有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/21 9:01
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の自動車業界を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済が大きく停滞しました。自動車市場は、第2四半期以降回復が見られたものの、中国を除く北米、欧州などすべての主要市場で前年度割れとなり、前年度に引き続き非常に厳しい状況となりました。
このような状況の中、当社グループは緊急対策を実施するとともに、「CASEに対応する企業構造の改革」と「企業体質の強化」の2つの変革を前倒しし、自動車業界の大変革期を乗り切る体制の構築と競争力の強化を推進しました。
売上収益については、第2四半期以降に市場環境が回復したものの、第1四半期での新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、前連結会計年度(3兆7,845億円)に比べ6.8%減の3兆5,257億円となりました。
利益については、売上収益の減少の影響があったものの、構造改革の前倒しによる、固定費削減効果・原価低減活動の強化により、営業利益は前連結会計年度(561億円)に比べ158.9%増の1,453億円、税引前利益は前連結会計年度(533億円)に比べ大幅に増加し、1,675億円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(240億円)に比べ大幅に増加し、1,056億円となりました。
また、当連結会計年度末の資産については、非流動資産のその他の金融資産の増加などにより、前連結会計年度末(3兆9,926億円)に比べ0.9%増の4兆271億円となりました。負債については、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末(2兆1,969億円)に比べ3.3%増の2兆2,684億円となりました。資本については、前連結会計年度末(1兆7,956億円)に比べ2.1%減の1兆7,586億円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(ⅰ)アイシン精機グループ
第1四半期での新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、売上収益は前連結会計年度(1兆6,857億円)に比べ9.2%減の1兆5,308億円となりました。営業利益は売上の減少があったものの、構造改革の前倒しによる、固定費削減効果や原価低減活動の強化などにより、前連結会計年度(302億円)に比べ68.7%増の510億円となりました。
(ⅱ)アイシン高丘グループ
第1四半期での新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、売上収益は前連結会計年度(3,100億円)に比べ10.8%減の2,765億円となりました。営業利益は売上の減少があったものの、構造改革・緊急対策による固定費削減などにより、前連結会計年度(67億円)に比べ39.6%増の93億円となりました。
(ⅲ)アイシン・エィ・ダブリュグループ
第1四半期での新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、売上収益は前連結会計年度(1兆6,221億円)に比べ4.7%減の1兆5,460億円となりました。営業利益は売上の減少があったものの、企業体質改善努力や構造改革・緊急対策による固定費削減などにより、前連結会計年度(199億円)に比べ大幅に増加し、794億円となりました。
(ⅳ)アドヴィックスグループ
第1四半期での新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、売上収益は前連結会計年度(5,826億円)に比べ6.4%減の5,453億円となりました。営業利益は売上の減少があったものの、構造改革・緊急対策による固定費削減などにより、20億円の営業利益(前連結会計年度営業損失35億円)となりました。
(ⅴ)その他
新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、売上収益は前連結会計年度(656億円)に比べ11.7%減の579億円となり、営業利益は前連結会計年度(19億円)に比べ40.2%増の26億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動により3,433億円の増加、投資活動により1,381億円の減少、財務活動により3,738億円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により136億円の増加の結果、当連結会計年度末には5,200億円となり、前連結会計年度末(6,751億円)に比べ1,551億円(23.0%)の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(3,275億円)に比べ157億円(4.8%)増加し、3,433億円となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が1,347億円増加したものの、税引前利益が1,141億円増加し、棚卸資産の増減額が408億円減少したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(2,738億円)に比べ1,357億円(49.5%)減少し、1,381億円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が1,124億円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(2,753億円の増加)に比べ大幅に増加し、3,738億円となりました。これは、子会社の自己株式取得による支出が2,969億円増加したことや、社債の発行による収入が2,000億円減少し、借入れとその返済による収支が1,763億円減少したことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比増減率(%)
アイシン精機グループ1,539,942△8.4
アイシン高丘グループ277,099△10.5
アイシン・エィ・ダブリュグループ1,540,915△6.4
アドヴィックスグループ547,780△6.0
その他58,205△11.4
合計3,963,941△7.5

(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 上記金額には、外部仕入先等からの仕入高が含まれています。
(ⅱ)受注実績
主要な事業である自動車部品製造・販売について、当社グループのすべてのセグメントは、トヨタ自動車㈱をはじめとした大手自動車メーカーより、約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、生産能力を勘案し生産計画を立て、生産を行っています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比増減率(%)
アイシン精機グループ1,530,832△9.2
アイシン高丘グループ276,527△10.8
アイシン・エィ・ダブリュグループ1,546,038△4.7
アドヴィックスグループ545,371△6.4
その他57,980△11.7
合計3,956,750△7.3

(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
なお、割合はセグメント間の内部取引消去後の総販売実績に対して記載しています。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
トヨタ自動車㈱1,176,95531.11,065,19130.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRS(国際会計基準)に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しています。
上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比べ6.8%減の3兆5,257億円、営業利益は158.9%増の1,453億円、税引前利益は213.7%増の1,675億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は339.0%増の1,056億円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。
(ⅰ)売上収益
当連結会計年度の売上収益3兆5,257億円を事業の種類ごとに見ると、自動車部品事業では前連結会計年度に比べ6.8%減の3兆4,165億円となりました。その商品分野ごとの内訳としては、エンジン関連では6.0%減の3,465億円、ドライブトレイン関連では4.2%減の1兆6,154億円、ブレーキ及びシャシー関連では7.6%減の6,407億円、ボディ関連では10.1%減の6,908億円、情報関連他では17.1%減の1,230億円となりました。また、住生活・エネルギー関連事業では前連結会計年度に比べ5.8%減の536億円、その他事業では11.6%減の556億円となりました。
(ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度(3兆4,004億円)に比べ8.2%減の3兆1,212億円となり、売上収益に対する割合は89.8%から88.5%に低下しました。これは、固定経費が減少したことなどによります。
販売費及び一般管理費は、製品保証費や従業員給付費用の減少などにより、前連結会計年度(3,005億円)に比べ9.9%減の2,707億円となり、売上収益に対する割合は7.9%から7.7%に低下しました。
(ⅲ)その他の収益、その他の費用
その他の収益は前連結会計年度(261億円)に比べ23.4%増の323億円となりました。
その他の費用は、前連結会計年度(536億円)に比べ61.3%減の207億円となりました。これは固定資産減損損失が減少したことなどによります。
(ⅳ)法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度(238億円)に比べ140.6%増加し、574億円となりました。
(ⅴ)非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、前連結会計年度(54億円)に比べ18.3%減少し、44億円となりました。
(ⅵ)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度(240億円)に比べ大幅に増加し、1,056億円となり、基本的1株当たり当期利益も89円28銭から391円96銭に増加しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(ⅱ)資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、新商品・改良商品への投資、生産能力の増強及び新技術・新商品等の研究開発です。さらなるグローバル化の進展、次世代を担う新技術・新商品の開発等による資金需要が見込まれる場合には、長期資金の調達を実行する可能性があります。
(ⅲ)財務戦略
当社グループは、企業価値の最大化を目標として、すべてのステークホルダーとの良好な関係を築き、長期安定的な成長と発展をめざしています。
当社グループの資本政策は、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとることで、常に低コストで資金調達をできる状態に保ち、企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。具体的には、キャピタリゼーション比率(注1)を指標として用い、当該比率が概ね25%~30%となることが最適な資本構成であると考えています。
「財務の安全性」については、格付会社による評価をひとつの目安とし、高い信用格付を維持することにより、低コストでの資金調達がいつでも可能になるよう努めています。一方、「資本の効率性」については、格付が維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。また、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)(注2)を導入することで、連結ベースでの財務戦略や当社グループ内での資金の有効活用を実現しています。
(注1) 有利子負債と資本(純資産)のバランスを示す指標です。
(有利子負債 /(有利子負債+資本合計))
(注2) グループ企業の資金を親会社や中核会社が同一銀行内に専用口座を設置して集中管理することにより、効率的な連結運営や資金運用をする手法、又はその仕組みを指します。
(ⅳ)資金調達
当社は、安定的かつ低コストで資金を確保することを基本方針としています。
資金調達にあたっては、平均残存期間の維持及び返済年限の平準化に資する調達年限を設定し、市場動向等を勘案した最適な資金調達手段を選択・実行しています。また、当社は高い信用格付けを維持するとともに、金融機関や投資家等と幅広く良好な関係を構築しており、競争力のある調達コストの維持・追求に努めています。
当連結会計年度末の社債及び借入金残高9,250億円のうち、2,725億円は前連結会計年度に調達したハイブリッドファイナンスであり、格付会社より残高の50%である1,362億円について資本性の認定を受けています。
当社では、経営を取り巻く様々なリスクに対応できるよう、現預金だけでなく、コミットメントライン契約を締結するなど、十分な流動性の確保に努めています。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおりです。当連結会計年度においては、第1四半期での新型コロナウイルスの感染拡大の影響による売上収益の減少があったものの、構造改革の前倒しによる、固定費削減効果や原価低減活動の強化などにより、営業利益率は4.1%、ROIC(投下資本利益率)は5.1%となりました。
当目標の達成に向けた取り組みについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりです。

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