有価証券報告書-第159期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 9:25
【資料】
PDFをみる
【項目】
110項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境は、依然厳しい状況が続いておりますが、『2020年 東京オリンピック』に向けた更新需要が確実に増加しており、当社の受注残高も着実に積み上がってきております。
このような状況下、当社グループは、更新需要の取込みに加え、保守サービス事業の強化、デジタル印刷機の販売促進により、売上高の回復を実現し、原価の低減、経費の削減を図ることにより、赤字体質からの脱却を確実なものとするために、以下の項目を対処すべき課題として、グループを挙げて取り組んでまいります。
1. 売上高の確保
(1) 更新需要の取込みによる売上高の回復
『2020年 東京オリンピック』に向け、リーマンショック以降先送りにしていた機械の更新需要が確実に増えてきております。それらの需要に向けた、当社の最新鋭機である「カラートップエコワイドⅡオフセット輪転機」の販売活動が功を奏し、受注残高が確実に積み上がってきております。これらを、効率よくかつ迅速に生産して行くことにより売上高の顕著な回復を図ります。
(2) 保守サービス事業の強化による売上高の積み増し
当社のオフセット輪転機は国内だけでも300セット余り稼働しております。これらの輪転機の安定稼働確保を目的とした保守サービス事業は、数年前に比べて売上高は2倍以上になっており、安定した当社の事業の柱として、確実に育ってきております。今後もお客様のご要望にお応えすると共に、潜在的なメンテナンス需要を喚起し、保守サービス事業を強化することにより、更なる売上高の増加が見込めるものと考えております。
(3) デジタル印刷機の販売促進
デジタル印刷機に関しましては、平成27年度に中日新聞社様との共同研究を開始し、新しい新聞紙面、新たなビジネスモデルの展開について共同研究を進めております。世界的なデジタル化の流れから見ても、デジタル印刷機は今後オフセット輪転機と並んで当社の主力製品として育って行くものと考えており、新たなビジネスモデルを提案すること等により、内外市場での販売活動を強力に推進してまいります。
2. 原価低減および経費削減
製造原価に関しましては、原価改善本部による全社的かつ抜本的な製造原価低減の取り組みにより、着実に原価低減の効果が表れてきております。また、その他の経費に関しましても、あらゆる項目の見直し、継続的な削減、予算管理の徹底等により経費の削減を進めてまいります。今後はこれらの流れをよりいっそう加速させ、特に製造原価の低減に注力し、収益性の向上を図ってまいります。
3.グループ全体の効率化
グループ全体として効率的な運営を図るため、また、市場の変化やお客様のニーズに迅速に対応するため、平成28年4月1日に子会社2社を合併し、新たに株式会社東機システムサービスとしてスタートさせております。今後も引続きグループ全体の効率化を図ってまいります。
4.新分野の開拓
中長期的な課題として、将来の新たな柱となるような、新規事業の開拓に継続的に取組んでおります。このため、平成26年11月に設置した新規事業推進室を中心に長年培ってきた機械メーカーとしての技術を活かせる分野、あるいは全く新しい分野の案件等、いろいろな案件を検討いたしております。今のところ具体的な成果を上げるまでには至っておりませんが、今後も継続的かつ組織的に取組んでまいります。