四半期報告書-第83期第3四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/11 14:13
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2021年1月1日から2021年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大が収まらず、引き続き個人消費や経済活動が大きな影響を受け、業種間で差はあるものの全般的に極めて厳しい状況で推移しました。ワクチン接種の進展や各種政策の効果により感染症拡大防止が期待され、経済活動は回復基調にあるものの、景気の先行きは全く予断を許さない状況が続いております。
当社を取り巻く環境装置機械業界においては、公共分野では、上下水道関連設備の更新・改修・機能強化や国土強靭化基本計画に基づく雨水排水処理施設等の防災・減災需要が引き続き堅調に推移したものの、民間分野では、景気の先行きの不透明感から、前年度に引き続き設備投資の停滞が見られております。
このような事業環境の下、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の業績への影響を最小限に止め企業価値の更なる向上を目指して、以下の戦略に取り組んでおります。
①新事業の創出、新製品開発の加速
研究開発活動の成果を基に、新規事業の創出、新製品の市場投入の加速を図る。
②事業領域の拡大
既存事業の顧客・エリアの拡大を図る。
③安定的収益基盤の確立
既存事業の収益性を一層向上させると共に、メンテナンス体制を強化し、アフターマーケットを獲得する。
④成長投資
財務健全性や資本効率、利益還元のバランスを追求しつつ、新規事業展開のための設備投資、業務提携、M&Aなどの成長投資により利益拡大を図る。
⑤ガバナンスの充実強化
コンプライアンスの徹底を図ると共に、経営の透明性と効率性を高め、コーポレートガバナンス体制の一層の充実を図る。
これらの活動の結果、当第3四半期連結累計期間の受注高は26,937百万円(前年同期比3.6%増)、売上高は24,335百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は3,392百万円(前年同期比47.6%増)、経常利益は3,476百万円(前年同期比44.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,648百万円(前年同期比57.1%増)となりました。
また、当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ246百万円増加し、32,756百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加2,689百万円、受取手形及び売掛金の減少3,302百万円、建設仮勘定の増加268百万円等であります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,488百万円減少し、14,317百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少3,613百万円、前受金の増加1,547百万円等であります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,734百万円増加し、18,438百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益2,648百万円の計上、剰余金の配当979百万円、自己株式の増加615百万円等であります。これらの結果、自己資本比率は56.3%となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(環境関連)
環境関連製品の製造・販売を手掛ける当セグメントにおいては、受注高は、ゲリラ豪雨対策に関連した脱臭分野、蓄電池の需要増加による創エネ・省エネ分野が増加する一方で、水景施設、水産関連などの水処理プラント分野が減少しました。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け急増していた感染症対策製品の需要は、期初想定の範囲を若干上回るものの、補助金対象範囲の縮小などにより、徐々に落着きを取り戻しつつあります。これらの結果、受注高は前年同期比18.9%減の5,430百万円となりました。売上高は、感染症対策製品の期首受注残高の増加による販売増加に加え、半導体業界向けに計測分野の販売が増加し、前年同期比56.6%増の7,069百万円となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加えてセールスミックスの変動により売上総利益率が上昇し、前年同期比192.0%増となる1,769百万円となりました。
(水処理関連)
上下水道向けの設計・施工を手掛ける当セグメントの市場環境は、上下水道設備の更新案件の増加に加え、国土強靭化基本計画に基づく雨水排水施設などの防災・減災需要も増加し、堅調に推移しました。その結果、受注高は前年同期比10.9%増の13,627百万円となり、売上高も前年同期比3.3%増となる10,475百万円となりました。セグメント利益は、人件費等の費用が増加したものの、売上高の増加に加えて採算性を重視した受注や原価意識の徹底による売上総利益率の上昇も寄与した結果、前年同期比1.9%増となる1,545百万円となりました。
(風水力冷熱機器等関連)
主にポンプ、冷凍機、空調機器などを商社として販売する当セグメントの市場環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動が制限され、民間の設備投資には停滞感が見られるなど厳しい状況で推移しました。こうした市場環境の中、受注高は、空調関連機器の大口案件が寄与し前年同期比12.2%増の7,879百万円となりましたが、売上高は、期首受注残高の減少もあり前年同期比6.7%減の6,789百万円となりました。セグメント利益は、売上高が減少したものの、採算性を重視した受注等による売上総利益率の上昇や、売上高減少に伴うセグメント間の共通販売費及び一般管理費の配賦額減少等によって、前年同期比1.9%増の797百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
環境関連5,43081.12,90555.8
水処理関連13,627110.917,160126.5
風水力冷熱機器等関連7,879112.25,264123.0
合計26,937103.625,330109.9

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は483百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。