度の高い固定利付き債券の利率に基づいて算出される。また、長期期待収益率は、投資対象の様々な資産カテゴリー別に将来収益に対する予測や過去の運用実績を考慮し決定される。
当社グループは、これらの仮定は妥当なものであると信じているが、重要な実績との乖離もしくは重要な仮定の変化があった場合、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性がある。
当連結会計年度末の当社グループの年金制度において、割引率又は長期期待収益率が0.5%変動した場合、年金債務及び年金費用に及ぼす影響は、その他すべての仮定を一定とすると、それぞれ以下のとおりである。
⑥ 今後適用となる新会計基準
米国財務会計基準審議会は、2016年6月に会計基準アップデート2016-13「金融商品-信用損失:金融商品に関する信用損失の測定」を発行した。同アップデートは、多くの金融資産について、現行の発生損失モデルではなく予想信用損失モデルに基づいて損失を認識することを要求している。予想信用損失モデルでは、対象となる金融資産の残存期間に発生することが見込まれる予想信用損失をただちに認識することになる。当初同アップデートは、米国証券取引委員会(SEC)に登録していない企業においては、2020年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用される予定であったが、米国財務会計基準審議会は、2019年11月に適用日の変更を行い、同アップデートは、2022年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用されることとなった。なお、早期適用も認められている。同アップデートは、適用開始期間の期首の利益剰余金で累積影響額を調整する修正遡及適用アプローチにより適用される。当社グループは、現在、適用時期及び適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の連結売上高は、2,189,512百万円(前連結会計年度比10.4%減)となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により不透明かつ不確実な状況下、建設機械・車両事業では、当第3四半期連結会計期間以降、一般建機を中心に需要の着実な回復が見られたものの、通期では当第2四半期連結会計期間までの需要減少の影響が大きく、売上高は前連結会計年度を下回った。産業機械他事業では、自動車業界向けの鍛圧機械、板金機械及び工作機械の設備投資が低調に推移したこと等により、売上高は前連結会計年度を下回った。利益については、固定費の削減に取り組んだものの、建設機械・車両事業の販売量減少及び構成差、円高の影響等により、営業利益は167,328百万円(前連結会計年度比33.3%減)となった。
当連結会計年度末は、たな卸資産が減少した一方、米ドルなどに対して為替が前連結会計年度末に比べ円安となったことに加え、売上債権の増加等により、総資産は前連結会計年度末比131,155百万円増加の3,784,841百万円となった。有利子負債残高は、前連結会計年度末比102,395百万円減少の909,983百万円となった。株主資本は前連結会計年度末比140,691百万円増加の1,912,297百万円となった。これらの結果、株主資本比率は前連結会計年度末比2.0ポイント増加の50.5%となった。
② 流動性及び資金の源泉
<資金使途の考え方>当社グループは、持続的な企業価値の増大を目指して、外部環境の変化や需要変動に左右されない健全な財務体質の構築と競争力強化に努めている。資金を成長のための投資、バランスシート改善(財務健全性維持)、株主還元にバランスよく配分して、総合指標であるROE(自己資本利益率)をモニタリングしている。想定される株主資本コストを上回るROE10%以上を経営目標として、ROE向上と株主資本コスト低減の両面からエクイティ・スプレッド(ROE-株主資本コスト)の拡大に取り組んでいる。
<資金調達と流動性管理>当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針と
している。この方針に従い、当社グループは金融機関借入、社債等の発行、融資枠の設定等、様々な資金調達
の源泉を確保している。設備投資資金及び運転資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー及
び外部より調達した資金を充当している。更に、当社グループの資金の効率性を高めるため、海外子会社を含
めたグループ間のキャッシュマネジメントシステム(グローバル・キャッシュ・プーリング、以下、「GCP」)を特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限にGCP参加会社は借入を行っている。当GCPにおいては、預入金及び借入金の残高を相殺できる条項が含まれており、当連結会計年度末現在の相殺金額は271,433百万円となっている。
短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借
入及びコマーシャル・ペーパーの発行等でまかなっている。当社及び一部の連結子会社は、当連結会計年度末現在、金融機関との間に合計458,330百万円のコミットメントライン契約を締結して代替流動性を確保しており、その未使用枠は443,989百万円となっている。コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、当社で300,000百万円、コマツファイナンスアメリカ㈱で962百万米ドルのプログラムを保有しており、未使用枠はそれぞれ190,000百万円、233百万米ドルとなっている。
当社は、中長期資金需要に機動的に対応するため、社債発行枠とユーロ・ミディアム・ターム・ノート(以下、「EMTN」)プログラムを保有している。当社は2020年11月に2年間有効の100,000百万円の社債発行枠を登録した。当連結会計年度末現在の未使用枠は100,000百万円となっている。なお、これ以外の過去に登録した社債発行枠に基づいて発行した分も含めた当社グループの社債の当連結会計年度末現在の残高は158,399百万円である。また、当社、コマツファイナンスアメリカ㈱及び欧州コマツコーディネーションセンター㈱で合わせて2,000百万米ドルのEMTNプログラムを保有しており、このプログラムに基づいて、それぞれの発行体はディーラーとの間で合意されたすべての通貨の債券を発行できる。当連結会計年度末現在、当該EMTNプログラムにより発行された債券の残高は138,397百万円である。
当連結会計年度末現在、当社グループの短期債務残高は271,462百万円となり、前連結会計年度末に比べて212,196百万円減少した。短期債務は主にコマーシャル・ペーパーであり、運転資金等に使用されている。
当連結会計年度末現在、長期債務残高(1年以内期限到来分含む)は638,521百万円で、前連結会計年度末に比べて109,801百万円増加した。長期債務は銀行、保険会社等からの借入金等341,725百万円、無担保社債158,399百万円、EMTN138,397百万円で構成されており、主に設備投資資金及び長期運転資金に使用されている。
当連結会計年度末現在の有利子負債残高は前連結会計年度末比102,395百万円減少の909,983百万円となり、現預金を差し引いたネット有利子負債残高は前連結会計年度末比95,849百万円減少の666,856百万円となった。これらに加え株主資本が増加した結果、当連結会計年度末現在のネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット有利子負債と株主資本の比率)は前連結会計年度末の0.43に対して0.35となった。
当連結会計年度末現在、流動資産は1,989,292百万円となり、前連結会計年度末に対し、42,502百万円増加し、また流動負債は992,869百万円となり、前連結会計年度末に対し165,756百万円減少した。その結果、流動比率は200.4%と前連結会計年度末に対し32.4ポイント増加となった。
営業活動から得られるキャッシュ・フロー、様々な資金調達手段、流動比率の水準に基づき、当社グループ
は、流動性ニーズや将来の債務履行のための手段を十分に確保しているものと考えている。
なお、当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は241,803百万円であり、そのうち222,052百万円は海外子会社が保有している。
当社グループは、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ・インベスターズ・サービス及び㈱格付投資情報
センターから信用格付を取得している。当連結会計年度末現在、当社の発行体格付けは、スタンダード&プア
ーズ:A(長期)、A-1(短期)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス:A2(長期)、Prime-1(短
期)、㈱格付投資情報センター:AA-(長期)、a-1+(短期)となっている。
<設備投資>建設機械・車両事業では、主に生産性向上のための設備投資及び循環事業強化のための設備投資等を行った。リテールファイナンス事業では、主に賃貸用資産に係る設備投資等を行った。産業機械他事業では、主に老朽設備更新等のための設備投資を行った。これらの結果、当連結会計年度の設備投資額は163,174百万円と前連結会計年度比3,378百万円の減少となった。
<契約上の債務>当連結会計年度末現在の契約上の債務は次のとおりである。
(注)1. 長期債務の公正価額の調整額はない。
2. 有利子負債に関する利息は、当連結会計年度末現在有効な利率に基づき計算されている。
3. 年金及びその他の退職給付債務は、2022年度以降の拠出額は未確定であるため、2021年度に生じるものだけを記載している。
なお、当連結会計年度末現在の設備発注残高は、約38,900百万円である。
③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<建設機械・車両事業セグメント>建設機械・車両事業の売上高は前連結会計年度を10.6%下回る1,975,958百万円となった。
中期経営計画における成長戦略3本柱の重点活動を推進し、「イノベーションによる価値創造」の重点活動の一つである「建設・鉱山機械・ユーティリティ(小型機械)の自動化・自律化、電動化、遠隔操作化」については、引き続き、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)の強化に取り組み、3月末時点の総稼働台数は累計352台となった。また、商用の第5世代移動通信方式(商用5G)による鉱山向け大型ICTブルドーザー「D375Ai-8」の遠隔操作の実証実験を進めるとともに、鉱山のお客様の安全性向上及びオペレーションの最適化を目指したプラットフォーム構築に取り組んだ。一般建機の電動化においては、リチウムイオンバッテリーシステムを活用した中小型クラスの油圧ショベルの電動化の実証実験に向け活動を開始した。建設現場向けソリューション「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」については、お客様の施工の最適化に貢献するソリューションとして訴求し、建設現場のデジタルトランスフォーメーション実現を加速させるため、国内においては、既存の従来型建機にICT機能を提供するレトロフィットキットの装着を推進した。「事業改革による成長戦略」の重点活動については、循環型ビジネスの強化に取り組み、コンポーネントを再生、再利用するリマン事業においては、南部アフリカ地域に新工場を設立した。あわせて、林業事業においても、シルビカルチャー(造林・育林)を促進する林業機械の導入を進めた。「成長のための構造改革」については、その一環として、コマツマイニング㈱において坑内掘り石炭向け鉱山機械の生産再編を引き続き進め、米国・豪州のコンベア事業の売却及び英国のルーフサポート生産機能の移管など、不採算事業の見直しと生産能力の適正化に取り組んだ。
(以下、地域別売上高は外部顧客向け売上高を表示している。)
(日本)
日本では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さかった公共工事等を中心に需要が堅調に推移したものの、当第2四半期連結会計期間までの民間工事の停滞や営業・サービス活動制限等により、売上高は前連結会計年度を5.1%下回る294,890百万円となった。
(米州)
北米では、住宅建設向け及びレンタル向けの需要は回復基調にあるものの、当第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済停滞や、エネルギー関連向けの一般建機や鉱山機械の需要が低調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度を22.5%下回る444,366百万円となった。中南米では、ブラジルにおける一般建機需要が堅調に推移したことに加え、チリの銅鉱山向けの売上高が増加したものの、当第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、売上高は前連結会計年度を6.8%下回る288,097百万円となった。
(欧州・CIS)
欧州では、主要市場であるドイツ、英国、フランスやイタリアにおいて需要は新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復基調にあるものの、当第2四半期連結会計期間までの需要が低調であったことから、売上高は前連結会計年度を16.5%下回る183,537百万円となった。CISでは、インフラ及びエネルギー関連向けの一般建機の需要が回復基調にあることに加え、金鉱山向け需要が堅調であったものの、石炭向け鉱山機械需要が低調に推移したことやロシアルーブル安の影響もあり、売上高は前連結会計年度を11.8%下回る112,379百万円となった。
(中国)
中国では、国産メーカーの販売比率が上昇している一方で、新型コロナウイルス感染収束後のインフラ投資等の景気下支え策により需要が引き続き堅調に推移した。また、2021年2月の春節(旧正月)後の販売シーズンに加え、2020年2月の春節後の販売シーズンが新型コロナウイルス感染拡大の影響により後ろ倒しになったことから当連結会計年度の需要が増加し、売上高は前連結会計年度を15.1%上回る146,225百万円となった。
(アジア・オセアニア)
アジアでは、インドネシア、タイ、マレーシアにおいて一般建機を中心に需要の着実な回復が見られたことや、石炭価格の回復に伴い、当第4四半期連結会計期間からインドネシアにおける石炭向け鉱山機械の需要に回復の兆しが見られたものの、当第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、売上高は前連結会計年度を32.5%下回る138,790百万円となった。オセアニアでは、鉄鉱石向け鉱山機械需要及び一般建機需要が堅調に推移し、売上高は前連結会計年度を13.1%上回る230,122百万円となった。
(中近東・アフリカ)
中近東では、原油安の影響及び新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、引き続きサウジアラビアで需要が低調に推移しているものの、トルコ等での需要が堅調なことから、売上高は前連結会計年度を5.5%上回る32,338百万円となった。アフリカでは、南部アフリカ地域において、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により一般建機の需要が引き続き低調に推移したことに加え、鉱山機械の販売も減少したことにより、その他地域での需要の回復は見られたものの、売上高は前連結会計年度を7.9%下回る90,463百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比167,781百万円増加の2,689,427百万円となった。
なお、建設機械・車両事業全体の生産規模は、前連結会計年度比14.5%減少し、約1兆8,892億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
<リテールファイナンス事業セグメント>リテールファイナンス事業では、当第4四半期連結会計期間において北米等での新規取組高の増加や為替の影響により資産が増えたものの、当第3四半期連結会計期間までの新規取組高減少の影響により、売上高は前連結会計年度を6.4%下回る66,394百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比46,062百万円増加の887,125百万円となった。
<産業機械他事業セグメント>産業機械他事業では、鍛圧機械、板金機械及び工作機械については新型コロナウイルス感染拡大の影響等により自動車業界の設備投資が低調に推移したことや、海外のお客様の現場における据付け作業の遅延により、売上高は前連結会計年度を3.6%下回る171,255百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比14,918百万円減少の201,810百万円となった。
なお、産業機械他事業全体の生産規模は、前連結会計年度比9.2%減少し、約1,664億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
④ 目標とする経営指標の達成状況等
2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標に対し、2020年度の実績は以下のとおりとなった。
*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
*3 ROA=税引前当期純利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*4 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスのロベコ・サム社によるSRI指標
*5 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況は次のとおりである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 概要
当連結会計年度の連結売上高は、2,189,512百万円(前連結会計年度比10.4%減)となった。利益については、営業利益は167,328百万円(前連結会計年度比33.3%減)となった。売上高営業利益率は前連結会計年度を2.7ポイント下回る7.6%となった。税引前当期純利益は、162,775百万円(前連結会計年度比27.0%減)、当社株主に帰属する当期純利益は106,237百万円(前連結会計年度比30.9%減)となった。
| 2020年度 実績 | 前連結会計年度比 | |||
| 売上高 | 2,189,512 | 百万円 | 10.4% | 減 |
| 建設機械・車両 | 1,975,958 | 百万円 | 10.6% | 減 |
| リテールファイナンス | 66,394 | 百万円 | 6.4% | 減 |
| 産業機械他 | 171,255 | 百万円 | 3.6% | 減 |
| 消去 | △24,095 | 百万円 | - | |
| セグメント利益 | 172,339 | 百万円 | 32.4% | 減 |
| 建設機械・車両 | 143,788 | 百万円 | 36.7% | 減 |
| リテールファイナンス | 10,574 | 百万円 | 16.6% | 減 |
| 産業機械他 | 16,342 | 百万円 | 19.3% | 増 |
| 消去又は全社 | 1,635 | 百万円 | - | |
| 営業利益 | 167,328 | 百万円 | 33.3% | 減 |
| 税引前当期純利益 | 162,775 | 百万円 | 27.0% | 減 |
| 当社株主に帰属する当期純利益 | 106,237 | 百万円 | 30.9% | 減 |
② 為替レート変動の影響
当連結会計年度は前連結会計年度に比較し、為替レートが主に米ドルに対して円高に推移した。為替レートの変動により、建設機械・車両事業のセグメント利益は前連結会計年度比で約101億円減少したと試算される。為替レート変動の影響は、各社の外貨建取引額に各為替レートの変動を乗じて算出した金額の合計として試算されている。為替レート変動に対応した販売価格変更の影響は考慮していない。
③ 売上高
売上高は前連結会計年度の2,444,870百万円と比較して10.4%減少の2,189,512百万円となった。国内売上高は前連結会計年度の396,584百万円と比較して3.1%減少の384,302百万円、海外売上高は前連結会計年度の2,048,286百万円と比較して11.9%減少の1,805,210百万円となった。
④ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度比8.0%減少して1,608,457百万円となった。売上高に対する比率は73.5%と前連結会計年度比で2.0ポイント増加した。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比7.3%減少して408,716百万円となった。
なお、売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、前連結会計年度比1.2%減少して738億円となった。
⑤ 長期性資産等の減損
長期性資産等の減損は、前連結会計年度の3,194百万円と比較して791百万円減少の2,403百万円となった。当連結会計年度の長期性資産等の減損は、主として非償却無形固定資産及び有形固定資産の減損によるものである。
⑥ 営業権の減損
営業権の減損は、当連結会計年度に計上がなかったため、3,699百万円減少となった。
⑦ その他の営業収益(△費用)
その他の営業収益(△費用)は、前連結会計年度の2,570百万円の収益に対し2,608百万円の費用となった。
⑧ 営業利益
営業利益は以上の結果、前連結会計年度の250,707百万円と比較して33.3%減少の167,328百万円となった。
⑨ その他の収益(△費用)
受取利息及び配当金は、前連結会計年度の7,378百万円と比較して2,085百万円減少の5,293百万円となった。支払利息は、前連結会計年度の24,592百万円と比較して10,826百万円減少の13,766百万円となった。
⑩ 税引前当期純利益
税引前当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の223,114百万円と比較して27.0%減少の162,775百万円となった。
⑪ 法人税等
法人税等は、前連結会計年度の62,873百万円と比較して15,954百万円減少の46,919百万円となった。税引前当期純利益に対する法人税等の比率(実効税率)は、前連結会計年度の28.2%から0.6ポイント増加し、当連結会計年度は28.8%となった。法定税率31.3%と実効税率28.8%との差異は、海外子会社の適用税率の差異等によるものである。
⑫ 持分法投資損益
持分法投資損益は、前連結会計年度の3,443百万円の利益と比較して683百万円減少の2,760百万円の利益となった。
⑬ 当期純利益
当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の163,684百万円と比較して45,068百万円減少の118,616百万円となった。
⑭ 非支配持分に帰属する当期純利益
非支配持分に帰属する当期純利益は、コマツマーケティングサポートオーストラリア㈱等の収益が増加したことから、非支配持分に帰属する部分が増加し、前連結会計年度の9,840百万円と比較して2,539百万円増加の12,379百万円となった。
⑮ 当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は以上の結果、前連結会計年度の153,844百万円と比較して30.9%減少の
106,237百万円となった。1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の162.93円から112.43円
となった。潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の162.80円から112.39円となった。
⑯ セグメント利益の状況
(セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出している。)
建設機械・車両事業のセグメント利益は、固定費の削減に取り組んだものの、販売量減少や構成差、円高の影響等により、前連結会計年度の227,311百万円と比較して83,523百万円減少の143,788百万円となった。
リテールファイナンス事業のセグメント利益は、支払猶予の影響及びリースアップ車の評価を見直したこと等もあり、前連結会計年度の12,673百万円と比較して2,099百万円減少の10,574百万円となった。
産業機械他事業のセグメント利益は、半導体市場向けエキシマレーザー関連事業の売上高が堅調であったことから、前連結会計年度の13,703百万円と比較して2,639百万円増加の16,342百万円となった。
これらに、全社及びセグメント間取引消去を差し引いたセグメント利益(連結)は、前連結会計年度の
255,030百万円と比較して82,691百万円減少の172,339百万円となった。
なお、セグメント利益(連結)は米国会計基準に則っていないが、財務諸表利用者に有益な情報を提供するた
めに表示している。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産が減少したこと等により、354,129百万円の収入(前連結会計年度比58,948百万円の収入増加)となった。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入等により、163,057百万円の支出(前連結会計年度比27,873百万円の支出減少)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払い等により、199,667百万円の支出(前連結会計年度は3,457百万円の支出)となった。
これらに為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ5,813百万円減少し、241,803百万円となった。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の実績については、「2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示している。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成している。作成にあたって当社のマネジメントは、知り得る限りの情報に基づいて妥当であると考えられる見積りや判断を継続して実施している。これらの見積りや判断は、連結財務諸表において、決算日の資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値及び偶発資産・債務の開示情報に影響を与える。これらの見積りや判断は、当社グループの過去からの経験、既存の諸契約の内容、業界動向の分析、顧客からの情報、その他の外部からの情報に基づいているものであるが、その性質上、内在する不確実性の度合いが影響するため、実際の結果はこれらと異なる場合がある。当社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記1に記載されている。
新型コロナウイルス感染症が当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響については、収束時期等が不透明であるものの、現時点で入手可能な情報や予測に基づき、今後も一定程度当該影響が継続すると仮定している。会計上の見積りの中でも比較的重要性のある貸倒見積額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、長期性資産及び営業権の減損の判定については、当該仮定に基づき最善の見積りを行っているが、今後の実際の推移が当該仮定と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性がある。
当社は特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えている。
① 貸倒引当金
当社グループは、それぞれの顧客の財務状態等を含む多くの要素を考慮して最終的な実現可能性を判定し、債権の回収可能性を推定している。
当社グループは、過去の実績を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当を計上している。顧客の信用状況は継続的に内外の情報を入手して分析を行い把握している。特にリテールファイナンス事業の金融債権は回収が長期間に及ぶうえに、貸倒見積額の算定及び担保による回収可能見込額の算定には不確実性が伴うことから、顧客ごとの信用状況や期日未回収債権の状況調査及び担保となる資産の市場価格調査を行い、入手可能な情報に基づいて最善の見積りを行っている。これまで実際に発生した貸倒れは、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社のマネジメントは、当社グループの見積りが妥当であると信じているが、債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財務状態に変化が生じるような場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記4に記載されている。
② 法人税等と繰延税金資産
当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税の見積りを行っている。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果計算を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上している。
繰延税金資産を計上するにあたっては、これらが将来の課税所得や有効な税務計画により実現されることの確実性を検証する必要がある。
当社のマネジメントは、取締役会で承認された経営計画や、期中での各社からの経営報告、将来の市場状況、実行性の高い税務戦略等に基づき、将来の課税所得を推定し繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと考えられる部分については評価性引当金を計上している。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社のマネジメントの判断が変わることにより、評価性引当金が変動する可能性がある。
また、当社グループは、税務ポジションの不確実性から生じる影響額については、税務上の技術的な方法に基づき、50%超の可能性で認められる場合、財務諸表に認識している。その税務ポジションに関連する財務諸表への影響額は、税務当局との解決により50%超の可能性で実現が予想される最大金額で測定される。当社グループはその税務ポジションが有効的に解決されるまで、決算日ごとに持続可能性を検証し、見積りによる変動の影響を財務諸表へ反映させる。
当社のマネジメントは、計上した繰延税金資産(評価性引当金控除後)全額が実現可能であり、認識された不確実性のあるすべての主要な税務ポジションは瑕疵なく持続していると判断しているが、経営計画が実現できず、将来の課税所得の見積りが大幅に減少する場合や、関連する税務当局の解釈等、これらの判断が結果として現実と異なる場合には、評価性引当金や認識すべき財務諸表への影響額を見直す必要があり、追加の税金費用が発生することで当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記16に記載されている。
③ 長期性資産及び営業権の評価
当社グループは長期性資産に関して、経営環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施している。
当社グループが保有しかつ使用している資産の回収可能性は、帳簿価額とその資産から生じる割引前将来キャッシュ・フローとの比較で判定される。この割引前将来キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出される。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定される。もし、資産の帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回り、回収可能性が認められずその資産が減損状態であると判定された場合、帳簿価額が公正価値を上回った額が減損額として測定され計上される。公正価値は、主に市場において想定されるキャッシュ・フローの変動リスクを考慮した加重平均資本コストを割引率として使用する割引後将来キャッシュ・フローモデル、あるいは独立した鑑定評価で測定される。処分予定の長期性資産については、帳簿価額と公正価値から処分のためのコストを差し引いた額とのいずれか低い方で評価される。
当社グループは営業権については、少なくとも各年度に1回、又は減損の可能性を示す事象や、状況の変化が生じた時点で減損の検討を実施している。
報告単位の公正価値の測定にあたっては、通常、割引後将来キャッシュ・フローモデルにより算定している。将来見積キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出される。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定される。報告単位の帳簿価額が公正価値を上回る場合、その報告単位に配分された営業権の帳簿価額を限度とし、当該差額を営業権の減損損失として認識する。
現状では、長期性資産及び営業権については、重要な追加の減損の発生はないと考えているが、経営戦略の変更、市場の変化があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産及び営業権の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
④ 金融商品の公正価値
主に外国為替予約や金利スワップ契約等のデリバティブ金融商品の公正価値は、市場で観察可能なインプットに基づいた業者からの情報をもとに評価している。この公正価値の情報は、特定のある時点での適切な市場の情報と商品についての情報に基づいて推定されるものであるが、これらの推定はその性格上、市場の不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なってくる可能性がある。
市場性のある持分証券は、公正価額で評価されている。公正価額の変動は、当期純利益で認識している。
市場性がなく、容易に算定可能な公正価値がない持分証券のうち、1株当たり純資産価値で評価している持分証券以外について、減損による評価下げ後の取得価額にて測定している。また、同一発行体の同一又は類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を識別した場合は、当該持分証券を観察可能な取引が発生した日の公正価値で測定している。
関連会社に対する投資の公正価値については、公正価値の下落があった場合、それが一時的かどうかについて、下落の期間や程度、被投資会社の財政状態及び業績予想等を考慮して判断している。
現状では、投資有価証券あるいは関連会社に対する投資については、重要な追加の減損の発生はないと考えているが、将来の経済環境の変化によっては投資先の企業の業績が悪化し、減損を認識する可能性がある。
詳細は、連結財務諸表注記20、21、22に記載されている。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループの年金債務及び年金費用の額は、算出時に使用した仮定に影響される。これらの仮定は連結財務諸表注記12に記載されており、割引率、長期期待収益率、平均報酬水準増加率等を含む。当社グループは、仮定と実績が乖離した場合には、その差額を累積し従業員の平均残存勤務年数にわたって償却を実施する事で、将来の期間にわたり、費用として認識する。
割引率は、現在かつ年金受給が満期となる間に利用可能と予想される信用度の高い固定利付き債券の利率に基づいて算出される。また、長期期待収益率は、投資対象の様々な資産カテゴリー別に将来収益に対する予測や過去の運用実績を考慮し決定される。
当社グループは、これらの仮定は妥当なものであると信じているが、重要な実績との乖離もしくは重要な仮定の変化があった場合、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性がある。
当連結会計年度末の当社グループの年金制度において、割引率又は長期期待収益率が0.5%変動した場合、年金債務及び年金費用に及ぼす影響は、その他すべての仮定を一定とすると、それぞれ以下のとおりである。
| 仮定の変更 | 変動率 | 年金債務 | 年金費用 |
| 割引率 | 0.5%増 / 0.5%減 | 289億円減 / 312億円増 | 4億円減 / 12億円増 |
| 長期期待収益率 | 0.5%増 / 0.5%減 | - | 14億円減 / 14億円増 |
⑥ 今後適用となる新会計基準
米国財務会計基準審議会は、2016年6月に会計基準アップデート2016-13「金融商品-信用損失:金融商品に関する信用損失の測定」を発行した。同アップデートは、多くの金融資産について、現行の発生損失モデルではなく予想信用損失モデルに基づいて損失を認識することを要求している。予想信用損失モデルでは、対象となる金融資産の残存期間に発生することが見込まれる予想信用損失をただちに認識することになる。当初同アップデートは、米国証券取引委員会(SEC)に登録していない企業においては、2020年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用される予定であったが、米国財務会計基準審議会は、2019年11月に適用日の変更を行い、同アップデートは、2022年12月16日以降開始する連結会計年度及びその四半期連結会計期間から適用されることとなった。なお、早期適用も認められている。同アップデートは、適用開始期間の期首の利益剰余金で累積影響額を調整する修正遡及適用アプローチにより適用される。当社グループは、現在、適用時期及び適用による財政状態及び経営成績に与える影響について検討中である。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の連結売上高は、2,189,512百万円(前連結会計年度比10.4%減)となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により不透明かつ不確実な状況下、建設機械・車両事業では、当第3四半期連結会計期間以降、一般建機を中心に需要の着実な回復が見られたものの、通期では当第2四半期連結会計期間までの需要減少の影響が大きく、売上高は前連結会計年度を下回った。産業機械他事業では、自動車業界向けの鍛圧機械、板金機械及び工作機械の設備投資が低調に推移したこと等により、売上高は前連結会計年度を下回った。利益については、固定費の削減に取り組んだものの、建設機械・車両事業の販売量減少及び構成差、円高の影響等により、営業利益は167,328百万円(前連結会計年度比33.3%減)となった。
当連結会計年度末は、たな卸資産が減少した一方、米ドルなどに対して為替が前連結会計年度末に比べ円安となったことに加え、売上債権の増加等により、総資産は前連結会計年度末比131,155百万円増加の3,784,841百万円となった。有利子負債残高は、前連結会計年度末比102,395百万円減少の909,983百万円となった。株主資本は前連結会計年度末比140,691百万円増加の1,912,297百万円となった。これらの結果、株主資本比率は前連結会計年度末比2.0ポイント増加の50.5%となった。
② 流動性及び資金の源泉
<資金使途の考え方>当社グループは、持続的な企業価値の増大を目指して、外部環境の変化や需要変動に左右されない健全な財務体質の構築と競争力強化に努めている。資金を成長のための投資、バランスシート改善(財務健全性維持)、株主還元にバランスよく配分して、総合指標であるROE(自己資本利益率)をモニタリングしている。想定される株主資本コストを上回るROE10%以上を経営目標として、ROE向上と株主資本コスト低減の両面からエクイティ・スプレッド(ROE-株主資本コスト)の拡大に取り組んでいる。
<資金調達と流動性管理>当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としている。この方針に従い、当社グループは金融機関借入、社債等の発行、融資枠の設定等、様々な資金調達
の源泉を確保している。設備投資資金及び運転資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー及
び外部より調達した資金を充当している。更に、当社グループの資金の効率性を高めるため、海外子会社を含
めたグループ間のキャッシュマネジメントシステム(グローバル・キャッシュ・プーリング、以下、「GCP」)を特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限にGCP参加会社は借入を行っている。当GCPにおいては、預入金及び借入金の残高を相殺できる条項が含まれており、当連結会計年度末現在の相殺金額は271,433百万円となっている。
短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借
入及びコマーシャル・ペーパーの発行等でまかなっている。当社及び一部の連結子会社は、当連結会計年度末現在、金融機関との間に合計458,330百万円のコミットメントライン契約を締結して代替流動性を確保しており、その未使用枠は443,989百万円となっている。コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、当社で300,000百万円、コマツファイナンスアメリカ㈱で962百万米ドルのプログラムを保有しており、未使用枠はそれぞれ190,000百万円、233百万米ドルとなっている。
当社は、中長期資金需要に機動的に対応するため、社債発行枠とユーロ・ミディアム・ターム・ノート(以下、「EMTN」)プログラムを保有している。当社は2020年11月に2年間有効の100,000百万円の社債発行枠を登録した。当連結会計年度末現在の未使用枠は100,000百万円となっている。なお、これ以外の過去に登録した社債発行枠に基づいて発行した分も含めた当社グループの社債の当連結会計年度末現在の残高は158,399百万円である。また、当社、コマツファイナンスアメリカ㈱及び欧州コマツコーディネーションセンター㈱で合わせて2,000百万米ドルのEMTNプログラムを保有しており、このプログラムに基づいて、それぞれの発行体はディーラーとの間で合意されたすべての通貨の債券を発行できる。当連結会計年度末現在、当該EMTNプログラムにより発行された債券の残高は138,397百万円である。
当連結会計年度末現在、当社グループの短期債務残高は271,462百万円となり、前連結会計年度末に比べて212,196百万円減少した。短期債務は主にコマーシャル・ペーパーであり、運転資金等に使用されている。
当連結会計年度末現在、長期債務残高(1年以内期限到来分含む)は638,521百万円で、前連結会計年度末に比べて109,801百万円増加した。長期債務は銀行、保険会社等からの借入金等341,725百万円、無担保社債158,399百万円、EMTN138,397百万円で構成されており、主に設備投資資金及び長期運転資金に使用されている。
当連結会計年度末現在の有利子負債残高は前連結会計年度末比102,395百万円減少の909,983百万円となり、現預金を差し引いたネット有利子負債残高は前連結会計年度末比95,849百万円減少の666,856百万円となった。これらに加え株主資本が増加した結果、当連結会計年度末現在のネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット有利子負債と株主資本の比率)は前連結会計年度末の0.43に対して0.35となった。
当連結会計年度末現在、流動資産は1,989,292百万円となり、前連結会計年度末に対し、42,502百万円増加し、また流動負債は992,869百万円となり、前連結会計年度末に対し165,756百万円減少した。その結果、流動比率は200.4%と前連結会計年度末に対し32.4ポイント増加となった。
営業活動から得られるキャッシュ・フロー、様々な資金調達手段、流動比率の水準に基づき、当社グループ
は、流動性ニーズや将来の債務履行のための手段を十分に確保しているものと考えている。
なお、当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は241,803百万円であり、そのうち222,052百万円は海外子会社が保有している。
当社グループは、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ・インベスターズ・サービス及び㈱格付投資情報
センターから信用格付を取得している。当連結会計年度末現在、当社の発行体格付けは、スタンダード&プア
ーズ:A(長期)、A-1(短期)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス:A2(長期)、Prime-1(短
期)、㈱格付投資情報センター:AA-(長期)、a-1+(短期)となっている。
<設備投資>建設機械・車両事業では、主に生産性向上のための設備投資及び循環事業強化のための設備投資等を行った。リテールファイナンス事業では、主に賃貸用資産に係る設備投資等を行った。産業機械他事業では、主に老朽設備更新等のための設備投資を行った。これらの結果、当連結会計年度の設備投資額は163,174百万円と前連結会計年度比3,378百万円の減少となった。
<契約上の債務>当連結会計年度末現在の契約上の債務は次のとおりである。
| 期間別支払見込額 | (百万円) | ||||
| 合計 | 1年以内 | 1-3年 | 3-5年 | 5年超 | |
| 短期債務 | 271,462 | 271,462 | - | - | - |
| 長期債務 | 638,521 | 98,004 | 385,804 | 154,632 | 81 |
| オペレーティングリース債務 | 62,736 | 16,526 | 17,225 | 8,844 | 20,141 |
| 有利子負債に関する利息 | 24,104 | 11,871 | 9,965 | 2,267 | 1 |
| 年金及びその他の退職給付債務 | 4,455 | 4,455 | - | - | - |
| 合計 | 1,001,278 | 402,318 | 412,994 | 165,743 | 20,223 |
(注)1. 長期債務の公正価額の調整額はない。
2. 有利子負債に関する利息は、当連結会計年度末現在有効な利率に基づき計算されている。
3. 年金及びその他の退職給付債務は、2022年度以降の拠出額は未確定であるため、2021年度に生じるものだけを記載している。
なお、当連結会計年度末現在の設備発注残高は、約38,900百万円である。
③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<建設機械・車両事業セグメント>建設機械・車両事業の売上高は前連結会計年度を10.6%下回る1,975,958百万円となった。
中期経営計画における成長戦略3本柱の重点活動を推進し、「イノベーションによる価値創造」の重点活動の一つである「建設・鉱山機械・ユーティリティ(小型機械)の自動化・自律化、電動化、遠隔操作化」については、引き続き、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)の強化に取り組み、3月末時点の総稼働台数は累計352台となった。また、商用の第5世代移動通信方式(商用5G)による鉱山向け大型ICTブルドーザー「D375Ai-8」の遠隔操作の実証実験を進めるとともに、鉱山のお客様の安全性向上及びオペレーションの最適化を目指したプラットフォーム構築に取り組んだ。一般建機の電動化においては、リチウムイオンバッテリーシステムを活用した中小型クラスの油圧ショベルの電動化の実証実験に向け活動を開始した。建設現場向けソリューション「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」については、お客様の施工の最適化に貢献するソリューションとして訴求し、建設現場のデジタルトランスフォーメーション実現を加速させるため、国内においては、既存の従来型建機にICT機能を提供するレトロフィットキットの装着を推進した。「事業改革による成長戦略」の重点活動については、循環型ビジネスの強化に取り組み、コンポーネントを再生、再利用するリマン事業においては、南部アフリカ地域に新工場を設立した。あわせて、林業事業においても、シルビカルチャー(造林・育林)を促進する林業機械の導入を進めた。「成長のための構造改革」については、その一環として、コマツマイニング㈱において坑内掘り石炭向け鉱山機械の生産再編を引き続き進め、米国・豪州のコンベア事業の売却及び英国のルーフサポート生産機能の移管など、不採算事業の見直しと生産能力の適正化に取り組んだ。
(以下、地域別売上高は外部顧客向け売上高を表示している。)
(日本)
日本では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さかった公共工事等を中心に需要が堅調に推移したものの、当第2四半期連結会計期間までの民間工事の停滞や営業・サービス活動制限等により、売上高は前連結会計年度を5.1%下回る294,890百万円となった。
(米州)
北米では、住宅建設向け及びレンタル向けの需要は回復基調にあるものの、当第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済停滞や、エネルギー関連向けの一般建機や鉱山機械の需要が低調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度を22.5%下回る444,366百万円となった。中南米では、ブラジルにおける一般建機需要が堅調に推移したことに加え、チリの銅鉱山向けの売上高が増加したものの、当第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、売上高は前連結会計年度を6.8%下回る288,097百万円となった。
(欧州・CIS)
欧州では、主要市場であるドイツ、英国、フランスやイタリアにおいて需要は新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復基調にあるものの、当第2四半期連結会計期間までの需要が低調であったことから、売上高は前連結会計年度を16.5%下回る183,537百万円となった。CISでは、インフラ及びエネルギー関連向けの一般建機の需要が回復基調にあることに加え、金鉱山向け需要が堅調であったものの、石炭向け鉱山機械需要が低調に推移したことやロシアルーブル安の影響もあり、売上高は前連結会計年度を11.8%下回る112,379百万円となった。
(中国)
中国では、国産メーカーの販売比率が上昇している一方で、新型コロナウイルス感染収束後のインフラ投資等の景気下支え策により需要が引き続き堅調に推移した。また、2021年2月の春節(旧正月)後の販売シーズンに加え、2020年2月の春節後の販売シーズンが新型コロナウイルス感染拡大の影響により後ろ倒しになったことから当連結会計年度の需要が増加し、売上高は前連結会計年度を15.1%上回る146,225百万円となった。
(アジア・オセアニア)
アジアでは、インドネシア、タイ、マレーシアにおいて一般建機を中心に需要の着実な回復が見られたことや、石炭価格の回復に伴い、当第4四半期連結会計期間からインドネシアにおける石炭向け鉱山機械の需要に回復の兆しが見られたものの、当第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、売上高は前連結会計年度を32.5%下回る138,790百万円となった。オセアニアでは、鉄鉱石向け鉱山機械需要及び一般建機需要が堅調に推移し、売上高は前連結会計年度を13.1%上回る230,122百万円となった。
(中近東・アフリカ)
中近東では、原油安の影響及び新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、引き続きサウジアラビアで需要が低調に推移しているものの、トルコ等での需要が堅調なことから、売上高は前連結会計年度を5.5%上回る32,338百万円となった。アフリカでは、南部アフリカ地域において、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により一般建機の需要が引き続き低調に推移したことに加え、鉱山機械の販売も減少したことにより、その他地域での需要の回復は見られたものの、売上高は前連結会計年度を7.9%下回る90,463百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比167,781百万円増加の2,689,427百万円となった。
なお、建設機械・車両事業全体の生産規模は、前連結会計年度比14.5%減少し、約1兆8,892億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
<リテールファイナンス事業セグメント>リテールファイナンス事業では、当第4四半期連結会計期間において北米等での新規取組高の増加や為替の影響により資産が増えたものの、当第3四半期連結会計期間までの新規取組高減少の影響により、売上高は前連結会計年度を6.4%下回る66,394百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比46,062百万円増加の887,125百万円となった。
<産業機械他事業セグメント>産業機械他事業では、鍛圧機械、板金機械及び工作機械については新型コロナウイルス感染拡大の影響等により自動車業界の設備投資が低調に推移したことや、海外のお客様の現場における据付け作業の遅延により、売上高は前連結会計年度を3.6%下回る171,255百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比14,918百万円減少の201,810百万円となった。
なお、産業機械他事業全体の生産規模は、前連結会計年度比9.2%減少し、約1,664億円(販売価格ベース、連結ベース)であった。
④ 目標とする経営指標の達成状況等
2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標に対し、2020年度の実績は以下のとおりとなった。
| 経営目標 | 経営指標 | 2020年度 | |
| 成長性 | ・業界水準を超える成長率 | ・売上高成長率 | △10.4% |
| 収益性 | ・業界トップレベルの営業利益率 | ・営業利益率 | 7.6% |
| 効率性 | ・ROE*1 10%以上 | ・ROE*1 | 5.8% |
| 健全性 | ・業界トップレベルの財務体質 | ・ネット・デット・ エクイティ・ レシオ*2 | 0.35 |
| リテール ファイナンス事業 | ・ROA*3 1.5%-2.0% | ・ROA*3 | 1.2% |
| ・ネット・デット・エクイティ・レシオ*25倍以下 | ・ネット・デット・ エクイティ・ レシオ*2 | 3.69 | |
| ESG | ・環境負荷低減 CO2排出削減:2030年50%減(2010年比) 再生可能エネルギー使用率:2030年50% | ・環境負荷低減 | ・製品使用によるCO2削減 14%減(見込値) ・生産によるCO2削減 33%減(見込値) ・再生可能エネルギー 使用率 13%(見込値) |
| ・外部評価 DJSI*4選定(ワールド、アジアパシフィック) CDP*5 Aリスト選定(気候変動、水リスク)等 | ・外部評価 | ・DJSI*4選定 ・CDP*5気候変動 評価A ・CDP*5水リスク 評価A | |
| 株主還元 | ・成長への投資を主体としながら、株主還元(自社株買い を含む)とのバランスをとる。 | ・連結配当性向 | 48.9% |
| ・連結配当性向を40%以上とする。 |
*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
*3 ROA=税引前当期純利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*4 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスのロベコ・サム社によるSRI指標
*5 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体