有価証券報告書-第102期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/25 16:17
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125項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界の経済は、欧米や中国などの主要国で景気回復基調が鮮明になりつつあるとともに、新興国でも改善の兆しがあります。わが国においても、高水準の企業収益を背景とする底堅い設備投資などにより、緩やかな拡大が続いています。
当社グループの主力事業であるマテリアルハンドリングシステムは、eコマース市場の急速な拡大に伴い、物流センター内の自動化・高度化した大規模なシステムの導入が増え、IoTやAIなどの進展やディスプレーの高精細化に伴い、半導体や液晶・有機ELパネルの新工場向けシステムへの投資が継続しています。
このような経済・事業環境のもと、当社グループの業績は受注・売上・利益ともに、過去最高の数字となりました。
受注は、東アジアの半導体・液晶パネル業界の意欲的な設備投資がけん引役になったほか、eコマース関連の配送センターへの投資が世界的に活発かつ大規模化していること、自動車工場向けや空港向けシステムも順調であることも相まって、非常に高い水準となりました。多種多様な業界のお客さまに最適なソリューションを広く提供できるマテリアルハンドリングシステム企業は世界に類がなく、豊富な製品ラインアップ、お客さまニーズに即応した提案力、グローバル展開力、大型案件の遂行能力、アフターサービス力などが受注の決め手になっています。
売上は、高水準の受注をベースに順調に推移しました。継続的な設備投資により生産能力を高めてきたこと、国内外のグループ会社の連携等により、急増する需要への供給能力を高め、業績向上につなげました。
この結果、当連結会計年度の受注高は4,879億76百万円(前年同期比36.9%増)、売上高は4,049億25百万円(同26.2%増)となりました。
利益は、ダイフク単体の増収と原価改善などによる大幅な収益力向上がけん引しました。半導体・液晶パネル関連の東アジア現地法人も好調でした。
この結果、営業利益は399億24百万円(同72.8%増)、経常利益は411億5百万円(同73.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は290億8百万円(同73.2%増)となりました。ROEは前年度の12.6%に対し17.7%に向上しました。これは、売上高当期純利益率、総資産回転率ともに改善したことによるものです(それぞれ5.2%⇒7.2%、1.07⇒1.20)。
平成30年3月期 実績
受注高4,879億76百万円(前年同期3,565億18百万円36.9%増)
売上高4,049億25百万円( 同3,208億25百万円26.2%増)
営業利益399億24百万円( 同230億99百万円72.8%増)
経常利益411億5百万円( 同237億60百万円73.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益290億8百万円( 同167億46百万円73.2%増)
包括利益334億33百万円( 同160億46百万円108.4%増)


セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高、セグメント利益は親会社株主に帰属する当期純利益を記載しております。セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。
① 株式会社ダイフク
受注は、東アジア・北米の半導体・液晶パネル工場向け輸出案件が大幅に増加していること、国内の流通業向けシステムの大型化、提案内容への評価の高さなどにより好調でした。自動車生産ライン向けシステムも、国内の生産再編・整備やサービス・小規模の改造案件が堅調に推移しました。
売上は、半導体・液晶パネル工場向けの短納期案件も含めた大幅な受注増に対し、生産能力を高めるとともに、調達・製造・工事の協力会社も含めた総合力を発揮して順調に進捗しました。
利益は、売上増、原価改善などが奏功し、大幅増益となりました。
この結果、受注高は2,159億34百万円(前年同期比26.2%増)、売上高は1,869億83百万円(同28.2%増)、セグメント利益は252億5百万円(同89.3%増)となりました。
② コンテックグループ
・産業用コンピュータ製品
日本市場では、半導体製造装置業界向けに産業用コンピュータの販売が好調に推移しましたが、米国の医療機器業界で新規設備投資に一部慎重な動きがあったことから売上が減少しました。
・計測制御製品
企業における設備投資の増加に伴い、生産設備向けの計測制御用ボードや流通系店舗設備向けの無線LANの販売が好調に推移しました。
・ソリューション製品
自動車関連システムの販売は増加したものの、再生可能エネルギーの買取価格下落に伴い太陽光発電計測システムの販売が減少しました。
この結果、受注高は164億66百万円(前年同期比5.4%増)、売上高は157億16百万円(同1.7%増)、セグメント利益は9億10百万円(同26.1%増)となりました。
③ Daifuku North America Holding Company(DNAHC)グループ
受注は、半導体及び空港向けシステムが好調でした。半導体メーカー向けシステムは、当初の予定を大きく上回りました。北米の空港は欧州に比べてバゲージ搬送システムの老朽化が目立ち、設備の更新投資がしばらく続くと見られます。一般製造業や流通業向けシステムは、設備投資がeコマースと運輸業界に集中し、それ以外のお客さまの投資が減少する影響を受けています。一方で、配送センターのオペレーション&メンテナンス(O&M)ビジネスが伸びています。自動車生産ライン向けシステムは堅調に推移しました。
売上は、好調な受注をベースに順調に伸びました。
利益面では、流通業向けシステムの一部大型案件での採算悪化の影響を受け、減益となりました。
この結果、受注高は1,104億41百万円(前年同期比24.3%増)、売上高は997億75百万円(同26.2%増)、セグメント利益は28億84百万円(同18.4%減)となりました。
④ 株式会社ダイフクプラスモア
株式会社ダイフクプラスモアは、洗車機の国内販売・サービス会社です。販売は、政府の補助金政策を背景にサービスステーション向けが好調だったこと、ディーラーなどカー・アフターマーケット向けは底堅い需要があることから、ほぼ期初計画どおりに着地しました。
製品としては、サービスステーション向けのドライブスルー機に搭載する省スペース型泡洗車システム「スライディングバブル」が、ドライバーに対するショー効果を評価されて販売好調です。また、トラック・バスのドライバーの労働環境改善の一助となるトラック・バス用の洗車機「カミオン カスタム」を発売しました。
この結果、受注高は110億74百万円(前年同期比2.2%減)、売上高は107億78百万円(同6.0%減)、セグメント利益は99百万円(同12.2%減)となりました。
⑤ その他
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社53社のうち、上記②③④以外の国内外の子会社です。
主要な海外現地法人には、大福(中国)有限公司、台灣大福高科技設備股分有限公司、Daifuku Korea Co., Ltd.、Clean Factomation, Inc.(韓国)、Daifuku (Thailand) Ltd.などがあり、主にマテリアルハンドリングシステム・機器の製造・販売等を行っています。各社とも、グローバルな最適地生産・調達体制の一翼を担い、所在国から国外への輸出も増やしています。
中国では、eコマースをはじめとする流通業向けの引き合いが活発で、過去最大規模の大型案件も受注しています。自動車関連では、日系自動車メーカー生産ラインおよびシートなど部品メーカーの設備投資が活発なことに加え、環境面に配慮した電気自動車への転換政策により、リチウムイオン電池工場からの受注を初めて獲得しました。液晶工場向けは、有機ELの需要が高まる一方、テレビ用パネルの大型化が進み、大規模案件を含む高水準の受注状況が継続しています。半導体国産化の方針のもと、半導体工場向けシステムの受注も増え始めました。
台湾では、半導体工場・液晶パネル工場向けの受注・売上が堅調に推移しました。
韓国では旺盛な半導体需要を反映して半導体工場向けシステムの受注が好調です。雇用率向上、非正規社員半減という政府方針は、企業の設備自動化を加速するものと期待されます。洗車機の製造・販売を行う現地法人は、自宅洗車禁止などによる連続洗車機の需要増に伴い、新工場に移転して供給能力を強化しました。
アセアン諸国やインドでは、食品・日用雑貨・医薬品などの製造業での設備投資は活発で、特に冷凍食品業界の需要が急速に伸びています。各地に展開する現地法人でこうしたニーズを取り込むとともに、タイでは自動倉庫等の現地生産を進め、量販店からの大口受注を獲得しました。インドでも、建機の組立ラインに搬送システムを納入するなど、自動車以外の顧客層が広がりつつあります。
ニュージーランドのBCS Group Limitedは、グループ企業と協業して、空港向けシステムのグローバル展開を強化しています。
この結果、受注高は1,340億59百万円(前年同期比92.7%増)、売上高は957億55百万円(同39.2%増)、セグメント利益は47億37百万円(同107.1%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は3,737億12百万円(前年同期比701億71百万円の増加)となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が390億95百万円、現金及び預金が203億58百万円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1,822億37百万円(前年同期比210億38百万円の増加)となりました。これは支払手形・工事未払金等が61億39百万円、未払法人税等が91億21百万円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,914億74百万円(前年同期比491億33百万円の増加)となりました。これは資本金が168億49百万円、利益剰余金が223億5百万円増加したことが主な要因であります。

(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ203億61百万円増加し、851億52百万円(前年同期は647億90百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動におきましては、114億97百万円の収入超過(前年同期は266億83百万円の収入超過)となりました。これは、売上債権の増加額が379億23百万円、たな卸資産の増加額が41億55百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が410億59百万円、仕入債務の増加額が94億64百万円あったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動におきましては、56億円の支出超過(前年同期は53億93百万円の支出超過)となりました。これは、固定資産の売却による収入が7億40百万円あったものの、固定資産の取得による支出が64億17百万円あったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動におきましては、134億44百万円の収入超過(前年同期は44億4百万円の支出超過)となりました。これは、配当金の支払額が66億95百万円あったものの、株式の発行による収入が166億97百万円あったことが主な要因であります。
連結キャッシュ・フローの指標は次の通りであります。
平成29年3月期平成30年3月期
自己資本比率(%)45.850.3
時価ベースの自己資本比率(%)111.3214.4
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.53.3
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)64.830.9

自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分-新株予約権)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための、原材料・部品の仕入、加工、組立等の変動費、ならびに製造間接費・販売費及び一般管理費等の固定費であります。
固定費の主なものは人件費、構内外注費、設計外注費、研究開発費、賃借料等であります。
なお、資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしています。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結することで手許流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を国内グループ会社で運用しています。
昨年12月の新株発行及び自己株処分により平成33年(2021年)3月までの設備投資の資金を確保したため、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は851億円となりました。当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源につきましては、第3[設備の状況]3[設備の新設、除却等の計画]を参照願います。
また、金融機関との間で当座貸越契約479億円、コミットメントライン200億円の契約を締結しています。これら契約に基づく当座貸越極度額及びコミットメントラインの総額679億円に対し、当連結会計年度末の未使用残高は632億円となっております。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
株式会社ダイフク225,22627.5
コンテックグループ26,17915.1
Daifuku North America Holding Companyグループ79,28914.2
その他86,36547.8
合計417,06027.4

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社であります。
4 株式会社ダイフクプラスモアは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
株式会社ダイフク215,93426.2126,36729.7
コンテックグループ16,4665.44,06722.6
Daifuku North America Holding Companyグループ110,44124.388,23213.8
株式会社ダイフクプラスモア11,074△2.289149.6
その他134,05992.794,95680.6
合計487,97636.9314,51635.9

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の調整額であります。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
株式会社ダイフク186,98328.2
コンテックグループ15,7161.7
Daifuku North America Holding Companyグループ99,77526.2
株式会社ダイフクプラスモア10,778△6.0
その他91,67132.9
合計404,92526.2

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の調整額であります。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要の項目をご参照ください。
②経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度は、平成33年(2021年)3月期を最終年度とする4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」の初年度です。最終年度目標に対し、以下の通り非常に高い進捗率となりました。特に利益面は目標数値を達成しました。
将来目標及びその達成状況につきましては、第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](1)経営方針をご参照ください。
当連結会計年度における最大の経営施策は、45年ぶりの公募増資等による資金調達、自己資本強化です。市場から224億65百万円を調達し、日本や米国の生産能力増強、ソフトウエアの更新、本社事務棟の建設などに充当していきます。これにより、旺盛な需要に応える供給能力を確保し、米国工場で量産効果による収益性改善を目指します。
当社は、投資家の皆さまにこうした投資機会を提供するとともに、収益力向上で1株当たり利益の希薄化を防いで株価向上に結び付け、配当金も増やして株主さまに報いています。近年の収益性向上と自己資本強化により、格付投資情報センターによる発行体格付は平成29年10月に「A-」から「A」へ向上しており、将来的にさらなるステップアップも視野に入れています。
(6)今後の経営方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
詳細につきましては、第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](1)経営方針をご参照ください。

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