有価証券報告書-第150期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
27. 金融商品
(1) 資本管理
当社及び連結子会社は、グローバルでのさらなる事業拡大に向け、強固な財務基盤を確立するために、ROE及び借入金比率等を用いて資本管理を行っています。資本は連結財政状態計算書に示される資本(親会社株主に帰属する持分)としています。
ROE及び借入金比率は以下のとおりです。なお、ROEは当期純利益のうち親会社株主持分を資本で除することで算出しています。また、借入金比率は、リース負債を除く社債及び借入金を総資産で除することで算出しています。
なお、当社及び連結子会社が適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 財務上のリスク管理
当社及び連結子会社は、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(市場リスク、信用リスク、流動性リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っています。
① 市場リスク管理
(ⅰ) 為替リスク管理
当社グループは、日本をはじめ、北米、欧州、アジア及びその他の地域で生産活動及び販売活動を行っており、外貨建の収益・費用、資産・負債は為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。
当社及びいくつかの連結子会社は、主に外貨建て予定取引から発生するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために、先物為替予約を実施しています。
為替リスクのエクスポージャー
当社及び連結子会社の為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは以下のとおりです。なお、先物為替予約により為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
為替感応度分析
当社及び連結子会社が保有する外貨建金融商品につき、為替以外のその他全ての変数が一定であることを前提に、日本円が米ドル及びユーロに対して1%円高になった場合の連結損益計算書の税引前当期純利益に与える影響(△は負の影響)は以下のとおりです。
(ⅱ) 金利リスク管理
当社及び連結子会社は、変動金利の借入金について金利変動の影響を受ける可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、社債及び借入金の多くを固定金利により調達することで金利変動リスクのエクスポージャーを限定しています。
金利リスクのエクスポージャー
当社及び連結子会社の金利リスクのエクスポージャーは以下のとおりです。
金利感応度分析
当社及び連結子会社が保有する金融商品につき、金利以外のその他全ての変数が一定であることを前提に、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前当期純利益に与える影響(△は負の影響)は以下のとおりです。
② 信用リスク管理
当社及び連結子会社の営業活動から生じる債権は、顧客の財務状況の変動を受ける可能性があります。
当社及び連結子会社は、売上債権等について、全部又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行と判断しています。
当社及び連結子会社は、外部機関での調査を行った上で、取引先に対して与信限度額を設定し顧客の財務状況を定期的にモニタリングすることなどにより、信用リスクに応じた取引限度額を設定し、リスクの低減を図っています。
また、市場リスクを低減する目的で行うデリバティブ取引は、信用リスクを最小限にするため、信用度の高い金融機関と取引を実施しています。
連結財務諸表に表示されている金融資産及び契約資産の減損後の帳簿価額は、債務保証を除き、当社及び連結子会社の金融資産及び契約資産の信用リスクに対する獲得した担保の評価額を考慮に入れないエクスポージャーの最大値です。
なお、当社及び連結子会社は関連会社及び従業員の金融機関との取引等に対して、以下のとおり保証を行っています。
(注)その他は主に譲渡した債権に係る買戻し義務であり、詳細は(5)証券化取引に記載しています。
上記の保証の履行により発生しうる損失に係る引当金は金額的に重要性がないと見込まれるため、計上
しておりません。
売上債権及び契約資産については、回収までの全期間の予想信用損失を見積もって貸倒引当金の額を算定しています。
その他の金融資産については、原則として12ヵ月の予想信用損失を見積もって貸倒引当金の額を算定しています。ただし、信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産及び信用減損している金融資産については、全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を算定しています。
貸倒引当金の金額は次のように算定しています。
・売上債権及び契約資産
顧客の信用リスク格付ごとにグルーピングした上で、債権等に過去の貸倒損失の実績率に将来の経済状況の予測等を加味した引当率を乗じて集合的に算定しています。なお、売上債権及び契約資産は多数の同質的な取引先により構成されており、顧客の信用格付けは同一であると認識しています。
・その他の金融資産
信用リスクが当初認識以降に著しく増大したと判断されない金融資産については、リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングした上で、取得価額に過去の貸倒損失の実績率に将来の経済状況の予測等を加味した引当率を乗じて算定しています。但し、信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産及び信用減損している金融資産については、将来の経済状況の予測等を加味した当該資産に係る回収見込額の現在価値と、帳簿価額との間の差額をもって個別的に算定しています。
貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
貸倒引当金の認識対象となる金融資産及び契約資産の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は以下のとおりです。
③ 流動性リスク管理
当社及び連結子会社は、金融機関からの借入金又は社債の発行等により資金調達を実施しており、資金調達環境悪化等の影響を受ける可能性があります。
当社及び連結子会社は、支払期日に金融負債の支払を実行できなくなるリスクをヘッジするために、適切な返済資金を準備するとともに、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保し、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで流動性リスクを管理しています。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。
前連結会計年度(2020年3月31日)
当連結会計年度(2021年3月31日)
(3) デリバティブ及びヘッジ活動
当社及び連結子会社は事業活動を遂行する上で、外国為替相場及び金利相場の変動による市場リスクに晒されています。当社及びいくつかの連結子会社は、これらのリスクを回避する目的で先物為替予約及び通貨スワップを利用しており、短期的な売買差益を獲得する目的や投機目的のためにデリバティブ取引を利用することはありません。なお、通貨スワップは、公正価値の変動をヘッジするために利用しており、ヘッジ手段として指定されていません。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社及びいくつかの連結子会社は、外貨建て債権債務の外国為替相場の変動による市場リスクをヘッジするために先物為替予約を実施しています。当社及びいくつかの連結子会社は、これらの取引をキャッシュ・フロー・ヘッジと位置づけています。なお、当社及びいくつかの連結子会社は、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として一対一の関係となるよう設定しています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件は原則として一致させています。
当社及びいくつかの連結子会社は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが発生すると予想される期間及びそれらが当期の純損益に影響を与えると予想される期間は2021年4月から2022年6月までであると考えています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段として指定されている先物為替予約想定元本は以下のとおりです。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段として指定されている先物為替予約の公正価値は以下のとおりです。
なお、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(4) 金融商品の公正価値
当社グループは、測定に用いたインプットの観察可能性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しています。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
レベル間の振替が行われた金融商品の有無は毎期末日に判断しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
レベル3に区分した金融商品について、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に、重要な公正価値の増減は見込まれていません。
① 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の公正価値の測定方法、帳簿価額及び公正価値は以下のとおりです。
(社債及び借入金(短期借入金及びリース負債を除く))
社債は、日本証券業協会の売買参考統計値を用いて算定しており、観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しています。借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しています。
(注) 上記以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。
② 経常的に公正価値で測定する金融商品
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値の測定方法、公正価値は以下のとおりです。
(資本性金融商品)
上場株式の公正価値については、期末日の市場価格によって算定しており、活発な市場における同一の資産の市場価格で公正価値を算定しているため、レベル1に分類しています。非上場株式の公正価値については投資先の純資産等に関する定量的な情報及び投資先の将来キャッシュ・フローに関する予想等を総合的に勘案して算定しており、観察不能な指標を用いた評価技法により公正価値を算定しているため、レベル3に分類しています。なお、当該評価技法の合理性については、担当部門が様々な手法を用いて検証しており、適切な権限者による承認を受けています。
(デリバティブ資産、デリバティブ負債)
デリバティブは、当期純利益を通じて公正価値で測定する金融資産又は金融負債として、市場金利や外国為替銀行の相場等に基づいて算定しており、観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しています。
前連結会計年度(2020年3月31日)
当連結会計年度(2021年3月31日)
レベル3に分類された経常的に公正価値で測定する金融商品の期首から期末までの変動は、以下のとおりです。
(注) 利得(△損失)は、報告期間の末日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値変動額」に含まれています。
(5) 証券化取引
当社及び連結子会社は、売上債権等を、非連結の証券化目的で組成された事業体に譲渡しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ196百万円、168百万円の証券化に関連する損失を計上しています。
① 非連結の証券化目的で組成された事業体への関与
売上債権等の証券化においては、非連結の証券化目的で組成された事業体を利用しています。当該事業体は第三者である金融機関によって組成され、それらの金融機関が事業の一環として運営しており、当社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社の関連性は低いと判断しています。当社及び連結子会社は組成された事業体への契約外の重要な支援の提供は行っていません。これらの組成された事業体に対する関与の主な内容は、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取です。
譲渡された金融資産について、限られた特定の条件下で買い戻す場合があります。証券化に関連する損失は全て1年内に解消される予定であり、その最大エクスポージャーは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,900百万円及び3,111百万円です。
② 全体の認識が中止された金融資産の譲渡
当社及び連結子会社は債権譲渡後、債権の回収及び管理責任を有していますが、回収サービスコストは回収手数料と近似しているためサービス業務資産及び負債を計上していません。当連結会計年度末における認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失の最大エクスポージャーは、非連結の証券化目的で組成された事業体への関与に記載した損失の最大エクスポージャーに含まれます。
(1) 資本管理
当社及び連結子会社は、グローバルでのさらなる事業拡大に向け、強固な財務基盤を確立するために、ROE及び借入金比率等を用いて資本管理を行っています。資本は連結財政状態計算書に示される資本(親会社株主に帰属する持分)としています。
ROE及び借入金比率は以下のとおりです。なお、ROEは当期純利益のうち親会社株主持分を資本で除することで算出しています。また、借入金比率は、リース負債を除く社債及び借入金を総資産で除することで算出しています。
前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||
ROE | 9.2% | 7.5% | |
借入金比率 | 6.1% | 5.2% |
なお、当社及び連結子会社が適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 財務上のリスク管理
当社及び連結子会社は、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(市場リスク、信用リスク、流動性リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っています。
① 市場リスク管理
(ⅰ) 為替リスク管理
当社グループは、日本をはじめ、北米、欧州、アジア及びその他の地域で生産活動及び販売活動を行っており、外貨建の収益・費用、資産・負債は為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。
当社及びいくつかの連結子会社は、主に外貨建て予定取引から発生するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために、先物為替予約を実施しています。
為替リスクのエクスポージャー
当社及び連結子会社の為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは以下のとおりです。なお、先物為替予約により為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) | ||
米ドル | 8,481 | 4,185 | |
ユーロ | 16,023 | 15,829 |
為替感応度分析
当社及び連結子会社が保有する外貨建金融商品につき、為替以外のその他全ての変数が一定であることを前提に、日本円が米ドル及びユーロに対して1%円高になった場合の連結損益計算書の税引前当期純利益に与える影響(△は負の影響)は以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) | ||
米ドル | △85 | △42 | |
ユーロ | △160 | △158 |
(ⅱ) 金利リスク管理
当社及び連結子会社は、変動金利の借入金について金利変動の影響を受ける可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、社債及び借入金の多くを固定金利により調達することで金利変動リスクのエクスポージャーを限定しています。
金利リスクのエクスポージャー
当社及び連結子会社の金利リスクのエクスポージャーは以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) | ||
変動金利の社債及び借入金 | 54,228 | 72,840 |
金利感応度分析
当社及び連結子会社が保有する金融商品につき、金利以外のその他全ての変数が一定であることを前提に、金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前当期純利益に与える影響(△は負の影響)は以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) | ||
税引前当期純利益への影響 | △542 | △728 |
② 信用リスク管理
当社及び連結子会社の営業活動から生じる債権は、顧客の財務状況の変動を受ける可能性があります。
当社及び連結子会社は、売上債権等について、全部又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行と判断しています。
当社及び連結子会社は、外部機関での調査を行った上で、取引先に対して与信限度額を設定し顧客の財務状況を定期的にモニタリングすることなどにより、信用リスクに応じた取引限度額を設定し、リスクの低減を図っています。
また、市場リスクを低減する目的で行うデリバティブ取引は、信用リスクを最小限にするため、信用度の高い金融機関と取引を実施しています。
連結財務諸表に表示されている金融資産及び契約資産の減損後の帳簿価額は、債務保証を除き、当社及び連結子会社の金融資産及び契約資産の信用リスクに対する獲得した担保の評価額を考慮に入れないエクスポージャーの最大値です。
なお、当社及び連結子会社は関連会社及び従業員の金融機関との取引等に対して、以下のとおり保証を行っています。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||
銀行借入等に関する保証 | |||
関連会社 | 45 | 41 | |
従業員 | 677 | 450 | |
その他 | 4,626 | 4,093 | |
合計 | 5,348 | 4,584 |
(注)その他は主に譲渡した債権に係る買戻し義務であり、詳細は(5)証券化取引に記載しています。
上記の保証の履行により発生しうる損失に係る引当金は金額的に重要性がないと見込まれるため、計上
しておりません。
売上債権及び契約資産については、回収までの全期間の予想信用損失を見積もって貸倒引当金の額を算定しています。
その他の金融資産については、原則として12ヵ月の予想信用損失を見積もって貸倒引当金の額を算定しています。ただし、信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産及び信用減損している金融資産については、全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を算定しています。
貸倒引当金の金額は次のように算定しています。
・売上債権及び契約資産
顧客の信用リスク格付ごとにグルーピングした上で、債権等に過去の貸倒損失の実績率に将来の経済状況の予測等を加味した引当率を乗じて集合的に算定しています。なお、売上債権及び契約資産は多数の同質的な取引先により構成されており、顧客の信用格付けは同一であると認識しています。
・その他の金融資産
信用リスクが当初認識以降に著しく増大したと判断されない金融資産については、リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングした上で、取得価額に過去の貸倒損失の実績率に将来の経済状況の予測等を加味した引当率を乗じて算定しています。但し、信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産及び信用減損している金融資産については、将来の経済状況の予測等を加味した当該資産に係る回収見込額の現在価値と、帳簿価額との間の差額をもって個別的に算定しています。
貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円) | |||||||||
12ヵ月の予想 信用損失 | 全期間にわたる予想信用損失 | 合計 | |||||||
常に全期間の 予想信用損失に 等しい金額で 測定している 売上債権及び 契約資産 | 信用リスクが 当初認識以降 に著しく増大 した金融資産 | 信用減損して いる金融資産 | |||||||
期首残高 | 117 | 7,831 | - | 4,127 | 12,075 | ||||
期中増加額 | - | 3,291 | - | 1,654 | 4,945 | ||||
目的使用による 減少額 | △1 | △737 | - | △327 | △1,065 | ||||
戻入による減少額 | △18 | △1,928 | - | △1,257 | △3,203 | ||||
在外営業活動体の換算差額 他 | - | △224 | - | △61 | △285 | ||||
期末残高 | 98 | 8,233 | - | 4,136 | 12,467 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円) | |||||||||
12ヵ月の予想 信用損失 | 全期間にわたる予想信用損失 | 合計 | |||||||
常に全期間の 予想信用損失に 等しい金額で 測定している 売上債権及び 契約資産 | 信用リスクが 当初認識以降 に著しく増大 した金融資産 | 信用減損して いる金融資産 | |||||||
期首残高 | 98 | 8,233 | - | 4,136 | 12,467 | ||||
期中増加額 | 1 | 3,761 | - | 1,437 | 5,199 | ||||
目的使用による 減少額 | - | △990 | - | △533 | △1,523 | ||||
戻入による減少額 | △90 | △2,622 | - | △610 | △3,322 | ||||
在外営業活動体の換算差額 他 | - | 357 | - | 81 | 438 | ||||
期末残高 | 9 | 8,739 | - | 4,511 | 13,259 |
貸倒引当金の認識対象となる金融資産及び契約資産の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||||||||
12ヵ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定している 金融資産 | 全期間にわたる予想信用損失 | 合計 | |||||||
常に全期間の 予想信用損失に 等しい金額で 測定している 売上債権及び 契約資産 | 信用リスクが 当初認識以降 に著しく増大 した金融資産 | 信用減損して いる金融資産 | |||||||
前連結会計年度 | 98,445 | 1,252,300 | - | 6,443 | 1,357,188 | ||||
当連結会計年度 | 92,494 | 1,189,801 | - | 6,706 | 1,289,001 |
③ 流動性リスク管理
当社及び連結子会社は、金融機関からの借入金又は社債の発行等により資金調達を実施しており、資金調達環境悪化等の影響を受ける可能性があります。
当社及び連結子会社は、支払期日に金融負債の支払を実行できなくなるリスクをヘッジするために、適切な返済資金を準備するとともに、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保し、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで流動性リスクを管理しています。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。
前連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円) | |||||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |||||
非デリバティブ金融負債 | |||||||||
買入債務及び その他の金融負債 | 686,473 | 686,473 | 686,473 | - | - | ||||
短期借入金 | 52,967 | 53,645 | 53,645 | - | - | ||||
長期借入金 | 194,041 | 195,873 | 38,418 | 149,427 | 8,028 | ||||
社債 | 20,000 | 20,172 | 86 | 20,086 | - | ||||
リース負債 | 109,995 | 117,021 | 44,734 | 56,932 | 15,355 | ||||
デリバティブ金融負債 | |||||||||
先物為替予約等 | 1,644 | 1,644 | 1,644 | - | - | ||||
合計 | 1,065,120 | 1,074,828 | 825,000 | 226,445 | 23,383 |
当連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円) | |||||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |||||
非デリバティブ金融負債 | |||||||||
買入債務及び その他の金融負債 | 688,144 | 688,144 | 688,144 | - | - | ||||
短期借入金 | 72,052 | 72,483 | 72,483 | - | - | ||||
長期借入金 | 156,845 | 158,103 | 15,965 | 139,927 | 2,211 | ||||
社債 | 20,000 | 20,086 | 20,086 | - | - | ||||
リース負債 | 116,534 | 123,334 | 47,259 | 58,976 | 17,099 | ||||
デリバティブ金融負債 | |||||||||
先物為替予約等 | 11,380 | 11,380 | 11,380 | - | - | ||||
合計 | 1,064,955 | 1,073,530 | 855,317 | 198,903 | 19,310 |
(3) デリバティブ及びヘッジ活動
当社及び連結子会社は事業活動を遂行する上で、外国為替相場及び金利相場の変動による市場リスクに晒されています。当社及びいくつかの連結子会社は、これらのリスクを回避する目的で先物為替予約及び通貨スワップを利用しており、短期的な売買差益を獲得する目的や投機目的のためにデリバティブ取引を利用することはありません。なお、通貨スワップは、公正価値の変動をヘッジするために利用しており、ヘッジ手段として指定されていません。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社及びいくつかの連結子会社は、外貨建て債権債務の外国為替相場の変動による市場リスクをヘッジするために先物為替予約を実施しています。当社及びいくつかの連結子会社は、これらの取引をキャッシュ・フロー・ヘッジと位置づけています。なお、当社及びいくつかの連結子会社は、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として一対一の関係となるよう設定しています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件は原則として一致させています。
当社及びいくつかの連結子会社は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが発生すると予想される期間及びそれらが当期の純損益に影響を与えると予想される期間は2021年4月から2022年6月までであると考えています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段として指定されている先物為替予約想定元本は以下のとおりです。
(単位:百万円) | ||||
ヘッジの種類 | 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||
先物為替予約 | 3,333 | 2,485 |
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段として指定されている先物為替予約の公正価値は以下のとおりです。
(単位:百万円) | ||||||
ヘッジの種類 | 計上科目 | 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |||
先物為替予約 | その他の金融資産 | 16 | 57 | |||
その他の金融負債 | 47 | 22 |
なお、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(4) 金融商品の公正価値
当社グループは、測定に用いたインプットの観察可能性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しています。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
レベル間の振替が行われた金融商品の有無は毎期末日に判断しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
レベル3に区分した金融商品について、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に、重要な公正価値の増減は見込まれていません。
① 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の公正価値の測定方法、帳簿価額及び公正価値は以下のとおりです。
(社債及び借入金(短期借入金及びリース負債を除く))
社債は、日本証券業協会の売買参考統計値を用いて算定しており、観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しています。借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しています。
(単位:百万円) | |||||||
前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | ||||
償却原価で測定する金融負債 | |||||||
社債及び借入金 | 214,041 | 210,103 | 176,845 | 173,837 |
(注) 上記以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。
② 経常的に公正価値で測定する金融商品
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値の測定方法、公正価値は以下のとおりです。
(資本性金融商品)
上場株式の公正価値については、期末日の市場価格によって算定しており、活発な市場における同一の資産の市場価格で公正価値を算定しているため、レベル1に分類しています。非上場株式の公正価値については投資先の純資産等に関する定量的な情報及び投資先の将来キャッシュ・フローに関する予想等を総合的に勘案して算定しており、観察不能な指標を用いた評価技法により公正価値を算定しているため、レベル3に分類しています。なお、当該評価技法の合理性については、担当部門が様々な手法を用いて検証しており、適切な権限者による承認を受けています。
(デリバティブ資産、デリバティブ負債)
デリバティブは、当期純利益を通じて公正価値で測定する金融資産又は金融負債として、市場金利や外国為替銀行の相場等に基づいて算定しており、観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しています。
前連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円) | |||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
資産 | |||||||
当期純利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
デリバティブ資産 | - | 2,219 | - | 2,219 | |||
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
資本性金融商品 | 152,683 | - | 63,478 | 216,161 | |||
合計 | 152,683 | 2,219 | 63,478 | 218,380 | |||
負債 | |||||||
当期純利益を通じて公正価値で測定する金融負債 | |||||||
デリバティブ負債 | - | 1,644 | - | 1,644 | |||
合計 | - | 1,644 | - | 1,644 |
当連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円) | |||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
資産 | |||||||
当期純利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
デリバティブ資産 | - | 3,971 | - | 3,971 | |||
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
資本性金融商品 | 238,260 | - | 68,361 | 306,621 | |||
合計 | 238,260 | 3,971 | 68,361 | 310,592 | |||
負債 | |||||||
当期純利益を通じて公正価値で測定する金融負債 | |||||||
デリバティブ負債 | - | 11,380 | - | 11,380 | |||
合計 | - | 11,380 | - | 11,380 |
レベル3に分類された経常的に公正価値で測定する金融商品の期首から期末までの変動は、以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||
期首残高 | 60,674 | 63,478 | |
利得(△損失)(注) | △1,244 | 2,044 | |
購入 | 5,530 | 4,776 | |
売却 | △672 | △1,937 | |
子会社の支配獲得による振替 | △810 | - | |
期末残高 | 63,478 | 68,361 |
(注) 利得(△損失)は、報告期間の末日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値変動額」に含まれています。
(5) 証券化取引
当社及び連結子会社は、売上債権等を、非連結の証券化目的で組成された事業体に譲渡しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ196百万円、168百万円の証券化に関連する損失を計上しています。
① 非連結の証券化目的で組成された事業体への関与
売上債権等の証券化においては、非連結の証券化目的で組成された事業体を利用しています。当該事業体は第三者である金融機関によって組成され、それらの金融機関が事業の一環として運営しており、当社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社の関連性は低いと判断しています。当社及び連結子会社は組成された事業体への契約外の重要な支援の提供は行っていません。これらの組成された事業体に対する関与の主な内容は、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取です。
譲渡された金融資産について、限られた特定の条件下で買い戻す場合があります。証券化に関連する損失は全て1年内に解消される予定であり、その最大エクスポージャーは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,900百万円及び3,111百万円です。
② 全体の認識が中止された金融資産の譲渡
当社及び連結子会社は債権譲渡後、債権の回収及び管理責任を有していますが、回収サービスコストは回収手数料と近似しているためサービス業務資産及び負債を計上していません。当連結会計年度末における認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失の最大エクスポージャーは、非連結の証券化目的で組成された事業体への関与に記載した損失の最大エクスポージャーに含まれます。