有価証券報告書-第114期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 15:23
【資料】
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【項目】
127項目

対処すべき課題

世界経済においては、米国の底堅い成長や欧州の緩やかな景気回復に支えられ、先進国を中心に堅調に推移する見込みですが、新興国においては総じて需要の低迷が続き、引き続き先行きが不透明な状況にあります。一方で、ウクライナ情勢の緊迫化も新たな不安材料として浮上しており、予断を許さない状況です。日本経済においては、消費税増税の反動による一時的な景気減速があるものの、外需・内需ともに緩やかに回復する中、安定した為替環境にも支えられ、総じて堅調に推移する見込みです。
このような経営環境の中、当社グループは、強靭な体質へのステップアップの好機と捉え、「JTEKT GROUP VISION」及び「中期経営計画」を策定しました。
「JTEKT GROUP VISION」では、目指す姿として「No.1 & Only One -より良い未来に向かって-」を掲げ、「価値づくり」「モノづくり」「人づくり」の3本柱を中心に、当社グループの数々の「No.1 & Only One」の技術や商品をさらに強化・拡大し、人々の幸福と豊かな社会づくりに貢献してまいります。
中期経営計画は、「JTEKT GROUP VISION」の実現に向けた道筋を明確にするために、3つの事業(自動車部品、軸受、工作機械・メカトロニクス)を基軸にグループ・グローバルでの方策を5ヵ年で策定しました。環境の変化に応じて年度毎にローリングすることにより、変化を先取りし、攻めの経営を実現してまいります。
自動車部品は、ステアリング事業においては、圧倒的な商品力により、トップシェアの維持と収益力の強化により、世界No.1サプライヤを目指します。駆動系部品事業では、4WDビジネスのトップシェア確立と注力事業の見極めを行い、採算性の改善を図ります。
軸受事業は、国内外工場の構造改革、優位性のあるNo.1、オンリーワン商品の開発、販売力・生産(技術)力の強化により、市場の伸びに追随できる体質の強化に取り組みます。
工作機械・メカトロ事業においては、グローバルな販売・サービス体制の整備、旧来の専用機体質から脱却した設計、生産方式の確立、グループ会社と連携した商品力の向上により、真の総合生産システムサプライヤを目指します。
また、各事業戦略を確実に推進していくために、業務改革の推進、グローバル人材の育成、財務体質の強化に取り組んでまいります。
なお、過去の軸受等の取引に関し、各国競争当局より罰金等の処分を受けるに至ったことにつきましては、株主様、お取引先様をはじめ、関係者の皆様に多大なご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。当社グループは、平成23年の公正取引委員会による調査開始以降、独占禁止法違反に繋がる恐れのある一切の行為を排除し、社員の意識改革、再発防止に取り組んでまいりました。今後もコンプライアンス徹底の取り組みを継続するとともに、グループ一丸となって、内部統制システム全般の運用の強化を図っていくことで、社会からより信頼・信用される企業グループを目指してまいります。