四半期報告書-第58期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/14 13:51
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績に関する説明
当連結グループは、2017年度から注力してきたバリューチェーン事業をさらに強化するため、2020年度から進めている現中期経営計画「Realizing Tomorrow’s Opportunities 2022」でも、お客さまとのあらゆる接点において、最先端のデジタル技術を活用することで、さらに深化したソリューションを提供すると共に、変化に強い企業体質への転換に取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年12月31日)については、一部地域で新型コロナウイルス変異株の感染拡大による行動制約などの影響があるものの、中国以外の主要地域においては、市場環境は依然として回復基調を維持しております。売上収益は、新車販売に加え部品サービスを中心としたバリューチェーン事業で増加し、マイニング事業も順調に回復していることから、7,203億6千6百万円(対前年同期増減率28.9%)の増収となりました。
利益項目では、調整後営業利益(売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標。)は、鋼材価格を中心としたコスト増加の影響があったものの、好調な市場環境を背景とした売上収益の増加や第2四半期に計上した米州向けの販売価格決定による調整額、為替影響等によって、612億9千6百万円(同235.0%)となりました。親会社株主に帰属する四半期利益も、調整後営業利益の増加に加え、海外の持分法適用会社による投資損益の増加等により、464億6千2百万円と大幅に改善しました。
各セグメントの業績は次のとおりです。
① 建設機械ビジネス
当第3四半期連結累計期間における油圧ショベル需要は、中国市場では前年同期を大幅に下回った一方で、中国以外の主要地域では堅調に回復基調で推移しており、世界全体でも前年同期を上回りました。
また、マイニング需要は、新型コロナウイルスの影響を受けていた鉱山の操業がほぼ正常に戻り、堅調な資源価格を追い風とした顧客の投資意欲の回復や、鉱山再稼働に伴う休車機のオーバーホール需要などから、新車・部品サービスともに堅調に推移しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上収益は、コンストラクションとマイニング機械の新車販売と、部品サービスを中心とするバリューチェーン事業の双方で増加し、為替の影響等も加わって、6,557億1千5百万円(同31.3%)となりました。
調整後営業利益は、売上収益の増加や第2四半期に計上した米州向けの販売価格決定による調整額、為替影響等により、564億6千万円(同336.7%)と大幅な増益となりました。
② ソリューションビジネス
当事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されています。
当第3四半期連結累計期間の売上収益は、引き続きマイニング市場が回復基調で推移し、為替の影響等も加わって、672億4千5百万円(同9.1%)となりました。一方、調整後営業利益は、鋼材価格を中心としたコスト増加の影響をうけ、48億3千6百万円(同△9.9%)に留まりました。
上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値です。
(2)財政状態の分析
[資産]
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、10.1%、623億3千2百万円増加し、6,795億2千5百万円となりました。これは主として棚卸資産が476億6千6百万円増加したことによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、3.2%、193億6千4百万円増加し、6,227億4千2百万円となりました。これは主として持分法で会計処理されている投資が45億9千9百万円減少したものの、有形固定資産が231億4千3百万円増加したことによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、6.7%、816億9千6百万円増加し、1兆3,022億6千7百万円となりました。
[負債]
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、10.7%、399億4千5百万円増加し、4,123億9千9百万円となりました。これは主として社債及び借入金が195億8千6百万円、営業債務及びその他の債務が138億9千8百万円増加したことによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べて、△0.5%、14億2千万円減少し、2,774億5千2百万円となりました。これは主としてその他の非流動負債が100億5千4百万円減少したものの、リース負債が37億8千万円、社債及び借入金が21億3千7百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、5.9%、385億2千5百万円増加し、6,898億5千1百万円となりました。
[資本]
資本合計は、主に利益剰余金の積み上げにより前連結会計年度末に比べて、7.6%、431億7千1百万円増加し、6,124億1千6百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は816億1百万円となり、当連結会計年度期首より12億7千1百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
[営業活動に関するキャッシュ・フロー]
当第3四半期連結累計期間の営業活動に関するキャッシュ・フローは、四半期利益499億円をベースに、減価償却費358億6千4百万円を計上する一方、棚卸資産の増加426億6千7百万円、法人所得税の支払121億5千9百万円等の計上がありました。
この結果、当第3四半期連結累計期間は386億3千4百万円の収入となり、前第3四半期連結累計期間に比べて収入が181億2百万円減少しました。
[投資活動に関するキャッシュ・フロー]
当第3四半期連結累計期間の投資活動に関するキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得175億8千6百万円があったことで260億3千7百万円の支出となり、前第3四半期連結累計期間と比べて27億7千8百万円支出が増加しました。
これにより、営業活動に関するキャッシュ・フローと、投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは125億9千7百万円の収入となりました。
[財務活動に関するキャッシュ・フロー]
当第3四半期連結累計期間の財務活動に関するキャッシュ・フローは、主として、短期借入金の増加150億1千3百万円があったものの、配当金の支払(非支配持分株主への配当金を含む)197億6千3百万円、リース負債の返済90億3千8百万円等があったことにより137億8千万円の支出となり、前第3四半期連結累計期間と比べて151億8千7百万円支出が減少しました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、186億4千7百万円となりました。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。
① 建設機械ビジネス
当第3四半期連結累計期間において、建設機械ビジネスの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間の建設機械ビジネスにおける研究開発費は、175億7千3百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間の主な成果は次のとおりです。
ICT油圧ショベル ZX200X-7、ZX330X-7
超大型油圧ショベル EX2000-7
ミニショベル ZX40U-5B
② ソリューションビジネス
当第3四半期連結累計期間において、ソリューションビジネスの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間のソリューションビジネスにおける研究開発費は、10億7千4百万円となりました。