四半期報告書-第99期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
azbilグループを取り巻く事業環境は、大型建物向け空調制御機器・システムにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大により国内外で現場作業の一時的な遅延等の影響が見られましたが、国内では都市再開発・改修案件投資を背景に需要の継続が見込まれております。一方、生産設備に関しましては、国内外において半導体製造装置市場等での投資には回復傾向が見られますが、新型コロナウイルス感染拡大による産業活動の停滞、経済悪化の影響で設備投資を控える動きが継続し、全体として需要が低調に推移いたしました。
当第3四半期連結累計期間における業績につきましては次のとおりであります。
受注高は、市況の低迷を受けてアドバンスオートメーション(AA)事業が減少したことに加え、当年度は更新時期を迎える複数年契約のサービス案件が少ない端境期に当たるなどの理由からビルディングオートメーション(BA)事業が減少、ライフオートメーション(LA)事業もLPガスメータ等の需要が減少したことにより、全体として前年同期比6.8%減少の1,872億3千4百万円(前年同期は2,008億7千8百万円)となりました。売上高につきましては、BA事業が、前年同期に新築大型建物向けに空調制御機器・システムを販売・施工する分野が高水準であったことの反動等により減少し、またAA事業も、受注同様、市況の低迷の影響を受けたことから、前年同期比4.8%減少の1,742億3千5百万円(前年同期は1,830億4千8百万円)となりました。
損益面につきましては、営業利益は、経費の抑制及び事業収益力強化策の効果等もありましたが、減収影響により前年同期比3.2%減少の151億6千2百万円(前年同期は156億5千6百万円)となり、経常利益につきましても、営業利益の減少を主因に前年同期比5.4%減少の152億4千4百万円(前年同期は161億1千4百万円)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、投資有価証券売却益に加え、国内の工場統合を通じた固定資産売却益の計上等により、前年同期比6.1%増加の116億9千5百万円(前年同期は110億2千1百万円)となりました。
(単位:百万円)
当社グループは、「人を中心としたオートメーション」の理念のもと、3つの基本方針※1を軸として、事業収益力の強化及びグローバルな事業基盤の整備を進めつつ、これらを基にした事業成長施策を展開しております。「人を中心としたオートメーション」の発想に基づく製品、サービスの強化を進め、BA、AA、LAの各事業を顧客・社会のライフサイクル型事業として進化させることで、顧客提供価値及び事業の収益力を高めてまいりました。
新型コロナウイルス感染拡大に対しては、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)による働き方の改革を推進し、生産性向上も視野にリモートワーク・在宅勤務の拡大等に取り組むとともに、エンジニアリングやサービス等の現場業務については、お客様・社員の安全を第一に業務を継続することで、感染防止と社会インフラやお客様の重要施設の維持という両面で社会の要請に応えてまいりました。併せて、危機管理対応としてのBCP(Business Continuity Plan‐事業継続計画)整備、強固な財務体質の確保、さらに資金調達力の強化・多様化といった点も含めた対応力の強化を進めてまいりました。
未だ収束を見ず、繰り返し訪れる感染拡大の状況は、世界経済や生産活動を停滞させ、回復の見通しを不透明なものとしております。当面、当社グループの3つの事業にも影響を及ぼすものと思われますが、建物、生産設備、エネルギー供給インフラ等の維持に不可欠な製品の供給、エンジニアリング、サービスには、このような状況下においても継続的な需要の発生が見込まれます。同時に、社会構造や価値観の変化、ウイルス共生時代における行動変容から解決すべき様々な課題が生まれており、オートメーションの価値向上と需要の増加が期待されます。当社グループといたしましては、将来の成長に必要な投資を継続して行い、IoT、AI、クラウド、ビッグデータといった新たな技術の製品・サービスへの導入や、DXの推進を通じて、事業環境の変化や新たな課題に迅速に対応してまいります。これにより、当年度からの新たな経営体制のもと持続的成長が期待できる3つの事業領域である「ライフサイクル型事業の強化」、「新オートメーション領域の開拓」、「環境・エネルギー分野の拡大」を進展させ、SDGs(Sustainable Development Goals‐持続可能な開発目標)に「直列」に繋がる貢献と自らの持続的成長を実現してまいります。
※1 「3つの基本方針」
・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
・地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては次のとおりであります。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は、国内市場においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一部市場において計画の延期等が見られましたが、その影響は限定的でした。首都圏における都市再開発案件の需要は継続しており、換気、省エネ・CO2削減や運用コスト低減に関するソリューションへの関心も拡大しております。一方、海外市場においては、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染拡大により需要の低迷・工事遅延等の影響が見られました。
こうした事業環境を背景に、採算性にも配慮しつつ着実な受注の獲得に取り組むとともに、お客様・社員の安全に十分配慮し、働き方改革への対応も踏まえ、施工・サービスの現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を進めてまいりました。また、IoT等の技術活用を志向する国内外の顧客ニーズに対応するための製品・サービスの拡大も進めてまいりました。この結果、BA事業の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、大型案件があり、需要も継続している新築大型建物向け空調制御機器・システムの販売・施工分野が着実に増加し、換気改善・省エネ等のソリューションに向けた既設改修・サービス提案も堅調ですが、当年度において更新時期を迎える複数年契約の案件が少ないことによりサービス事業の分野が減少し、加えて上期において、一部の案件で採算性を考慮した結果、既設建物向けの分野も一時的に減少したことなどから全体としては前年同期比4.4%減少の942億1千1百万円(前年同期は985億3千2百万円)となりました。売上高につきましては、前年同期が高水準であった新築大型建物向けの分野が減少したことに加え、前述の要因から既設建物向けの分野が減少、海外事業も新型コロナウイルス感染拡大による工事遅延等の影響から減少し、全体としては前年同期比6.4%減少の786億2千9百万円(前年同期は839億9千5百万円)となりました。セグメント利益につきましては、経費抑制及び採算性改善策の効果もありましたが、減収の影響により、前年同期比11.4%減少の62億4千4百万円(前年同期は70億4千6百万円)となりました。
BA事業の中長期的な事業環境としましては、2021年以降も大型の再開発案件や多数の大型建物の改修が計画されており、納入実績を基にこれらの需要を確実に獲得し、業務を着実に遂行することで増収を図るとともに、更なる高利益体質確保に向け、事業プロセス変革を含めた取組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、次世代通信規格「5G」関連投資の広がりなどを受け半導体製造装置市場では需要が拡大するなど、足元において製造装置市場での底打ち感が見られますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により世界経済が低迷する中、製造業の設備投資は全般において慎重な動きが継続いたしました。
このような事業環境ではありますが、将来の成長へ向けて、海外での拠点・体制整備や顧客開拓等の施策を着実に推し進めており、また各種の収益力強化施策につきましてもさらに進展しております。この結果、AA事業の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、半導体関連装置を牽引役として製造装置市場に回復傾向が見られますが、新型コロナウイルス感染拡大による世界経済低迷の影響を受け工場・プラントの設備投資関連の需要は全般に低迷し、前年同期比9.7%減少の629億8千9百万円(前年同期は697億4千6百万円)となりました。また売上高につきましても、足元において製造装置市場が底打ちし、メンテナンスサービスも堅調ですが、全般では市況低迷による設備投資減少の影響を受け前年同期比4.8%減少の645億9千6百万円(前年同期は678億3千万円)となりました。一方、セグメント利益につきましては、減収による影響はありましたが、経費低減とこれまでにも実績を上げてきた収益力強化施策の更なる進展により利益率の改善が継続し、前年同期比7.0%増加の79億3千6百万円(前年同期は74億1千9百万円)となりました。
AA事業では、新型コロナウイルス感染再拡大の影響により経済活動の停滞・先行きの不透明感は未だ継続しておりますが、中長期的には、人手不足対応、環境対応、リモートワーク等の新常態への対応を目的とした自動化に対して、引き続き需要拡大が見込まれます。引き続き3つの事業単位※2(CP事業、IAP事業、SS事業)を軸に、これまでに実績を上げてきた収益力強化策を深化、徹底することで事業収益の更なる改善に取り組むとともに、海外事業をはじめとした成長領域への展開を推し進めてまいります。併せて、製品開発力の強化に注力し、昨今の技術潮流の変化を捉えた新しいオートメーション領域を創出し、アズビルならではの付加価値の高い製品・サービスを国内外のお客様に提供することで、高い競争力を持った事業成長を目指してまいります。
(単位:百万円)
※2 「3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)」
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・研究所向けのライフサイエンスエンジニアリング(LSE)、そして住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)の3つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
売上の大半を占めるガス・水道等のライフライン分野は、法定によるメータの交換需要を主体としており、基本的には安定した需要が見込まれますが、売上の一部を占めるLPガスメータが不需要期に入り、また、水道メータ市場において検定満期有効期間の延長が行われ、需要が先送りされるなどの変化が見られました。LSE分野及び住宅用全館空調システムの生活関連分野におきましては、需要の増減がある中でも、引き続き事業構造改革による安定的な収益の実現と向上に取り組み、成果を上げております。こうした事業環境や取組みを背景に、LA事業の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、LPガスメータの循環的な需要の減少等によりライフライン分野が減少したことを主因に、またLSE分野も、足元においては製薬市場において設備投資が拡大しておりますが、前年同期に大型案件を計上していたことの影響等により減少し、全体として前年同期比7.7%減少の311億3千2百万円(前年同期は337億3千3百万円)となりました。売上高につきましては、前連結会計年度における受注増加を背景にLSE分野は増加いたしましたが、ライフライン分野が減少したことにより、前年同期比0.8%減少の320億3千6百万円(前年同期は322億9千8百万円)となりました。セグメント利益につきましては、経費低減の効果はありましたが、減収影響により前年同期比16.2%減少の9億9千5百万円(前年同期は11億8千8百万円)となりました。
LA事業では今後も引き続き、同事業を構成する各事業分野の収益の安定化・向上に取り組んでまいります。また、これと並行して、ガス自由化等、エネルギー供給市場における需要の変化を捉えた新たな事業機会創出、IoT等の技術革新の動きを捉えた新製品の開発・投入等により、今後の事業拡大に向けた取組みも進めてまいります。
(単位:百万円)
その他
その他は主にazbilグループ内の保険代理業であり、当第3四半期連結累計期間の受注高は4千3百万円(前年同期は4千7百万円)、売上高は4千3百万円(前年同期は4千8百万円)、セグメント利益は8百万円(前年同期は7百万円)となっております。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
(資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて80億3千1百万円減少し、資産合計で2,665億2千8百万円となりました。これは主に、売上債権が91億4千5百万円減少したことによるものであります。
(負債の状況)
当第3四半期連結会計期間末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて143億7千1百万円減少し、負債合計で748億8千6百万円となりました。これは主に、仕入債務が85億3千9百万円、賞与引当金が53億3千9百万円、未払法人税等が49億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて63億4千万円増加し、純資産合計で1,916億4千2百万円となりました。これは主に株主資本が、配当金の支払いにより70億7千3百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により116億9千5百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.7%から71.1%となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、azbilグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるazbilグループの研究開発費の総額は79億3千9百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、azbilグループの経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
当社グループは、株主重視の方針に基づき、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本利益率)の向上を基本的な目標としており、収益性と資本効率の向上を通して長期目標は、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上としておりますが、目標達成時期につきましては、新型コロナウイルス感染収束の時期並びに事業環境の見通しから合理的に判断することが困難なため、未定とさせていただきます。2020年度につきましては、現時点で入手可能な情報と合理的であると判断される以下の前提に基づき、新型コロナウイルス感染拡大による当社グループ各社の影響等を集計・予測し、2020年8月6日に2020年度の連結業績予想を公表いたしました。
<2020年度連結業績予想の前提>・新型コロナウイルスの感染拡大状況が世界的に長期化
・市場の不透明感が継続し、2020年度内は厳しい事業環境が続く
・感染拡大の中でも当社グループの生産及びエンジニアリング、工事、サービス等の現場業務の全面的な停止は発生せず、事業は継続
また、新型コロナウイルスが再度世界的な感染拡大傾向にある中、上記前提に変更はありませんが、直近の経済動向及びお客様の設備投資の動向、需要の変化等から、2020年11月5日に通期連結業績予想を上方に修正いたしました。この結果、2020年度の業績につきましては、売上高は2,480億円、営業利益は255億円を見込んでおります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、前述のとおり健全な財務基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保していると認識しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上を重要な経営課題として認識しており、当社グループは格付投資情報センターより2020年10月16日付で引き上げられた発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得して社債発行枠200億円を設定するとともに、新たにコマーシャル・ペーパーについて格付「a-1」を取得して発行枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。併せて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っております。
当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、主に短期借入金で調達しておりますが、当第3四半期連結会計期間末現在で短期借入金の残高は89億3千万円で、前連結会計年度末に比べて7億5百万円増加しております。なお、当第3四半期連結累計期間において重要な資金調達はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
azbilグループを取り巻く事業環境は、大型建物向け空調制御機器・システムにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大により国内外で現場作業の一時的な遅延等の影響が見られましたが、国内では都市再開発・改修案件投資を背景に需要の継続が見込まれております。一方、生産設備に関しましては、国内外において半導体製造装置市場等での投資には回復傾向が見られますが、新型コロナウイルス感染拡大による産業活動の停滞、経済悪化の影響で設備投資を控える動きが継続し、全体として需要が低調に推移いたしました。
当第3四半期連結累計期間における業績につきましては次のとおりであります。
受注高は、市況の低迷を受けてアドバンスオートメーション(AA)事業が減少したことに加え、当年度は更新時期を迎える複数年契約のサービス案件が少ない端境期に当たるなどの理由からビルディングオートメーション(BA)事業が減少、ライフオートメーション(LA)事業もLPガスメータ等の需要が減少したことにより、全体として前年同期比6.8%減少の1,872億3千4百万円(前年同期は2,008億7千8百万円)となりました。売上高につきましては、BA事業が、前年同期に新築大型建物向けに空調制御機器・システムを販売・施工する分野が高水準であったことの反動等により減少し、またAA事業も、受注同様、市況の低迷の影響を受けたことから、前年同期比4.8%減少の1,742億3千5百万円(前年同期は1,830億4千8百万円)となりました。
損益面につきましては、営業利益は、経費の抑制及び事業収益力強化策の効果等もありましたが、減収影響により前年同期比3.2%減少の151億6千2百万円(前年同期は156億5千6百万円)となり、経常利益につきましても、営業利益の減少を主因に前年同期比5.4%減少の152億4千4百万円(前年同期は161億1千4百万円)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、投資有価証券売却益に加え、国内の工場統合を通じた固定資産売却益の計上等により、前年同期比6.1%増加の116億9千5百万円(前年同期は110億2千1百万円)となりました。
(単位:百万円)
| 2020年3月期第3四半期連結累計期間 | 2021年3月期第3四半期連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 200,878 | 187,234 | △13,643 | △6.8% |
| 売上高 | 183,048 | 174,235 | △8,813 | △4.8% |
| 営業利益 (利益率) | 15,656 (8.6%) | 15,162 (8.7%) | △493 (0.1pp) | △3.2% |
| 経常利益 | 16,114 | 15,244 | △869 | △5.4% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 (利益率) | 11,021 (6.0%) | 11,695 (6.7%) | 674 (0.7pp) | 6.1% |
当社グループは、「人を中心としたオートメーション」の理念のもと、3つの基本方針※1を軸として、事業収益力の強化及びグローバルな事業基盤の整備を進めつつ、これらを基にした事業成長施策を展開しております。「人を中心としたオートメーション」の発想に基づく製品、サービスの強化を進め、BA、AA、LAの各事業を顧客・社会のライフサイクル型事業として進化させることで、顧客提供価値及び事業の収益力を高めてまいりました。
新型コロナウイルス感染拡大に対しては、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)による働き方の改革を推進し、生産性向上も視野にリモートワーク・在宅勤務の拡大等に取り組むとともに、エンジニアリングやサービス等の現場業務については、お客様・社員の安全を第一に業務を継続することで、感染防止と社会インフラやお客様の重要施設の維持という両面で社会の要請に応えてまいりました。併せて、危機管理対応としてのBCP(Business Continuity Plan‐事業継続計画)整備、強固な財務体質の確保、さらに資金調達力の強化・多様化といった点も含めた対応力の強化を進めてまいりました。
未だ収束を見ず、繰り返し訪れる感染拡大の状況は、世界経済や生産活動を停滞させ、回復の見通しを不透明なものとしております。当面、当社グループの3つの事業にも影響を及ぼすものと思われますが、建物、生産設備、エネルギー供給インフラ等の維持に不可欠な製品の供給、エンジニアリング、サービスには、このような状況下においても継続的な需要の発生が見込まれます。同時に、社会構造や価値観の変化、ウイルス共生時代における行動変容から解決すべき様々な課題が生まれており、オートメーションの価値向上と需要の増加が期待されます。当社グループといたしましては、将来の成長に必要な投資を継続して行い、IoT、AI、クラウド、ビッグデータといった新たな技術の製品・サービスへの導入や、DXの推進を通じて、事業環境の変化や新たな課題に迅速に対応してまいります。これにより、当年度からの新たな経営体制のもと持続的成長が期待できる3つの事業領域である「ライフサイクル型事業の強化」、「新オートメーション領域の開拓」、「環境・エネルギー分野の拡大」を進展させ、SDGs(Sustainable Development Goals‐持続可能な開発目標)に「直列」に繋がる貢献と自らの持続的成長を実現してまいります。
※1 「3つの基本方針」
・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
・地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては次のとおりであります。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は、国内市場においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一部市場において計画の延期等が見られましたが、その影響は限定的でした。首都圏における都市再開発案件の需要は継続しており、換気、省エネ・CO2削減や運用コスト低減に関するソリューションへの関心も拡大しております。一方、海外市場においては、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染拡大により需要の低迷・工事遅延等の影響が見られました。
こうした事業環境を背景に、採算性にも配慮しつつ着実な受注の獲得に取り組むとともに、お客様・社員の安全に十分配慮し、働き方改革への対応も踏まえ、施工・サービスの現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を進めてまいりました。また、IoT等の技術活用を志向する国内外の顧客ニーズに対応するための製品・サービスの拡大も進めてまいりました。この結果、BA事業の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、大型案件があり、需要も継続している新築大型建物向け空調制御機器・システムの販売・施工分野が着実に増加し、換気改善・省エネ等のソリューションに向けた既設改修・サービス提案も堅調ですが、当年度において更新時期を迎える複数年契約の案件が少ないことによりサービス事業の分野が減少し、加えて上期において、一部の案件で採算性を考慮した結果、既設建物向けの分野も一時的に減少したことなどから全体としては前年同期比4.4%減少の942億1千1百万円(前年同期は985億3千2百万円)となりました。売上高につきましては、前年同期が高水準であった新築大型建物向けの分野が減少したことに加え、前述の要因から既設建物向けの分野が減少、海外事業も新型コロナウイルス感染拡大による工事遅延等の影響から減少し、全体としては前年同期比6.4%減少の786億2千9百万円(前年同期は839億9千5百万円)となりました。セグメント利益につきましては、経費抑制及び採算性改善策の効果もありましたが、減収の影響により、前年同期比11.4%減少の62億4千4百万円(前年同期は70億4千6百万円)となりました。
BA事業の中長期的な事業環境としましては、2021年以降も大型の再開発案件や多数の大型建物の改修が計画されており、納入実績を基にこれらの需要を確実に獲得し、業務を着実に遂行することで増収を図るとともに、更なる高利益体質確保に向け、事業プロセス変革を含めた取組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
| 2020年3月期第3四半期連結累計期間 | 2021年3月期第3四半期連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 98,532 | 94,211 | △4,320 | △4.4% |
| 売上高 | 83,995 | 78,629 | △5,366 | △6.4% |
| セグメント利益 (利益率) | 7,046 (8.4%) | 6,244 (7.9%) | △802 (△0.4pp) | △11.4% |
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、次世代通信規格「5G」関連投資の広がりなどを受け半導体製造装置市場では需要が拡大するなど、足元において製造装置市場での底打ち感が見られますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により世界経済が低迷する中、製造業の設備投資は全般において慎重な動きが継続いたしました。
このような事業環境ではありますが、将来の成長へ向けて、海外での拠点・体制整備や顧客開拓等の施策を着実に推し進めており、また各種の収益力強化施策につきましてもさらに進展しております。この結果、AA事業の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、半導体関連装置を牽引役として製造装置市場に回復傾向が見られますが、新型コロナウイルス感染拡大による世界経済低迷の影響を受け工場・プラントの設備投資関連の需要は全般に低迷し、前年同期比9.7%減少の629億8千9百万円(前年同期は697億4千6百万円)となりました。また売上高につきましても、足元において製造装置市場が底打ちし、メンテナンスサービスも堅調ですが、全般では市況低迷による設備投資減少の影響を受け前年同期比4.8%減少の645億9千6百万円(前年同期は678億3千万円)となりました。一方、セグメント利益につきましては、減収による影響はありましたが、経費低減とこれまでにも実績を上げてきた収益力強化施策の更なる進展により利益率の改善が継続し、前年同期比7.0%増加の79億3千6百万円(前年同期は74億1千9百万円)となりました。
AA事業では、新型コロナウイルス感染再拡大の影響により経済活動の停滞・先行きの不透明感は未だ継続しておりますが、中長期的には、人手不足対応、環境対応、リモートワーク等の新常態への対応を目的とした自動化に対して、引き続き需要拡大が見込まれます。引き続き3つの事業単位※2(CP事業、IAP事業、SS事業)を軸に、これまでに実績を上げてきた収益力強化策を深化、徹底することで事業収益の更なる改善に取り組むとともに、海外事業をはじめとした成長領域への展開を推し進めてまいります。併せて、製品開発力の強化に注力し、昨今の技術潮流の変化を捉えた新しいオートメーション領域を創出し、アズビルならではの付加価値の高い製品・サービスを国内外のお客様に提供することで、高い競争力を持った事業成長を目指してまいります。
(単位:百万円)
| 2020年3月期第3四半期連結累計期間 | 2021年3月期第3四半期連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 69,746 | 62,989 | △6,756 | △9.7% |
| 売上高 | 67,830 | 64,596 | △3,233 | △4.8% |
| セグメント利益 (利益率) | 7,419 (10.9%) | 7,936 (12.3%) | 517 (1.3pp) | 7.0% |
※2 「3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)」
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・研究所向けのライフサイエンスエンジニアリング(LSE)、そして住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)の3つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
売上の大半を占めるガス・水道等のライフライン分野は、法定によるメータの交換需要を主体としており、基本的には安定した需要が見込まれますが、売上の一部を占めるLPガスメータが不需要期に入り、また、水道メータ市場において検定満期有効期間の延長が行われ、需要が先送りされるなどの変化が見られました。LSE分野及び住宅用全館空調システムの生活関連分野におきましては、需要の増減がある中でも、引き続き事業構造改革による安定的な収益の実現と向上に取り組み、成果を上げております。こうした事業環境や取組みを背景に、LA事業の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、LPガスメータの循環的な需要の減少等によりライフライン分野が減少したことを主因に、またLSE分野も、足元においては製薬市場において設備投資が拡大しておりますが、前年同期に大型案件を計上していたことの影響等により減少し、全体として前年同期比7.7%減少の311億3千2百万円(前年同期は337億3千3百万円)となりました。売上高につきましては、前連結会計年度における受注増加を背景にLSE分野は増加いたしましたが、ライフライン分野が減少したことにより、前年同期比0.8%減少の320億3千6百万円(前年同期は322億9千8百万円)となりました。セグメント利益につきましては、経費低減の効果はありましたが、減収影響により前年同期比16.2%減少の9億9千5百万円(前年同期は11億8千8百万円)となりました。
LA事業では今後も引き続き、同事業を構成する各事業分野の収益の安定化・向上に取り組んでまいります。また、これと並行して、ガス自由化等、エネルギー供給市場における需要の変化を捉えた新たな事業機会創出、IoT等の技術革新の動きを捉えた新製品の開発・投入等により、今後の事業拡大に向けた取組みも進めてまいります。
(単位:百万円)
| 2020年3月期第3四半期連結累計期間 | 2021年3月期第3四半期連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 33,733 | 31,132 | △2,601 | △7.7% |
| 売上高 | 32,298 | 32,036 | △261 | △0.8% |
| セグメント利益 (利益率) | 1,188 (3.7%) | 995 (3.1%) | △192 (△0.6pp) | △16.2% |
その他
その他は主にazbilグループ内の保険代理業であり、当第3四半期連結累計期間の受注高は4千3百万円(前年同期は4千7百万円)、売上高は4千3百万円(前年同期は4千8百万円)、セグメント利益は8百万円(前年同期は7百万円)となっております。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
(資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて80億3千1百万円減少し、資産合計で2,665億2千8百万円となりました。これは主に、売上債権が91億4千5百万円減少したことによるものであります。
(負債の状況)
当第3四半期連結会計期間末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて143億7千1百万円減少し、負債合計で748億8千6百万円となりました。これは主に、仕入債務が85億3千9百万円、賞与引当金が53億3千9百万円、未払法人税等が49億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて63億4千万円増加し、純資産合計で1,916億4千2百万円となりました。これは主に株主資本が、配当金の支払いにより70億7千3百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により116億9千5百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.7%から71.1%となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、azbilグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるazbilグループの研究開発費の総額は79億3千9百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、azbilグループの経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
当社グループは、株主重視の方針に基づき、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本利益率)の向上を基本的な目標としており、収益性と資本効率の向上を通して長期目標は、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上としておりますが、目標達成時期につきましては、新型コロナウイルス感染収束の時期並びに事業環境の見通しから合理的に判断することが困難なため、未定とさせていただきます。2020年度につきましては、現時点で入手可能な情報と合理的であると判断される以下の前提に基づき、新型コロナウイルス感染拡大による当社グループ各社の影響等を集計・予測し、2020年8月6日に2020年度の連結業績予想を公表いたしました。
<2020年度連結業績予想の前提>・新型コロナウイルスの感染拡大状況が世界的に長期化
・市場の不透明感が継続し、2020年度内は厳しい事業環境が続く
・感染拡大の中でも当社グループの生産及びエンジニアリング、工事、サービス等の現場業務の全面的な停止は発生せず、事業は継続
また、新型コロナウイルスが再度世界的な感染拡大傾向にある中、上記前提に変更はありませんが、直近の経済動向及びお客様の設備投資の動向、需要の変化等から、2020年11月5日に通期連結業績予想を上方に修正いたしました。この結果、2020年度の業績につきましては、売上高は2,480億円、営業利益は255億円を見込んでおります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、前述のとおり健全な財務基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保していると認識しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上を重要な経営課題として認識しており、当社グループは格付投資情報センターより2020年10月16日付で引き上げられた発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得して社債発行枠200億円を設定するとともに、新たにコマーシャル・ペーパーについて格付「a-1」を取得して発行枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。併せて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っております。
当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、主に短期借入金で調達しておりますが、当第3四半期連結会計期間末現在で短期借入金の残高は89億3千万円で、前連結会計年度末に比べて7億5百万円増加しております。なお、当第3四半期連結累計期間において重要な資金調達はありません。