有価証券報告書-第81期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:19
【資料】
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【項目】
117項目

研究開発活動

当社グループは、エレクトロニクス業界にあって、電子デバイス製品やマイクロ波関連製品等の企画、設計から生産技術まで総合的な研究開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、4,431百万円(前年度比 11.9%増)であります。
各セグメントの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。
(マイクロ波管・周辺機器)
各種レーダー用電子管および周辺機器、高出力増幅器を中心としたマイクロ波帯モジュール、含浸型カソードおよび電子銃の開発を行っております。レーダー用電子管および周辺機器は、新たなスプリアス規制に対応した電子管や周辺機器の開発を継続しております。またX線応用市場向け電子管および電子銃等の製品開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は、337百万円(前年度比 13.9%増)であります。
(マイクロ波応用製品)
主力の衛星通信用コンポーネント製品では、市場拡大が続く30GHz帯(Kaバンド)の送信部と受信部を一体化した小型トランシーバーの開発を完了いたしましたが、引き続きコンシューマー市場向け製品の開発に注力してまいります。主力の14GHz帯(Kuバンド)の送信機では、中出力から高出力まで新製品への切換や100W出力に向けたBUC(Block Up Converter)の高出力化・高機能化を進めてまいります。
マイクロ波センサー関連製品では、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)を活用した24GHz帯(Kバンド)ドップラーセンサーの汎用品および顧客要求を取り入れたカスタム品の開発を完了し、販売を開始いたしました。また、Kバンド小型マルチモードモジュールはセキュリティ向け以外のコンシューマー市場向けの製品として開発を進めてまいります。
当セグメントに係る研究開発費は、387百万円(前年度比 1.3%増)であります。
(電子デバイス)
主力製品のオペアンプICでは、高精度、低雑音、超低消費電流、高音質の汎用品と共に、車載・産機向けの専用品の開発を進めております。オーディオ用ICでは、ポータブル機器向けに低消費電力D級アンプの開発に注力すると共に、当社が長年培ってきた高音質化技術を生かし、鋭意開発・量産中のオペアンプICや電子ボリュームIC等のMUSESシリーズに、SiCデバイスを用いたSBD(Schottky Barrier Diode)も加え、ハイレゾ音響に対応しております。ビデオ信号処理用ICでは、監視カメラをターゲットに高機能ビデオアンプの開発を進めております。電源用ICや各種ドライバーICでは、8インチのBCD(Bipolar-CMOS-DMOS)プロセスを用いた高耐圧・大電流製品のラインナップ化を進めており、また、水晶発振器用ICでは、低位相雑音化と併せさらなる超小型化製品の開発を進めております。
マイクロ波デバイス(GaAs IC)では、スマー卜フォン、タブレットPC、モバイルルーター等のLTEアプリケーション向けの製品開発を行い、スイッチ製品、LNA製品を複数量産を開始いたしました。
SAWフィルタ応用デバイスでは、SAWフィルタとLNAを組み合わせた FEM (Front End Module)をGPS等の GNSS(Global Navigation Satellite System) 機器向けに開発を進めております。
新規事業分野といたしましては、MEMSセンサーを用いたスマートフォンのマイクモジュール向けの次世代品および、ウェアラブル端末や健康機器応用製品向けに光センサーの次世代製品開発を進めております。また、自社開発のデルタシグマ・アナログデジタルコンバーターをコアにした、センサー市場向けのアナログフロントエンドICの開発を進めております。さらに、省エネルギーに貢献が期待されているパワーデバイスとして、スーパージャンクションMOSFETの開発を進めております。
当セグメントに係る研究開発費は、3,705百万円(前年度比 13.0%増)であります。