有価証券報告書-第98期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 10:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、回復と停滞が混在する不安定な状況が続きました。欧米のインフレの沈静化とともに景気持ち直しの兆しが見られた一方で、高水準の金利政策の継続による投資の抑制や、地政学的リスクも経済活動の重しとなり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向け環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれております。当期においては全体として需要は緩やかに回復しました。
このような環境のもと、当社グループは2030ビジョンの実現に向けた取り組みを3つのフェーズに分けて進めており、2025年度からはフェーズ2である「2027中期経営計画(2025年~2027年)」の目標達成に向けて、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力してまいりました。
販売面におきましては、為替が円安傾向で推移し、在庫調整の影響を受けていた産業機器向け需要が回復したことに加え、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向け需要が堅調に推移したこと等により、当連結会計年度の売上高は72,287百万円(前年同期比8,166百万円増、12.7%増)となりました。
利益面におきましても、原材料価格の上昇がありましたが、売上の増加等により、営業利益3,646百万円(前年同期比2,470百万円増、210.0%増)、材料作業屑処分益530百万円、補助金収入662百万円等を計上したことにより、経常利益5,223百万円(前年同期比3,979百万円増、320.1%増)、また、保有有価証券の一部売却により投資有価証券売却益209百万円を計上した一方、固定資産処分損54百万円、減損損失114百万円等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3,951百万円(前年同期比3,690百万円増)となりました。
セグメントの経営成績は、日本においては売上高57,842百万円(前年同期比6,204百万円増、12.0%増)、セグメント利益1,335百万円(前期はセグメント損失1,056百万円)、アジアにおいては売上高38,549百万円(前年同期比4,762百万円増、14.1%増)、セグメント利益1,549百万円(前年同期比156百万円増、11.2%増)、アメリカにおいては売上高11,503百万円(前年同期比540百万円増、4.9%増)、セグメント利益113百万円(前年同期比134百万円減、54.2%減)、ヨーロッパにおいては売上高13,801百万円(前年同期比1,676百万円増、13.8%増)、セグメント利益587百万円(前年同期比114百万円増、24.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,610百万円増加し、当連結会計年度末には27,410百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は9,069百万円(前連結会計年度は8,101百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,264百万円の計上、減価償却費7,096百万円の非資金項目の調整等によるものです。主な減少要因は、売上債権の増加1,621百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は7,061百万円(前連結会計年度は23,939百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出7,489百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は510百万円(前連結会計年度は11,252百万円の増加)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出3,204百万円等によるものです。主な増加要因は、長期借入れによる収入4,007百万円等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
日本51,030115.3
アジア21,124109.7
アメリカ157185.6
ヨーロッパ--
合計72,311113.7

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、商品仕入を含んでおります。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
日本23,666120.45,923131.5
アジア25,587123.54,132125.3
アメリカ12,187112.72,403141.1
ヨーロッパ14,008114.11,204120.8
合計75,449118.913,664130.1

c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
日本22,247111.0
アジア24,751117.9
アメリカ11,487104.8
ヨーロッパ13,801113.8
合計72,287112.7

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループの資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末と比べて10,185百万円増加し、当連結会計年度末は151,550百万円となりました。
当連結会計年度の負債は、支払手形及び買掛金等の減少により、前連結会計年度末と比べて281百万円減少し、当連結会計年度末は62,973百万円となりました。
当連結会計年度の純資産は、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末と比べて10,466百万円増加し、当連結会計年度末は88,577百万円となりました。
売上高は、72,287百万円(前年同期比8,166百万円増、12.7%増)となりましたが、この要因としましては、日本や欧州で顧客の在庫調整が進むとともに、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向けの需要が堅調に推移したことによります。
利益面におきましては、営業利益は3,646百万円(前年同期比2,470百万円増、210.0%増)となりましたが、この要因は、中国、マレーシアの新工場建設による減価償却費等の固定費の増加や、下期には金属相場の高騰による減益影響がありましたが、前述した売上高の増加や、徹底した設備投資、経費の抑制を実施した結果によるものと分析しています。経常利益は、5,223百万円(前年同期比3,979百万円増、320.1%増)となりましたが、この要因は、前述の営業利益の増加に加え、設備投資に対する補助金収入や為替差益などの営業外収益が増加したことによるものと分析しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、3,951百万円(前年同期比3,690百万円増)となりましたが、この要因は、法人税等1,312百万円を計上したことによるものと分析しています。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループは、ROE(自己資本利益率)6.2%、ROIC(投下資本利益率)4.7%を目標値とした、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力しております。当連結会計年度におけるROEは4.7%(前年同期比4.4ポイント改善)、ROICは2.1%(前年同期比1.9ポイント改善)となりました。
② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めています。研究開発費については、前連結会計年度の3,576百万円と比較し55百万円(1.5%)増加し、3,631百万円となりました。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、注力する製品の生産能力拡大、新製品の開発、国内外の製造拠点での品質や生産性向上等のための設備投資です。当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の25,510百万円と比較し、17,872百万円(70.1%)減少し、7,638百万円となりました。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。このため、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を実施することとしています。設備投資に充当する資金調達の一環として、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結し借入れを実施しておりますが、これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また主要な取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、安定的な資金調達が適時実施可能と認識しています。なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、複数の金融機関との間に2,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
a. 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
b. 退職給付債務の算定
当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、回収可能な範囲において資産計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断し法人税率が引き下げられた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
d. 投資有価証券の減損処理
当社グループでは投資有価証券を保有しており、評価方法は市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、市場価格のない株式以外のものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、市場価格のない株式等は投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っております。
当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。

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