有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の自動車業界を取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦などにより消費マインドが低迷している中、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界全体の経済が深刻な打撃を受けました。その結果、自動車販売台数は大幅に減少し、中国や北米、欧州など主要市場のすべてが前年度割れとなる、たいへん厳しい状況となりました。
このような状況の中、当社グループは「真の競争力を身につけ、新たな価値を提案できる元気な会社」をめざし、これまで進めてきたCASEに対応する企業構造の変革と企業体質の強化の取り組みを加速させ、次の時代で戦える体制の構築を推進しました。
売上収益については、中国市場を中心としたオートマチックトランスミッション販売台数の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたことにより、前連結会計年度(4兆431億円)に比べ6.4%減の3兆7,845億円となりました。
利益については、構造改革が着実に進捗しているものの、売上の減少、先行投資に係る償却費などの増加、さらに減損など事業処理費用の計上により減益となり、営業利益は前連結会計年度(2,055億円)に比べ72.7%減の561億円、税引前利益は前連結会計年度(2,174億円)に比べ75.4%減の533億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(1,101億円)に比べ78.2%減の240億円となりました。
また、当連結会計年度末の資産については、現金及び現金同等物の増加などにより、前連結会計年度末(3兆7,518億円)に比べ6.4%増の3兆9,926億円となりました。負債については、社債及び借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末(1兆8,782億円)に比べ17.0%増の2兆1,969億円となりました。資本については、前連結会計年度末(1兆8,736億円)に比べ4.2%減の1兆7,956億円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(ⅰ)アイシン精機グループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(1兆7,826億円)に比べ5.4%減の1兆6,857億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や減損などの事業処理費用の計上などにより、前連結会計年度(670億円)に比べ54.9%減の302億円となりました。
(ⅱ)アイシン高丘グループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(3,207億円)に比べ3.3%減の3,100億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や減損などの事業処理費用の計上などにより、前連結会計年度(135億円)に比べ50.4%減の67億円となりました。
(ⅲ)アイシン・エィ・ダブリュグループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(1兆7,992億円)に比べ9.8%減の1兆6,221億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や事業処理費用の計上などにより、前連結会計年度(1,102億円)に比べ81.9%減の199億円となりました。
(ⅳ)アドヴィックスグループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(6,004億円)に比べ3.0%減の5,826億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や先行投資に係る償却費の計上などにより、35億円の営業損失(前連結会計年度営業利益118億円)となりました。
(ⅴ)その他
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(689億円)に比べ4.8%減の656億円となり、営業利益は前連結会計年度(38億円)に比べ49.6%減の19億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動により3,275億円の増加、投資活動により2,738億円の減少、財務活動により2,753億円の増加、現金及び現金同等物に係る換算差額により110億円の減少の結果、当連結会計年度末には6,751億円となり、前連結会計年度末(3,571億円)に比べ3,179億円(89.0%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(3,549億円)に比べ273億円(7.7%)減少し、3,275億円となりました。これは、固定資産減損損失の増加などにより「その他」が768億円増加し、営業債権及びその他の債権の増減額が673億円減少したものの、税引前利益が1,640億円減少したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(4,144億円)に比べ1,406億円(33.9%)減少し、2,738億円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が642億円減少したことに加え、定期預金等の増減額が631億円減少したことや、投資の取得による支出が120億円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、前連結会計年度(131億円)に比べ大幅に増加し、2,753億円となりました。これは、IFRS第16号「リース」の適用に伴い、適用開始前は営業活動によるキャッシュ・フローとして表示していた、オペレーティング・リースに係るキャッシュ・フローの一部を財務活動によるキャッシュ・フローとして表示したことなどにより、リース負債の返済による支出が119億円増加したものの、社債の発行による収入が1,880億円増加したことや、借入とその返済による収支が817億円増加したことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 上記金額には、外部仕入先等からの仕入高が含まれています。
(ⅱ)受注実績
主要な事業である自動車部品製造・販売について、当社グループのすべてのセグメントは、トヨタ自動車㈱をはじめとした大手自動車メーカーより、約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、生産能力を勘案し生産計画を立て、生産を行っています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
なお、割合はセグメント間の内部取引消去後の総販売実績に対して記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRS(国際会計基準)に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しています。
上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。また、当連結会計年度末現在において、経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断、見積り及び仮定は以下のとおりです。なお、当連結会計年度末において、新型コロナウイルス感染症の拡大が、短期的に一定の影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、連結財務諸表に与える重要な影響がないか検証を行っていますが、新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響規模やまん延の終結の時期等については不確実性が高いため、実際の結果は異なる場合があります。
(ⅰ)有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の資金生成単位について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小単位として事業グループ単位(会社単位)を基礎としてグルーピングを行い、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。なお、使用価値の算定において、見積キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資金生成単位の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いています。
これらの仮定は、外部専門家などによる評価結果や経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の市場動向、事業活動の状況及びその他前提条件の変化などにより、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来において減損損失の追加計上又は減損損失の戻し入れにより利益に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)繰延税金資産
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しています。当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りは、当社及び当社連結子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としており、将来の市場動向、事業活動の状況及びその他前提条件に変化が生じた場合には、将来において繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比べ6.4%減の3兆7,845億円、営業利益は72.7%減の561億円、税引前利益は75.4%減の533億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は78.2%減の240億円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。
(ⅰ)売上収益
当連結会計年度の売上収益3兆7,845億円を事業の種類ごとに見ると、自動車部品事業では前連結会計年度に比べ6.2%減の3兆5,162億円となりました。その商品分野ごとの内訳としては、エンジン関連では4.3%減の3,687億円、ドライブトレイン関連では9.6%減の1兆6,863億円、ブレーキ及びシャシー関連では2.6%減の6,930億円、ボディ関連では2.4%減の7,680億円、情報関連他では10.9%減の1,484億円となりました。また、住生活・エネルギー関連事業では前連結会計年度に比べ3.0%減の569億円、その他事業では8.2%減の629億円となりました。
(ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度(3兆5,452億円)に比べ4.1%減の3兆4,004億円となりましたが、売上収益に対する割合は87.7%から89.8%に上昇しました。これは、償却費等が増加したことなどによります。
販売費及び一般管理費は、運賃及び荷造費や旅費交通費等の減少などにより、前連結会計年度(3,065億円)に比べ2.0%減の3,005億円となりましたが、売上収益に対する割合は7.6%から7.9%に上昇しました。
(ⅲ)その他の収益、その他の費用
その他の収益は前連結会計年度(271億円)に比べ3.7%減の261億円となりました。
その他の費用は、前連結会計年度(128億円)に比べ大幅に増加し、536億円となりました。これは固定資産減損損失が増加したことなどによります。
(ⅳ)法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度(583億円)に比べ59.1%減少し、238億円となりました。
(ⅴ)非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、前連結会計年度(490億円)に比べ88.8%減少し、54億円となりました。
(ⅵ)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度(1,101億円)に比べ78.2%減少して240億円となり、基本的1株当たり当期利益も408円64銭から89円28銭に減少しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(ⅱ)資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、新商品・改良商品への投資、生産能力の増強及び新技術・新商品等の研究開発です。さらなるグローバル化の進展、次世代を担う新技術・新商品の開発等による資金需要が見込まれるため、長期資金の調達を実行する可能性があります。
(ⅲ)財務戦略
当社グループは、企業価値の最大化を目標として、すべてのステークホルダーとの良好な関係を築き、長期安定的な成長と発展をめざしています。
当社グループの資本政策は、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとることで、常に低コストで資金調達をできる状態に保ち、企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。具体的には、キャピタリゼーション比率(注1)を指標として用い、当該比率が概ね25%~30%となることが最適な資本構成であると考えています。
「財務の安全性」については、格付会社による評価をひとつの目安とし、高い信用格付を維持することにより、低コストでの資金調達がいつでも可能になるよう努めています。一方、「資本の効率性」については、格付が維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。また、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)(注2)を導入することで、連結ベースでの財務戦略や当社グループ内での資金の有効活用を実現しています。
(注1) 有利子負債と資本(純資産)のバランスを示す指標です。(有利子負債 /(有利子負債+資本合計))
(注2) グループ企業の資金を親会社や中核会社が同一銀行内に専用口座を設置して集中管理することにより、効率的な連結運営や資金運用をする手法、又はその仕組みを指します。
(ⅳ)資金調達
当連結会計年度においては、2021年4月1日に予定している当社と当社子会社であるアイシン・エィ・ダブリュ株式会社(以下、「AW」という。)との経営統合に向けた一連の取引として、トヨタ自動車株式会社が保有するAWの全株式を、2020年4月1日にAWが自己株式取得することに伴い、当社は2020年3月31日までに公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の発行などにより約3,000億円の資金調達を行いました。
また、当社は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化リスクを見据えた資金計画や市場動向等を勘案し、2020年4月に複数の国内金融機関と総額3,000億円のコミットメントライン契約を締結するなど、機動的・予防的な財務施策により継続的に十分な流動性の確保に努めています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界各地において経済活動が制限される状況が続いています。当社グループの自動車部品事業においては、得意先の生産状況等を鑑み、国内及び海外の一部の工場で一時的な稼働停止や生産調整を行うなど厳しい事業環境が続いており、今後の経過によっては当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響規模やまん延の終結の時期等については見通しが難しい状況ですが、当社グループは、事業環境が改善するまでは、機動的・予防的な財務施策により資金の流動性確保に努めるとともに、需要に応じた生産活動の徹底、設備投資の抑制や徹底的な固定費削減など緊急対策等を進め、新型コロナウイルス感染症の影響が最小限となるよう努めています。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおりです。当連結会計年度においては、中国市場を中心としたオートマチックトランスミッションの販売台数の減少や新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる売上収益の減少に加え、減損などの事業処理費用の計上により、営業利益率は1.5%となりました。
当目標の達成に向けた取り組みについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の自動車業界を取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦などにより消費マインドが低迷している中、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界全体の経済が深刻な打撃を受けました。その結果、自動車販売台数は大幅に減少し、中国や北米、欧州など主要市場のすべてが前年度割れとなる、たいへん厳しい状況となりました。
このような状況の中、当社グループは「真の競争力を身につけ、新たな価値を提案できる元気な会社」をめざし、これまで進めてきたCASEに対応する企業構造の変革と企業体質の強化の取り組みを加速させ、次の時代で戦える体制の構築を推進しました。
売上収益については、中国市場を中心としたオートマチックトランスミッション販売台数の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたことにより、前連結会計年度(4兆431億円)に比べ6.4%減の3兆7,845億円となりました。
利益については、構造改革が着実に進捗しているものの、売上の減少、先行投資に係る償却費などの増加、さらに減損など事業処理費用の計上により減益となり、営業利益は前連結会計年度(2,055億円)に比べ72.7%減の561億円、税引前利益は前連結会計年度(2,174億円)に比べ75.4%減の533億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(1,101億円)に比べ78.2%減の240億円となりました。
また、当連結会計年度末の資産については、現金及び現金同等物の増加などにより、前連結会計年度末(3兆7,518億円)に比べ6.4%増の3兆9,926億円となりました。負債については、社債及び借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末(1兆8,782億円)に比べ17.0%増の2兆1,969億円となりました。資本については、前連結会計年度末(1兆8,736億円)に比べ4.2%減の1兆7,956億円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(ⅰ)アイシン精機グループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(1兆7,826億円)に比べ5.4%減の1兆6,857億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や減損などの事業処理費用の計上などにより、前連結会計年度(670億円)に比べ54.9%減の302億円となりました。
(ⅱ)アイシン高丘グループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(3,207億円)に比べ3.3%減の3,100億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や減損などの事業処理費用の計上などにより、前連結会計年度(135億円)に比べ50.4%減の67億円となりました。
(ⅲ)アイシン・エィ・ダブリュグループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(1兆7,992億円)に比べ9.8%減の1兆6,221億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や事業処理費用の計上などにより、前連結会計年度(1,102億円)に比べ81.9%減の199億円となりました。
(ⅳ)アドヴィックスグループ
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(6,004億円)に比べ3.0%減の5,826億円となりました。営業利益は合理化努力などの増益要因があったものの、売上の減少や先行投資に係る償却費の計上などにより、35億円の営業損失(前連結会計年度営業利益118億円)となりました。
(ⅴ)その他
国内外の得意先への販売減少などにより、売上収益は前連結会計年度(689億円)に比べ4.8%減の656億円となり、営業利益は前連結会計年度(38億円)に比べ49.6%減の19億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動により3,275億円の増加、投資活動により2,738億円の減少、財務活動により2,753億円の増加、現金及び現金同等物に係る換算差額により110億円の減少の結果、当連結会計年度末には6,751億円となり、前連結会計年度末(3,571億円)に比べ3,179億円(89.0%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(3,549億円)に比べ273億円(7.7%)減少し、3,275億円となりました。これは、固定資産減損損失の増加などにより「その他」が768億円増加し、営業債権及びその他の債権の増減額が673億円減少したものの、税引前利益が1,640億円減少したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(4,144億円)に比べ1,406億円(33.9%)減少し、2,738億円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が642億円減少したことに加え、定期預金等の増減額が631億円減少したことや、投資の取得による支出が120億円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、前連結会計年度(131億円)に比べ大幅に増加し、2,753億円となりました。これは、IFRS第16号「リース」の適用に伴い、適用開始前は営業活動によるキャッシュ・フローとして表示していた、オペレーティング・リースに係るキャッシュ・フローの一部を財務活動によるキャッシュ・フローとして表示したことなどにより、リース負債の返済による支出が119億円増加したものの、社債の発行による収入が1,880億円増加したことや、借入とその返済による収支が817億円増加したことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比増減率(%) |
| アイシン精機グループ | 1,680,424 | △6.0 |
| アイシン高丘グループ | 309,685 | △3.8 |
| アイシン・エィ・ダブリュグループ | 1,646,903 | △11.3 |
| アドヴィックスグループ | 582,744 | △3.4 |
| その他 | 65,674 | △5.1 |
| 合計 | 4,285,432 | △7.6 |
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 上記金額には、外部仕入先等からの仕入高が含まれています。
(ⅱ)受注実績
主要な事業である自動車部品製造・販売について、当社グループのすべてのセグメントは、トヨタ自動車㈱をはじめとした大手自動車メーカーより、約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、生産能力を勘案し生産計画を立て、生産を行っています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比増減率(%) |
| アイシン精機グループ | 1,685,767 | △5.4 |
| アイシン高丘グループ | 310,060 | △3.3 |
| アイシン・エィ・ダブリュグループ | 1,622,194 | △9.8 |
| アドヴィックスグループ | 582,610 | △3.0 |
| その他 | 65,644 | △4.8 |
| 合計 | 4,266,277 | △6.7 |
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
なお、割合はセグメント間の内部取引消去後の総販売実績に対して記載しています。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車㈱ | 1,160,402 | 28.7 | 1,176,955 | 31.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRS(国際会計基準)に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しています。
上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。また、当連結会計年度末現在において、経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断、見積り及び仮定は以下のとおりです。なお、当連結会計年度末において、新型コロナウイルス感染症の拡大が、短期的に一定の影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、連結財務諸表に与える重要な影響がないか検証を行っていますが、新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響規模やまん延の終結の時期等については不確実性が高いため、実際の結果は異なる場合があります。
(ⅰ)有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の資金生成単位について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小単位として事業グループ単位(会社単位)を基礎としてグルーピングを行い、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。なお、使用価値の算定において、見積キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資金生成単位の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いています。
これらの仮定は、外部専門家などによる評価結果や経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の市場動向、事業活動の状況及びその他前提条件の変化などにより、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来において減損損失の追加計上又は減損損失の戻し入れにより利益に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)繰延税金資産
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しています。当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りは、当社及び当社連結子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としており、将来の市場動向、事業活動の状況及びその他前提条件に変化が生じた場合には、将来において繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比べ6.4%減の3兆7,845億円、営業利益は72.7%減の561億円、税引前利益は75.4%減の533億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は78.2%減の240億円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。
(ⅰ)売上収益
当連結会計年度の売上収益3兆7,845億円を事業の種類ごとに見ると、自動車部品事業では前連結会計年度に比べ6.2%減の3兆5,162億円となりました。その商品分野ごとの内訳としては、エンジン関連では4.3%減の3,687億円、ドライブトレイン関連では9.6%減の1兆6,863億円、ブレーキ及びシャシー関連では2.6%減の6,930億円、ボディ関連では2.4%減の7,680億円、情報関連他では10.9%減の1,484億円となりました。また、住生活・エネルギー関連事業では前連結会計年度に比べ3.0%減の569億円、その他事業では8.2%減の629億円となりました。
(ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度(3兆5,452億円)に比べ4.1%減の3兆4,004億円となりましたが、売上収益に対する割合は87.7%から89.8%に上昇しました。これは、償却費等が増加したことなどによります。
販売費及び一般管理費は、運賃及び荷造費や旅費交通費等の減少などにより、前連結会計年度(3,065億円)に比べ2.0%減の3,005億円となりましたが、売上収益に対する割合は7.6%から7.9%に上昇しました。
(ⅲ)その他の収益、その他の費用
その他の収益は前連結会計年度(271億円)に比べ3.7%減の261億円となりました。
その他の費用は、前連結会計年度(128億円)に比べ大幅に増加し、536億円となりました。これは固定資産減損損失が増加したことなどによります。
(ⅳ)法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度(583億円)に比べ59.1%減少し、238億円となりました。
(ⅴ)非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、前連結会計年度(490億円)に比べ88.8%減少し、54億円となりました。
(ⅵ)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度(1,101億円)に比べ78.2%減少して240億円となり、基本的1株当たり当期利益も408円64銭から89円28銭に減少しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(ⅱ)資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、新商品・改良商品への投資、生産能力の増強及び新技術・新商品等の研究開発です。さらなるグローバル化の進展、次世代を担う新技術・新商品の開発等による資金需要が見込まれるため、長期資金の調達を実行する可能性があります。
(ⅲ)財務戦略
当社グループは、企業価値の最大化を目標として、すべてのステークホルダーとの良好な関係を築き、長期安定的な成長と発展をめざしています。
当社グループの資本政策は、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとることで、常に低コストで資金調達をできる状態に保ち、企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。具体的には、キャピタリゼーション比率(注1)を指標として用い、当該比率が概ね25%~30%となることが最適な資本構成であると考えています。
「財務の安全性」については、格付会社による評価をひとつの目安とし、高い信用格付を維持することにより、低コストでの資金調達がいつでも可能になるよう努めています。一方、「資本の効率性」については、格付が維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。また、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)(注2)を導入することで、連結ベースでの財務戦略や当社グループ内での資金の有効活用を実現しています。
(注1) 有利子負債と資本(純資産)のバランスを示す指標です。(有利子負債 /(有利子負債+資本合計))
(注2) グループ企業の資金を親会社や中核会社が同一銀行内に専用口座を設置して集中管理することにより、効率的な連結運営や資金運用をする手法、又はその仕組みを指します。
(ⅳ)資金調達
当連結会計年度においては、2021年4月1日に予定している当社と当社子会社であるアイシン・エィ・ダブリュ株式会社(以下、「AW」という。)との経営統合に向けた一連の取引として、トヨタ自動車株式会社が保有するAWの全株式を、2020年4月1日にAWが自己株式取得することに伴い、当社は2020年3月31日までに公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の発行などにより約3,000億円の資金調達を行いました。
また、当社は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化リスクを見据えた資金計画や市場動向等を勘案し、2020年4月に複数の国内金融機関と総額3,000億円のコミットメントライン契約を締結するなど、機動的・予防的な財務施策により継続的に十分な流動性の確保に努めています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界各地において経済活動が制限される状況が続いています。当社グループの自動車部品事業においては、得意先の生産状況等を鑑み、国内及び海外の一部の工場で一時的な稼働停止や生産調整を行うなど厳しい事業環境が続いており、今後の経過によっては当社グループの財政状態及び経営成績等に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響規模やまん延の終結の時期等については見通しが難しい状況ですが、当社グループは、事業環境が改善するまでは、機動的・予防的な財務施策により資金の流動性確保に努めるとともに、需要に応じた生産活動の徹底、設備投資の抑制や徹底的な固定費削減など緊急対策等を進め、新型コロナウイルス感染症の影響が最小限となるよう努めています。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおりです。当連結会計年度においては、中国市場を中心としたオートマチックトランスミッションの販売台数の減少や新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる売上収益の減少に加え、減損などの事業処理費用の計上により、営業利益率は1.5%となりました。
当目標の達成に向けた取り組みについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりです。