有価証券報告書-第104期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。
売上高につきましては、2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)と、前連結会計年度比0.5%の減少となりました。
損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。
資産の状況
当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて171億6千7百万円増加し、資産合計で3,322億4千万円となりました。これは主に、現金及び預金が67億6千1百万円、保有株式の時価の上昇等により投資有価証券が63億2百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債の状況
当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて16億8千5百万円増加し、負債合計で762億4千万円となりました。これは主に、社員株式給付制度において、譲渡制限付き制度へ改定後の初回の給付が在職中の社員へ実施されたことなどにより、流動負債の株式給付引当金が24億3百万円減少した一方で、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームにより借り入れたことなどにより長期借入金が44億5千3百万円増加したことによるものであります。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて154億8千2百万円増加し、純資産合計で2,559億9千9百万円となりました。これは主に株主資本が取締役会決議に基づく自己株式の取得により149億9千9百万円、配当金の支払いにより136億2千3百万円それぞれ減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により385億6千5百万円増加し、また、その他有価証券評価差額金が37億4千万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の75.3%から76.1%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は380億3千2百万円となり、前連結会計年度に比べて59億2千1百万円の減少となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、設備投資等の支出により、64億7千2百万円となりました。前連結会計年度においては、設備投資等の支出があった一方で、関係会社出資金の売却等の収入があり、20億3千2百万円の資金の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、前連結会計年度と同水準の300億6千6百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に一部の海外子会社で短期借入金の返済による支出がありましたが、当連結会計年度において、配当による支出が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より52億9千3百万円増加し、979億3千1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な会計上の見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(請負工事に関する収益認識)
請負工事契約については、履行義務の充足に係る工事の進捗度を合理的に見積もり、履行義務を充足する一定の期間にわたり収益を認識しております。工事の進捗度の見積りは主に、当連結会計年度末までに実施した工事に関して発生したコストが見積総原価に占める割合に基づく方法(インプット法)によっております。
なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗度について、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注残案件のうち売上時に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。
なお、将来発生する可能性のある損失をカバーするだけの十分な引当金残高を有しているかどうかを判断するために、様々な仮定や要素を考慮しておりますが、新技術・新領域の案件等において、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
azbilグループを取り巻く事業環境認識は次のとおりです。
国内大型建物向け空調制御機器・システムにつきましては、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移しています。生産設備向けの各種機器・システムにつきましては、工場・プラントの脱炭素化やDX推進に向けた需要が継続しましたが、ファクトリーオートメーション(FA)市場は、地域・市場により需要動向に差異が見られました。
この結果、当連結会計年度における業績につきましては次のとおりとなりました。
受注高は、各種の施策展開に加えて堅調な市況を背景に国内外で大型案件の計上もあったことからビルディングオートメーション(BA)事業が増加しましたが、ライフオートメーション(LA)事業が、前連結会計年度にライフサイエンスエンジニアリング分野を担うアズビルテルスター有限会社(以下、「アズビルテルスター」という。)の出資持分を譲渡※1したことの影響を主因に大きく減少し、全体としては前連結会計年度比0.8%減少の3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)となりました。
売上高は、BA事業が既設建物向け・サービス分野を中心に増加し、アドバンスオートメーション(AA)事業も主に国内外プロセスオートメーション(PA)市場で増加しましたが、LA事業が前述の理由から大きく減少したため、全体として前連結会計年度比0.5%減少の2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)となりました。
損益面につきましては、営業利益は、中期経営計画に基づく研究開発費の計上、DX関連費用、人件費やその他費用の増加がありましたが、価格転嫁も含めた収益力強化施策により大きく改善し、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益も、主に営業利益の増加により大きく改善し、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度にアズビルテルスターの出資持分譲渡による売却益(約76億円)を特別利益として計上していたことを主因に、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。
※1 アズビルテルスターの出資持分全てを、2024年10月31日(中央ヨーロッパ時間)付で譲渡しました。この譲渡に伴いアズビルテルスター及びその子会社を2025年3月期第3四半期末にて当社の連結の範囲から除外しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては次のとおりです。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は、国内市場においては、都市再開発のオフィスビル向け新設需要が堅調で引き続き高い水準が見込まれます。また建物改修に関する需要も堅調に推移しております。省エネ・CO2排出量削減の需要に加えて、安全や新しい働き方にも対応するオフィス環境の創造への関心も高い状況です。また、海外市場での投資も堅調です。
こうした堅調な事業環境のもと、人員を含めたリソースの適切な配置を進め、施工・サービスの現場を主体に業務遂行能力を強化するとともに、年間を通しての負荷平準化、DX推進による効率化等を進め、獲得した受注案件に着実に対応することで売上を拡大してまいりました。また、AIやクラウド等の技術活用を志向する国内外のお客様のニーズに対応するための製品・サービスの開発や、需要が拡大するデータセンター向けに他社との提携を含めソリューション力の強化を進めてまいりました。
この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、堅調な市況に加えて、新設・既設建物向け分野・海外事業それぞれで大型案件の計上があったことから、前連結会計年度比6.6%増加の1,637億5千万円(前連結会計年度は1,536億4千万円)となりました。売上高は、大型案件の計上等により前連結会計年度の水準が高かった新設建物向け分野が減少しましたが、負荷平準化の取組みの進展もあり既設・サービス分野が着実に増加し、海外事業も伸長したことから、前連結会計年度比5.1%増加の1,563億5千1百万円(前連結会計年度は1,487億7千万円)となりました。セグメント利益は、人件費、DX関連費用や外注費が増加しましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化の効果により大きく改善し、前連結会計年度比18.6%増加の289億1百万円(前連結会計年度は243億6千3百万円)となりました。
中長期的には、引き続き大型の再開発案件が計画されており、建物の改修計画も多数見込まれています。AI等の新技術を活かしたクラウドアプリケーションの開発等、独自のソリューション力を強化するとともに、他社との事業提携も含めて、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・再生可能エネルギー利活用ニーズに応えるESP(Energy Service Provider)事業や、投資が拡大するデータセンター市場の更なる拡張に取り組んでまいります。さらに、海外市場においては、現地ビルオーナーやグローバルアカウント顧客開拓等による事業成長を実現してまいります。これら事業拡大施策と並行して、BIM(Building Information Modeling)等のDX推進及び省施工・工事レス製品の開発・投入により、更なる効率性向上、収益体質の強化を目指してまいります。
(単位:百万円)
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、PA市場は、国内の保守・改造需要を中心に堅調に推移しました。FA市場では、足元で需要の回復が見られますが、地域・市場で差異があり、全体としての回復は緩やかなものに留まりました。米国相互関税政策自体の当社グループ業績への直接的影響は限定的なものに留まっていますが、中東における地政学的リスクや米中貿易摩擦がサプライチェーンや製造業の設備投資へ与える影響には、今後の動向に留意が必要です。
このような事業環境のもと、国内事業で培った競争力あるソリューションをグローバルに展開するとともに、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※2センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したシン・オートメーションの創造による事業拡大を進めてまいりました。あわせて、製品・サービスの原価改善、価格転嫁等、更なる収益力強化に継続して取り組みました。
この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、前連結会計年度末において先行的な大型発注がなされたことの影響から海外PA市場が減少しましたが、国内PA市場が大型案件の計上を含めて堅調に推移・増加し、FA市場も下期から増加したことから、全体としては前連結会計年度同水準の1,062億4千2百万円(前連結会計年度は1,059億8千6百万円)となりました。売上高は、国内外でPA市場が増加し、FA市場も受注同様下期から増加に転じたことから、全体としては前連結会計年度比3.6%増加の1,107億2千6百万円(前連結会計年度は1,068億3千6百万円)となりました。セグメント利益は、人件費をはじめとした各種経費の上昇や海外市場への投資、DX投資の増加がありましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化施策の効果や商品ミックス等の要因により大きく改善し、前連結会計年度比11.3%増加の178億円(前連結会計年度は159億9千7百万円)となりました。
下期以降FA市場の回復が進みつつあり、海外事業の成長、シン・オートメーションの創造・拡大の2つの成長施策も着実に進展しています。中長期的には、景気の循環による変動影響はありますが、脱炭素化、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応や設備老朽化対応等の社会的ニーズに対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は広がっており、更なる事業成長が期待されます。引き続き3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)を軸に、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策に取り組むとともに、海外事業をはじめとした成長領域への展開を推し進め、AIやクラウド、MEMS等の先進的な技術を取り入れた製品・サービスの開発、市場投入を加速し、当社グループならではのシン・オートメーションを創造することで、高い競争力を持った事業成長を目指してまいります。
(単位:百万円)
※2 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器
※3 3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、住宅用全館空調システムの生活関連の2つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
ライフライン分野は、売上高の一部を占めるLPガスメーター市場には循環的な需要変動がありますが、法定の検定有効期間満了によるメーターの交換需要を主体として都市ガスメーター、水道メーターを中心に一定の需要が継続的に見込まれます。住宅用全館空調システム分野では、建設費の高騰が戸建て住宅の着工の動きに影響を与えています。
こうした事業環境のもと、安定した交換需要を基盤として、スマートメーターからのデータを活用したサービスの展開等に取り組むとともに、価格転嫁を含む収益力強化に継続して取り組んでまいりました。
なお、前述のとおり事業ポートフォリオ再構築の観点から、ライフサイエンスエンジニアリング分野を担っていたアズビルテルスターの出資持分を2024年10月31日に譲渡いたしました。同社及びその子会社の損益は2024年度第3四半期累計期間までを連結対象としていたことから、当連結会計年度業績には出資持分譲渡による減少影響が含まれております。
この結果、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、アズビルテルスター譲渡による影響(155億円の減少)により、前連結会計年度比27.6%減少の339億3千6百万円(前連結会計年度は468億4千5百万円)となりました。売上高も同様に、同社を譲渡したことによる影響(146億円の減少)により、前連結会計年度比28.5%減少の333億3千6百万円(前連結会計年度は466億3千4百万円)となりました。セグメント利益については、価格転嫁を含む収益力強化施策のほか、経費の削減等を行いましたが、同社譲渡による影響に加えて、部材価格高騰や人件費の上昇の影響等により前連結会計年度比46.2%減少の6億3千万円(前連結会計年度は11億7千1百万円)となりました。
LA事業では、新規戦略投資や他社協業※4の推進を含めた事業拡大に取り組むとともに、引き続き価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果、並びにDXの推進による業務プロセスの見直しなどを進め、事業環境変化に対応した成長を目指します。ライフライン分野では、計量法に基づく安定した更新需要を基盤事業として、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaS※5)事業を推進して、成長を目指します。住宅用全館空調システム分野では新設建物から既設建物まで、省エネや空気質の向上も含めて、幅広く生活空間の快適性を提供する製品とサービスエンジニアリング力の組合せにより、事業を推進してまいります。
(単位:百万円)
※4 他社協業
ライフライン分野のアズビル金門株式会社は、2025年7月にスマート水道メータリングの分野において漏水検知クラウドサービス等で実績を持つKamstrup社(本社:デンマーク)と協業することで合意しました。
※5 Smart Metering as a Service(SMaaS)
従来のメーター計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。
2026年度の見通し
azbilグループは、2030年度をゴールとする長期目標を設定し、中期経営計画を段階的に策定して目標達成に向けた取組みを進めております。「持続可能な社会」の実現に向けて、現在、様々な社会課題やお客様の課題が生まれており、こうした課題への解決策を提供できるオートメーションの役割が拡大、需要が増加しています。3ヵ年の現中期経営計画初年度である2025年度は、インフレの急激な進行など事業環境の変化が激しい1年ではありましたが、こうした需要の増加を捉えるとともに、事業収益性を高めることで、当初計画を上回る業績を上げることができました。こうした成果を踏まえ、事業環境の不透明さは増してはいますが、次期においても各事業において見込まれる需要を着実に取り込むことを前提に、以下の見通しを策定しております。
2027年3月期(2026年度)の当社グループを取り巻く事業環境は空調制御機器・システムに関する需要は引き続き堅調が見込まれており、工場・プラント等の生産設備に関する需要につきましても、半導体製造装置等のFA市場の需要回復が見込まれています。法定によるメーターの交換需要等、安全・安心のためのメンテナンスや機器交換需要も継続して各事業で見込まれます。一方で、グローバルでの地政学的リスク、とりわけ中東情勢の緊迫化を背景とした資源価格や物流、調達面への影響、インフレの継続による人件費を含む各種コストの上昇等、不確実性の高い状況が続くことが見込まれます。当社グループとしては適切な情勢判断・リスク管理のうえで、動向に注視しつつ、過去のコロナ禍やサプライチェーンの混乱に対応した知見も活かし、迅速、適切な対応に努めてまいります。
以上の事業環境認識及び各事業における需要見通しを前提として、2027年3月期(2026年度)の連結業績予想につきましては、売上収益3,150億円、事業利益482億円、税引前利益500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益353億円を見込んでおります。なお、中東情勢を主とする地政学的リスクの業績への影響は不透明であることから、2027年3月期(2026年度)の業績予想には、現時点で確認できる影響を織り込んでおります。今後の情勢の変化、事業への影響を注視してまいります。
事業別の見通しは以下のとおりです。
BA事業では、国内外ともに堅調な市場環境が継続しており、豊富な受注残を背景に、既設・サービス分野及び海外事業を中心に増収を見込みます。外注費や人件費等の増加はあるものの、増収効果に加え、受注時採算性の改善や価格転嫁を進めることにより、事業利益も増益を見込みます。
AA事業では、中東情勢のマクロ経済や設備投資への影響が懸念されますが、国内の人手不足への対応やメンテナンス需要を含めたPA市場における投資継続に加えて、半導体製造装置市場等のFA市場での回復を見込み、増収を見込みます。一方、部材価格の高騰や人件費の増加に加えて、前年度に高収益案件を計上していたことの影響等から、事業利益は前年度同水準を見込みます。
LA事業では、ガス・水道メーター等のライフライン分野において、法定による交換需要を着実に取り込むとともに、SMaaS(Smart Metering as a Service)関連市場の開拓を進めることなどにより増収を見込みます。銅等の部材価格高騰や人件費の増加はあるものの、価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果により、事業利益は増益を見込みます。
インフレの進行や中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりなど、不透明かつ厳しい事業環境が継続すると思われますが、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実施し、当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進してまいります。
業績予想は、現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は今後様々な要因により異なる可能性があります。
なお、当社グループは2027年3月期第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため、以下の連結業績予想はIFRSに基づいて作成しております。
※6 日本基準における「売上高」を「売上収益」、「セグメント利益」及び「営業利益」を「事業利益」、「税金等調整前当期純利益」を「税引前利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」として表示しております。
※7 監査未了の暫定値を掲載しているため、数値は今後変更となる可能性があります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財務基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため、当社グループは格付投資情報センターより発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得して社債発行枠200億円を設定するとともに、コマーシャル・ペーパーについて格付「a-1」を取得して発行枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。あわせて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図るとともに、海外の一部地域においても域内でのグループファイナンスを実施しております。
当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は48億1千6百万円、長期借入金の残高は50億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて借入金の合計残高は44億7百万円増加しております。なお、長期借入金については、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームに基づき借り入れたものであります。
他方、営業活動によるキャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発、サービスの高付加価値化や事業の効率化に必要なDX等への投資を実現しております。当連結会計年度の設備投資の総額は79億6千2百万円、研究開発費の総額は127億1千3百万円となりました。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。
株主還元につきましては、経営の重要課題の一つと位置付けており、連結業績、純資産配当率(DOE)・自己資本当期純利益率(ROE)等の水準に加え、上記の成長投資及び健全な財務基盤の確保のための内部留保等を総合的に勘案し、配当水準の向上に努めつつ安定した配当を維持していきたいと考えております。詳細は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。
この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。
※2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。
当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。
売上高につきましては、2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)と、前連結会計年度比0.5%の減少となりました。
損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 前連結会計年度 | 2026年3月期 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 304,723 | 302,366 | △2,356 | △0.8% |
| 売上高 | 300,378 | 298,930 | △1,447 | △0.5% |
| 営業利益 (利益率) | 41,486 (13.8%) | 47,304 (15.8%) | 5,818 (2.0pp) | 14.0% |
| 経常利益 | 42,170 | 48,760 | 6,590 | 15.6% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 (利益率) | 40,955 (13.6%) | 38,565 (12.9%) | △2,390 (△0.7pp) | △5.8% |
当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。
資産の状況
当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて171億6千7百万円増加し、資産合計で3,322億4千万円となりました。これは主に、現金及び預金が67億6千1百万円、保有株式の時価の上昇等により投資有価証券が63億2百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債の状況
当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて16億8千5百万円増加し、負債合計で762億4千万円となりました。これは主に、社員株式給付制度において、譲渡制限付き制度へ改定後の初回の給付が在職中の社員へ実施されたことなどにより、流動負債の株式給付引当金が24億3百万円減少した一方で、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームにより借り入れたことなどにより長期借入金が44億5千3百万円増加したことによるものであります。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて154億8千2百万円増加し、純資産合計で2,559億9千9百万円となりました。これは主に株主資本が取締役会決議に基づく自己株式の取得により149億9千9百万円、配当金の支払いにより136億2千3百万円それぞれ減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により385億6千5百万円増加し、また、その他有価証券評価差額金が37億4千万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の75.3%から76.1%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は380億3千2百万円となり、前連結会計年度に比べて59億2千1百万円の減少となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、設備投資等の支出により、64億7千2百万円となりました。前連結会計年度においては、設備投資等の支出があった一方で、関係会社出資金の売却等の収入があり、20億3千2百万円の資金の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、前連結会計年度と同水準の300億6千6百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に一部の海外子会社で短期借入金の返済による支出がありましたが、当連結会計年度において、配当による支出が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より52億9千3百万円増加し、979億3千1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ビルディングオートメーション事業 | 46,659 | 102.0 |
| アドバンスオートメーション事業 | 31,132 | 93.7 |
| ライフオートメーション事業 | 23,111 | 72.4 |
| 報告セグメント計 | 100,904 | 91.0 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 100,904 | 91.0 |
(注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
| ビルディングオートメーション事業 | 163,750 | 106.6 | 98,792 | 109.3 |
| アドバンスオートメーション事業 | 106,242 | 100.2 | 44,681 | 91.8 |
| ライフオートメーション事業 | 33,936 | 72.4 | 5,277 | 115.4 |
| 報告セグメント計 | 303,929 | 99.2 | 148,752 | 103.6 |
| その他 | 965 | - | 117 | - |
| 消去 | △2,527 | - | △433 | - |
| 連結 | 302,366 | 99.2 | 148,435 | 103.5 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ビルディングオートメーション事業 | 156,351 | 105.1% |
| アドバンスオートメーション事業 | 110,726 | 103.6% |
| ライフオートメーション事業 | 33,336 | 71.5% |
| 報告セグメント計 | 300,414 | 99.4% |
| その他 | 934 | - |
| 消去 | △2,418 | - |
| 連結 | 298,930 | 99.5% |
(注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な会計上の見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(請負工事に関する収益認識)
請負工事契約については、履行義務の充足に係る工事の進捗度を合理的に見積もり、履行義務を充足する一定の期間にわたり収益を認識しております。工事の進捗度の見積りは主に、当連結会計年度末までに実施した工事に関して発生したコストが見積総原価に占める割合に基づく方法(インプット法)によっております。
なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗度について、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注残案件のうち売上時に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。
なお、将来発生する可能性のある損失をカバーするだけの十分な引当金残高を有しているかどうかを判断するために、様々な仮定や要素を考慮しておりますが、新技術・新領域の案件等において、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
azbilグループを取り巻く事業環境認識は次のとおりです。
国内大型建物向け空調制御機器・システムにつきましては、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移しています。生産設備向けの各種機器・システムにつきましては、工場・プラントの脱炭素化やDX推進に向けた需要が継続しましたが、ファクトリーオートメーション(FA)市場は、地域・市場により需要動向に差異が見られました。
この結果、当連結会計年度における業績につきましては次のとおりとなりました。
受注高は、各種の施策展開に加えて堅調な市況を背景に国内外で大型案件の計上もあったことからビルディングオートメーション(BA)事業が増加しましたが、ライフオートメーション(LA)事業が、前連結会計年度にライフサイエンスエンジニアリング分野を担うアズビルテルスター有限会社(以下、「アズビルテルスター」という。)の出資持分を譲渡※1したことの影響を主因に大きく減少し、全体としては前連結会計年度比0.8%減少の3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)となりました。
売上高は、BA事業が既設建物向け・サービス分野を中心に増加し、アドバンスオートメーション(AA)事業も主に国内外プロセスオートメーション(PA)市場で増加しましたが、LA事業が前述の理由から大きく減少したため、全体として前連結会計年度比0.5%減少の2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)となりました。
損益面につきましては、営業利益は、中期経営計画に基づく研究開発費の計上、DX関連費用、人件費やその他費用の増加がありましたが、価格転嫁も含めた収益力強化施策により大きく改善し、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益も、主に営業利益の増加により大きく改善し、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度にアズビルテルスターの出資持分譲渡による売却益(約76億円)を特別利益として計上していたことを主因に、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。
※1 アズビルテルスターの出資持分全てを、2024年10月31日(中央ヨーロッパ時間)付で譲渡しました。この譲渡に伴いアズビルテルスター及びその子会社を2025年3月期第3四半期末にて当社の連結の範囲から除外しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては次のとおりです。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は、国内市場においては、都市再開発のオフィスビル向け新設需要が堅調で引き続き高い水準が見込まれます。また建物改修に関する需要も堅調に推移しております。省エネ・CO2排出量削減の需要に加えて、安全や新しい働き方にも対応するオフィス環境の創造への関心も高い状況です。また、海外市場での投資も堅調です。
こうした堅調な事業環境のもと、人員を含めたリソースの適切な配置を進め、施工・サービスの現場を主体に業務遂行能力を強化するとともに、年間を通しての負荷平準化、DX推進による効率化等を進め、獲得した受注案件に着実に対応することで売上を拡大してまいりました。また、AIやクラウド等の技術活用を志向する国内外のお客様のニーズに対応するための製品・サービスの開発や、需要が拡大するデータセンター向けに他社との提携を含めソリューション力の強化を進めてまいりました。
この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、堅調な市況に加えて、新設・既設建物向け分野・海外事業それぞれで大型案件の計上があったことから、前連結会計年度比6.6%増加の1,637億5千万円(前連結会計年度は1,536億4千万円)となりました。売上高は、大型案件の計上等により前連結会計年度の水準が高かった新設建物向け分野が減少しましたが、負荷平準化の取組みの進展もあり既設・サービス分野が着実に増加し、海外事業も伸長したことから、前連結会計年度比5.1%増加の1,563億5千1百万円(前連結会計年度は1,487億7千万円)となりました。セグメント利益は、人件費、DX関連費用や外注費が増加しましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化の効果により大きく改善し、前連結会計年度比18.6%増加の289億1百万円(前連結会計年度は243億6千3百万円)となりました。
中長期的には、引き続き大型の再開発案件が計画されており、建物の改修計画も多数見込まれています。AI等の新技術を活かしたクラウドアプリケーションの開発等、独自のソリューション力を強化するとともに、他社との事業提携も含めて、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・再生可能エネルギー利活用ニーズに応えるESP(Energy Service Provider)事業や、投資が拡大するデータセンター市場の更なる拡張に取り組んでまいります。さらに、海外市場においては、現地ビルオーナーやグローバルアカウント顧客開拓等による事業成長を実現してまいります。これら事業拡大施策と並行して、BIM(Building Information Modeling)等のDX推進及び省施工・工事レス製品の開発・投入により、更なる効率性向上、収益体質の強化を目指してまいります。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 前連結会計年度 | 2026年3月期 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 153,640 | 163,750 | 10,110 | 6.6% |
| 売上高 | 148,770 | 156,351 | 7,581 | 5.1% |
| セグメント利益 (利益率) | 24,363 (16.4%) | 28,901 (18.5%) | 4,537 (2.1pp) | 18.6% |
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、PA市場は、国内の保守・改造需要を中心に堅調に推移しました。FA市場では、足元で需要の回復が見られますが、地域・市場で差異があり、全体としての回復は緩やかなものに留まりました。米国相互関税政策自体の当社グループ業績への直接的影響は限定的なものに留まっていますが、中東における地政学的リスクや米中貿易摩擦がサプライチェーンや製造業の設備投資へ与える影響には、今後の動向に留意が必要です。
このような事業環境のもと、国内事業で培った競争力あるソリューションをグローバルに展開するとともに、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※2センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したシン・オートメーションの創造による事業拡大を進めてまいりました。あわせて、製品・サービスの原価改善、価格転嫁等、更なる収益力強化に継続して取り組みました。
この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、前連結会計年度末において先行的な大型発注がなされたことの影響から海外PA市場が減少しましたが、国内PA市場が大型案件の計上を含めて堅調に推移・増加し、FA市場も下期から増加したことから、全体としては前連結会計年度同水準の1,062億4千2百万円(前連結会計年度は1,059億8千6百万円)となりました。売上高は、国内外でPA市場が増加し、FA市場も受注同様下期から増加に転じたことから、全体としては前連結会計年度比3.6%増加の1,107億2千6百万円(前連結会計年度は1,068億3千6百万円)となりました。セグメント利益は、人件費をはじめとした各種経費の上昇や海外市場への投資、DX投資の増加がありましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化施策の効果や商品ミックス等の要因により大きく改善し、前連結会計年度比11.3%増加の178億円(前連結会計年度は159億9千7百万円)となりました。
下期以降FA市場の回復が進みつつあり、海外事業の成長、シン・オートメーションの創造・拡大の2つの成長施策も着実に進展しています。中長期的には、景気の循環による変動影響はありますが、脱炭素化、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応や設備老朽化対応等の社会的ニーズに対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は広がっており、更なる事業成長が期待されます。引き続き3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)を軸に、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策に取り組むとともに、海外事業をはじめとした成長領域への展開を推し進め、AIやクラウド、MEMS等の先進的な技術を取り入れた製品・サービスの開発、市場投入を加速し、当社グループならではのシン・オートメーションを創造することで、高い競争力を持った事業成長を目指してまいります。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 前連結会計年度 | 2026年3月期 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 105,986 | 106,242 | 255 | 0.2% |
| 売上高 | 106,836 | 110,726 | 3,889 | 3.6% |
| セグメント利益 (利益率) | 15,997 (15.0%) | 17,800 (16.1%) | 1,802 (1.1pp) | 11.3% |
※2 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器
※3 3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、住宅用全館空調システムの生活関連の2つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
ライフライン分野は、売上高の一部を占めるLPガスメーター市場には循環的な需要変動がありますが、法定の検定有効期間満了によるメーターの交換需要を主体として都市ガスメーター、水道メーターを中心に一定の需要が継続的に見込まれます。住宅用全館空調システム分野では、建設費の高騰が戸建て住宅の着工の動きに影響を与えています。
こうした事業環境のもと、安定した交換需要を基盤として、スマートメーターからのデータを活用したサービスの展開等に取り組むとともに、価格転嫁を含む収益力強化に継続して取り組んでまいりました。
なお、前述のとおり事業ポートフォリオ再構築の観点から、ライフサイエンスエンジニアリング分野を担っていたアズビルテルスターの出資持分を2024年10月31日に譲渡いたしました。同社及びその子会社の損益は2024年度第3四半期累計期間までを連結対象としていたことから、当連結会計年度業績には出資持分譲渡による減少影響が含まれております。
この結果、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、アズビルテルスター譲渡による影響(155億円の減少)により、前連結会計年度比27.6%減少の339億3千6百万円(前連結会計年度は468億4千5百万円)となりました。売上高も同様に、同社を譲渡したことによる影響(146億円の減少)により、前連結会計年度比28.5%減少の333億3千6百万円(前連結会計年度は466億3千4百万円)となりました。セグメント利益については、価格転嫁を含む収益力強化施策のほか、経費の削減等を行いましたが、同社譲渡による影響に加えて、部材価格高騰や人件費の上昇の影響等により前連結会計年度比46.2%減少の6億3千万円(前連結会計年度は11億7千1百万円)となりました。
LA事業では、新規戦略投資や他社協業※4の推進を含めた事業拡大に取り組むとともに、引き続き価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果、並びにDXの推進による業務プロセスの見直しなどを進め、事業環境変化に対応した成長を目指します。ライフライン分野では、計量法に基づく安定した更新需要を基盤事業として、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaS※5)事業を推進して、成長を目指します。住宅用全館空調システム分野では新設建物から既設建物まで、省エネや空気質の向上も含めて、幅広く生活空間の快適性を提供する製品とサービスエンジニアリング力の組合せにより、事業を推進してまいります。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 前連結会計年度 | 2026年3月期 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 受注高 | 46,845 | 33,936 | △12,909 | △27.6% |
| 売上高 | 46,634 | 33,336 | △13,297 | △28.5% |
| セグメント利益 (利益率) | 1,171 (2.5%) | 630 (1.9%) | △540 (△0.6pp) | △46.2% |
※4 他社協業
ライフライン分野のアズビル金門株式会社は、2025年7月にスマート水道メータリングの分野において漏水検知クラウドサービス等で実績を持つKamstrup社(本社:デンマーク)と協業することで合意しました。
※5 Smart Metering as a Service(SMaaS)
従来のメーター計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。
2026年度の見通し
azbilグループは、2030年度をゴールとする長期目標を設定し、中期経営計画を段階的に策定して目標達成に向けた取組みを進めております。「持続可能な社会」の実現に向けて、現在、様々な社会課題やお客様の課題が生まれており、こうした課題への解決策を提供できるオートメーションの役割が拡大、需要が増加しています。3ヵ年の現中期経営計画初年度である2025年度は、インフレの急激な進行など事業環境の変化が激しい1年ではありましたが、こうした需要の増加を捉えるとともに、事業収益性を高めることで、当初計画を上回る業績を上げることができました。こうした成果を踏まえ、事業環境の不透明さは増してはいますが、次期においても各事業において見込まれる需要を着実に取り込むことを前提に、以下の見通しを策定しております。
2027年3月期(2026年度)の当社グループを取り巻く事業環境は空調制御機器・システムに関する需要は引き続き堅調が見込まれており、工場・プラント等の生産設備に関する需要につきましても、半導体製造装置等のFA市場の需要回復が見込まれています。法定によるメーターの交換需要等、安全・安心のためのメンテナンスや機器交換需要も継続して各事業で見込まれます。一方で、グローバルでの地政学的リスク、とりわけ中東情勢の緊迫化を背景とした資源価格や物流、調達面への影響、インフレの継続による人件費を含む各種コストの上昇等、不確実性の高い状況が続くことが見込まれます。当社グループとしては適切な情勢判断・リスク管理のうえで、動向に注視しつつ、過去のコロナ禍やサプライチェーンの混乱に対応した知見も活かし、迅速、適切な対応に努めてまいります。
以上の事業環境認識及び各事業における需要見通しを前提として、2027年3月期(2026年度)の連結業績予想につきましては、売上収益3,150億円、事業利益482億円、税引前利益500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益353億円を見込んでおります。なお、中東情勢を主とする地政学的リスクの業績への影響は不透明であることから、2027年3月期(2026年度)の業績予想には、現時点で確認できる影響を織り込んでおります。今後の情勢の変化、事業への影響を注視してまいります。
事業別の見通しは以下のとおりです。
BA事業では、国内外ともに堅調な市場環境が継続しており、豊富な受注残を背景に、既設・サービス分野及び海外事業を中心に増収を見込みます。外注費や人件費等の増加はあるものの、増収効果に加え、受注時採算性の改善や価格転嫁を進めることにより、事業利益も増益を見込みます。
AA事業では、中東情勢のマクロ経済や設備投資への影響が懸念されますが、国内の人手不足への対応やメンテナンス需要を含めたPA市場における投資継続に加えて、半導体製造装置市場等のFA市場での回復を見込み、増収を見込みます。一方、部材価格の高騰や人件費の増加に加えて、前年度に高収益案件を計上していたことの影響等から、事業利益は前年度同水準を見込みます。
LA事業では、ガス・水道メーター等のライフライン分野において、法定による交換需要を着実に取り込むとともに、SMaaS(Smart Metering as a Service)関連市場の開拓を進めることなどにより増収を見込みます。銅等の部材価格高騰や人件費の増加はあるものの、価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果により、事業利益は増益を見込みます。
インフレの進行や中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりなど、不透明かつ厳しい事業環境が継続すると思われますが、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実施し、当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進してまいります。
業績予想は、現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は今後様々な要因により異なる可能性があります。
なお、当社グループは2027年3月期第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため、以下の連結業績予想はIFRSに基づいて作成しております。
| (単位:億円) | ||||||
| 2026年3月期 実績 日本基準※6 | 2026年3月期 実績 IFRS(試算)※7 | 2027年3月期 見通し IFRS | 増減 | 増減率 | ||
| ビルディング オートメーション事業 | 売上収益 | 1,563 | 1,563 | 1,660 | 96 | 6.2% |
| 事業利益 (利益率) | 289 (18.5%) | 283 (18.1%) | 300 (18.1%) | 16 (△0.1pp) | 5.9% | |
| アドバンス オートメーション事業 | 売上収益 | 1,107 | 1,107 | 1,150 | 42 | 3.9% |
| 事業利益 (利益率) | 178 (16.1%) | 173 (15.7%) | 172 (15.0%) | △1 (△0.8pp) | △1.1% | |
| ライフ オートメーション事業 | 売上収益 | 333 | 333 | 353 | 19 | 5.9% |
| 事業利益 (利益率) | 6 (1.9%) | 5 (1.5%) | 10 (2.8%) | 4 (1.3pp) | 99.9% | |
| その他 | 売上収益 | 9 | 9 | 10 | 0 | 7.0% |
| 事業利益 (利益率) | 0 (1.3%) | 0 (1.3%) | 0 (0.0%) | △0 (△1.3pp) | - | |
| 連結 | 売上収益 | 2,989 | 2,989 | 3,150 | 160 | 5.4% |
| 事業利益 (利益率) | 473 (15.8%) | 462 (15.5%) | 482 (15.3%) | 19 (△0.2pp) | 4.3% | |
| 営業利益 | - | 466 | 497 | 30 | 6.5% | |
| 税引前利益 | 507 | 479 | 500 | 20 | 4.3% | |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 (利益率) | 385 (12.9%) | 364 (12.2%) | 353 (11.2%) | △11 (△1.0pp) | △3.1% | |
※6 日本基準における「売上高」を「売上収益」、「セグメント利益」及び「営業利益」を「事業利益」、「税金等調整前当期純利益」を「税引前利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」として表示しております。
※7 監査未了の暫定値を掲載しているため、数値は今後変更となる可能性があります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財務基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため、当社グループは格付投資情報センターより発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得して社債発行枠200億円を設定するとともに、コマーシャル・ペーパーについて格付「a-1」を取得して発行枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。あわせて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図るとともに、海外の一部地域においても域内でのグループファイナンスを実施しております。
当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は48億1千6百万円、長期借入金の残高は50億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて借入金の合計残高は44億7百万円増加しております。なお、長期借入金については、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームに基づき借り入れたものであります。
他方、営業活動によるキャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発、サービスの高付加価値化や事業の効率化に必要なDX等への投資を実現しております。当連結会計年度の設備投資の総額は79億6千2百万円、研究開発費の総額は127億1千3百万円となりました。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。
株主還元につきましては、経営の重要課題の一つと位置付けており、連結業績、純資産配当率(DOE)・自己資本当期純利益率(ROE)等の水準に加え、上記の成長投資及び健全な財務基盤の確保のための内部留保等を総合的に勘案し、配当水準の向上に努めつつ安定した配当を維持していきたいと考えております。詳細は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。
この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。
※2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。