有価証券報告書-第57期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1)業績
① 売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は前連結会計年度比12.7%減少の8,133億3千1百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比8.9%減少の6,199億8千8百万円となりました。売上原価の売上収益に対する比率は前連結会計年度より3.2ポイント増加し76.2%となりました。
また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比7.8%減少の1,606億3千3百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度より61.2%減少し282億3千5百万円となりました。営業利益の売上収益に対する比率は前連結会計年度から4.4ポイント減少し3.5%となりました。
④ 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用は、前連結会計年度の84億2千8百万円の損失(純額)から当連結会計年度40億8千5百万円の損失(純額)と、損失が43億4千3百万円減少しました。これは主に、為替差損が、前連結会計年度41億5千1百万円から当連結会計年度11億4千6百万円と、30億5百万円減少したことによるものです。
⑤ 税引前当期利益
税引前当期利益は、前連結会計年度より61.9%減少し255億7千8百万円となりました。
⑥ 法人所得税費用
当連結会計年度における法人所得税費用は、前連結会計年度より51.0%減少し、109億5千1百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は803億3千万円となり、当連結会計年度期首より181億6千5百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動に関するキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動に関するキャッシュ・フローは、当期利益が146億2千7百万円、減価償却費444億1千2百万円をベースに、売掛金、受取手形及び契約資産の減少211億6千4百万円、棚卸資産の減少255億1百万円の計上等があった一方で、買掛金、支払手形の減少192億3千7百万円、法人所得税の支払101億6千1百万円等がありました。
この結果、当連結会計年度は913億3千9百万円の収入となりました。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動に関するキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得283億1千1百万円、無形資産の取得48億9千3百万円があったため322億8千1百万円の支出となりました。
(財務活動に関するキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動に関するキャッシュ・フローは、主として、短期借入金の返済421億5千万円、配当金の支払(非支配持分株主への配当金を含む)115億2千8百万円があったことにより、460億1千1百万円の支出となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
(注)1.金額は、販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.ソリューションビジネスセグメントのビジネスは、マイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としており、ビジネスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しています。
② 受注実績
当連結グループの製品は、そのほとんどが見込生産のため受注実績の記載は省略しています。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
当連結グループは連結財務諸表の作成に際し、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績の金額に影響を与える見積りを行っていますが、特に以下の重要な会計方針が、提出会社の連結財務諸表の作成における重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積もりであると判断していますが、実際の経済活動の推移が今後この仮定から乖離した場合には翌期以降の重要な会計上の見積りの判断に影響を及ぼす可能性があります。
① 棚卸資産
当連結グループは、棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、実際の将来需要または市場状況が悪化した場合は、評価減が必要となる可能性があります。
② 有形固定資産及び無形資産
当連結グループは、有形固定資産及び無形資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しています。将来の営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローの悪化等により回収可能価額が低下した場合には追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。
また、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積もり、減損テストを実施しています。のれんが発生している連結子会社の超過収益力が低下した場合には、追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。
③ 営業債権及びその他の金融資産
金融資産については、減損を示す客観的な証拠が金融資産の当初認識後に発生しておりその金融資産の見積将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、当該金融資産について減損損失が発生する可能性があります。
また、営業債権にかかる減損損失については、事業を行う国あるいは地域の特有な商慣行を含む事業環境に関連した潜在的なリスクを評価した上で算定した将来の回収可能額の見積りに基づいて減損損失を計上しており、将来の市況悪化や取引先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 繰延税金資産
繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来において業績及び課税所得が見積額より悪化した場合、繰延税金資産に対し追加の評価減の計上が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付に係る負債
当連結グループは、退職給付制度に基づく確定給付債務及び制度資産の測定に当たっては、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率及び死亡率などが含まれます。将来において、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付に係る負債、退職給付費用及び退職給付制度の再測定に影響を及ぼす可能性があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響の考え方は以下のとおりです。
当連結会計年度における将来業績予測に基づく重要な会計上の見積りについて、当連結グループはグローバルに事業活動を行っており、セグメントや地域によって状況は異なるものの、COVID-19拡大に伴う経済活動停滞による影響は概ね2021年度上半期まで残り、下半期では正常化に向かうとの仮定に基づいております。マイニングビジネスについては、2020年度はCOVID-19の影響下で鉱山の操業は一部地域では稼働停止となった現場があり、これに伴い当連結グループ社の部品サービスやソリューションビジネスも減少傾向で推移していましたが、2021年度は世界景気の回復に伴い鉱山の投資意欲も徐々に回復するものと見ています。
以上の仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、実際の経済活動の推移が今後この仮定から乖離した場合には、翌期以降の繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損検討などの重要な会計上の見積りの判断に影響し、翌連結会計年度以降の財政状態や損益に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結グループは、これまでも注力してきたバリューチェーン事業を更に強化するために、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画「Realizing Tomorrow’s Opportunities 2022」で、引き続きお客様とのあらゆる接点において、最先端のデジタル技術を活用することで、深化したソリューションを提供すると共に、変化に強い企業体質への転換に取り組んでいます。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の売上収益は、新型コロナウイルスの影響に伴う市況悪化による、新車販売・部品サービスの減少や、設備投資抑制によるマイニング新車販売・部品サービスの減少があり、注力するバリューチェーン事業の中でレンタル・中古車の売上は前連結会計年度比で増加したものの、円高基調で推移した為替の影響等により、全体では前連結会計年度比87%の8,133億3千1百万円となり、減収となりました。
連結の利益項目については、営業利益は、売上収益の減少や売上原価率の上昇、為替の円高影響等により、前連結会計年度比39%の282億3千5百万円、親会社株主に帰属する当期利益は、営業利益の減少に加え、主として海外拠点関連会社の持分法による投資損益の減少、非支配持分損益の拠出増が影響し、前連結会計年度比25%の103億4千万円となりました。
① 建設機械ビジネス
当連結会計年度における油圧ショベル需要は、欧米等の先進国市場においては新型コロナウイルスの影響で前連結会計年度を下回った一方、主に中国での大幅な回復により全体では前連結会計年度を上回りました。また、マイニング機械は鉱山会社による設備投資の抑制が続いており、特に中小規模鉱山会社からの需要が減少しました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は、レンタル・中古車が増加したものの、各国のロックダウン影響を受けて新車販売、部品サービスが減少、為替の円高影響等も加わり、前連結会計年度比87%の7,342億7百万円となりました。
② ソリューションビジネス
当事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されています。
当連結会計年度の売上収益は、需要減少を受け、前連結会計年度比90%の824億3千7百万円となりました。
なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値です。
また、変化に強い企業体質づくりと成長戦略の刈取りを促進すべく策定した2020年度から3か年の中期経営計画の達成・進捗状況は、以下のとおりです。
(注)2022年度目標の前提となる為替レートは、米ドル105円、ユーロ125円、人民元15.5円、豪ドル73円としています。
引き続き中期経営計画策定時の前提市況並びに為替水準をベースにした場合においても各数値目標が達成できるよう取り組みます。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
当連結グループに与える業績変動要因、並びに国内外の政治的・経済的変動及び需要変動による影響については 2[事業等のリスク]に記載のとおりです。
(4)財政状態の分析
[資産]
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、0.7%、44億1千4百万円増加し、6,171億9千3百万円となりました。これは主として営業債権が14億7千2百万円、棚卸資産が34億5千6百万円減少したものの、現金及び現金同等物が181億6千5百万円増加したことによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、8.8%、485億9千万円増加し、6,033億7千8百万円となりました。これは主として、有形固定資産が303億8千2百万円増加したことによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、4.5%、530億4百万円増加し、1兆2,205億7千1百万円となりました。
[負債]
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、0.3%、10億8千8百万円増加し、3,724億5千4百万円となりました。これは主として社債及び借入金が101億8千5百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が68億1百万円、契約負債が22億2千7百万円増加したこと等によります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べて2.9%、77億8千2百万円増加し2,788億7千2百万円となりました。これは主として営業債務及びその他の債務が17億3千2百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて88億7千万円増加し、6,513億2千6百万円となりました。
[資本]
資本合計は、当期利益に加えて在外営業活動体の換算差額の好転等により前連結会計年度末に比べて、8.4%、441億3千4百万円増加し、5,692億4千5百万円となりました。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容は、1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりです。
② 資本の財源及び資金の流動性
当連結グループは、成長投資の実行と財務の健全性向上及び株主還元を最適なバランスで行うため、資本効率を高めつつ適切な水準の流動性を維持し、調達手段の多様化を図ることとしています。
資金調達にあたっては、長短、直間のバランスを考慮し金融機関からの借入や社債の発行を実施すると共に、債権の流動化等による調達手段の多様化を図っています。また、コミットメントライン契約を締結し適切な水準の流動性を確保する様にしています。
(1)業績
① 売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は前連結会計年度比12.7%減少の8,133億3千1百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比8.9%減少の6,199億8千8百万円となりました。売上原価の売上収益に対する比率は前連結会計年度より3.2ポイント増加し76.2%となりました。
また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比7.8%減少の1,606億3千3百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度より61.2%減少し282億3千5百万円となりました。営業利益の売上収益に対する比率は前連結会計年度から4.4ポイント減少し3.5%となりました。
④ 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用は、前連結会計年度の84億2千8百万円の損失(純額)から当連結会計年度40億8千5百万円の損失(純額)と、損失が43億4千3百万円減少しました。これは主に、為替差損が、前連結会計年度41億5千1百万円から当連結会計年度11億4千6百万円と、30億5百万円減少したことによるものです。
⑤ 税引前当期利益
税引前当期利益は、前連結会計年度より61.9%減少し255億7千8百万円となりました。
⑥ 法人所得税費用
当連結会計年度における法人所得税費用は、前連結会計年度より51.0%減少し、109億5千1百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は803億3千万円となり、当連結会計年度期首より181億6千5百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動に関するキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動に関するキャッシュ・フローは、当期利益が146億2千7百万円、減価償却費444億1千2百万円をベースに、売掛金、受取手形及び契約資産の減少211億6千4百万円、棚卸資産の減少255億1百万円の計上等があった一方で、買掛金、支払手形の減少192億3千7百万円、法人所得税の支払101億6千1百万円等がありました。
この結果、当連結会計年度は913億3千9百万円の収入となりました。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動に関するキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得283億1千1百万円、無形資産の取得48億9千3百万円があったため322億8千1百万円の支出となりました。
(財務活動に関するキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動に関するキャッシュ・フローは、主として、短期借入金の返済421億5千万円、配当金の支払(非支配持分株主への配当金を含む)115億2千8百万円があったことにより、460億1千1百万円の支出となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 建設機械ビジネス | 715,347 | 86 |
| ソリューションビジネス | - | - |
| 合計 | 715,347 | 86 |
(注)1.金額は、販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.ソリューションビジネスセグメントのビジネスは、マイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としており、ビジネスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しています。
② 受注実績
当連結グループの製品は、そのほとんどが見込生産のため受注実績の記載は省略しています。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 建設機械ビジネス | 734,191 | 87 |
| ソリューションビジネス | 79,140 | 87 |
| 合計 | 813,331 | 87 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
当連結グループは連結財務諸表の作成に際し、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績の金額に影響を与える見積りを行っていますが、特に以下の重要な会計方針が、提出会社の連結財務諸表の作成における重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積もりであると判断していますが、実際の経済活動の推移が今後この仮定から乖離した場合には翌期以降の重要な会計上の見積りの判断に影響を及ぼす可能性があります。
① 棚卸資産
当連結グループは、棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、実際の将来需要または市場状況が悪化した場合は、評価減が必要となる可能性があります。
② 有形固定資産及び無形資産
当連結グループは、有形固定資産及び無形資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しています。将来の営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローの悪化等により回収可能価額が低下した場合には追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。
また、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積もり、減損テストを実施しています。のれんが発生している連結子会社の超過収益力が低下した場合には、追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。
③ 営業債権及びその他の金融資産
金融資産については、減損を示す客観的な証拠が金融資産の当初認識後に発生しておりその金融資産の見積将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、当該金融資産について減損損失が発生する可能性があります。
また、営業債権にかかる減損損失については、事業を行う国あるいは地域の特有な商慣行を含む事業環境に関連した潜在的なリスクを評価した上で算定した将来の回収可能額の見積りに基づいて減損損失を計上しており、将来の市況悪化や取引先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 繰延税金資産
繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来において業績及び課税所得が見積額より悪化した場合、繰延税金資産に対し追加の評価減の計上が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付に係る負債
当連結グループは、退職給付制度に基づく確定給付債務及び制度資産の測定に当たっては、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率及び死亡率などが含まれます。将来において、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付に係る負債、退職給付費用及び退職給付制度の再測定に影響を及ぼす可能性があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響の考え方は以下のとおりです。
当連結会計年度における将来業績予測に基づく重要な会計上の見積りについて、当連結グループはグローバルに事業活動を行っており、セグメントや地域によって状況は異なるものの、COVID-19拡大に伴う経済活動停滞による影響は概ね2021年度上半期まで残り、下半期では正常化に向かうとの仮定に基づいております。マイニングビジネスについては、2020年度はCOVID-19の影響下で鉱山の操業は一部地域では稼働停止となった現場があり、これに伴い当連結グループ社の部品サービスやソリューションビジネスも減少傾向で推移していましたが、2021年度は世界景気の回復に伴い鉱山の投資意欲も徐々に回復するものと見ています。
以上の仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、実際の経済活動の推移が今後この仮定から乖離した場合には、翌期以降の繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損検討などの重要な会計上の見積りの判断に影響し、翌連結会計年度以降の財政状態や損益に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結グループは、これまでも注力してきたバリューチェーン事業を更に強化するために、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画「Realizing Tomorrow’s Opportunities 2022」で、引き続きお客様とのあらゆる接点において、最先端のデジタル技術を活用することで、深化したソリューションを提供すると共に、変化に強い企業体質への転換に取り組んでいます。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の売上収益は、新型コロナウイルスの影響に伴う市況悪化による、新車販売・部品サービスの減少や、設備投資抑制によるマイニング新車販売・部品サービスの減少があり、注力するバリューチェーン事業の中でレンタル・中古車の売上は前連結会計年度比で増加したものの、円高基調で推移した為替の影響等により、全体では前連結会計年度比87%の8,133億3千1百万円となり、減収となりました。
連結の利益項目については、営業利益は、売上収益の減少や売上原価率の上昇、為替の円高影響等により、前連結会計年度比39%の282億3千5百万円、親会社株主に帰属する当期利益は、営業利益の減少に加え、主として海外拠点関連会社の持分法による投資損益の減少、非支配持分損益の拠出増が影響し、前連結会計年度比25%の103億4千万円となりました。
① 建設機械ビジネス
当連結会計年度における油圧ショベル需要は、欧米等の先進国市場においては新型コロナウイルスの影響で前連結会計年度を下回った一方、主に中国での大幅な回復により全体では前連結会計年度を上回りました。また、マイニング機械は鉱山会社による設備投資の抑制が続いており、特に中小規模鉱山会社からの需要が減少しました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は、レンタル・中古車が増加したものの、各国のロックダウン影響を受けて新車販売、部品サービスが減少、為替の円高影響等も加わり、前連結会計年度比87%の7,342億7百万円となりました。
② ソリューションビジネス
当事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されています。
当連結会計年度の売上収益は、需要減少を受け、前連結会計年度比90%の824億3千7百万円となりました。
なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値です。
また、変化に強い企業体質づくりと成長戦略の刈取りを促進すべく策定した2020年度から3か年の中期経営計画の達成・進捗状況は、以下のとおりです。
| 指標 | 2022年度目標 | 当連結会計年度実績 | 前連結会計年度比 |
| 収益性 | 営業利益からその他の収益及びその他の費用を除いた利益率10%以上をめざす | 4.0% | 4.2%pt減 |
| 効率性 | ROE10%以上をめざす | 2.1% | 6.5%pt減 |
| ネットD/Eレシオ | 0.5以下をめざす | 0.48 | 0.1減 |
| 株主還元 | 連結配当性向を30%、もしくはそれ以上をめざす | 41.1% | 10.1%pt増 |
(注)2022年度目標の前提となる為替レートは、米ドル105円、ユーロ125円、人民元15.5円、豪ドル73円としています。
引き続き中期経営計画策定時の前提市況並びに為替水準をベースにした場合においても各数値目標が達成できるよう取り組みます。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
当連結グループに与える業績変動要因、並びに国内外の政治的・経済的変動及び需要変動による影響については 2[事業等のリスク]に記載のとおりです。
(4)財政状態の分析
[資産]
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、0.7%、44億1千4百万円増加し、6,171億9千3百万円となりました。これは主として営業債権が14億7千2百万円、棚卸資産が34億5千6百万円減少したものの、現金及び現金同等物が181億6千5百万円増加したことによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、8.8%、485億9千万円増加し、6,033億7千8百万円となりました。これは主として、有形固定資産が303億8千2百万円増加したことによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、4.5%、530億4百万円増加し、1兆2,205億7千1百万円となりました。
[負債]
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、0.3%、10億8千8百万円増加し、3,724億5千4百万円となりました。これは主として社債及び借入金が101億8千5百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が68億1百万円、契約負債が22億2千7百万円増加したこと等によります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べて2.9%、77億8千2百万円増加し2,788億7千2百万円となりました。これは主として営業債務及びその他の債務が17億3千2百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて88億7千万円増加し、6,513億2千6百万円となりました。
[資本]
資本合計は、当期利益に加えて在外営業活動体の換算差額の好転等により前連結会計年度末に比べて、8.4%、441億3千4百万円増加し、5,692億4千5百万円となりました。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容は、1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりです。
② 資本の財源及び資金の流動性
当連結グループは、成長投資の実行と財務の健全性向上及び株主還元を最適なバランスで行うため、資本効率を高めつつ適切な水準の流動性を維持し、調達手段の多様化を図ることとしています。
資金調達にあたっては、長短、直間のバランスを考慮し金融機関からの借入や社債の発行を実施すると共に、債権の流動化等による調達手段の多様化を図っています。また、コミットメントライン契約を締結し適切な水準の流動性を確保する様にしています。