有価証券報告書-第107期(2023/04/01-2024/03/31)
(4)【役員の報酬等】
取締役及び執行役の報酬等の額
① 役員区分ごとの報酬等の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 総額については、百万円未満を四捨五入して記載しています。したがって、各欄の合計が合計額の欄と一致しない場合があります。
*2 当社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していませんので、上記の取締役には執行役を兼務する取締役2名は含まれていません。
*3 前年の定時株主総会開催日に退任した取締役2名を含んでいます。
*4 当社は、執行役を兼務しない取締役に対して業績連動報酬を支給していません。
*5 上記の当年度業績連動報酬額は、2023年11月と2024年6月に支給した金額の合計額です。
*6 ストック・オプションは、ストック・オプション付与を目的とした新株予約権の費用として当年度において計上した額を記載しています。
*7 当社は、執行役を兼務しない取締役に対してストック・オプションを付与していません。
*8 2022年度末までに退任済みの執行役2名を含んでいます。
*9 譲渡制限付株式は、譲渡制限付株式の費用として当年度において計上した額を記載しています。
*10 株式退職金については、当年度において、前年の定時株主総会開催日に退任した取締役分、及び執行役分として、476百万円の会計上の費用を計上しました。
*11 当社は、執行役を兼務しない取締役に対して株式退職金を支給していません。
② 取締役及び執行役に対する個人別の報酬等の額
(注)*1 本表は、当社及び子会社から取締役及び執行役として受け取る報酬等のうち、当事業年度に係るもの、及び当事業年度において報酬として受け、又は受ける見込み額が明らかになったものの総額が1億円以上である者を記載しています。なお、対象者の役職は本書提出日現在のものです。
*2 百万円未満を四捨五入して記載しています。したがって、各欄の合計が合計額の欄と一致しない場合があります。
*3 業績連動報酬額の決定にあたって使用された指標及び実績については、以下の「⑤ 2023年度における執行役に対する業績連動報酬に係る指標の目標及び実績」をご参照ください。
*4 上記のストック・オプションについて、2023年度において付与された新株予約権の付与日現在の1株当たり加重平均公正価値は3,665円です。なお、当該1株当たり加重平均公正価値は、ブラック・ショールズ・オプション・プライシング・モデルにもとづいていくつかの想定値を使用して見積もられています。詳細は、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『21.株式にもとづく報酬』に記載のとおりです。また、当該1株当たり加重平均公正価値は、新株予約権を行使した際に実際に各執行役が得られる1株当たりの財産上の利益を表すものではありません。新株予約権を行使した際に実際に各執行役が得る財産上の利益は、行使時点での当社普通株式の市場価格が新株予約権の行使価額を上回るかどうかに依拠し、また、行使期間などの制約があるため、当該新株予約権の付与により各執行役が当該公正価値と同等又はそれ以上の財産上の利益を得ることは全く保証されていません。さらに、当該1株当たり加重平均公正価値は、会計上の費用計上のために用いている数字であり、当該価値が当社による当社普通株式の市場価格に対する見込みを表すものではありません。
*5 執行役を対象に2023年度に付与された譲渡制限付株式の総数を記載しています。当該譲渡制限付株式の1株当たりの発行価額は、13,160円です。
*6 当社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していません。
*7 上記報酬の他にフリンジ・ベネフィット相当額及びそれにともなう所得税額の一部補填等を、吉田憲一郎については5百万円、十時裕樹については1百万円、御供俊元については19百万円、神戸司郎については1百万円、安部和志については1百万円を当社がそれぞれ負担しました。
*8 上記の報酬について、㈱ソニーコンピュータサイエンス研究所が定額報酬7百万円及び業績連動報酬5百万円を、㈱ソニーリサーチが定額報酬5百万円及び業績連動報酬4百万円を負担しました。
③ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
取締役及び執行役を含む上級役員の個人別の報酬等の内容の決定に関する方針は、報酬委員会が決定することとされており、報酬委員会によって定められた当該方針は、以下のとおりです。
<取締役報酬について>取締役の主な職務がソニーグループ全体の経営に対する監督であることに鑑み、グローバル企業であるソニーグループの経営に対する監督機能の向上を図るため、グローバルな観点で優秀な人材を当社の取締役として確保するとともに、その監督機能を有効に機能させることを取締役報酬決定に関する基本方針としています。なお、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していません。
この基本方針を踏まえて、取締役の報酬の構成を下表のとおりとしています。各報酬項目の水準及び構成比については、第三者による国内外企業経営者の報酬に関する調査にもとづき、上記の方針に沿って適切に設定しています。
<上級役員の報酬について>上級役員がソニーグループ又は各事業の業務執行の中核を担う経営層であることに鑑み、会社業績の一層の向上を図るため、グローバルな観点で優秀な人材を当社の経営層として確保するとともに、短期及び中長期の業績向上に対するインセンティブとして有効に機能させることを上級役員の報酬決定に関する基本方針としています。
この方針を踏まえて、上級役員の報酬の基本的な構成を下表のとおりとしています。各報酬項目の水準及び構成比については、業績及び株主価値への連動を重視し、第三者による国内外企業経営者の報酬に関する調査にもとづき、担っている職責に応じて適切に設定しています。
(ご参考:長期視点を促す役員報酬構成)
2023年度の執行役の報酬構成は以下のとおりです。業績連動報酬については、標準支給額を用いています。株式報酬については、ストック・オプションの2023年度の付与日時点の1株当たりの公正価値及び譲渡制限付株式の2023年度の発行価額を用いて算出しています。そのため、実際の支給額を反映した報酬構成は、以下とは異なります。
(注)小数第1位を四捨五入して記載しています。したがって、各欄の合計が100%とならない場合があります。
(ご参考:株式報酬制度について)
当社は、当社の取締役及び執行役を含む上級役員に対する株式報酬として、ストック・オプション、譲渡制限付株式又は譲渡制限付株式ユニット(RSU)を付与しています。
かかる株式報酬は、社外取締役については、株主との価値共有を一層促進すること及び健全かつ透明性のある経営の仕組みの構築・維持に対するインセンティブとして機能させることを目的とし、執行役を含む上級役員については、株主との価値共有を一層促進すること、ならびに、中長期の業績及び株主価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能させることを目的とするものです。
株式報酬の権利確定・譲渡制限解除の要件や、付与対象者及び付与数等の具体的内容は、第三者による国内外企業の株式報酬に関する調査等にもとづき、報酬委員会において決定又は監督しています。さらに、付与数の決定に際しては当社株式価値の希薄化への影響を注視しています。
(ご参考:クローバックポリシー)
米国証券取引委員会は、2022年10月、過去に役員に対し支払ったインセンティブ報酬の強制的な回収を会社に義務付けるための規則を採択し、当該規則にもとづき、ニューヨーク証券取引所が新たな上場基準を定めました。これを受け、当社の報酬委員会は、2023年10月2日を発効日として「ソニーグループ株式会社 クローバックポリシー」(以下「本ポリシー」)を制定しました。
本ポリシーにもとづき、当社は、財務諸表に関する重大な虚偽記載による修正再表示(以下「会計リステイトメント」)が発生した場合、当該会計リステイトメントを実施すべき日から過去3年間の各事業年度において、本ポリシーに定められた一部の役員(元役員を含む)に対して支給又は付与されたインセンティブ報酬(注)のうち、当該会計リステイトメント後の財務諸表を前提として算出される当該役員が本来受けるべき報酬額を超過する部分について、当該役員が支払った税金を考慮せずに計算した金額を、上記規則及び基準に従い回収することとしています。なお、かかる回収は、当該役員が、不正行為その他の会計リステイトメントの要因となる行為に関与又は寄与したかどうかに関わらず、実行されます。
(注)当社の財務諸表を作成する際に使用される会計原則に則った数値、又は、その一部もしくは全部がかかる数値から算出される数値の達成度にもとづき、その付与や権利確定が決定される報酬
④ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定方法
上記報酬方針にもとづいた、取締役及び執行役を含む上級役員の個人別報酬支給額及び内容は、報酬委員会により、又はその監督のもとで決定されています。
具体的には、取締役については、原則、毎年、定時株主総会開催日後に開催される報酬委員会において、各個人の対象事業年度における報酬の基本支給額及び内容を決定し、当該事業年度終了後に開催される報酬委員会において、最終的な報酬支給額を決定しています。上級役員については、原則、毎年、前事業年度の最後に開催される報酬委員会において、各個人の対象事業年度における報酬の基本支給額及び内容を決定又は監督し、当該事業年度終了後に開催される報酬委員会において、最終的な報酬支給額を決定又は監督しています。なお、業績連動報酬については、各上級役員について、業績連動報酬の標準支給額ならびに業績関連指標(各指標の配分を含む)及びグループサステナビリティに関する目標が設定され、執行役については対象事業年度終了後に開催される報酬委員会において、また執行役以外の上級役員については報酬委員会による監督のもとで、それぞれ当該指標及び目標の達成度に応じて支給額を決定しています。
2023年度も同様の手続にもとづき、取締役及び執行役を含む上級役員の個人別報酬支給額は、報酬委員会により、又はその監督のもとで決定されており、報酬委員会においては、その内容は上記③の方針に沿うものであると判断しています。
⑤ 2023年度における執行役に対する業績連動報酬に係る指標の目標及び実績
2023年度における執行役の業績連動報酬の標準支給額は、定額報酬に対して60%~100%の範囲で各執行役の職責に応じ設定しました。
執行役の業績連動報酬支給額の算定式は以下のとおりです。

また、2023年度において執行役に適用された業績関連指標、評価ウェイト、目標値及び実績は以下のとおりです。
ソニーの第四次中期経営計画においてグループKPIとされた調整後EBITDAを指標として設定しました。また、株主価値・資本効率を意識するインセンティブとして機能させるべく、調整後EPSも指標として設定しました。
業績関連指標のうち、2023年度の調整後EBITDAの目標値については、2023年度の見通しとして2023年4月に公表した数値である1兆7,500億円が目標値として設定されました。また、2023年度の調整後EPSの目標値については、2023年度の当社株主に帰属する当期純利益見通しとして2023年4月に公表した数値である8,400億円を、2023年度期首希薄化後発行済株式総数で除した669.5円が目標値として設定されました。
なお、2023年度の業績関連指標の実績は、調整後EBITDAが1兆8,180億円(当社株主に帰属する当期純利益は9,706億円)、調整後EPSが763.52円(注3)であり、それぞれ目標値を上回る結果となりました。当社株主に帰属する当期純利益と調整後EBITDAの調整については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 『(3) 経営成績の分析』」をご参照ください。
2023年度の執行役の業績連動報酬は、上記の「③ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針」及び執行役の業績連動報酬支給額の算定式に記載のとおり、担当領域に応じて設定された業績関連指標の達成度、及びグループサステナビリティ評価の達成度を支給額決定の基礎とし、それぞれの達成度を踏まえ、標準支給額に対し、原則0%から200%の範囲で決定されました。その結果、2023年度における、各執行役に対する業績連動報酬の支給額は、標準支給額に対して、130.7%~284.4%の範囲でした。
(注1)調整後EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)=当社株主に帰属する当期純利益+非支配持分に帰属する当期純利益+法人所得税+金融収益・金融費用に計上される支払利息(純額)-金融収益・金融費用に計上される資本性金融商品の再評価益(純額)+減価償却費・償却費(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費、テレビ放映権ならびに自社制作のゲームコンテンツ及び原盤制作費の償却費を除く)-当社が非経常的と判断する損益
(注2)EPS(Earnings Per Share)は、1株当たり当社株主に帰属する当期純利益を意味します。
調整後EPSは、当社株主に帰属する当期純利益に対し、当社が非経常的と判断する損益を調整した調整後当社株主に帰属する当期純利益を用いて計算されます。
(注3)2023年度の調整後EPSの実績値は、2023年度の調整後の当社株主に帰属する当期純利益の実績値を、当該年度の希薄化後加重平均株式数で除して算出しています。2023年度のIFRSにもとづく希薄化後EPSの計算に用いた当社株主に帰属する当期純利益と調整後EPSの調整については、以下の表をご参照ください。
* 希薄化後EPSの計算に用いた当社株主に帰属する当期純利益及び希薄化後加重平均株式数については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『26.基本的及び希薄化後EPSの調整表』をご参照ください。
** 当社が非経常的と判断する損益に係る税引前利益までの項目合計258億円から、これらの項目に係る税効果60億円を減算し、子会社の解散にともなう税金費用の減少76億円を加算した金額です。当社が非経常的と判断する損益の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)経営成績の分析」をご参照ください。
取締役及び執行役の報酬等の額
① 役員区分ごとの報酬等の総額及び対象となる役員の員数
定 額 報 酬 | 業 績 連 動 報 酬 | ストック・オプション (*6) | 譲渡制限付株式(*9) | 株 式 退 職 金(*10) | ||||||
人 数 | 総 額 | 人 数 | 総 額 | 人 数 | 総 額 | 人 数 | 総 額 | 人 数 | 総 額 | |
名 | 百万円 | 名 | 百万円 | 名 | 百万円 | 名 | 百万円 | 名 | 百万円 | |
取 締 役 (*2) | 10 (*3) | 205 | - | - (*4) | - | - (*7) | 10 (*3) | 96 | - | - (*11) |
(うち、社外取締役) | (9) | (198) | (-) | (-) | (-) | (-) | (9) | (64) | (-) | (-) |
執 行 役 | 6 | 613 | 6 | 916 (*5) | 8 (*8) | 743 | 8 (*8) | 1,602 | - | - |
合 計 | 16 | 817 | 6 | 916 | 8 | 743 | 18 | 1,698 | - | - |
(注) 1 総額については、百万円未満を四捨五入して記載しています。したがって、各欄の合計が合計額の欄と一致しない場合があります。
*2 当社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していませんので、上記の取締役には執行役を兼務する取締役2名は含まれていません。
*3 前年の定時株主総会開催日に退任した取締役2名を含んでいます。
*4 当社は、執行役を兼務しない取締役に対して業績連動報酬を支給していません。
*5 上記の当年度業績連動報酬額は、2023年11月と2024年6月に支給した金額の合計額です。
*6 ストック・オプションは、ストック・オプション付与を目的とした新株予約権の費用として当年度において計上した額を記載しています。
*7 当社は、執行役を兼務しない取締役に対してストック・オプションを付与していません。
*8 2022年度末までに退任済みの執行役2名を含んでいます。
*9 譲渡制限付株式は、譲渡制限付株式の費用として当年度において計上した額を記載しています。
*10 株式退職金については、当年度において、前年の定時株主総会開催日に退任した取締役分、及び執行役分として、476百万円の会計上の費用を計上しました。
*11 当社は、執行役を兼務しない取締役に対して株式退職金を支給していません。
② 取締役及び執行役に対する個人別の報酬等の額
氏名 | 役職 (*1) | 定額報酬 (*2) | 業績連動報酬 (*2) (*3) | 株式退職金 (*2) | 合計 (*2) | ストック・オプション付与数(*4) | 譲渡制限付株式付与数 (*5) |
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 万株 | 万株 | ||
吉田 憲一郎 | 取締役(*6) 代表執行役 会長 CEO(*7) | 240 | 353 | - | 593 | 17.0 | 8.5 |
十時 裕樹 | 取締役(*6) 代表執行役 社長 COO 兼 CFO(*7) | 140 | 398 | - | 538 | 9.0 | 4.5 |
御供 俊元 | 執行役 副社長 CSO (*7) | 62 | 49 | - | 111 | 2.0 | 1.0 |
北野 宏明 | 執行役 副社長 CTO | 52 (*8) | 44 (*8) | - | 96 (*8) | 2.0 | 1.0 |
神戸 司郎 | 執行役 専務(*7) | 52 | 42 | - | 94 | 1.5 | 0.8 |
安部 和志 | 執行役 専務(*7) | 52 | 41 | - | 93 | 1.5 | 0.8 |
(注)*1 本表は、当社及び子会社から取締役及び執行役として受け取る報酬等のうち、当事業年度に係るもの、及び当事業年度において報酬として受け、又は受ける見込み額が明らかになったものの総額が1億円以上である者を記載しています。なお、対象者の役職は本書提出日現在のものです。
*2 百万円未満を四捨五入して記載しています。したがって、各欄の合計が合計額の欄と一致しない場合があります。
*3 業績連動報酬額の決定にあたって使用された指標及び実績については、以下の「⑤ 2023年度における執行役に対する業績連動報酬に係る指標の目標及び実績」をご参照ください。
*4 上記のストック・オプションについて、2023年度において付与された新株予約権の付与日現在の1株当たり加重平均公正価値は3,665円です。なお、当該1株当たり加重平均公正価値は、ブラック・ショールズ・オプション・プライシング・モデルにもとづいていくつかの想定値を使用して見積もられています。詳細は、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『21.株式にもとづく報酬』に記載のとおりです。また、当該1株当たり加重平均公正価値は、新株予約権を行使した際に実際に各執行役が得られる1株当たりの財産上の利益を表すものではありません。新株予約権を行使した際に実際に各執行役が得る財産上の利益は、行使時点での当社普通株式の市場価格が新株予約権の行使価額を上回るかどうかに依拠し、また、行使期間などの制約があるため、当該新株予約権の付与により各執行役が当該公正価値と同等又はそれ以上の財産上の利益を得ることは全く保証されていません。さらに、当該1株当たり加重平均公正価値は、会計上の費用計上のために用いている数字であり、当該価値が当社による当社普通株式の市場価格に対する見込みを表すものではありません。
*5 執行役を対象に2023年度に付与された譲渡制限付株式の総数を記載しています。当該譲渡制限付株式の1株当たりの発行価額は、13,160円です。
*6 当社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していません。
*7 上記報酬の他にフリンジ・ベネフィット相当額及びそれにともなう所得税額の一部補填等を、吉田憲一郎については5百万円、十時裕樹については1百万円、御供俊元については19百万円、神戸司郎については1百万円、安部和志については1百万円を当社がそれぞれ負担しました。
*8 上記の報酬について、㈱ソニーコンピュータサイエンス研究所が定額報酬7百万円及び業績連動報酬5百万円を、㈱ソニーリサーチが定額報酬5百万円及び業績連動報酬4百万円を負担しました。
③ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
取締役及び執行役を含む上級役員の個人別の報酬等の内容の決定に関する方針は、報酬委員会が決定することとされており、報酬委員会によって定められた当該方針は、以下のとおりです。
<取締役報酬について>取締役の主な職務がソニーグループ全体の経営に対する監督であることに鑑み、グローバル企業であるソニーグループの経営に対する監督機能の向上を図るため、グローバルな観点で優秀な人材を当社の取締役として確保するとともに、その監督機能を有効に機能させることを取締役報酬決定に関する基本方針としています。なお、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していません。
この基本方針を踏まえて、取締役の報酬の構成を下表のとおりとしています。各報酬項目の水準及び構成比については、第三者による国内外企業経営者の報酬に関する調査にもとづき、上記の方針に沿って適切に設定しています。
報酬の種類 | 概要 |
定額報酬 | ・第三者による国内外企業経営者の報酬に関する調査等を参考に、職責及び人材確保の処遇競争力の観点から適切な報酬となるよう設定 |
株式報酬 (譲渡制限付株式又は譲渡制限付株式ユニット) | ・株主との価値共有を一層促進すること及び健全かつ透明性のある経営の仕組みの構築・維持に対するインセンティブとして、譲渡制限付株式又は譲渡制限付株式ユニット(RSU)を付与 ・譲渡制限付株式は、譲渡制限期間を取締役在任期間中とし、原則として、退任時に譲渡制限を解除 ・譲渡制限付株式ユニット(RSU)は、原則として退任時に権利確定し、その後当社の普通株式を交付 |
<上級役員の報酬について>上級役員がソニーグループ又は各事業の業務執行の中核を担う経営層であることに鑑み、会社業績の一層の向上を図るため、グローバルな観点で優秀な人材を当社の経営層として確保するとともに、短期及び中長期の業績向上に対するインセンティブとして有効に機能させることを上級役員の報酬決定に関する基本方針としています。
この方針を踏まえて、上級役員の報酬の基本的な構成を下表のとおりとしています。各報酬項目の水準及び構成比については、業績及び株主価値への連動を重視し、第三者による国内外企業経営者の報酬に関する調査にもとづき、担っている職責に応じて適切に設定しています。
報酬の種類 | 概要 |
定額報酬 | ・第三者による国内外企業経営者の報酬に関する調査等を参考に、職責及び人材確保の処遇競争力の観点から適切な報酬となるよう設定 |
業績連動報酬 | ・中長期及び当該事業年度の経営数値目標の達成をめざすインセンティブとして有効に機能するよう適切な仕組みや指標を設定 ・具体的には、以下の(1)及び(2)それぞれの指標の達成度を支給額決定の基礎とし、その達成度を踏まえて、標準支給額に対し、原則0%から200%の範囲で支給額を変動させる (1)当該事業年度における、連結調整後EBITDA、調整後EPS(1株当たり当社株主に帰属する当期純利益)等の連結又は各事業の業績に関する指標(以下「業績関連指標」)のうち、担当領域に応じて設定された指標の達成度 (2)グループサステナビリティ評価の達成度 ・上記(2)のグループサステナビリティ評価については、担当事業・組織の枠にとどまらない、ソニーグループ全体の中長期的な企業価値向上、持続的成長に向けた経営層としての取り組みに対する評価であり、例えば、経営のサクセッションや人的資本への投資、社会価値創出及びESG(環境・社会・ガバナンス)の観点での取り組み、事業間連携での価値創造を加速するための取り組み、社員意識調査によるエンゲージメント指標等を含む ・業績連動報酬の標準支給額は、それぞれの職責に応じて、金銭報酬額(定額報酬と業績連動報酬の支給額の合計額)全体の内、適切な割合となるよう設定 ・役員報酬返還に係るクローバックポリシーを導入済み(「ご参考:クローバックポリシー」参照) |
株式報酬 (ストック・オプション及び譲渡制限付株式又は譲渡制限付株式ユニット) | ・中長期的な株主価値向上をめざすインセンティブとして、ストック・オプション、及び、譲渡制限付株式又は譲渡制限付株式ユニット(RSU)を付与 ・ストック・オプションは、原則として、割当日から1年経過後より、毎年3分の1ずつ行使可能数の制限を解除(割当日から3年後に全付与数が行使可能) ・譲渡制限付株式は、原則として、対象者に株式を付与した事業年度に係る株主総会日から3年後に、譲渡制限を解除 ・譲渡制限付株式ユニット(RSU)は、原則としてユニットの付与日から3年経過時に権利確定し、その後当社の普通株式を交付 ・基本的な方針として、グループ全体への経営責任・影響度がより大きい上級役員ほど、個人別報酬に占める株式報酬の比率が高くなるよう設定(「ご参考:長期視点を促す役員報酬構成」参照) ・株式報酬は、それぞれの職責に応じ、金銭報酬額(定額報酬と業績連動報酬の支給額の合計額)と株式報酬額の合計額に対して適切な割合となるよう設定 |
株式退職金 | ・在任年度ごとに報酬委員会にて定められるポイントを対象となる上級役員に付与し、退任時にその累積数に当社普通株式の株価(終値)を乗じて算出される金額を支給 |
(ご参考:長期視点を促す役員報酬構成)
2023年度の執行役の報酬構成は以下のとおりです。業績連動報酬については、標準支給額を用いています。株式報酬については、ストック・オプションの2023年度の付与日時点の1株当たりの公正価値及び譲渡制限付株式の2023年度の発行価額を用いて算出しています。そのため、実際の支給額を反映した報酬構成は、以下とは異なります。

(ご参考:株式報酬制度について)
当社は、当社の取締役及び執行役を含む上級役員に対する株式報酬として、ストック・オプション、譲渡制限付株式又は譲渡制限付株式ユニット(RSU)を付与しています。
かかる株式報酬は、社外取締役については、株主との価値共有を一層促進すること及び健全かつ透明性のある経営の仕組みの構築・維持に対するインセンティブとして機能させることを目的とし、執行役を含む上級役員については、株主との価値共有を一層促進すること、ならびに、中長期の業績及び株主価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能させることを目的とするものです。
株式報酬の権利確定・譲渡制限解除の要件や、付与対象者及び付与数等の具体的内容は、第三者による国内外企業の株式報酬に関する調査等にもとづき、報酬委員会において決定又は監督しています。さらに、付与数の決定に際しては当社株式価値の希薄化への影響を注視しています。
(ご参考:クローバックポリシー)
米国証券取引委員会は、2022年10月、過去に役員に対し支払ったインセンティブ報酬の強制的な回収を会社に義務付けるための規則を採択し、当該規則にもとづき、ニューヨーク証券取引所が新たな上場基準を定めました。これを受け、当社の報酬委員会は、2023年10月2日を発効日として「ソニーグループ株式会社 クローバックポリシー」(以下「本ポリシー」)を制定しました。
本ポリシーにもとづき、当社は、財務諸表に関する重大な虚偽記載による修正再表示(以下「会計リステイトメント」)が発生した場合、当該会計リステイトメントを実施すべき日から過去3年間の各事業年度において、本ポリシーに定められた一部の役員(元役員を含む)に対して支給又は付与されたインセンティブ報酬(注)のうち、当該会計リステイトメント後の財務諸表を前提として算出される当該役員が本来受けるべき報酬額を超過する部分について、当該役員が支払った税金を考慮せずに計算した金額を、上記規則及び基準に従い回収することとしています。なお、かかる回収は、当該役員が、不正行為その他の会計リステイトメントの要因となる行為に関与又は寄与したかどうかに関わらず、実行されます。
(注)当社の財務諸表を作成する際に使用される会計原則に則った数値、又は、その一部もしくは全部がかかる数値から算出される数値の達成度にもとづき、その付与や権利確定が決定される報酬
④ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定方法
上記報酬方針にもとづいた、取締役及び執行役を含む上級役員の個人別報酬支給額及び内容は、報酬委員会により、又はその監督のもとで決定されています。
具体的には、取締役については、原則、毎年、定時株主総会開催日後に開催される報酬委員会において、各個人の対象事業年度における報酬の基本支給額及び内容を決定し、当該事業年度終了後に開催される報酬委員会において、最終的な報酬支給額を決定しています。上級役員については、原則、毎年、前事業年度の最後に開催される報酬委員会において、各個人の対象事業年度における報酬の基本支給額及び内容を決定又は監督し、当該事業年度終了後に開催される報酬委員会において、最終的な報酬支給額を決定又は監督しています。なお、業績連動報酬については、各上級役員について、業績連動報酬の標準支給額ならびに業績関連指標(各指標の配分を含む)及びグループサステナビリティに関する目標が設定され、執行役については対象事業年度終了後に開催される報酬委員会において、また執行役以外の上級役員については報酬委員会による監督のもとで、それぞれ当該指標及び目標の達成度に応じて支給額を決定しています。
2023年度も同様の手続にもとづき、取締役及び執行役を含む上級役員の個人別報酬支給額は、報酬委員会により、又はその監督のもとで決定されており、報酬委員会においては、その内容は上記③の方針に沿うものであると判断しています。
⑤ 2023年度における執行役に対する業績連動報酬に係る指標の目標及び実績
2023年度における執行役の業績連動報酬の標準支給額は、定額報酬に対して60%~100%の範囲で各執行役の職責に応じ設定しました。
執行役の業績連動報酬支給額の算定式は以下のとおりです。

また、2023年度において執行役に適用された業績関連指標、評価ウェイト、目標値及び実績は以下のとおりです。
評価指標 | 評価ウェイト | 2023年度 目標値(連結) | 2023年度 実績(連結) |
連結調整後EBITDA(注1) | 50% | 1兆7,500億円 | 1兆8,180億円 |
調整後EPS(注2) | 50% | 669.5円 | 763.52円(注3) |
ソニーの第四次中期経営計画においてグループKPIとされた調整後EBITDAを指標として設定しました。また、株主価値・資本効率を意識するインセンティブとして機能させるべく、調整後EPSも指標として設定しました。
業績関連指標のうち、2023年度の調整後EBITDAの目標値については、2023年度の見通しとして2023年4月に公表した数値である1兆7,500億円が目標値として設定されました。また、2023年度の調整後EPSの目標値については、2023年度の当社株主に帰属する当期純利益見通しとして2023年4月に公表した数値である8,400億円を、2023年度期首希薄化後発行済株式総数で除した669.5円が目標値として設定されました。
なお、2023年度の業績関連指標の実績は、調整後EBITDAが1兆8,180億円(当社株主に帰属する当期純利益は9,706億円)、調整後EPSが763.52円(注3)であり、それぞれ目標値を上回る結果となりました。当社株主に帰属する当期純利益と調整後EBITDAの調整については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 『(3) 経営成績の分析』」をご参照ください。
2023年度の執行役の業績連動報酬は、上記の「③ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針」及び執行役の業績連動報酬支給額の算定式に記載のとおり、担当領域に応じて設定された業績関連指標の達成度、及びグループサステナビリティ評価の達成度を支給額決定の基礎とし、それぞれの達成度を踏まえ、標準支給額に対し、原則0%から200%の範囲で決定されました。その結果、2023年度における、各執行役に対する業績連動報酬の支給額は、標準支給額に対して、130.7%~284.4%の範囲でした。
(注1)調整後EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)=当社株主に帰属する当期純利益+非支配持分に帰属する当期純利益+法人所得税+金融収益・金融費用に計上される支払利息(純額)-金融収益・金融費用に計上される資本性金融商品の再評価益(純額)+減価償却費・償却費(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費、テレビ放映権ならびに自社制作のゲームコンテンツ及び原盤制作費の償却費を除く)-当社が非経常的と判断する損益
(注2)EPS(Earnings Per Share)は、1株当たり当社株主に帰属する当期純利益を意味します。
調整後EPSは、当社株主に帰属する当期純利益に対し、当社が非経常的と判断する損益を調整した調整後当社株主に帰属する当期純利益を用いて計算されます。
(注3)2023年度の調整後EPSの実績値は、2023年度の調整後の当社株主に帰属する当期純利益の実績値を、当該年度の希薄化後加重平均株式数で除して算出しています。2023年度のIFRSにもとづく希薄化後EPSの計算に用いた当社株主に帰属する当期純利益と調整後EPSの調整については、以下の表をご参照ください。
2023年度 | ||
希薄化後EPSの計算に用いた当社株主に帰属する当期純利益* | 億円 | 9,706 |
当社が非経常的と判断する損益(法人所得税及び非支配持分に係る調整を含む)** | 億円 | △274 |
調整後希薄化後EPSの計算に用いた当社株主に帰属する当期純利益 | 億円 | 9,432 |
希薄化後加重平均株式数* | 千株 | 1,235,331 |
調整後EPS | 円 | 763.52 |
* 希薄化後EPSの計算に用いた当社株主に帰属する当期純利益及び希薄化後加重平均株式数については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『26.基本的及び希薄化後EPSの調整表』をご参照ください。
** 当社が非経常的と判断する損益に係る税引前利益までの項目合計258億円から、これらの項目に係る税効果60億円を減算し、子会社の解散にともなう税金費用の減少76億円を加算した金額です。当社が非経常的と判断する損益の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)経営成績の分析」をご参照ください。