有価証券報告書-第114期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 15:23
【資料】
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【項目】
127項目

事業等のリスク

当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 災害
当社グループは東海・東南海・南海地震や暴風、豪雨などの大規模自然災害及び火災、疾病発生を想定し、災害発生時の被害の最小化を図るために各種事前対策、発生時対策を講じております。しかしながらこれらにより、罹災時リスクの一掃を図ることは難しいものと考えております。取引先の罹災による生産活動停止等の外部要因も含め、当社グループの業績は災害による影響を受けることがあります。
(2) 経済状況
当社グループは、欧州、米州、アジア等多くの国・地域で製品の生産と販売活動を展開しており、また取引先も多岐の産業分野に属しております。従いまして、当社グループの事業は、生産、販売している特定の国・地域の経済状況の変動や、取引先の属する産業の景気変動の影響を受けることがあります。
(3) 自動車業界及び自動車市場への依存
当社グループは機械器具部品(主力製品:ステアリング、ベアリング等)及び工作機械等の製造販売を主な事業としております。
ステアリングは、自動車の進行方向を自由に変えるためのハンドル操作を適切にタイヤに連動させる操舵装置であり、大半を自動車業界向けに製造販売しております。ベアリングは、各産業において広く使用される部品であり、その役割は軸を円滑に回転させ、摩擦によるエネルギー損失や発熱を減少させる重要な要素部品であります。当社グループでは、売上高の過半が自動車業界向けであります。工作機械につきましても、その受注は自動車業界からのものが中心であります。
なお、当社の筆頭株主であるトヨタ自動車株式会社との取引金額は、連結売上高の約20%を占めております。
また当社グループは、日本をはじめグローバルな自動車の需要見通し及び顧客より提示される自動車の販売見通し等を総合的に検討し、判断の上で経営資源の効率的な投入を行っておりますが、将来の需要が現在の見通しどおりに推移する保証はありません。
これらのことから、当社グループの業績は自動車業界及び自動車市場の動向に影響を受けることがあります。
(4) 為替レートの変動
当社グループは、欧州、米州、アジア等多くの国・地域で製品の生産と販売活動を展開しております。海外の関係会社の財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、連結財務諸表の作成のために円換算しております。従いまして、現地通貨における価値が変わらなくとも、円換算後の当社グループの連結財務諸表は為替レートの変動による影響を受けます。
また、当社グループが日本で生産し、輸出する事業においては、他の通貨に対する円高は、相対的な価格競争力を低下させる可能性があります。当社グループは為替予約等により短期的な為替変動リスクの軽減を図っておりますが、それによって、全てのリスクを排除することは不可能であります。
従いまして、当社グループの業績は、為替レートの変動の影響を受けることがあります。
(5) 製品開発力等の競争力
当社グループの事業は、同業他社との激しい企業間競争に晒されております。一方、近年、顧客のニーズは多様化し、かつ開発期間の短縮も求められております。当社グループとしては製品開発力の強化はもちろんのこと、生産準備期間の短縮、生産の仕組改革等さまざまな面から施策を講じて顧客の要求を満たすべく努力しております。しかしながらこれらの施策が顧客のニーズを満足させ、将来にわたって常に他社を上回る競争力を保持し続けることができるかどうかは予測困難であります。経営資源の効率的な投下、組織再編等、競争力強化に向けてさまざまな施策を講じておりますものの、当社グループの業績は企業間競争の結果の影響を受けることがあります。
(6) 海外事業展開
当社グループはグローバルな事業展開を行っており、連結売上高に占める海外売上高の割合は、約5割で推移しております。海外での事業展開におきましては、事業活動に係る内部要因リスク以外に、政治的または経済的に不利な要因の発生、社会的共通資本(インフラ)が未整備であることによる事業活動への影響、潜在的に不利な税制変更、人材採用の難しさや労務問題、自然災害や疾病の発生、社会的または経済的混乱等のリスクが内在しており、これらのリスクを排除することは不可能であります。
従いまして、当社グループの業績は、海外事業展開における潜在的リスクの影響を受けることがあります。
(7) 品質問題
当社グループは、「品質」を経営の最重要事項の一つとして掲げ、さまざまな取り組みを行っております。しかしながら、製品の開発・製造等における品質上のリスクの全てを将来にわたって完全に排除することは、困難なものと認識しております。また、製品保証引当金による会計上の手当て、保険加入による製造物責任等のリスクヘッジも行っておりますが、訴訟等により高額の賠償請求を受けた場合には、十分にカバーできないケースも想定されます。
これらに伴う社会的信用の低下、取引停止等も含め、当社グループの業績は品質問題の影響を受けることがあります。
(8) 原材料や部品の調達
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のグループ外の供給元から調達しております。これらの供給元とは、基本取引契約を締結し、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、供給元の生産能力不足や火災、倒産、東日本大震災のような自然災害等の理由により原材料や部品の調達に支障をきたす可能性があります。その場合、当社グループの業績は、当社グループ製品の製造原価の上昇や生産停止等により悪影響を受けることがあります。
(9) 知的財産権
当社グループはこれまでの製品開発において蓄積してきた技術を知的財産権として権利化してまいりましたが、特定の地域及び国では法的制限のため知的財産権として完全な保護が不可能な状況にあります。従いまして、第三者が当社グループの知的財産権を使って類似した製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、将来的に当社グループが第三者の知的財産権を侵害していると主張される可能性があります。
これらのことから、当社グループの業績は、知的財産権問題の影響を受けることがあります。
(10) 法的手続
当社グループは事業活動において、継続的なコンプライアンスの実践に努めております。しかしながら、当社及び当社の一部子会社は、現在、軸受の取引に関して、海外の競争当局より競争法違反の疑いがあるとして調査を受けております。
従いまして、当社グループの業績は、当該調査の結果等により、影響を受けることがあります。
なお、当社及び当社の子会社であるKOYO SINGAPORE BEARING (PTE) LTD.は、平成26年5月27日、シンガポール競争委員会より、過去のシンガポールにおけるアフターマーケット向け軸受の一部取引に関し、シンガポール競争法に違反する行為があったとする決定を受けましたが、制裁金の支払いにつきましては、シンガポール競争委員会による調査への協力の結果、全額免除されております。
(11) 訴訟
当社グループは機械器具部品及び工作機械を製造販売するメーカーであり、製造物責任に関する訴訟リスクを負っております。当社グループは、保険付保等の一定のリスクヘッジを行っておりますが、それによって賠償負担をすべてカバーするものではありません。
製造物責任以外の訴訟についても、そのリスクを全て排除することは不可能であります。
また、一連の競争当局による処分等に関連し、米国及びカナダにおいて、当社及び当社の一部子会社に対して損害賠償を求める集団訴訟が提起されており、当社又は当社の子会社もしくは関連会社は、今後、同種の訴訟を提起される可能性があります。
これらのことから、当社グループの業績は、訴訟の影響を受けることがあります。