有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 13:29
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や設備投資に持ち直しの動きがみられた一方で、物価上昇、為替動向、原材料価格の高止まり等により、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く市場環境においては、生成AIの急速な普及やクラウドサービスの高度化、企業におけるDX投資の進展等を背景として、情報処理量及び通信トラフィックの増加が継続しております。これに伴い、データセンター投資の拡大やネットワークの大容量化・高速化への対応に加え、電力・防災分野におけるデジタル技術活用に係る需要が継続いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、2025年度を最終年度とする中期経営計画に基づき、収益力の強化、原価改善、調達体制の強化及び人材育成等の施策に取り組んでまいりました。当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ46億46百万円増加し、282億96百万円となりました。これは主に、光多重伝送装置及びスマートメーター関連機器の需要拡大に伴う売掛金及び棚卸資産の増加によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ25億46百万円増加し、173億8百万円となりました。これは主に、事業規模の拡大に伴う仕入債務の増加によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億99百万円増加し、109億88百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益13億72百万円の計上によるものであります。
ロ.経営成績
当社の当連結会計年度の売上高につきましては、情報通信機器製造販売が増加した結果、327億9百万円(前年同期比12.6%増)となりました。
損益につきましては、情報通信機器製造販売において、売上高増加に伴う利益の増加があったことにより、営業利益は17億71百万円(前年同期比19.4%増)、経常利益は16億27百万円(前年同期比13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億72百万円(前年同期比30.7%増)となりました。
以下、セグメントの概況をご報告いたします。
[情報通信機器製造販売]
光多重伝送装置事業及びIoT関連装置事業がともに伸長し、売上高は207億30百万円(前年同期比23.3%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加により、13億67百万円の利益(前年同期比59.9%増)となりました。
a. 光多重伝送装置事業
当事業の売上は、通信キャリア向け光伝送装置の需要増加等により、前年同期比で増加いたしました。
b. IoT関連装置事業
当事業の売上は、電力会社向け第2世代スマートメーター向け通信機器の導入が進んだことに加え、水道分野向け案件の増加等により、前年同期比で増加いたしました。
c. 監視制御装置事業
当事業の売上は、電力・社会インフラ分野における設備更新需要等を背景に、前年度並みで推移いたしました。
[ネットワーク工事保守]
通信機器工事・保守事業は底堅く推移したものの、一部案件の変動により、売上高は119億78百万円(前年同期比2.1%減)となりました。セグメント損益は、売上減少及びコスト増加の影響により3億92百万円の利益(前年同期比34.6%減)となりました。
a. 通信機器工事・保守事業
当事業の売上は、主に電力会社向け工事の増加により、前年同期比で増加いたしました。
b. 通信線路工事・保守事業
当事業の売上は、顧客の投資時期見直し等による一部案件の減少により、前年同期比で減少いたしました。
c. 基地局・その他工事
当事業の売上は、代替案件の獲得及び関連分野の受注増加等により、前年同期比で増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億93百万円増加(前年同期比12.7%増)し、当連結会計年度末には43億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は16億76百万円(前年同期は27億78百万円)となりました。これは主に、売上債権及び棚卸資産の増加による減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び仕入債務の増加による増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は10億28百万円(前年同期は4億93百万円)となりました。これは主に、生産体制の強化及び将来の需要拡大に対応するための固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は1億54百万円(前年同期は12億83百万円)となりました。これは主に、短期借入金及び長期借入金の借入並びに返済によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
情報通信機器製造販売(千円)20,881,631122.8
ネットワーク工事保守(千円)--
合計20,881,631122.8

(注)1.上記生産実績は、製造会社における生産実績を販売価格により表示しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
情報通信機器製造販売24,554,668119.119,185,075124.9
ネットワーク工事保守13,624,14680.47,406,163128.6
合計38,178,814101.626,591,238125.9

ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
情報通信機器製造販売(千円)20,730,884123.3
ネットワーク工事保守(千円)11,978,69997.9
合計32,709,583112.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
東京電力パワーグリッド株式会社7,741,82026.76,164,43318.8
三菱電機株式会社1,960,2176.75,095,55015.6
KDDI株式会社4,905,94616.94,567,98314.0

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
当連結会計年度は、中期経営計画の最終年度として、売上高・営業利益ともに計画を上回る結果となりました。売上高は計画321億円に対し327億9百万円、営業利益は計画11億80百万円に対し17億71百万円の利益となりました。
当社グループでは、中期経営計画に基づき、事業の選択と集中による収益力の向上、業務プロセスの効率化による原価改善、調達レジリエンスの強化及び人材育成等の施策に取り組んでまいりました。当連結会計年度の業績は、市場環境の追い風に加え、これらの施策の成果が表れたものと認識しております。
売上高の増加は、主として情報通信機器製造販売において、光多重伝送装置事業及びIoT関連装置事業が伸長したことによるものであります。
光多重伝送装置事業においては、通信トラフィックの増加やネットワーク高度化を背景とした通信キャリア向け需要を取り込むことができました。また、顧客ニーズに対応した製品展開が受注拡大に寄与したものと認識しております。
IoT関連装置事業においては、電力会社向け第2世代スマートメーター向け通信機器の導入が本格化したことに加え、水道分野向け展開も進展いたしました。当社グループとしては、社会インフラ分野におけるデジタル化の進展を重要な事業機会と捉えております。
利益面では、増収効果に加え、製品構成の変化及び継続的な原価改善活動の成果により、収益性は改善いたしました。当社グループとしては、中期経営計画において取り組んできた収益力向上施策が一定の成果を上げたものと認識しております。
一方、ネットワーク工事保守については、売上高は概ね前年並みを維持したものの、一部案件の変動及びコスト増加の影響により減益となりました。今後は案件ごとの採算管理の強化に加え、防災・減災・国土強靭化関連工事や新規顧客の開拓等を通じて収益基盤の多様化を進める必要があると認識しております。
受注面では、情報通信機器製造販売の受注残高は191億85百万円(前年同期比24.9%増)、ネットワーク工事保守の受注残高は74億6百万円(前年同期比28.6%増)となり、合計では265億91百万円(前年同期比25.9%増)となりました。
当社グループとしては、受注残高の積み上がりにより翌期以降の売上基盤は強化されているものと認識しております。一方で、部材調達、生産管理及び工程管理の重要性も高まっており、品質・納期・収益性を確保しながら確実に売上へ結び付けていくことが重要であると考えております。
ロ.財政状態の分析
当連結会計年度末の自己資本比率は31.8%となり、前連結会計年度末の29.8%から上昇いたしました。当社グループとしては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により自己資本が着実に積み上がり、財務基盤は改善しているものと認識しております。また、収益力の向上により、生産能力の増強や研究開発等の成長投資を実行するための財務的な余力も高まっております。
一方、売上高の増加に伴い売上債権及び棚卸資産が増加しており、運転資本負担も拡大しております。特に、情報通信機器製造販売においては、スマートメーター関連機器及び光多重伝送装置の需要拡大に対応するため、部材確保及び生産対応が必要となることから、事業成長と資金効率の両立が重要であると認識しております。
負債については、主として仕入債務の増加によるものであり、事業規模の拡大を反映したものであります。借入金については引き続き適正な水準で管理しており、現時点において財務健全性に大きな問題はないものと認識しております。
また、当社グループの事業は顧客の設備投資計画や検収時期の影響を受けやすく、運転資金需要が変動する傾向があります。このため、十分な手元流動性を確保するとともに、安定的な資金調達体制を維持することが重要であると考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析等
a. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の38億74百万円から4億93百万円増加し、43億67百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは16億76百万円の資金の増加となりました。利益水準は改善したものの、売上拡大に伴う売上債権及び棚卸資産の増加により、営業キャッシュ・フローは前連結会計年度を下回りました。当社グループとしては、スマートメーター関連機器及び光多重伝送装置の需要拡大に伴う運転資本負担の増加によるものであり、事業成長の結果として生じたものであると認識しております。今後は売上債権の回収管理及び棚卸資産回転率の向上に取り組み、キャッシュ創出力の維持・向上を図ってまいります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、固定資産の購入等により差引き10億28百万円の資金の減少となりました。これは主として、生産能力の増強及び将来の需要拡大への対応を目的とした設備投資によるものであります。当社グループとしては、自動化ラインを含む生産体制整備や品質向上に向けた投資は、中長期的な競争力強化及び企業価値向上に資するものと判断しております。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、短期借入金及び長期借入金の借入及び返済等により差引き1億54百万円の資金の減少となりました。営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で設備投資資金の大部分を賄うことができており、財務健全性を維持しながら成長投資を実施できたものと認識しております。
また、キャッシュ・フロー関連指標については、営業キャッシュ・フローの減少に伴い、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは前連結会計年度に比べ低下いたしましたが、現時点において資金繰りに重大な懸念はないものと認識しております。
b. キャッシュ・フロー指標のトレンド
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
2025年3月期2026年3月期
自己資本比率 (%)29.831.8
時価ベースの自己資本比率 (%)15.823.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年)2.03.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍)25.217.6

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
5.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
6.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
7.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
ロ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、製品製造に係る材料費、労務費、製造経費及び外注費、工事原価、販売費及び一般管理費並びに設備投資資金であります。
特に、情報通信機器製造販売においては、スマートメーター関連需要及び通信インフラ関連需要への対応に伴う部材調達資金や生産体制整備に係る資金需要が増加しております。
当社グループは、これらの資金需要について、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により調達しております。
当連結会計年度末における短期借入金の残高は45億30百万円、長期借入金の残高は6億68百万円であります。
当社グループとしては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物43億67百万円に加え、営業活動による安定的なキャッシュ創出力及び主要取引金融機関との良好な取引関係を有しており、現時点において事業継続及び成長投資に必要な流動性は確保できているものと認識しております。
今後も事業成長に伴う運転資本需要の増加を見据えながら、内部資金の充実を図るとともに、機動的な資金調達余力を確保し、財務基盤の強化に努めてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に関して、必要な見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断には不確実性が伴うことから、実際の結果は見積り及び判断と異なる場合があります。
イ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を判断するに当たっては、将来の課税所得等の慎重な見積りを行い検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の取崩額を費用として計上します。同様に、計上金額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への計上により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
ロ.退職給付に係る負債
当社グループは、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び退職一時金制度を採用しており、退職給付費用及び退職給付債務は数理計算に使用される前提条件に基づいて算出しております。その前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。
実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として把握され、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
ハ.工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、手持ち受注工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見積り額を工事損失引当金として計上しておりますが、当初予想しえなかった見積りを超える追加原価等により損失が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
ニ.固定資産の減損
当社グループは、減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、減損損失が発生する可能性があります。
ホ.棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産は主として原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)により評価しており、正味売却価額が帳簿価額よりも低下している時には、帳簿価額を正味売却価額まで切下げております。また、入庫から一定期間を経過した棚卸資産については、期間の経過に応じて規則的に簿価を切下げております。さらに、想定した営業循環から外れて過剰に保有する棚卸資産についても、処分見込価額まで規則的に簿価を切下げております。
棚卸資産の滞留の実績や需要予測の変化に応じて、滞留在庫や営業循環過程から外れた過剰在庫の識別を総合的に勘案して判断しておりますが、当該見積り及び当該仮定において見直しが必要となった場合は、棚卸資産の評価に重要な影響を与える可能性があります。
④ 経営上の目標の達成・進捗状況
2023年6月30日提出の有価証券報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の中期経営計画(2023年度~2025年度)の最終年度である2025年度の実績は以下のとおりです。
売上高については、主として情報通信機器製造販売において、電力スマートメーター向け通信機器を中心としたIoT関連装置事業の売上が増加した結果、期初の売上目標を1.89%上回る結果となりました。
営業利益については、情報通信機器製造販売において、売上高増加に伴う利益の増加があったことにより、年度目標を50.0%上回る結果となりました。
単位:百万円
2025年度計画2025年度実績
連結売上高32,10032,709
連結営業利益1,1801,771

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