有価証券報告書-第97期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
azbilグループを取り巻く事業環境は、国内の活発な都市再開発投資を背景に、大型建物向けの機器、システムの需要が引き続き堅調に推移しております。生産設備に対する設備投資についても、国内外で半導体等の製造装置市場が減速するなどの変化が見られましたが、人手不足等を背景とした合理化・省力化等への需要が継続しております。
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,642億5千2百万円(前連結会計年度は2,662億6千2百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。
売上高につきましては、2,620億5千4百万円(前連結会計年度は2,603億8千4百万円)と、前連結会計年度比0.6%の増加となりました。
損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比11.1%増加の266億9千万円(前連結会計年度は240億2千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比13.8%増加の276億6千4百万円(前連結会計年度は243億1千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.9%増加の189億5千1百万円(前連結会計年度は178億9千万円)となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。
資産の状況
当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて17億1千3百万円増加し、資産合計で2,755億1千8百万円となりました。
これは主に、保有株式の売却や時価の下落等により投資有価証券が51億6千5百万円減少した一方で繰延税金資産が20億3千2百万円増加したことに加え、売上債権が23億2千8百万円増加し、国内の工場統合・拡充に向けた投資等により建物及び構築物が18億4千3百万円増加したことによるものであります。
負債の状況
当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて34億2千1百万円減少し、負債合計で924億2千1百万円となりました。
これは主に、未払法人税等が13億5千3百万円増加したものの、確定給付企業年金制度の会計上の終了処理及び一部の国内連結子会社の退職一時金制度における退職給付信託の設定等により退職給付に係る負債が35億8千7百万円減少したことに加え、仕入債務が13億9千6百万円減少したことによるものであります。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて51億3千4百万円増加し、純資産合計で1,830億9千7百万円となりました。
これは主に、その他有価証券評価差額金が31億7千9百万円減少したことに加え、株主資本が、取締役会決議に基づく自己株式の取得により49億9千9百万円、配当金の支払により63億5千4百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により189億5千1百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.3%から65.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は161億1千2百万円となり、前連結会計年度に比べて33億6千8百万円の減少となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したものの、法人税等の支払額が増加したことに加え、一部の国内連結子会社の退職一時金制度において退職給付信託の設定による支出があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は40億7千5百万円となり、投資有価証券の売却による収入は増加したものの、前連結会計年度に比べて40億2千6百万円の支出の増加となりました。
これは主に、前連結会計年度において国内の工場統合・拡充に向けた有形固定資産の取得による支出の増加等に対応して定期預金の払戻しなどを行っていたことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は120億2千4百万円となり、前連結会計年度に比べて11億7千3百万円の支出の増加となりました。
これは主に、取締役会決議に基づく自己株式の取得による支出が増加したことによるものであります。
以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より5億5百万円減少し、681億3千4百万円となりました。
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,642億5千2百万円(前連結会計年度は2,662億6千2百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。堅調な市況を背景にビルディングオートメーション(BA)事業の受注は着実に増加しましたが、アドバンスオートメーション(AA)事業及びライフオートメーション(LA)事業の受注は、前連結会計年度に大型案件を計上していたことの反動を主因に、一部市況の悪化による影響もあり、減少いたしました。
一方で、売上高につきましては、AA事業、LA事業が増加し、2,620億5千4百万円(前連結会計年度は2,603億8千4百万円)と、前連結会計年度比0.6%の増加となりました。
損益面につきましては、営業利益は、増収及び事業収益力強化の施策の効果により、前連結会計年度比11.1%増加の266億9千万円(前連結会計年度は240億2千6百万円)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益は、前連結会計年度比13.8%増加の276億6千4百万円(前連結会計年度は243億1千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失の計上※1に加え、税金費用が前連結会計年度において子会社の繰延税金資産の回収可能性を見直したことなどによる一時的な減少の反動から増加しましたが、営業利益の増加及び投資有価証券売却益の増加により、前連結会計年度比5.9%増加の189億5千1百万円(前連結会計年度は178億9千万円)となりました。
※1 「確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失の計上」
当社及び一部の国内連結子会社の受給権者を対象とする確定給付企業年金制度(いわゆる閉鎖型年金)について、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号)及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号)に基づく退職給付制度の終了の会計処理を行い、その損失を退職給付制度終了損として特別損失に計上しております。なお、確定給付企業年金制度自体は終了せず、受給権者への給付は現行どおり行われます。
azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」の理念のもと、3つの基本方針※2を軸として、中期経営計画(2017~2019年度)を策定し、持続的な成長の実現に向けた取組みを進めております。事業環境の変化にも迅速かつ着実に対応し、将来に向けた成長を実現していくために、各事業において事業構造の変革、利益体質の改善を推し進めております。また、中長期で需要の継続・拡大が期待できる「ライフサイクル型事業の強化」、「新オートメーション領域の開拓」、「環境・エネルギー分野の拡大」を推進し、併せてこれら領域の開拓、持続的成長を実現するための基盤強化として、研究開発及び生産体制の整備・拡充等に取り組んでおります。
※2 「3つの基本方針」
・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
・地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については次のとおりであります。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は引き続き堅調に推移しております。国内市場では、首都圏における都市再開発案件に加え、省エネルギーや運用コスト低減に関するソリューションの需要が高く、海外市場においても、経済成長が続くアジア地域において、大型建物に対する国内外資本による投資が継続しております。
こうした事業環境を背景に、採算性に配慮しつつも積極的な受注の獲得に取り組み、併せて、働き方改革への対応も踏まえ、施工現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を進めてまいりました。また、IoT等の技術活用を志向する国内外の顧客ニーズに対応するための製品・サービスの開発・強化を進めてまいりました。この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は着実に増加し、前連結会計年度比5.1%増加の1,237億6千6百万円(前連結会計年度は1,178億1千1百万円)となりました。売上高につきましては、ほぼ前年度並みとなる1,195億円(前連結会計年度は1,202億3千3百万円)となりました。セグメント利益は、上期に発生した一時的な引当費用の計上等により前連結会計年度比1.3%減少の124億2千1百万円(前連結会計年度は125億8千3百万円)となりました。
BA事業を取り巻く事業環境は、東京オリンピック/パラリンピック関連需要に加えて、2020年以降にも大型の都市再開発案件が計画されております。併せて、1990年前後及び2000年代初頭に建設された大型建物が改修時期を迎えることから、既設建物の改修需要の拡大による収益機会の増加が2020年以降見込まれております。BA事業では、これらの需要を確実に獲得し、業務を着実に遂行することで増収を図るとともに、更なる高利益体質確保に向け、事業プロセス変革を含めた取組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、半導体等の製造装置市場での投資が減少するなどの変化が見られましたが、人手不足等を背景とした合理化・省力化に向けた自動化へのニーズは高い水準で継続いたしました。こうした事業環境のもと、グローバルでの競争力獲得を目指した3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)による、マーケティングから開発、生産、販売・サービスに至る一貫体制でのオペレーションを徹底するとともに、海外での事業拡大を含めた事業成長施策と事業収益力強化を進めてまいりました。この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、前連結会計年度にエネルギー関連市場等で大型案件を計上していたことの反動に加えて、一部市況が悪化したことにより、前連結会計年度比3.3%減少の983億3千1百万円(前連結会計年度は1,017億3千7百万円)となりました。一方で、売上高は着実に伸長し、前連結会計年度比2.2%増加の993億8千9百万円(前連結会計年度は972億3千1百万円)となりました。セグメント利益は、増収に加えて事業収益力強化に向けた取組みの成果がさらに拡大し、前連結会計年度比23.0%増加の122億1千1百万円(前連結会計年度は99億3千1百万円)となりました。
AA事業では、引き続き3つの事業単位を軸とした事業収益力強化と海外事業の拡大を含む成長戦略の展開に継続して取り組んでまいります。併せて、製品開発力の育成・強化に注力し、昨今の技術潮流の変化を捉えた新しいオートメーション領域を創出、アズビルならではの付加価値の高い製品・サービスを国内外のお客様に提供することで、高い収益力と成長力のある事業を目指します。
(単位:百万円)
※3 「3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)」
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・研究所向けのライフサイエンスエンジニアリング(LSE)、そして住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)の3つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
売上の大半を占めるガス・水道等のライフライン分野は、法定によるメータの交換需要を主体としており、ガス販売の自由化による事業環境の変化は見られますが、引き続き安定した需要が見込まれます。一方、LSE分野及び住宅用全館空調システムの生活関連分野におきましては、事業構造改革による安定的な収益の実現と向上に継続して取り組んでおります。こうした事業環境や取組みを背景に、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、ライフライン及び生活関連(ライフ)分野において増加しましたが、LSE分野において前連結会計年度に大型案件を計上していたことの反動等により減少し、全体として前連結会計年度比8.6%減少の438億6千7百万円(前連結会計年度は480億1千3百万円)となりました。売上高はライフライン分野・生活関連分野で伸長し、前連結会計年度比1.4%増加の448億4千万円(前連結会計年度は442億8百万円)となりました。セグメント利益は、増収及び事業構造改革による収益改善の結果、前連結会計年度比37.3%増加の20億6千万円(前連結会計年度は15億1百万円)となりました。
LA事業では今後も引き続き、同事業を構成する各事業分野の収益の安定化・向上に取り組んでまいります。また、これと並行して、ガス販売自由化等、エネルギー供給市場における需要の変化を捉えた新たな事業機会創出、IoT等の技術革新の動きを捉えた新製品の開発・投入等により、今後の事業拡大に向けた取組みも進めてまいります。
(単位:百万円)
2019年度の見通し
2019年度につきましては、国内外経済情勢における不透明感等、懸念材料はありますが、IoT、AI、クラウドといった新技術活用のための研究開発等、将来の成長に必要な事業基盤整備への投資を継続しつつ、2018年度において成果をあげた事業収益力強化施策をさらに推し進めることで、売上高は前年度同水準の2,620億円を見込み、損益面につきましては、営業利益で前連結会計年度比0.7%減少の265億円、経常利益は前連結会計年度比5.3%減少の262億円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比2.4%減少の185億円を見込んでおります。
BA事業は、都市再開発・オリンピック/パラリンピック関連で堅調な事業環境を背景に受注が好調です。こうした受注案件に整備したジョブ遂行体制で着実に対応することで高い水準の売上を国内で達成するとともに、海外での事業を拡大し、全体として増収、増益を見込んでおります。
AA事業では、装置メーカ市場の市況低迷が国内外で進む等、一部の市場に事業環境の悪化が見られます。一方、国内における人手不足を背景とした自動化や海外での生産性向上を目指した自動化のニーズは高く、これらの国内外における自動化ニーズを背景としたオートメーションへの投資は底堅く推移しています。幅広い市場を対象とする当社グループならではの特性を活かしつつ、3つの事業単位(CP事業、IAP事業、SS事業)でのオペレーションを徹底し、事業領域の拡大と収益力強化の更なる展開を図ることで、引き続き高い水準での利益確保を目指してまいります。
LA事業は、法定による比較的安定した交換需要をベースに、新たな需要開拓で伸長を目指すガス・水道等のライフライン分野を主体に、全体として収益の改善を見込んでおります。
(単位:億円)
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財政基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保していると認識しております。加えて、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。他方、キャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発への投資を実現しております。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金によっておりますが、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、主に短期借入金で調達しておりますが、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は9,866百万円で、前連結会計年度末に比べて304百万円減少しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、現在の中期経営計画(2017年度~2019年度)において、最終年度である2019年度は、営業利益を250億円、売上高を2,700億円、ROEは9%以上を目標としてまいりました。さらに、2021年度をゴールとした長期目標では、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目標としております。
達成状況につきましては、事業施策の着実な実行及び収益力強化の取組みの成果により、当連結会計年度の売上高は2,620億円、営業利益は266億円を計上し、過去最高益を更新、上述の中期経営計画最終年度の目標(250億円)を1年前倒しで達成することができました。また、ROEは10.6%と、税金費用の一時的な減少があった前年度に続き10%台を確保いたしました。なお、2019年度においても、前述のとおり営業利益で目標(250億円)を上回る水準(265億円)を計画しております。
当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
azbilグループを取り巻く事業環境は、国内の活発な都市再開発投資を背景に、大型建物向けの機器、システムの需要が引き続き堅調に推移しております。生産設備に対する設備投資についても、国内外で半導体等の製造装置市場が減速するなどの変化が見られましたが、人手不足等を背景とした合理化・省力化等への需要が継続しております。
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,642億5千2百万円(前連結会計年度は2,662億6千2百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。
売上高につきましては、2,620億5千4百万円(前連結会計年度は2,603億8千4百万円)と、前連結会計年度比0.6%の増加となりました。
損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比11.1%増加の266億9千万円(前連結会計年度は240億2千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比13.8%増加の276億6千4百万円(前連結会計年度は243億1千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.9%増加の189億5千1百万円(前連結会計年度は178億9千万円)となりました。
(単位:百万円)
| 2018年3月期前連結会計年度 | 2019年3月期当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 266,262 | 264,252 | △2,009 | △0.8% |
| 売上高 | 260,384 | 262,054 | 1,670 | 0.6% |
| 営業利益 (利益率) | 24,026 (9.2%) | 26,690 (10.2%) | 2,663 (1.0P) | 11.1% |
| 経常利益 | 24,316 | 27,664 | 3,348 | 13.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (利益率) | 17,890 (6.9%) | 18,951 (7.2%) | 1,060 (0.4P) | 5.9% |
当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。
資産の状況
当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて17億1千3百万円増加し、資産合計で2,755億1千8百万円となりました。
これは主に、保有株式の売却や時価の下落等により投資有価証券が51億6千5百万円減少した一方で繰延税金資産が20億3千2百万円増加したことに加え、売上債権が23億2千8百万円増加し、国内の工場統合・拡充に向けた投資等により建物及び構築物が18億4千3百万円増加したことによるものであります。
負債の状況
当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて34億2千1百万円減少し、負債合計で924億2千1百万円となりました。
これは主に、未払法人税等が13億5千3百万円増加したものの、確定給付企業年金制度の会計上の終了処理及び一部の国内連結子会社の退職一時金制度における退職給付信託の設定等により退職給付に係る負債が35億8千7百万円減少したことに加え、仕入債務が13億9千6百万円減少したことによるものであります。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて51億3千4百万円増加し、純資産合計で1,830億9千7百万円となりました。
これは主に、その他有価証券評価差額金が31億7千9百万円減少したことに加え、株主資本が、取締役会決議に基づく自己株式の取得により49億9千9百万円、配当金の支払により63億5千4百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により189億5千1百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.3%から65.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は161億1千2百万円となり、前連結会計年度に比べて33億6千8百万円の減少となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したものの、法人税等の支払額が増加したことに加え、一部の国内連結子会社の退職一時金制度において退職給付信託の設定による支出があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は40億7千5百万円となり、投資有価証券の売却による収入は増加したものの、前連結会計年度に比べて40億2千6百万円の支出の増加となりました。
これは主に、前連結会計年度において国内の工場統合・拡充に向けた有形固定資産の取得による支出の増加等に対応して定期預金の払戻しなどを行っていたことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は120億2千4百万円となり、前連結会計年度に比べて11億7千3百万円の支出の増加となりました。
これは主に、取締役会決議に基づく自己株式の取得による支出が増加したことによるものであります。
以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より5億5百万円減少し、681億3千4百万円となりました。
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ビルディングオートメーション事業 | 40,445 | 98.2 |
| アドバンスオートメーション事業 | 35,319 | 104.0 |
| ライフオートメーション事業 | 29,228 | 100.1 |
| 報告セグメント計 | 104,994 | 100.6 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 104,994 | 100.6 |
(注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
| ビルディングオートメーション事業 | 123,766 | 105.1 | 64,204 | 106.6 |
| アドバンスオートメーション事業 | 98,331 | 96.7 | 28,981 | 94.1 |
| ライフオートメーション事業 | 43,867 | 91.4 | 12,998 | 89.3 |
| 報告セグメント計 | 265,965 | 99.4 | 106,184 | 100.6 |
| その他 | 60 | 94.8 | 0 | 88.2 |
| 消去 | (1,773) | - | (165) | - |
| 連結 | 264,252 | 99.2 | 106,019 | 100.5 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ビルディングオートメーション事業 | 119,500 | 99.4 |
| アドバンスオートメーション事業 | 99,389 | 102.2 |
| ライフオートメーション事業 | 44,840 | 101.4 |
| 報告セグメント計 | 263,731 | 100.8 |
| その他 | 61 | 95.0 |
| 消去 | (1,738) | - |
| 連結 | 262,054 | 100.6 |
(注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,642億5千2百万円(前連結会計年度は2,662億6千2百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。堅調な市況を背景にビルディングオートメーション(BA)事業の受注は着実に増加しましたが、アドバンスオートメーション(AA)事業及びライフオートメーション(LA)事業の受注は、前連結会計年度に大型案件を計上していたことの反動を主因に、一部市況の悪化による影響もあり、減少いたしました。
一方で、売上高につきましては、AA事業、LA事業が増加し、2,620億5千4百万円(前連結会計年度は2,603億8千4百万円)と、前連結会計年度比0.6%の増加となりました。
損益面につきましては、営業利益は、増収及び事業収益力強化の施策の効果により、前連結会計年度比11.1%増加の266億9千万円(前連結会計年度は240億2千6百万円)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益は、前連結会計年度比13.8%増加の276億6千4百万円(前連結会計年度は243億1千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失の計上※1に加え、税金費用が前連結会計年度において子会社の繰延税金資産の回収可能性を見直したことなどによる一時的な減少の反動から増加しましたが、営業利益の増加及び投資有価証券売却益の増加により、前連結会計年度比5.9%増加の189億5千1百万円(前連結会計年度は178億9千万円)となりました。
※1 「確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失の計上」
当社及び一部の国内連結子会社の受給権者を対象とする確定給付企業年金制度(いわゆる閉鎖型年金)について、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号)及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号)に基づく退職給付制度の終了の会計処理を行い、その損失を退職給付制度終了損として特別損失に計上しております。なお、確定給付企業年金制度自体は終了せず、受給権者への給付は現行どおり行われます。
azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」の理念のもと、3つの基本方針※2を軸として、中期経営計画(2017~2019年度)を策定し、持続的な成長の実現に向けた取組みを進めております。事業環境の変化にも迅速かつ着実に対応し、将来に向けた成長を実現していくために、各事業において事業構造の変革、利益体質の改善を推し進めております。また、中長期で需要の継続・拡大が期待できる「ライフサイクル型事業の強化」、「新オートメーション領域の開拓」、「環境・エネルギー分野の拡大」を推進し、併せてこれら領域の開拓、持続的成長を実現するための基盤強化として、研究開発及び生産体制の整備・拡充等に取り組んでおります。
※2 「3つの基本方針」
・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
・地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については次のとおりであります。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は引き続き堅調に推移しております。国内市場では、首都圏における都市再開発案件に加え、省エネルギーや運用コスト低減に関するソリューションの需要が高く、海外市場においても、経済成長が続くアジア地域において、大型建物に対する国内外資本による投資が継続しております。
こうした事業環境を背景に、採算性に配慮しつつも積極的な受注の獲得に取り組み、併せて、働き方改革への対応も踏まえ、施工現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を進めてまいりました。また、IoT等の技術活用を志向する国内外の顧客ニーズに対応するための製品・サービスの開発・強化を進めてまいりました。この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は着実に増加し、前連結会計年度比5.1%増加の1,237億6千6百万円(前連結会計年度は1,178億1千1百万円)となりました。売上高につきましては、ほぼ前年度並みとなる1,195億円(前連結会計年度は1,202億3千3百万円)となりました。セグメント利益は、上期に発生した一時的な引当費用の計上等により前連結会計年度比1.3%減少の124億2千1百万円(前連結会計年度は125億8千3百万円)となりました。
BA事業を取り巻く事業環境は、東京オリンピック/パラリンピック関連需要に加えて、2020年以降にも大型の都市再開発案件が計画されております。併せて、1990年前後及び2000年代初頭に建設された大型建物が改修時期を迎えることから、既設建物の改修需要の拡大による収益機会の増加が2020年以降見込まれております。BA事業では、これらの需要を確実に獲得し、業務を着実に遂行することで増収を図るとともに、更なる高利益体質確保に向け、事業プロセス変革を含めた取組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
| 2018年3月期前連結会計年度 | 2019年3月期当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 117,811 | 123,766 | 5,954 | 5.1% |
| 売上高 | 120,233 | 119,500 | △732 | △0.6% |
| セグメント利益 (利益率) | 12,583 (10.5%) | 12,421 (10.4%) | △162 (△0.1P) | △1.3% |
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、半導体等の製造装置市場での投資が減少するなどの変化が見られましたが、人手不足等を背景とした合理化・省力化に向けた自動化へのニーズは高い水準で継続いたしました。こうした事業環境のもと、グローバルでの競争力獲得を目指した3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)による、マーケティングから開発、生産、販売・サービスに至る一貫体制でのオペレーションを徹底するとともに、海外での事業拡大を含めた事業成長施策と事業収益力強化を進めてまいりました。この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、前連結会計年度にエネルギー関連市場等で大型案件を計上していたことの反動に加えて、一部市況が悪化したことにより、前連結会計年度比3.3%減少の983億3千1百万円(前連結会計年度は1,017億3千7百万円)となりました。一方で、売上高は着実に伸長し、前連結会計年度比2.2%増加の993億8千9百万円(前連結会計年度は972億3千1百万円)となりました。セグメント利益は、増収に加えて事業収益力強化に向けた取組みの成果がさらに拡大し、前連結会計年度比23.0%増加の122億1千1百万円(前連結会計年度は99億3千1百万円)となりました。
AA事業では、引き続き3つの事業単位を軸とした事業収益力強化と海外事業の拡大を含む成長戦略の展開に継続して取り組んでまいります。併せて、製品開発力の育成・強化に注力し、昨今の技術潮流の変化を捉えた新しいオートメーション領域を創出、アズビルならではの付加価値の高い製品・サービスを国内外のお客様に提供することで、高い収益力と成長力のある事業を目指します。
(単位:百万円)
| 2018年3月期前連結会計年度 | 2019年3月期当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 101,737 | 98,331 | △3,405 | △3.3% |
| 売上高 | 97,231 | 99,389 | 2,158 | 2.2% |
| セグメント利益 (利益率) | 9,931 (10.2%) | 12,211 (12.3%) | 2,280 (2.1P) | 23.0% |
※3 「3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)」
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・研究所向けのライフサイエンスエンジニアリング(LSE)、そして住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)の3つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
売上の大半を占めるガス・水道等のライフライン分野は、法定によるメータの交換需要を主体としており、ガス販売の自由化による事業環境の変化は見られますが、引き続き安定した需要が見込まれます。一方、LSE分野及び住宅用全館空調システムの生活関連分野におきましては、事業構造改革による安定的な収益の実現と向上に継続して取り組んでおります。こうした事業環境や取組みを背景に、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、ライフライン及び生活関連(ライフ)分野において増加しましたが、LSE分野において前連結会計年度に大型案件を計上していたことの反動等により減少し、全体として前連結会計年度比8.6%減少の438億6千7百万円(前連結会計年度は480億1千3百万円)となりました。売上高はライフライン分野・生活関連分野で伸長し、前連結会計年度比1.4%増加の448億4千万円(前連結会計年度は442億8百万円)となりました。セグメント利益は、増収及び事業構造改革による収益改善の結果、前連結会計年度比37.3%増加の20億6千万円(前連結会計年度は15億1百万円)となりました。
LA事業では今後も引き続き、同事業を構成する各事業分野の収益の安定化・向上に取り組んでまいります。また、これと並行して、ガス販売自由化等、エネルギー供給市場における需要の変化を捉えた新たな事業機会創出、IoT等の技術革新の動きを捉えた新製品の開発・投入等により、今後の事業拡大に向けた取組みも進めてまいります。
(単位:百万円)
| 2018年3月期前連結会計年度 | 2019年3月期当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 48,013 | 43,867 | △4,146 | △8.6% |
| 売上高 | 44,208 | 44,840 | 631 | 1.4% |
| セグメント利益 (利益率) | 1,501 (3.4%) | 2,060 (4.6%) | 559 (1.2P) | 37.3% |
2019年度の見通し
2019年度につきましては、国内外経済情勢における不透明感等、懸念材料はありますが、IoT、AI、クラウドといった新技術活用のための研究開発等、将来の成長に必要な事業基盤整備への投資を継続しつつ、2018年度において成果をあげた事業収益力強化施策をさらに推し進めることで、売上高は前年度同水準の2,620億円を見込み、損益面につきましては、営業利益で前連結会計年度比0.7%減少の265億円、経常利益は前連結会計年度比5.3%減少の262億円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比2.4%減少の185億円を見込んでおります。
BA事業は、都市再開発・オリンピック/パラリンピック関連で堅調な事業環境を背景に受注が好調です。こうした受注案件に整備したジョブ遂行体制で着実に対応することで高い水準の売上を国内で達成するとともに、海外での事業を拡大し、全体として増収、増益を見込んでおります。
AA事業では、装置メーカ市場の市況低迷が国内外で進む等、一部の市場に事業環境の悪化が見られます。一方、国内における人手不足を背景とした自動化や海外での生産性向上を目指した自動化のニーズは高く、これらの国内外における自動化ニーズを背景としたオートメーションへの投資は底堅く推移しています。幅広い市場を対象とする当社グループならではの特性を活かしつつ、3つの事業単位(CP事業、IAP事業、SS事業)でのオペレーションを徹底し、事業領域の拡大と収益力強化の更なる展開を図ることで、引き続き高い水準での利益確保を目指してまいります。
LA事業は、法定による比較的安定した交換需要をベースに、新たな需要開拓で伸長を目指すガス・水道等のライフライン分野を主体に、全体として収益の改善を見込んでおります。
(単位:億円)
| 2019年3月期 実績 | 2020年3月期 見通し | 増減 | 増減率 | ||
| ビルディング オートメーション事業 | 売上高 | 1,195 | 1,250 | 54 | 4.6% |
| セグメント利益 (利益率) | 124 (10.4%) | 137 (11.0%) | 12 (0.6P) | 10.3% | |
| アドバンス オートメーション事業 | 売上高 | 993 | 940 | △53 | △5.4% |
| セグメント利益 (利益率) | 122 (12.3%) | 106 (11.3%) | △16 (△1.0P) | △13.2% | |
| ライフ オートメーション事業 | 売上高 | 448 | 450 | 1 | 0.4% |
| セグメント利益 (利益率) | 20 (4.6%) | 22 (4.9%) | 1 (0.3P) | 6.7% | |
| その他 | 売上高 | 0 | 1 | 0 | 61.6% |
| セグメント利益 (利益率) | 0 (3.7%) | 0 (0.0%) | △0 (△3.7P) | - | |
| 連結 | 売上高 | 2,620 | 2,620 | △0 | △0.0% |
| 営業利益 (利益率) | 266 (10.2%) | 265 (10.1%) | △1 (△0.1P) | △0.7% | |
| 経常利益 | 276 | 262 | △14 | △5.3% | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (利益率) | 189 (7.2%) | 185 (7.1%) | △4 (△0.2P) | △2.4% |
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財政基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保していると認識しております。加えて、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。他方、キャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発への投資を実現しております。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金によっておりますが、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、主に短期借入金で調達しておりますが、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は9,866百万円で、前連結会計年度末に比べて304百万円減少しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、現在の中期経営計画(2017年度~2019年度)において、最終年度である2019年度は、営業利益を250億円、売上高を2,700億円、ROEは9%以上を目標としてまいりました。さらに、2021年度をゴールとした長期目標では、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目標としております。
達成状況につきましては、事業施策の着実な実行及び収益力強化の取組みの成果により、当連結会計年度の売上高は2,620億円、営業利益は266億円を計上し、過去最高益を更新、上述の中期経営計画最終年度の目標(250億円)を1年前倒しで達成することができました。また、ROEは10.6%と、税金費用の一時的な減少があった前年度に続き10%台を確保いたしました。なお、2019年度においても、前述のとおり営業利益で目標(250億円)を上回る水準(265億円)を計画しております。