有価証券報告書-第108期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における世界の経済は、中国経済の減速、欧米の金融引き締めに伴う景気減速懸念等があったものの、総じて順調に推移しました。
事業環境としては、自動車産業でxEV(BEV、HEV、PHEV、FCEVなど電動車の総称)投資が活発化しています。また、航空旅客数の回復に伴い空港における自動化投資も伸長しています。ここ数年、北米・日本において高水準で継続したeコマース関連投資は一時的な停滞局面にありますが、一般製造業の投資は回復基調にあります。半導体産業では中国におけるレガシー半導体投資が高水準で継続し、低調であったロジック・メモリー投資にも回復の兆しが見えてきました。
このような経済・事業環境の下、当社グループの受注は、前年度に前倒し受注があった半導体・液晶生産ライン向けシステムは大きく減少しましたが、ほぼ期初の計画通りに推移しました。
売上は、豊富な前期末受注残高をベースに自動車生産ライン、空港向けシステムが好調に推移した一方、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けシステムは前年同期の実績には及びませんでした。
この結果、受注高は6,203億12百万円(前年同期比15.9%減)、売上高は6,114億77百万円(同1.6%増)となりました。
利益面は、全体としては期初計画を大きく上回りました。一般製造業・流通業向けシステムは北米において原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁が進展したこと等により、収益性が改善しました。半導体・液晶生産ライン向けシステムは減収の影響を受けましたが、コスト削減により収益性が改善しました。自動車生産ライン向けシステムは増収に伴い収益性が改善しました。空港向けシステムでは原材料・人件費高騰の影響、及びオセアニアの一部案件における一過性コストの計上により収益性が低下しました。
この結果、営業利益は620億79百万円(同5.5%増)、経常利益は642億7百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は454億61百万円(同10.2%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも2期連続で過去最高を更新しました。
なお、当期の当社グループの平均為替レートは、米ドルで141.20円(前年同期132.09円)、中国元で19.87円(同19.50円)、韓国ウォンで0.1080円(同0.1020円)等となりました。為替の変動により、前期比で受注高は約17億円、売上高は約187億円、営業利益は約15億円、それぞれ増加しました。
2024年3月26日に公表した「決算期(事業年度の末日)の変更に関するお知らせ」のとおり、当社グループでは第108回定時株主総会での決議をもって決算期(事業年度の末日)を毎年3月31日から毎年12月31日に変更しています。決算期変更の経過期間となる2024年12月期は、当社並びに国内を中心とした3月決算の子会社は2024年4月1日から12月31日までの9カ月間を、海外を中心とした子会社は2024年1月1日から12月31日までの12カ月間を連結対象としています。
現時点での2024年12月期の業績予想は、受注高5,750億円、売上高5,500億円、営業利益520億円、経常利益535億円、親会社株主に帰属する当期純利益390億円、営業利益率9.5%としています。
受注高については、中国を除いた地域での半導体関連の一時的な投資抑制が続くことが見込まれるものの、自動車産業におけるxEV(BEV、HEV、PHEV、FCEVなど電気自動車の総称)関連投資、航空旅客数の回復に伴う空港における自動化投資、日本国内や北米における人件費高騰を背景とした製造業の省人・省力化投資の回復を取り込んでいきます。売上高は、豊富な前期末受注残高をベースに順調に推移することを見込んでいます。また、利益面についても前年度の下期より原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁が進展しており、収益性の改善に寄与しています。
2024年12月期の為替レートは対米ドル149.89円(2024年3月期実績レート141.20円)、対中国元20.75円(同19.87円)、対韓国ウォン0.1121円(同0.1080円)などで計画を立てており、為替による大きな影響は見込んでいません。
上記の業績予想は、主に受注済の案件の進捗見込みや今後受注が見込まれる案件の確度や時期、期中の進捗度合いを想定し算出していますが、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、国内外の顧客の動向・競合状況、「3 事業等のリスク」に記載している各種リスク要因などのさまざまな不確定要素により、実際の業績は記載の見通しと異なる可能性があります。
2024年3月期 実績
セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高を、セグメント利益は親会社株主に帰属する当期純利益を記載しています。
なお、当連結会計年度より、量的重要性が増加したことに伴い、従来「その他」に含めていた「大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)」を報告セグメントとしています。これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントにより作成しています。
当社グループのうち、株式会社ダイフク、株式会社コンテックをはじめとする国内の会社が3月末決算であるのに対し、海外子会社については、そのほとんどが12月末決算のため2023年1月から12月末までの期間の状況を記載しています。
[表]報告セグメントの業績
※1 DNA = Daifuku North America, Inc.
※2 CFI = Clean Factomation, Inc.
※3 DSA = 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司
① 株式会社ダイフク
受注は、eコマース関連投資が一時的な停滞局面にある一般製造業・流通業向けシステム、前年度に前倒し受注や為替の影響を受けて大きく増加した半導体・液晶生産ライン向けシステムが減少しました。
売上は、自動車生産ライン向けシステムが好調に推移したものの、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けシステムは減収となりました。
セグメント利益は、自動車生産ライン向けシステムの増収や関係会社配当金の増加等があったものの、一般製造業・流通業向けシステムの減収の影響を受けました。
この結果、受注高は2,136億33百万円(前年同期比27.1%減)、売上高は2,388億77百万円(同0.0%増)、セグメント利益は332億23百万円(同2.4%減)となりました。
② コンテックグループ
日本市場では、製造業向けを中心に販売が順調に推移しましたが、北米市場では主力の医療機器業界で在庫調整が続き、横ばいとなりました。
セグメント利益は、在庫の適正化に伴う評価減を計上したため、減益となりました。
この結果、受注高は197億42百万円(前年同期比2.3%増)、売上高は190億80百万円(同2.6%増)、セグメント利益は8億91百万円(同9.8%減)となりました。
③ Daifuku North America, Inc.※(DNA)グループ
受注は、一般製造業・流通業向けシステムは大型案件を含めて好調に推移しましたが、空港向けシステムが前年同期から減少しました。
売上は、豊富な前期末受注残高を背景にすべての領域で順調に推移しました。
セグメント利益は、増収及び一般製造業・流通業、自動車生産ライン向けシステムにおける原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁の進展等により、大きく増加しました。
この結果、受注高は2,020億61百万円(前年同期比4.3%減)、売上高は1,757億95百万円(同10.7%増)、セグメント利益は111億8百万円(同79.6%増)となりました。
※2024年1月1日付で、Daifuku North America Holding Companyから社名変更しました。
④ Clean Factomation, Inc.(CFI)
受注は半導体メーカーの投資意欲が旺盛だった前年同期から大きく下回り、売上も減少しました。
セグメント利益は、減収に伴い減益となりました。
この結果、受注高は248億22百万円(前年同期比48.5%減)、売上高は306億37百万円(同28.2%減)、セグメント利益は18億88百万円(同36.2%減)となりました。
⑤ 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)
大福自動搬送設備(蘇州)有限公司は、主に中国の半導体メーカーにクリーンルーム内搬送システムを提供しています。
前年度よりレガシー半導体向けの投資が高水準で継続しており、受注、売上、セグメント利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、受注高は466億74百万円(前年同期比14.8%増)、売上高は300億83百万円(同19.7%増)、セグメント利益は54億93百万円(同181.3%増)となりました。
⑥ その他
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社67社のうち、上記②③④⑤以外の国内外の子会社です。これらの各社は、マテリアルハンドリングシステム・洗車機等の製造・販売・工事・サービスを行っています。主な子会社の状況は、次のとおりです。
国内子会社:
株式会社ダイフクプラスモアは、各種洗車機の販売等を行っています。販売台数は、前期からの顧客への政府補助金政策が当連結会計年度も続いたことから順調に推移しました。
海外子会社:
中国、台湾、韓国、タイ、インドなどにマテリアルハンドリングシステムの生産拠点があり、最適地生産・調達体制の一翼を担いつつ、販売・工事・サービスも行っています。
また、北中米、アジア、欧州、オセアニアには販売・工事・サービスを行う子会社を幅広く配置しています。
受注は、主に前年度アジアにおいて半導体・液晶生産ライン向けシステムを前倒し受注した反動により減少しました。売上は、前期末受注残高をベースに概ね順調に推移しました。
セグメント利益は、オセアニアにおける一部案件で一過性コストを計上した影響を大きく受けました。
この結果、受注高は1,133億77百万円(前年同期比9.4%減)、売上高は1,186億98百万円(同2.5%増)、セグメント利益は8億95百万円(同75.7%減)となりました。
業種別や仕向地別の詳細については、「[表]業種別受注高・売上高及び[表]仕向地別受注高・売上高」をご参照ください。
[表]業種別受注高・売上高
[表]仕向地別受注高・売上高
(2) 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末に比べ946億2百万円増加し、6,461億54百万円となりました。これは主に現金及び預金が392億97百万円、受取手形・完成工事未収入金等及び契約資産が215億56百万円、原材料及び貯蔵品が48億88百万円、有形固定資産が124億14百万円、満期保有目的債券の取得等により投資有価証券が112億51百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ681億71百万円増加し、2,873億99百万円となりました。これは主に電子記録債務が110億82百万円減少したものの、契約負債が156億75百万円、転換社債型新株予約権付社債が610億88百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ264億31百万円増加し、3,587億55百万円となりました。これは主に自己株式の取得に伴う200億45百万円の減少があったものの、利益剰余金が314億35百万円、為替換算調整勘定が84億61百万円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ340億56百万円増加し、1,364億45百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、371億17百万円となりました(前年同期は200億34百万円の増加)。これは主に、仕入債務の減少が181億46百万円、法人税等の支払額が221億96百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が632億87百万円、契約負債の増加が130億66百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、295億82百万円となりました(前年同期は118億74百万円の減少)。これは主に、固定資産の取得による支出が197億31百万円、投資有価証券の取得による支出が72億28百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、227億32百万円となりました(前年同期は301億87百万円の減少)。これは主に、自己株式の取得による支出が200億5百万円、配当金の支払額が140億18百万円あったものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が610億82百万円あったことによるものです。
連結キャッシュ・フローの指標は次のとおりです。
自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分-新株予約権)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金、長期借入金、転換社債型新株予約権付社債を対象としています。
5 利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
6 2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。このため、2023年3月期連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、時価ベースの自己資本比率を算定しています。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
① 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としています。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を50%以上に保ち、「A(シングルAフラット)」以上の発行体格付(株式会社格付投資情報センター(R&I)による格付)の維持向上を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで金融機関からの借入や社債の発行などの活用も進めることにより、資本コストの低減及び資本効率の向上にも努めてまいります。
② 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現預金の水準について、売上高の約1.5~2.0カ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。また、株主の皆さまに対する利益還元を最重要事項と位置づけ、剰余金の配当については、株主の皆さまへのさらなる利益還元を視野に入れて、連結当期純利益をベースとする業績連動による配当政策を取り入れるとともに、残余の剰余金については内部留保金として、今後の成長に向けた投資資金に充てる方針です。
設備投資・研究開発に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期の3年間累計)では総額822億円となりました。
③ 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための、原材料・部品の仕入、加工、組立等の変動費、ならびに製造間接費・販売費及び一般管理費等の固定費です。
固定費の主なものは人件費、構内外注費、設計外注費、研究開発費、賃借料等です。
④ 資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しています。グループ内では資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を国内グループ会社で運用しています。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため信用格付を取得しており、有価証券報告書提出日現在において、株式会社格付投資情報センターによる発行体格付は「A(シングルAフラット)」となっています。一方、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は問題なく調達可能であると認識しています。なお、国内金融機関において300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しています。2024年3月期には転換社債型新株予約権付社債を発行し、国内外の生産能力増強のための設備投資資金、ならびに資本効率の更なる改善を目的とする自己株式取得資金を調達しました。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(6) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社です。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社及び連結上の調整額です。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社及び連結上の調整額です。
(7) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2024年3月期)の受注高は、前年度に前倒し受注や為替の影響で大きく増加した半導体・液晶生産ライン向けシステムの反動減があり前年度からは15.9%減少しましたが、売上高は豊富な前期末受注残高を背景に順調に推移したことにより1.6%増となり過去最高となりました。また、営業利益は5.5%増、経常利益は7.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は10.2%増となり、いずれも過去最高を更新しました。 ここ数年、北米や国内において高水準で継続したeコマース関連投資は一時的な停滞局面にありますが、一般製造業の投資は回復基調にあります。半導体産業は中国におけるレガシー半導体向けを除き投資が依然として抑制されていますが、下期より引き合いが増えつつあり回復の兆しが見えてきました。
一方で、自動車産業のxEV関連投資、航空旅客数の回復に伴う空港における自動化投資は活発化しており好調に推移しました。
当社グループの経営成績の分析の詳細については、「(1) 経営成績等の状況の概要」、課題分析や今後の施策などの詳細は「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2022年3月期からスタートした3カ年中期経営計画「Value Transformation 2023」では、最終年度である当連結会計年度(2024年3月期)の連結売上高6,000億円を経営目標の一つとして掲げており、前述の4つのコア事業(一般製造業・流通業向けシステム、半導体・液晶生産ライン向けシステム、自動車生産ライン向けシステム、空港向けシステム)を取り巻く環境の濃淡を相互補完し、達成しました。
一方、最終年度の営業利益率は10.5%を目標にしていましたが、2023年3月期より収益性低下要因となった原材料・人件費高騰に伴うコスト増の販売価格への転嫁が進展したものの、最終年度の営業利益率は10.2%に止まりました。
なお、「Value Transformation 2023」におけるROEは、2022年3月期以降、13.1%、13.2%、13.2%となり、各年度で目標である10%以上を達成しました。
(8) 今後の経営方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めています。
当社グループの収益構造は、親会社株主に帰属する当期純利益の大部分をダイフクが上げている形になっています((1) 経営成績等の状況の概要 [表]報告セグメントの業績)。ダイフクのさらなる収益性向上を図ることはもちろん、海外を中心としたダイフク以外のセグメントの収益性向上が課題です。これについては現在、すべての現地法人で営業利益率10%の早期達成を実現するための改善計画を立案し、実行しています。
また、当社グループのさらなる成長(経済価値の向上)については、このたび、2030年のありたい姿を長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」として設定した上で、その中間点として「2027年中期経営計画」を策定して各種施策の実践を通じ取り組んでいきます。詳細については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における世界の経済は、中国経済の減速、欧米の金融引き締めに伴う景気減速懸念等があったものの、総じて順調に推移しました。
事業環境としては、自動車産業でxEV(BEV、HEV、PHEV、FCEVなど電動車の総称)投資が活発化しています。また、航空旅客数の回復に伴い空港における自動化投資も伸長しています。ここ数年、北米・日本において高水準で継続したeコマース関連投資は一時的な停滞局面にありますが、一般製造業の投資は回復基調にあります。半導体産業では中国におけるレガシー半導体投資が高水準で継続し、低調であったロジック・メモリー投資にも回復の兆しが見えてきました。
このような経済・事業環境の下、当社グループの受注は、前年度に前倒し受注があった半導体・液晶生産ライン向けシステムは大きく減少しましたが、ほぼ期初の計画通りに推移しました。
売上は、豊富な前期末受注残高をベースに自動車生産ライン、空港向けシステムが好調に推移した一方、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けシステムは前年同期の実績には及びませんでした。
この結果、受注高は6,203億12百万円(前年同期比15.9%減)、売上高は6,114億77百万円(同1.6%増)となりました。
利益面は、全体としては期初計画を大きく上回りました。一般製造業・流通業向けシステムは北米において原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁が進展したこと等により、収益性が改善しました。半導体・液晶生産ライン向けシステムは減収の影響を受けましたが、コスト削減により収益性が改善しました。自動車生産ライン向けシステムは増収に伴い収益性が改善しました。空港向けシステムでは原材料・人件費高騰の影響、及びオセアニアの一部案件における一過性コストの計上により収益性が低下しました。
この結果、営業利益は620億79百万円(同5.5%増)、経常利益は642億7百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は454億61百万円(同10.2%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも2期連続で過去最高を更新しました。
なお、当期の当社グループの平均為替レートは、米ドルで141.20円(前年同期132.09円)、中国元で19.87円(同19.50円)、韓国ウォンで0.1080円(同0.1020円)等となりました。為替の変動により、前期比で受注高は約17億円、売上高は約187億円、営業利益は約15億円、それぞれ増加しました。
2024年3月26日に公表した「決算期(事業年度の末日)の変更に関するお知らせ」のとおり、当社グループでは第108回定時株主総会での決議をもって決算期(事業年度の末日)を毎年3月31日から毎年12月31日に変更しています。決算期変更の経過期間となる2024年12月期は、当社並びに国内を中心とした3月決算の子会社は2024年4月1日から12月31日までの9カ月間を、海外を中心とした子会社は2024年1月1日から12月31日までの12カ月間を連結対象としています。
現時点での2024年12月期の業績予想は、受注高5,750億円、売上高5,500億円、営業利益520億円、経常利益535億円、親会社株主に帰属する当期純利益390億円、営業利益率9.5%としています。
受注高については、中国を除いた地域での半導体関連の一時的な投資抑制が続くことが見込まれるものの、自動車産業におけるxEV(BEV、HEV、PHEV、FCEVなど電気自動車の総称)関連投資、航空旅客数の回復に伴う空港における自動化投資、日本国内や北米における人件費高騰を背景とした製造業の省人・省力化投資の回復を取り込んでいきます。売上高は、豊富な前期末受注残高をベースに順調に推移することを見込んでいます。また、利益面についても前年度の下期より原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁が進展しており、収益性の改善に寄与しています。
2024年12月期の為替レートは対米ドル149.89円(2024年3月期実績レート141.20円)、対中国元20.75円(同19.87円)、対韓国ウォン0.1121円(同0.1080円)などで計画を立てており、為替による大きな影響は見込んでいません。
上記の業績予想は、主に受注済の案件の進捗見込みや今後受注が見込まれる案件の確度や時期、期中の進捗度合いを想定し算出していますが、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、国内外の顧客の動向・競合状況、「3 事業等のリスク」に記載している各種リスク要因などのさまざまな不確定要素により、実際の業績は記載の見通しと異なる可能性があります。
2024年3月期 実績
| 受注高 | 6,203億12百万円 | (前年同期 | 7,374億75百万円 | 15.9%減) |
| 売上高 | 6,114億77百万円 | ( 同 | 6,019億22百万円 | 1.6%増) |
| 営業利益 | 620億79百万円 | ( 同 | 588億54百万円 | 5.5%増) |
| 経常利益 | 642億7百万円 | ( 同 | 597億59百万円 | 7.4%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 454億61百万円 | ( 同 | 412億48百万円 | 10.2%増) |
| 包括利益 | 604億9百万円 | ( 同 | 535億56百万円 | 12.8%増) |
セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高を、セグメント利益は親会社株主に帰属する当期純利益を記載しています。
なお、当連結会計年度より、量的重要性が増加したことに伴い、従来「その他」に含めていた「大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)」を報告セグメントとしています。これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントにより作成しています。
当社グループのうち、株式会社ダイフク、株式会社コンテックをはじめとする国内の会社が3月末決算であるのに対し、海外子会社については、そのほとんどが12月末決算のため2023年1月から12月末までの期間の状況を記載しています。
[表]報告セグメントの業績
| ダイフク:受注は、一般製造業・流通業向けや、前期に前倒し受注で増加した半導体・液晶生産ライン向けが減少。 |
| DNA:売上は、すべての領域で順調に推移。セグメント利益は増収や、原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁の進展などにより増加。 |
| CFI:半導体メーカーの投資が停滞し、受注、売上、セグメント利益ともに減少。 |
| DSA:前期よりレガシー半導体向けの投資が高水準で継続し、受注、売上、セグメント利益ともに増加。 |
| (億円) | 受注高 (外部顧客からの受注高) | 売上高 (外部顧客への売上高) | セグメント利益 (親会社株主に帰属する当期純利益) | ||||||
| 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | |
| ダイフク | 2,931 | 2,136 | ▲794 | 2,388 | 2,388 | +0 | 340 | 332 | ▲8 |
| コンテック | 192 | 197 | +4 | 186 | 190 | +4 | 9 | 8 | ▲0 |
| DNA※1 | 2,110 | 2,020 | ▲89 | 1,587 | 1,757 | +170 | 61 | 111 | +49 |
| CFI※2 | 481 | 248 | ▲233 | 426 | 306 | ▲120 | 29 | 18 | ▲10 |
| DSA※3 | 406 | 466 | +60 | 251 | 300 | +49 | 19 | 54 | +35 |
| その他 | 1,251 | 1,133 | ▲117 | 1,157 | 1,186 | +29 | 36 | 8 | ▲27 |
| 連結調整等 | - | - | - | 20 | ▲16 | ▲37 | ▲85 | ▲80 | +5 |
| 合計 (調整後) | 7,374 | 6,203 | ▲1,171 | 6,019 | 6,114 | +95 | 412 | 454 | +42 |
※1 DNA = Daifuku North America, Inc.
※2 CFI = Clean Factomation, Inc.
※3 DSA = 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司
① 株式会社ダイフク
受注は、eコマース関連投資が一時的な停滞局面にある一般製造業・流通業向けシステム、前年度に前倒し受注や為替の影響を受けて大きく増加した半導体・液晶生産ライン向けシステムが減少しました。
売上は、自動車生産ライン向けシステムが好調に推移したものの、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けシステムは減収となりました。
セグメント利益は、自動車生産ライン向けシステムの増収や関係会社配当金の増加等があったものの、一般製造業・流通業向けシステムの減収の影響を受けました。
この結果、受注高は2,136億33百万円(前年同期比27.1%減)、売上高は2,388億77百万円(同0.0%増)、セグメント利益は332億23百万円(同2.4%減)となりました。
② コンテックグループ
日本市場では、製造業向けを中心に販売が順調に推移しましたが、北米市場では主力の医療機器業界で在庫調整が続き、横ばいとなりました。
セグメント利益は、在庫の適正化に伴う評価減を計上したため、減益となりました。
この結果、受注高は197億42百万円(前年同期比2.3%増)、売上高は190億80百万円(同2.6%増)、セグメント利益は8億91百万円(同9.8%減)となりました。
③ Daifuku North America, Inc.※(DNA)グループ
受注は、一般製造業・流通業向けシステムは大型案件を含めて好調に推移しましたが、空港向けシステムが前年同期から減少しました。
売上は、豊富な前期末受注残高を背景にすべての領域で順調に推移しました。
セグメント利益は、増収及び一般製造業・流通業、自動車生産ライン向けシステムにおける原材料・人件費高騰に伴うコスト増加分の価格転嫁の進展等により、大きく増加しました。
この結果、受注高は2,020億61百万円(前年同期比4.3%減)、売上高は1,757億95百万円(同10.7%増)、セグメント利益は111億8百万円(同79.6%増)となりました。
※2024年1月1日付で、Daifuku North America Holding Companyから社名変更しました。
④ Clean Factomation, Inc.(CFI)
受注は半導体メーカーの投資意欲が旺盛だった前年同期から大きく下回り、売上も減少しました。
セグメント利益は、減収に伴い減益となりました。
この結果、受注高は248億22百万円(前年同期比48.5%減)、売上高は306億37百万円(同28.2%減)、セグメント利益は18億88百万円(同36.2%減)となりました。
⑤ 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)
大福自動搬送設備(蘇州)有限公司は、主に中国の半導体メーカーにクリーンルーム内搬送システムを提供しています。
前年度よりレガシー半導体向けの投資が高水準で継続しており、受注、売上、セグメント利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、受注高は466億74百万円(前年同期比14.8%増)、売上高は300億83百万円(同19.7%増)、セグメント利益は54億93百万円(同181.3%増)となりました。
⑥ その他
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社67社のうち、上記②③④⑤以外の国内外の子会社です。これらの各社は、マテリアルハンドリングシステム・洗車機等の製造・販売・工事・サービスを行っています。主な子会社の状況は、次のとおりです。
国内子会社:
株式会社ダイフクプラスモアは、各種洗車機の販売等を行っています。販売台数は、前期からの顧客への政府補助金政策が当連結会計年度も続いたことから順調に推移しました。
海外子会社:
中国、台湾、韓国、タイ、インドなどにマテリアルハンドリングシステムの生産拠点があり、最適地生産・調達体制の一翼を担いつつ、販売・工事・サービスも行っています。
また、北中米、アジア、欧州、オセアニアには販売・工事・サービスを行う子会社を幅広く配置しています。
受注は、主に前年度アジアにおいて半導体・液晶生産ライン向けシステムを前倒し受注した反動により減少しました。売上は、前期末受注残高をベースに概ね順調に推移しました。
セグメント利益は、オセアニアにおける一部案件で一過性コストを計上した影響を大きく受けました。
この結果、受注高は1,133億77百万円(前年同期比9.4%減)、売上高は1,186億98百万円(同2.5%増)、セグメント利益は8億95百万円(同75.7%減)となりました。
業種別や仕向地別の詳細については、「[表]業種別受注高・売上高及び[表]仕向地別受注高・売上高」をご参照ください。
[表]業種別受注高・売上高
| 自動車及び自動車部品、空港:売上は、北米での豊富な受注残高をベースに好調に推移。 |
| エレクトロニクス:受注は、前期に前倒し受注した半導体生産ライン向けが減少。売上は、先端半導体向けが減少したものの、レガシー半導体向けが好調により高水準を維持。 |
| 商業及び小売業:受注・売上ともに、日本のEC関連投資が一時的に停滞局面にあり、減少。 |
| 食品:北米で大型案件を受注。 |
| (億円) | 受注高 | 売上高 | ||||||||
| 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | |||||
| 業種 | 受注高 | 構成比 | 受注高 | 構成比 | 売上高 | 構成比 | 売上高 | 構成比 | ||
| 自動車及び自動車部品 | 897 | 12.2% | 928 | 15.0% | +31 | 654 | 10.9% | 814 | 13.3% | +160 |
| エレクトロニクス | 2,714 | 36.8% | 1,914 | 30.9% | ▲799 | 2,157 | 36.0% | 2,035 | 33.2% | ▲121 |
| 商業及び小売業 | 1,879 | 25.5% | 1,395 | 22.5% | ▲484 | 1,609 | 26.8% | 1,475 | 24.1% | ▲133 |
| 運輸・倉庫 | 288 | 3.9% | 286 | 4.6% | ▲2 | 304 | 5.1% | 248 | 4.0% | ▲56 |
| 機械 | 115 | 1.6% | 113 | 1.8% | ▲2 | 103 | 1.7% | 103 | 1.7% | ▲0 |
| 化学・薬品 | 330 | 4.5% | 286 | 4.6% | ▲44 | 246 | 4.1% | 251 | 4.1% | +5 |
| 食品 | 172 | 2.3% | 424 | 6.8% | +252 | 157 | 2.6% | 206 | 3.4% | +49 |
| 鉄鋼・非鉄金属 | 54 | 0.7% | 68 | 1.1% | +13 | 48 | 0.8% | 54 | 0.9% | +6 |
| 精密機器・印刷・事務機 | 61 | 0.8% | 40 | 0.6% | ▲20 | 64 | 1.1% | 43 | 0.7% | ▲20 |
| 空港 | 623 | 8.4% | 531 | 8.6% | ▲91 | 461 | 7.7% | 658 | 10.7% | +196 |
| その他 | 237 | 3.3% | 214 | 3.5% | ▲23 | 190 | 3.2% | 239 | 3.9% | +48 |
| 小計 | 7,374 | 100.0% | 6,203 | 100.0% | ▲1,171 | 5,998 | 100.0% | 6,131 | 100.0% | +133 |
| 連結調整等 | - | - | - | - | - | 20 | - | ▲16 | - | ▲37 |
| 合計 | 7,374 | - | 6,203 | - | ▲1,171 | 6,019 | - | 6,114 | - | +95 |
[表]仕向地別受注高・売上高
| 日本:受注は、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けが好調だった前期から減少。売上は、自動車生産ライン向けが好調。 |
| 北米:受注は、一般製造業・流通業、空港向けが、売上は、自動車生産ライン、空港向けが寄与。 |
| 中国:受注、売上ともに、半導体生産ライン向けが寄与。 |
| 韓国・台湾:受注、売上ともに、半導体生産ライン向けが減少。 |
| (億円) | 受注高 | 売上高 | ||||||||||
| 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | 2023/3期 | 2024/3期 | 増減額 | |||||||
| 地域 | 国名 | 受注高 | 構成比 | 受注高 | 構成比 | 売上高 | 構成比 | 売上高 | 構成比 | |||
| 日本 | 2,314 | 31.4% | 1,746 | 28.2% | ▲567 | 1,972 | 32.9% | 2,004 | 32.7% | +32 | ||
| 海外 | 5,060 | 68.6% | 4,456 | 71.8% | ▲604 | 4,025 | 67.1% | 4,126 | 67.3% | +101 | ||
| 北米 | 2,005 | 27.2% | 2,226 | 35.9% | +221 | 1,521 | 25.4% | 1,816 | 29.6% | +294 | ||
| アジア | 2,553 | 34.6% | 1,842 | 29.7% | ▲711 | 2,102 | 35.1% | 1,810 | 29.5% | ▲291 | ||
| 中国 | 942 | 12.8% | 1,095 | 17.7% | +153 | 608 | 10.2% | 857 | 14.0% | +248 | ||
| 韓国 | 607 | 8.2% | 335 | 5.4% | ▲272 | 600 | 10.0% | 391 | 6.4% | ▲209 | ||
| 台湾 | 684 | 9.3% | 100 | 1.6% | ▲584 | 587 | 9.8% | 283 | 4.6% | ▲304 | ||
| その他 | 318 | 4.3% | 310 | 5.0% | ▲8 | 305 | 5.1% | 277 | 4.5% | ▲27 | ||
| 欧州 | 156 | 2.1% | 192 | 3.1% | +35 | 172 | 2.9% | 182 | 3.0% | +9 | ||
| 中南米 | 126 | 1.7% | 57 | 0.9% | ▲69 | 62 | 1.0% | 106 | 1.7% | +43 | ||
| その他 | 217 | 3.0% | 137 | 2.2% | ▲80 | 166 | 2.7% | 211 | 3.5% | +44 | ||
| 小計 | 7,374 | 100.0% | 6,203 | 100.0% | ▲1,171 | 5,998 | 100.0% | 6,131 | 100.0% | +133 | ||
| 連結調整等 | - | - | - | - | - | 20 | - | ▲16 | - | ▲37 | ||
| 合計 | 7,374 | - | 6,203 | - | ▲1,171 | 6,019 | - | 6,114 | - | +95 | ||
(2) 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末に比べ946億2百万円増加し、6,461億54百万円となりました。これは主に現金及び預金が392億97百万円、受取手形・完成工事未収入金等及び契約資産が215億56百万円、原材料及び貯蔵品が48億88百万円、有形固定資産が124億14百万円、満期保有目的債券の取得等により投資有価証券が112億51百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ681億71百万円増加し、2,873億99百万円となりました。これは主に電子記録債務が110億82百万円減少したものの、契約負債が156億75百万円、転換社債型新株予約権付社債が610億88百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ264億31百万円増加し、3,587億55百万円となりました。これは主に自己株式の取得に伴う200億45百万円の減少があったものの、利益剰余金が314億35百万円、為替換算調整勘定が84億61百万円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ340億56百万円増加し、1,364億45百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、371億17百万円となりました(前年同期は200億34百万円の増加)。これは主に、仕入債務の減少が181億46百万円、法人税等の支払額が221億96百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が632億87百万円、契約負債の増加が130億66百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、295億82百万円となりました(前年同期は118億74百万円の減少)。これは主に、固定資産の取得による支出が197億31百万円、投資有価証券の取得による支出が72億28百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、227億32百万円となりました(前年同期は301億87百万円の減少)。これは主に、自己株式の取得による支出が200億5百万円、配当金の支払額が140億18百万円あったものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が610億82百万円あったことによるものです。
連結キャッシュ・フローの指標は次のとおりです。
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 60.2 | 55.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 167.5 | 205.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.6 | 1.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 64.7 | 83.2 |
自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分-新株予約権)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金、長期借入金、転換社債型新株予約権付社債を対象としています。
5 利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
6 2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。このため、2023年3月期連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、時価ベースの自己資本比率を算定しています。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
① 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としています。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を50%以上に保ち、「A(シングルAフラット)」以上の発行体格付(株式会社格付投資情報センター(R&I)による格付)の維持向上を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで金融機関からの借入や社債の発行などの活用も進めることにより、資本コストの低減及び資本効率の向上にも努めてまいります。
② 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現預金の水準について、売上高の約1.5~2.0カ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。また、株主の皆さまに対する利益還元を最重要事項と位置づけ、剰余金の配当については、株主の皆さまへのさらなる利益還元を視野に入れて、連結当期純利益をベースとする業績連動による配当政策を取り入れるとともに、残余の剰余金については内部留保金として、今後の成長に向けた投資資金に充てる方針です。
設備投資・研究開発に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期の3年間累計)では総額822億円となりました。
③ 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための、原材料・部品の仕入、加工、組立等の変動費、ならびに製造間接費・販売費及び一般管理費等の固定費です。
固定費の主なものは人件費、構内外注費、設計外注費、研究開発費、賃借料等です。
④ 資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しています。グループ内では資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を国内グループ会社で運用しています。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため信用格付を取得しており、有価証券報告書提出日現在において、株式会社格付投資情報センターによる発行体格付は「A(シングルAフラット)」となっています。一方、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は問題なく調達可能であると認識しています。なお、国内金融機関において300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しています。2024年3月期には転換社債型新株予約権付社債を発行し、国内外の生産能力増強のための設備投資資金、ならびに資本効率の更なる改善を目的とする自己株式取得資金を調達しました。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(6) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 株式会社ダイフク | 272,236 | △7.8 |
| コンテックグループ | 34,034 | △10.0 |
| Daifuku North America, Inc.グループ | 161,061 | 17.5 |
| Clean Factomation, Inc. | 29,357 | △17.3 |
| 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司 | 26,662 | 7.8 |
| その他 | 81,578 | △1.8 |
| 合計 | 604,931 | △1.4 |
(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社です。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 株式会社ダイフク | 213,633 | △27.1 | 221,171 | △10.2 |
| コンテックグループ | 19,742 | 2.3 | 8,810 | 8.1 |
| Daifuku North America, Inc.グループ | 202,061 | △4.3 | 190,581 | 16.0 |
| Clean Factomation, Inc. | 24,822 | △48.5 | 21,315 | △21.4 |
| 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司 | 46,674 | 14.8 | 54,508 | 43.8 |
| その他 | 113,377 | △9.4 | 100,607 | △3.5 |
| 合計 | 620,312 | △15.9 | 596,994 | 1.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社及び連結上の調整額です。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 株式会社ダイフク | 238,877 | 0.0 |
| コンテックグループ | 19,080 | 2.6 |
| Daifuku North America, Inc.グループ | 175,795 | 10.7 |
| Clean Factomation, Inc. | 30,637 | △28.2 |
| 大福自動搬送設備(蘇州)有限公司 | 30,083 | 19.7 |
| その他 | 117,003 | △0.7 |
| 合計 | 611,477 | 1.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社及び連結上の調整額です。
(7) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2024年3月期)の受注高は、前年度に前倒し受注や為替の影響で大きく増加した半導体・液晶生産ライン向けシステムの反動減があり前年度からは15.9%減少しましたが、売上高は豊富な前期末受注残高を背景に順調に推移したことにより1.6%増となり過去最高となりました。また、営業利益は5.5%増、経常利益は7.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は10.2%増となり、いずれも過去最高を更新しました。 ここ数年、北米や国内において高水準で継続したeコマース関連投資は一時的な停滞局面にありますが、一般製造業の投資は回復基調にあります。半導体産業は中国におけるレガシー半導体向けを除き投資が依然として抑制されていますが、下期より引き合いが増えつつあり回復の兆しが見えてきました。
一方で、自動車産業のxEV関連投資、航空旅客数の回復に伴う空港における自動化投資は活発化しており好調に推移しました。
当社グループの経営成績の分析の詳細については、「(1) 経営成績等の状況の概要」、課題分析や今後の施策などの詳細は「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2022年3月期からスタートした3カ年中期経営計画「Value Transformation 2023」では、最終年度である当連結会計年度(2024年3月期)の連結売上高6,000億円を経営目標の一つとして掲げており、前述の4つのコア事業(一般製造業・流通業向けシステム、半導体・液晶生産ライン向けシステム、自動車生産ライン向けシステム、空港向けシステム)を取り巻く環境の濃淡を相互補完し、達成しました。
一方、最終年度の営業利益率は10.5%を目標にしていましたが、2023年3月期より収益性低下要因となった原材料・人件費高騰に伴うコスト増の販売価格への転嫁が進展したものの、最終年度の営業利益率は10.2%に止まりました。
なお、「Value Transformation 2023」におけるROEは、2022年3月期以降、13.1%、13.2%、13.2%となり、各年度で目標である10%以上を達成しました。
(8) 今後の経営方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めています。
当社グループの収益構造は、親会社株主に帰属する当期純利益の大部分をダイフクが上げている形になっています((1) 経営成績等の状況の概要 [表]報告セグメントの業績)。ダイフクのさらなる収益性向上を図ることはもちろん、海外を中心としたダイフク以外のセグメントの収益性向上が課題です。これについては現在、すべての現地法人で営業利益率10%の早期達成を実現するための改善計画を立案し、実行しています。
また、当社グループのさらなる成長(経済価値の向上)については、このたび、2030年のありたい姿を長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」として設定した上で、その中間点として「2027年中期経営計画」を策定して各種施策の実践を通じ取り組んでいきます。詳細については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。