有価証券報告書-第104期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 15:09
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界の経済は、前半は米国で景気拡大が続き、日本や欧州、新興国でも総じて堅調に推移しました。一方、後半は米中の貿易摩擦、中国経済の減速、新型コロナウイルスの感染拡大により先行きが不透明な状況で推移しました。
前記のとおり、新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは早期に対策本部を立ち上げ、社員とその家族、お客さま、お取引先の安全確保を最優先とし、対策に当たってまいりました。主力生産拠点の滋賀事業所は新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けておらず、サプライチェーンも健全に機能しています。海外子会社の工場や営業所、サービス拠点は、各国政府・行政機関の方針に適宜対応し操業しています。
当連結会計年度への影響としては、当社の海外子会社はそのほとんどが12月末決算であるため、売上・利益への影響は軽微でした。一方、受注面では、在宅勤務・移動制限などにより、一部先送り案件が生じました。
このような経済・事業環境の中、当社グループの受注は、半導体・液晶業界の設備投資減少の影響を受けましたが、一方で、グローバル規模でのヒト・モノの動きの増加、流通形態の変化や、IoTなどの技術革新による産業構造の変化、人手不足による自動化投資に支えられ、一般製造業および流通業向けシステムはeコマース、医薬卸、食品業界を中心に堅調に推移しました。また、自動車生産ライン向けシステムも過去最大となる大型案件を北米で受注しました([図1]業種別受注高・売上高、[図3]地域別受注高・売上高)。
売上は、高水準の受注残をベースに堅調に推移したものの、半導体・液晶業界からの当期売上分の受注減少の影響により、前期の実績にはおよびませんでした。
この結果、当連結会計年度の受注高は4,831億84百万円(前年同期比4.0%減)、売上高は4,436億94百万円(同3.4%減)となりました。
利益は、半導体・液晶生産ライン向けシステムにおいて、大型案件の受注金額ダウンに加え追加コスト発生により、利益率低下の影響を受けました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した関係会社株式の売却益(69億48百万円=連結簿価との差額)がなくなっていることや、のれんの一時償却の影響等を受けました。
この結果、営業利益は404億97百万円(同25.9%減)、経常利益は409億76百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、280億63百万円(同29.1%減)となりました。([図1]業種別受注高・売上高)
[図1]業種別受注高・売上高
✓ 受注高:北米の自動車および自動車部品の受注が好調
✓ 受注高・売上高:エレクトロニクスが減少
✓ 売上高:商業および小売業、空港向けが順調に推移(億円)

受注高売上高
2019年3月期2020年3月期2019年3月期2020年3月期
業種受注高構成比受注高構成比売上高構成比売上高構成比
自動車および
自動車部品
687.513.7%899.818.6%686.714.9%684.815.4%
エレクトロニクス1,713.334.0%1,462.330.3%1,899.841.3%1,441.632.5%
商業および小売業951.118.9%945.819.6%717.415.6%862.419.4%
運輸・倉庫435.88.7%172.83.6%290.46.3%285.56.4%
機械139.02.8%111.12.3%93.12.0%135.73.1%
化学・薬品152.03.0%184.63.8%141.53.1%153.03.4%
食品126.02.5%170.43.5%118.72.6%131.53.0%
鉄鋼・非鉄金属58.51.2%54.51.1%45.91.0%53.71.2%
精密機器・
印刷・事務機
119.62.4%76.41.6%64.71.4%114.82.6%
空港479.19.5%578.612.0%355.47.7%419.89.5%
その他171.73.3%175.03.6%180.64.1%153.73.5%
合計5,033.9100.0%4,831.8100.0%4,594.8100.0%4,436.9100.0%

ROEは12.4%となり、前年度の19.5%より低下しました。これは主に売上高当期純利益率が6.3%となり、前年度の8.6%から低下したことによるものです。
2021年3月期の業績予想は新型コロナウイルス感染症の影響なども勘案し、売上高4,600億円、営業利益410億円、経常利益418億円、親会社株主に帰属する当期純利益290億円、売上高営業利益率8.9%としています。本見込みは、当社グループの事業は長期にわたるプラント工事を要するものが中心で、売上・利益は前年度の受注残高に基づいて進行する割合が多いこと、海外子会社は12月決算のため2020年1月~3月の海外子会社第1四半期業績を先行して把握できること、一定のサービス売上高を見込めることなどを基に見積りました。
上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、国内外の経済・競合状況、各種リスク要因等の様々な不確定要素により、実際の業績は記載の見通しと異なる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症が世界経済に及ぼす影響の大きさや期間の長さは現時点では見通せていません。新型コロナウイルス感染症について認識しているリスクや対応策は、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」をご覧ください。
2020年3月期 実績
受注高4,831億84百万円(前年同期5,033億99百万円4.0%減)
売上高4,436億94百万円( 同4,594億86百万円3.4%減)
営業利益404億97百万円( 同546億81百万円25.9%減)
経常利益409億76百万円( 同558億42百万円26.6%減)
親会社株主に帰属する当期純利益280億63百万円( 同395億67百万円29.1%減)
包括利益256億27百万円( 同408億円37.2%減)


セグメントごとの業績は次のとおりです([図2]報告セグメントの業績)。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高、セグメント利益は親会社株主に帰属する当期純利益を記載しています。セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。
当連結会計年度の期首より、これまで報告セグメントとして記載していた「株式会社ダイフクプラスモア」は、重要性が低下したことに伴い、「その他」に含めることにしました。
[図2]報告セグメントの業績
✓ ダイフク:前年同期は関係会社株式の売却益を計上。今期は関係会社株式の評価損を計上
✓ DNAHC:自動車生産ライン向けの大型案件受注が寄与。前期計上のWebb社の特別損失が
なくなったことによる増益
✓ CFI:メモリー半導体需要の回復遅れにより受注が減少(億円)

受注高
(外部顧客からの受注高)
売上高
(外部顧客への売上高)
セグメント利益
(親会社株主に帰属する当期純利益)
2019年3月期2020年3月期2019年3月期2020年3月期2019年3月期2020年3月期
ダイフク2,314.82,183.62,025.22,044.4337.6186.9
コンテック163.9168.3163.9163.516.116.0
DNAHC※11,094.51,367.5971.81,022.54.362.9
CFI※2417.8238.0342.1326.825.425.8
その他1,051.2874.31,108.9939.857.425.2
連結調整等▲8.3-▲17.2▲60.2▲45.3▲36.4
合計
(調整後)
5,033.94,831.84,594.84,436.9395.6280.6

※1 DNAHC = Daifuku North America Holding Company ※2 CFI = Clean Factomation, Inc.
① 株式会社ダイフク
受注は、東アジア・北米の半導体工場向け輸出案件が伸び悩んだ影響はあったものの、国内の一般製造業および流通業向けの大型システムや、自動車生産ライン向けのサービス・小規模の改造案件に支えられ堅調に推移しました。
売上は、一般製造業および流通業向けをはじめとする豊富な受注残をベースに堅調に推移し、ほぼ前年同期並みの水準を維持しました。
利益は、上期については半導体・液晶生産ライン向けシステムにおいて、大型案件の受注金額ダウンに加え追加コスト発生による利益率低下の影響を受けましたが、下期については一般製造業および流通業向けシステムの増収効果、収益性改善がけん引し前年下期の営業利益実績を上回りました。セグメント利益は、前期に計上した関係会社株式の売却益(80億30百万円=取得原価との差額)がなくなっていること、関係会社株式の評価損の影響等を受けました。
この結果、受注高は2,183億60百万円(前年同期比5.7%減)、売上高は2,044億43百万円(同0.9%増)、セグメント利益は186億99百万円(同44.6%減)となりました。
② コンテックグループ
・産業用コンピュータ製品
米国では、医療機器需要が順調に拡大したことに伴い、売上が増加しました。また、日本でも、物流関連向けの大型案件を受注したこともあり、売上が増加しました。
・計測制御製品
「CONPROSYS」などのIoT市場向け製品の売上は堅調に推移しましたが、企業の設備投資が減速した影響を受けて、工場等で使用される計測制御用ボードの販売は減少しました。
・ソリューション製品
自動車関連業界の設備投資減少の影響を受けて、関連システムの販売が減少しました。
コンテックグループ全体として、受注高は増加した一方、売上高は伸び悩み、利益面では投資有価証券の売却による特別利益の計上はあったものの、前年同期実績に届きませんでした。
この結果、受注高は168億31百万円(前年同期比2.6%増)、売上高は163億52百万円(同0.2%減)、セグメント利益は16億7百万円(同0.6%減)となりました。
③ Daifuku North America Holding Company(DNAHC)グループ
受注は、自動車生産ライン向けシステムで、既存工場の設備リニューアル、新車種対応を目的とした大型案件を獲得したことが寄与し、大きく伸びました。一般製造業および流通業向けシステムはeコマース向けが堅調に推移しました。空港向けシステムの新規案件、半導体生産ライン向けシステムは受注時期の遅れなどの影響を受けました。
売上は、一般製造業および流通業向けシステムが進捗の遅れにより減少しましたが、半導体、自動車、空港向けがけん引し、堅調に伸びました。
利益面では、増収効果に加え、前期に計上した傘下のWebb社の確定給付年金のバイアウトに伴う特別損失(65億13百万円)、Wynright Corporationにおける固定資産減損損失(8億7百万円)がなくなっていることにより大幅に増益となりました。
この結果、受注高は1,367億57百万円(前年同期比24.9%増)、売上高は1,022億53百万円(同5.2%増)、セグメント利益は62億95百万円(同1,356.5%増)となりました。
④ Clean Factomation, Inc.(CFI)
Clean Factomation, Inc. は、主に韓国の半導体メーカーにクリーンルーム内搬送システムを提供しています。
受注は、メモリー半導体需要の回復が遅れていることにより減少しました。売上は前期の実績にはおよびませんでしたが、利益は堅調に推移しました。
この結果、受注高は238億4百万円(前年同期比43.0%減)、売上高は326億85百万円(同4.5%減)、セグメント利益は25億82百万円(同1.4%増)となりました。
⑤ その他
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社55社のうち、上記②③④以外の国内外の子会社です。各社とも、マテリアルハンドリングシステム・機器、洗車機の製造や販売を行っています。
国内子会社:
株式会社ダイフクプラスモアは、国内で洗車機を販売しています。サービスステーション向けで石油元売り各社の統合・資本提携に伴う需要があり、カーディーラー向け、トラック・バス用の大型洗車機と併せて、販売台数は堅調に推移しました。
海外子会社:
中国・台湾・韓国・タイ・インドに主要な生産拠点があり、グローバルな最適地生産・調達体制の一翼を担っています。
中国では、液晶業界全体の設備投資が減少しているものの有機ELパネル工場の建設が今後も期待されています。一般製造業および流通業向けシステムは受注・売上ともに前期にはおよばなかったものの食品、医薬、eコマース向けの需要は底堅く推移しています。自動車関連では、日系自動車メーカーを中心に顧客密着体制を構築し、受注は堅調に推移し、売上は前期を上回りました。こうした状況を受け、工場の増設・拡張リニューアル、営業・サービス拠点の開設、トレーニングセンターの設置などを進めました。
台湾では、半導体生産ライン向けシステムが受注・売上ともに順調に推移しました。
韓国では、経済全般の厳しさが影響し、自動車生産ライン向けシステムの受注・売上が減少しました。
アセアン諸国やインドでは、特にインド・ベトナムで食品・日用雑貨・医薬品などの製造業の設備投資が活発です。両国に設けた海外子会社でこうした需要を取り込むとともに、タイの拠点に新工場棟を建設するなど現地生産を強化しました。
ニュージーランドのBCS Group Limitedは、空港向けシステムのオセアニア地区以外での事業展開の強化にグループ企業と協業して取り組み、セルフ手荷物チェックインシステム「セルフバッグドロップ」などの日本国内での販売等を伸ばしたものの、プロジェクト管理で課題を残しました。
この結果、受注高は874億30百万円(前年同期比16.8%減)、売上高は939億86百万円(同15.2%減)、セグメント利益は25億25百万円(同56.1%減)となりました。
このほか、2019年4月にはM&Aによりインドで一般製造業および流通業向けシステムの生産拠点を確保しました。同8月には有力な製造拠点として各国の企業が進出し、自動化ニーズが高まりつつあるベトナムに子会社を設立するとともに、空港向けシステムのデジタル技術強化を目的としてオランダおよびオーストラリアの企業をM&Aで取得しました。
[図3]地域別受注高・売上高
✓ 受注高:北米は、自動車生産ライン向けで過去最大の大型案件を受注
✓ 売上高:日本は、一般製造業および流通業をはじめとした豊富な受注残をベースに好調に推移
✓ 受注高・売上高:中国・韓国は、主にエレクトロニクス向けが減少
✓ 受注高:売上高:台湾は、エレクトロニクス向けが好調(億円)

受注高売上高
2019年3月期2020年3月期2019年3月期2020年3月期
地域国名受注高構成比受注高構成比売上高構成比売上高構成比
日本1,740.134.6%1,700.435.2%1,276.027.8%1,550.234.9%
海外3,293.865.4%3,131.464.8%3,318.872.2%2,886.665.1%
北米1,110.422.0%1,405.429.1%991.121.6%996.922.5%
アジア1,822.036.2%1,521.731.5%2,046.244.5%1,634.536.8%
中国889.617.7%583.612.1%1,113.324.2%702.015.8%
韓国501.610.0%392.48.1%567.412.3%435.19.8%
台湾276.25.5%424.98.8%211.74.6%371.68.4%
その他154.53.0%120.62.5%153.73.4%125.62.8%
欧州142.62.8%94.82.0%128.52.8%92.82.1%
中南米94.21.9%9.60.2%60.61.3%62.41.4%
その他124.42.5%99.82.0%92.22.0%99.82.3%
合計5,033.9100.0%4,831.8100.0%4,594.8100.0%4,436.9100.0%


(2)財政状態の状況
①資産の部について
当連結会計年度末における総資産は4,108億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億4百万円増加しました。流動資産の65億56百万円の減少につきましては、受取手形・完成工事未収入金等が108億45百万円、その他の流動資産が36億27百万円増加したものの、現金及び預金が200億8百万円減少したことが主な要因です。
一方、固定資産の74億61百万円の増加につきましては、建物及び構築物が61億61百万円増加したことが主な要因です。
②負債の部について
当連結会計年度末における負債は1,735億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ135億66百万円減少しました。流動負債の172億66百万円の減少につきましては、海外子会社等の借入の返済により短期借入金が76億59百万円、法人税等の支払いにより未払法人税等が107億89百万円それぞれ減少したことが主な要因です。
一方、固定負債の37億円の増加につきましては、国内の借入を中心に長期借入金が10億75百万円、その他の固定負債が19億76百万円それぞれ増加したことが主な要因です。
③純資産の部について
当連結会計年度末における純資産は2,373億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ144億71百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が165億69百万円増加したことが主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ200億20百万円減少し、708億83百万円(前年同期は909億3百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動におきましては、137億6百万円の収入超過(前年同期は85億59百万円の収入超過)となりました。これは、売上債権の増加額が120億53百万円、法人税等の支払額が223億16百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が398億8百万円、未成工事受入金の増加額が28億25百万円あったことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動におきましては、147億91百万円の支出超過(前年同期は59億37百万円の収入超過)となりました。これは、固定資産の取得による支出が128億15百万円、関係会社株式の取得による支出が29億1百万円あったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動におきましては、183億54百万円の支出超過(前年同期は68億93百万円の支出超過)となりました。これは海外子会社等における短期借入金の返済による支出が50億64百万円、配当金の支払額が113億31百万円あったことが主な要因です。
連結キャッシュ・フローの指標は次のとおりです。
2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)53.356.7
時価ベースの自己資本比率(%)176.8209.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.72.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)20.217.7

自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分-新株予約権)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象とし
ております。
5 利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を50%以上に保ち、「A(シングルAフラット)」以上の発行体格付(株式会社格付投資情報センター(R&I)による格付)の維持向上を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで金融機関からの借入や社債の発行などの活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
2)経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現預金の水準について、売上高の約1.5カ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。また、株主の皆さまに対する利益還元を最重要課題と位置づけ、剰余金の配当につきましては、株主の皆さまへのさらなる利益還元を視野に入れて、連結当期純利益をベースとする業績連動による配当政策を取り入れるとともに、残余の剰余金につきましては内部留保金として、今後の成長に向けた投資資金に充てる方針です。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。現中期経営計画(2017年度から2020年度の4年間累計)では、本社事務棟の建設、滋賀事業所等での建物・製造設備の新増設、北米子会社の新工場棟建設、国内外ソフトウェア更新投資等、総額387億円となる予定です。
3)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための、原材料・部品の仕入、加工、組立等の変動費、ならびに製造間接費・販売費及び一般管理費等の固定費です。
固定費の主なものは人件費、構内外注費、設計外注費、研究開発費、賃借料等です。
4)資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。なお、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を国内グループ会社で運用しています。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、当社は、有価証券報告書提出日現在において、株式会社格付投資情報センターの発行体格付は「A(シングルAフラット)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金は問題なく調達可能であると認識しています。なお、国内金融機関において300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、完成工事高及び完成工事原価の計上基準として、当連結会計年度末までの進捗部分についての成果の確実性が認められる工事について原価比例法による進行基準を採用しております。成果の確実性及び工事原価総額については会計上の見積りが存在します。特に工事原価総額については顧客と合意した工事の仕様に基づき合理的な見積りを行っているものの、想定されていなかった事象の発生等により実績と乖離する可能性が存在します。
(6)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
株式会社ダイフク240,266△4.3
コンテックグループ25,664△11.7
Daifuku North America Holding Companyグループ89,19812.7
Clean Factomation, Inc.30,34816.5
その他75,680△17.1
合計461,159△3.2

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社です。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
株式会社ダイフク218,360△5.7169,2369.0
コンテックグループ16,8312.64,55311.8
Daifuku North America Holding Companyグループ136,75724.9135,00034.3
Clean Factomation, Inc.23,804△43.013,006△40.6
その他87,430△16.276,122△0.7
合計483,184△4.0397,91911.0

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の調整額です。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
株式会社ダイフク204,4430.9
コンテックグループ16,352△0.2
Daifuku North America Holding Companyグループ102,2535.2
Clean Factomation, Inc.32,685△4.5
その他87,958△19.4
合計443,694△3.4

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」は報告セグメントに含まれない国内外の子会社および連結上の調整額です。
(7)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2020年3月期)は、受注は4.0%、売上は3.4%の減少ながら、親会社株主に帰属する当期純利益率利益は前期に計上した関係会社株式の売却益がなくなったこともあり29.1%減少しました。ROEは前年度の19.5%から12.4%になりましたが、総資産回転率は1.17回に対して1.08回、財務レバレッジは1.87倍に対して1.76倍と大差なく、売上高当期純利益率が8.6%から6.3%に低下したことが主な要因です。 業績に大きく影響したのは、半導体・液晶業界の景況感悪化、大型案件の工事追加コストです。一方、2018年3月期、2019年3月期の当社グループの業績は、同業界生産ライン向けシステムが大きく貢献しています。「デジタル革命」を支える半導体・液晶業界の設備投資需要への対応は、「eコマース」とともに経営戦略の柱の一つとして位置付けて注力してきた分野であり、今後は景況感の変動やリスク管理に十分留意しながら、収益力の向上を図ります。 一方、商業および小売業、運輸・倉庫、自動車および自動車部品、空港向けの売上は順調に推移しました((1)経営成績の状況の概要 [図1]業種別受注高・売上高)。
受注も順調で、過去最高の3,979億円の受注残を持って2021年3月期をスタートすることができました。報告セグメント別に見ると、「(1)経営成績の状況の概要 [図2]報告セグメントの業績」に記載のとおり、ダイフク、CFI、その他は東アジアの半導体・液晶業界の設備投資動向の影響を受けたものの、北米のDNAHCグループは順調に推移しました。
当社グループは、経営の基本方針である「最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する」「自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する」をベースに、特に日本・北米・アジアが相補いながら、持続的成長を期しています((1)経営成績の状況の概要 [図3]地域別受注高・売上高)。当連結会計年度も、国内外生産能力の増強、オランダやオーストラリアの会社のM&A、ベトナム現地法人の設立などに積極的に投資しました。
当社グループの経営成績の分析の詳細につきましては、「3 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」、課題分析や今後の施策などの詳細は「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
②経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」の最終年度である2021年3月期の経営目標は連結売上高5,000億円、営業利益率11.5%です。これに対して、当連結会計年度(2020年3月期)の業績は売上高4,436億円、営業利益率9.1%となりました。ROEは12.4%で、「Value Innovation 2020」の目標である10%以上を維持しました。
(8)今後の経営方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
当社グループの収益構造は、親会社株主に帰属する当期純利益の3分の2をダイフクが上げています((1)経営成績の状況の概要 [図2]報告セグメントの業績)。ダイフクのさらなる収益性向上を図ることはもちろん、ダイフク以外のセグメントの収益力を向上させることが課題です。
また、「3 事業の内容」に記載のとおり、当社グループの主な事業であるマテリアルハンドリングシステムの製造・販売は、グループ各社の密接な連携の上に成り立っており、グループ全体の横断的な取り組みが重要になります。詳細につきましては、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](1)経営方針」をご参照ください。

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