有価証券報告書-第82期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年1月1日から2020年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済活動が大きく制限を受け、景況感は急速に悪化しました。5月末の緊急事態宣言の解除以降、経済活動は回復に向けて動き始めたものの、冬期に入り再び感染が拡大し、収束時期は依然として見通せず、景気の先行きは全く予断を許さない状況が続いております。
当社を取り巻く環境装置機械業界においては、公共分野では、上下水道関連設備の更新・改修・機能強化、災害対策などの需要が堅調に推移したものの、民間分野では、景気の先行きの不透明感から、一部に設備投資需要の停滞も見られております。
このような事業環境の下、当社グループは、企業価値の向上を目指し、以下の戦略に取り組んでおります。
(環境関連)
「環境関連」を成長の核とするために、事業領域の拡大とニッチ戦略を進める。
a.新製品の投入
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)に続き、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の取り
組みを強化
b.現有製品群のブラッシュアップ
実績のある製品は利益を重視
「高度処理」「省エネ」「AI/IoT」「環境負荷軽減」「安全安心」のニーズに対応する形で競争力を強化
c.メンテナンス・サービスの強化
アフターサービスを充実させ、外部環境に左右されない収益基盤として育成
(水処理関連)
顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の開拓を進める。
a.選別受注、積算技術の向上、原価意識の徹底
b.実績の少ないエリアでの受注活動強化
c.防災需要への対応
(風水力冷熱機器等関連)
既存の収益基盤を着実に強化する。
a.ゼネコン・サブコン・メーカーとの連携強化
b.多様な顧客層へのアプローチ
これらの活動の結果、当連結会計年度の受注高は34,000百万円(前年同期比20.5%増)、売上高は30,250百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は3,214百万円(前年同期比58.8%増)、経常利益は3,363百万円(前年同期比55.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,342百万円(前年同期比54.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(環境関連)
環境関連セグメントでは、受注高は8,972百万円(前年同期比68.4%増)、売上高は7,456百万円(前年同期比40.8%増)、セグメント利益は1,311百万円(前年同期比65.7%増)となりました。
(水処理関連)
水処理関連セグメントでは、受注高は15,748百万円(前年同期比30.4%増)、売上高は13,155百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は1,888百万円(前年同期比50.7%増)となりました。
(風水力冷熱機器等関連)
風水力冷熱機器等関連セグメントでは、受注高は9,278百万円(前年同期比14.2%減)、売上高は9,639百万円(前年同期比9.0%減)、セグメント利益は929百万円(前年同期比17.7%増)となりました。
財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べ4,444百万円増加し、32,509百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加2,978百万円、受取手形及び売掛金の増加636百万円、投資有価証券の増加628百万円、保険積立金の減少39百万円等であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,685百万円増加し、15,805百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加1,548百万円、前受金の増加354百万円、繰延税金負債の増加109百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,758百万円増加し、16,703百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,342百万円の計上、剰余金の配当386百万円の計上による減少、保有有価証券の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加360百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,153百万円増加し、9,381百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は4,073百万円(前年同期は717百万円の獲得)となりました。税金等調整前当期純利益の計上3,339百万円、仕入債務の増加1,548百万円、法人税等の支払額660百万円等により営業活動全体では4,073百万円の増加となったものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は1,037百万円(前年同期は1,225百万円の使用)となりました。主な要因は、拘束性預金の減少1,175百万円、有形固定資産の取得による支出83百万円、投資有価証券の取得による支出138百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は957百万円(前年同期は428百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額386百万円、自己株式の取得による支出571百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は生産価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
1)受注実績
(注)金額は販売価格によっております。
2)受注先別実績
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対する販売割合が、10%以上の相手先はありません。
2.当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
イ.資産の部
流動資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ3,975百万円増加し、22,296百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券の取得による増加などにより、前連結会計年度と比べ468百万円増加し、10,213百万円となりました。
これらの結果、資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,444百万円増加し、32,509百万円となりました。
ロ.負債の部
流動負債は、支払手形及び買掛金の増加などにより、前連結会計年度と比べ2,532百万円増加し、14,278百万円となりました。
固定負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度と比べ153百万円増加し、1,527百万円となりました。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度と比べ2,685百万円増加し、15,805百万円となりました。
ハ.純資産の部
純資産合計は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度と比べ1,758百万円増加し、16,703百万円となりました。
2)経営成績
イ.経営成績の概要
当連結会計年度における経営成績の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
ロ.受注高について
民間分野においては、景気の先行きの不透明感から、一部に設備投資需要の停滞が見られました。一方、公共分野においては、上下水道関連設備の更新・改修・機能強化、災害対策の需要が堅調に推移しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大を受け簡易陰圧装置等の感染症対策製品の需要が増加しております。その結果、受注高は前年同期比20.5%増の34,000百万円となりました。
セグメント別では、環境関連は前年同期比68.4%増、水処理関連は前年同期比30.4%増、風水力冷熱機器等関連は前年同期比14.2%減となりました。
ハ.売上高について
景気の先行きの不透明感を反映し、民間設備投資需要は減少したものの、上下水道関連設備の更新案件の増加に加え、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、感染症対策製品も増加しております。その結果、売上高は前年同期比6.4%増の30,250百万円となりました。
セグメント別では、環境関連は前年同期比40.8%増、水処理関連は前年同期比4.9%増、風水力冷熱機器等関連は前年同期比9.0%減となりました。
ニ.売上総利益について
売上高の増加に加え、選別受注、原価低減活動等によって売上総利益率が前年同期の26.8%から29.8%へと上昇し、売上総利益は前年同期比18.2%増となる9,010百万円となりました。
ホ.販売費及び一般管理費について
人件費、研究開発費、減価償却費等の増加により、販売費及び一般管理費は前年同期比3.6%増となる5,795百万円となりました。
ヘ.営業利益について
販売費及び一般管理費の増加はあったものの、売上総利益の増加により、営業利益は前年同期比58.8%増の3,214百万円となりました。
ト.経常利益について
営業利益に、受取配当金、投資不動産賃貸料等による営業外収益209百万円、不動産賃貸費用等による営業外費用61百万円が加わり、経常利益は前年同期比55.0%増の3,363百万円となりました。
チ.親会社株主に帰属する当期純利益について
経常利益に投資有価証券評価損27百万円等の特別損益、法人税等997百万円が加わり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比54.9%増の2,342百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」及び「③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおりであります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(環境関連)
環境関連製品の製造・販売を手掛ける当セグメントの受注高は、新型コロナウイルス感染症拡大を受け簡易陰圧装置等の感染症対策製品が増加し、また半導体市場の回復により計測分野が増加したため、前年同期比68.4%増の8,972百万円となりました。売上高は、感染症対策製品の増加に加え、水処理プラント分野の水景案件が増加したため、前年同期比40.8%増の7,456百万円となりました。セグメント利益も売上高の増加に伴い、前年同期比65.7%増となる1,311百万円となりました。
(水処理関連)
上下水道向けの設計・施工を手掛ける当セグメントの受注高は、上下水道設備の更新案件の増加に加え、防災案件も増加し前年同期比30.4%増の15,748百万円となりました。売上高は、受注高の増加によって、前年同期比4.9%増の13,155百万円となり、セグメント利益も売上高の増加及び売上総利益率の上昇により、前年同期比50.7%増となる1,888百万円となりました。
(風水力冷熱機器等関連)
主にポンプ、冷凍機、空調機器などを商社として販売する当セグメントでは、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が制限され、案件の進捗に遅れが出ているとともに、設備投資需要の停滞も見られております。受注高は前年同期比14.2%減の9,278百万円となり、売上高も前年同期比9.0%減の9,639百万円となりました。しかし、セグメント利益は、売上総利益率の上昇やセグメント共通販売費及び一般管理費の負担減少等によって、前年同期比17.7%増となる929百万円となりました。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
1)目標とする経営指標
当社グループは、「環境関連」(メーカー事業)を核とした成長基盤の構築を図り、利益成長による企業価値を向上させるために、「目指す経営指標」として、以下の3つの経営指標を設定しております。
イ.「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益構成比率50%以上
ロ.売上総利益率30%以上
ハ.営業利益率10%以上
当連結会計年度におきましては、「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益構成比率33.4%、売上総利益率40.4%、営業利益率17.6%となっております。
2)中長期的な会社の経営戦略
中長期経営目標である「目指す経営指標」達成への道標とするために、中長経営計画「EJ2023」を策定し、以下の戦略を展開していきます。
イ.新事業の創出、新製品開発の加速
これまでの研究開発活動の成果を基に、新事業の創出と新製品の市場投入の加速を図る。
ロ.事業領域の拡大
顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の拡大を図る。
ハ.安定的収益基盤の確立
外部環境に左右されない基盤造りとしてストックビジネスの強化と、既存事業の収益性向上を図る。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は、下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4.2016年12月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金の需要
更なる企業価値の向上を図るための設備投資、事業投資、債務の返済及び運転資金などの資金需要に備え、資金調達及び流動性の確保に努めています。
2)資金の調達
当社グループは、必要な資金は内部資金より充当し、不足が生じた場合は銀行借入により調達しております。
3)資金の流動性
当社グループは、複数の金融機関との当座貸越契約を設定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年1月1日から2020年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済活動が大きく制限を受け、景況感は急速に悪化しました。5月末の緊急事態宣言の解除以降、経済活動は回復に向けて動き始めたものの、冬期に入り再び感染が拡大し、収束時期は依然として見通せず、景気の先行きは全く予断を許さない状況が続いております。
当社を取り巻く環境装置機械業界においては、公共分野では、上下水道関連設備の更新・改修・機能強化、災害対策などの需要が堅調に推移したものの、民間分野では、景気の先行きの不透明感から、一部に設備投資需要の停滞も見られております。
このような事業環境の下、当社グループは、企業価値の向上を目指し、以下の戦略に取り組んでおります。
(環境関連)
「環境関連」を成長の核とするために、事業領域の拡大とニッチ戦略を進める。
a.新製品の投入
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)に続き、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の取り
組みを強化
b.現有製品群のブラッシュアップ
実績のある製品は利益を重視
「高度処理」「省エネ」「AI/IoT」「環境負荷軽減」「安全安心」のニーズに対応する形で競争力を強化
c.メンテナンス・サービスの強化
アフターサービスを充実させ、外部環境に左右されない収益基盤として育成
(水処理関連)
顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の開拓を進める。
a.選別受注、積算技術の向上、原価意識の徹底
b.実績の少ないエリアでの受注活動強化
c.防災需要への対応
(風水力冷熱機器等関連)
既存の収益基盤を着実に強化する。
a.ゼネコン・サブコン・メーカーとの連携強化
b.多様な顧客層へのアプローチ
これらの活動の結果、当連結会計年度の受注高は34,000百万円(前年同期比20.5%増)、売上高は30,250百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は3,214百万円(前年同期比58.8%増)、経常利益は3,363百万円(前年同期比55.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,342百万円(前年同期比54.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(環境関連)
環境関連セグメントでは、受注高は8,972百万円(前年同期比68.4%増)、売上高は7,456百万円(前年同期比40.8%増)、セグメント利益は1,311百万円(前年同期比65.7%増)となりました。
(水処理関連)
水処理関連セグメントでは、受注高は15,748百万円(前年同期比30.4%増)、売上高は13,155百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は1,888百万円(前年同期比50.7%増)となりました。
(風水力冷熱機器等関連)
風水力冷熱機器等関連セグメントでは、受注高は9,278百万円(前年同期比14.2%減)、売上高は9,639百万円(前年同期比9.0%減)、セグメント利益は929百万円(前年同期比17.7%増)となりました。
財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べ4,444百万円増加し、32,509百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加2,978百万円、受取手形及び売掛金の増加636百万円、投資有価証券の増加628百万円、保険積立金の減少39百万円等であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,685百万円増加し、15,805百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加1,548百万円、前受金の増加354百万円、繰延税金負債の増加109百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,758百万円増加し、16,703百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,342百万円の計上、剰余金の配当386百万円の計上による減少、保有有価証券の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加360百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,153百万円増加し、9,381百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は4,073百万円(前年同期は717百万円の獲得)となりました。税金等調整前当期純利益の計上3,339百万円、仕入債務の増加1,548百万円、法人税等の支払額660百万円等により営業活動全体では4,073百万円の増加となったものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は1,037百万円(前年同期は1,225百万円の使用)となりました。主な要因は、拘束性預金の減少1,175百万円、有形固定資産の取得による支出83百万円、投資有価証券の取得による支出138百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は957百万円(前年同期は428百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額386百万円、自己株式の取得による支出571百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) | |
環境関連 | (百万円) | 4,911 | 156.0 |
水処理関連 | (百万円) | 9,255 | 105.0 |
風水力冷熱機器等関連 | (百万円) | 3,041 | 90.1 |
合計 | (百万円) | 17,208 | 112.2 |
(注)金額は生産価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) | |
環境関連 | (百万円) | 14 | 40.3 |
水処理関連 | (百万円) | 249 | 73.8 |
風水力冷熱機器等関連 | (百万円) | 4,067 | 82.9 |
合計 | (百万円) | 4,331 | 82.0 |
(注)金額は仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
1)受注実績
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
環境関連 | 8,972 | 168.4 | 4,544 | 150.1 |
水処理関連 | 15,748 | 130.4 | 14,008 | 122.7 |
風水力冷熱機器等関連 | 9,278 | 85.8 | 4,174 | 92.1 |
合計 | 34,000 | 120.5 | 22,727 | 119.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
2)受注先別実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |||
官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) | 前年同期比(%) | |
環境関連 | 3,352 | 5,620 | 8,972 | 168.4 |
水処理関連 | 15,416 | 331 | 15,748 | 130.4 |
風水力冷熱機器等関連 | 1,580 | 7,697 | 9,278 | 85.8 |
合計 | 20,349 | 13,650 | 34,000 | 120.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |||
官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) | 前年同期比(%) | |
環境関連 | 3,437 | 4,018 | 7,456 | 140.8 |
水処理関連 | 12,902 | 253 | 13,155 | 104.9 |
風水力冷熱機器等関連 | 1,686 | 7,953 | 9,639 | 91.0 |
合計 | 18,026 | 12,224 | 30,250 | 106.4 |
(注)1.総販売実績に対する販売割合が、10%以上の相手先はありません。
2.当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
イ.資産の部
流動資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ3,975百万円増加し、22,296百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券の取得による増加などにより、前連結会計年度と比べ468百万円増加し、10,213百万円となりました。
これらの結果、資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,444百万円増加し、32,509百万円となりました。
ロ.負債の部
流動負債は、支払手形及び買掛金の増加などにより、前連結会計年度と比べ2,532百万円増加し、14,278百万円となりました。
固定負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度と比べ153百万円増加し、1,527百万円となりました。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度と比べ2,685百万円増加し、15,805百万円となりました。
ハ.純資産の部
純資産合計は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度と比べ1,758百万円増加し、16,703百万円となりました。
2)経営成績
イ.経営成績の概要
当連結会計年度における経営成績の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
ロ.受注高について
民間分野においては、景気の先行きの不透明感から、一部に設備投資需要の停滞が見られました。一方、公共分野においては、上下水道関連設備の更新・改修・機能強化、災害対策の需要が堅調に推移しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大を受け簡易陰圧装置等の感染症対策製品の需要が増加しております。その結果、受注高は前年同期比20.5%増の34,000百万円となりました。
セグメント別では、環境関連は前年同期比68.4%増、水処理関連は前年同期比30.4%増、風水力冷熱機器等関連は前年同期比14.2%減となりました。
ハ.売上高について
景気の先行きの不透明感を反映し、民間設備投資需要は減少したものの、上下水道関連設備の更新案件の増加に加え、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、感染症対策製品も増加しております。その結果、売上高は前年同期比6.4%増の30,250百万円となりました。
セグメント別では、環境関連は前年同期比40.8%増、水処理関連は前年同期比4.9%増、風水力冷熱機器等関連は前年同期比9.0%減となりました。
ニ.売上総利益について
売上高の増加に加え、選別受注、原価低減活動等によって売上総利益率が前年同期の26.8%から29.8%へと上昇し、売上総利益は前年同期比18.2%増となる9,010百万円となりました。
ホ.販売費及び一般管理費について
人件費、研究開発費、減価償却費等の増加により、販売費及び一般管理費は前年同期比3.6%増となる5,795百万円となりました。
ヘ.営業利益について
販売費及び一般管理費の増加はあったものの、売上総利益の増加により、営業利益は前年同期比58.8%増の3,214百万円となりました。
ト.経常利益について
営業利益に、受取配当金、投資不動産賃貸料等による営業外収益209百万円、不動産賃貸費用等による営業外費用61百万円が加わり、経常利益は前年同期比55.0%増の3,363百万円となりました。
チ.親会社株主に帰属する当期純利益について
経常利益に投資有価証券評価損27百万円等の特別損益、法人税等997百万円が加わり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比54.9%増の2,342百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」及び「③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおりであります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(環境関連)
環境関連製品の製造・販売を手掛ける当セグメントの受注高は、新型コロナウイルス感染症拡大を受け簡易陰圧装置等の感染症対策製品が増加し、また半導体市場の回復により計測分野が増加したため、前年同期比68.4%増の8,972百万円となりました。売上高は、感染症対策製品の増加に加え、水処理プラント分野の水景案件が増加したため、前年同期比40.8%増の7,456百万円となりました。セグメント利益も売上高の増加に伴い、前年同期比65.7%増となる1,311百万円となりました。
(水処理関連)
上下水道向けの設計・施工を手掛ける当セグメントの受注高は、上下水道設備の更新案件の増加に加え、防災案件も増加し前年同期比30.4%増の15,748百万円となりました。売上高は、受注高の増加によって、前年同期比4.9%増の13,155百万円となり、セグメント利益も売上高の増加及び売上総利益率の上昇により、前年同期比50.7%増となる1,888百万円となりました。
(風水力冷熱機器等関連)
主にポンプ、冷凍機、空調機器などを商社として販売する当セグメントでは、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が制限され、案件の進捗に遅れが出ているとともに、設備投資需要の停滞も見られております。受注高は前年同期比14.2%減の9,278百万円となり、売上高も前年同期比9.0%減の9,639百万円となりました。しかし、セグメント利益は、売上総利益率の上昇やセグメント共通販売費及び一般管理費の負担減少等によって、前年同期比17.7%増となる929百万円となりました。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
1)目標とする経営指標
当社グループは、「環境関連」(メーカー事業)を核とした成長基盤の構築を図り、利益成長による企業価値を向上させるために、「目指す経営指標」として、以下の3つの経営指標を設定しております。
イ.「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益構成比率50%以上
ロ.売上総利益率30%以上
ハ.営業利益率10%以上
当連結会計年度におきましては、「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益構成比率33.4%、売上総利益率40.4%、営業利益率17.6%となっております。
2)中長期的な会社の経営戦略
中長期経営目標である「目指す経営指標」達成への道標とするために、中長経営計画「EJ2023」を策定し、以下の戦略を展開していきます。
イ.新事業の創出、新製品開発の加速
これまでの研究開発活動の成果を基に、新事業の創出と新製品の市場投入の加速を図る。
ロ.事業領域の拡大
顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の拡大を図る。
ハ.安定的収益基盤の確立
外部環境に左右されない基盤造りとしてストックビジネスの強化と、既存事業の収益性向上を図る。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は、下記のとおりであります。
2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 | 2020年12月期 | ||
自己資本比率 | (%) | 45.3 | 49.1 | 47.1 | 53.3 | 51.4 |
時価ベースの自己資本比率 | (%) | 38.5 | 53.0 | 44.8 | 52.3 | 78.5 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | (年) | - | 0.8 | 0.4 | 1.5 | 0.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | (倍) | - | 192.1 | 357.6 | 90.3 | 611.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4.2016年12月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金の需要
更なる企業価値の向上を図るための設備投資、事業投資、債務の返済及び運転資金などの資金需要に備え、資金調達及び流動性の確保に努めています。
2)資金の調達
当社グループは、必要な資金は内部資金より充当し、不足が生じた場合は銀行借入により調達しております。
3)資金の流動性
当社グループは、複数の金融機関との当座貸越契約を設定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。