有価証券報告書-第41期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
130項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの国内での感染拡大により、政府が2020年4月に初の緊急事態宣言を発令し同年5月に解除された後、景気の回復ペースは緩やかに推移したものの、感染の再拡大により2021年1月に一部地域に緊急事態宣言が再発令され、再び経済活動が制限されたこと等により、マイナス成長となりました。
また、世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的に経済活動が制限され、個人消費や企業収益が大きく減少しました。2020年5月から経済活動の再開が徐々に進められており、中国ではインフラ投資や製造業投資及び輸出を中心に経済回復が進み、米国では政府の経済対策の効果もあり回復基調にあります。EUでは感染の再拡大により経済活動は抑制基調が続いております。世界的には、不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、2020年5月14日付「中期経営計画2020(Fly for the bright future)の実施について」の施策を実施し、引き続き「経営体制の強化」「新成長ドライバーの確立」に取り組んでまいりました。
断熱材事業については、連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司において、日本国内大手製鉄会社からの大型案件受注等により、前年同期の売上を上回り、断熱材事業の売上高が前年同期比10.6%の増加という結果となりました。
アーカイブ事業については、ストレージソリューションにおいて、産業用光ドライブ搭載率の低下スピードが速まる兆候が見られ、前年同期の売上を下回りました。
ナノマテリアル事業については、標準品の拡充や、各顧客に対して、有償でのサンプル品の販売を行いました。量産用の販売には至らなかったものの、顧客での評価や検証プロセスは進展しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、2,681百万円(前年同期比2.6%減)となりました。利益面は、営業損失11百万円(前年同期は営業利益55百万円)、経常損失3百万円(前年同期は経常利益48百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失135百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13百万円)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
断熱材事業
当事業は、連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司において、電子部品用副資材、耐火材料及び関連製品の開発・製造・販売を行っております。また、当社でも同社製品を中心とした輸入販売を行っております。
国内は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う先行き不安から設備投資に慎重な姿勢が継続し、受注予定案件の翌期以降の持ち越しや、工事予定案件の規模縮小等により、前年同期の売上を下回りました。
阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司は、日本国内大手製鉄会社からの大型案件受注等により、前年同期の売上を上回りました。
以上により、断熱材事業の売上高は1,724百万円(前年同期比10.6%増)となりました。
アーカイブ事業
当事業は、重要な情報を長期に亘って保存及び利用するための長期保存用光ドライブと長期保存用光ディスクの販売を行う「アーカイブ」と、産業用及びAV機器用光ドライブの開発・製造・販売を行う「ストレージソリューション」が含まれます。
アーカイブは、企業活動によって得られた過去の蓄積データの長期保存と、保管コスト削減を目的とした需要に対し、長期保存用光ドライブ及び長期保存用光ディスクを起点としたソリューション提案を行い、写真プリント店の端末向けの受注が堅調に推移し、医療向け長期保存用光ドライブが増加しました。一方、プロフェッショナルディスク等の販売が減少し、前年同期の売上を下回りました。
ストレージソリューションは、産業機器用光ドライブ搭載率の低下スピードが速まる兆候が見られ、国内及び米国需要は減少し、前年同期の売上を下回りました。
以上により、アーカイブ事業の売上高は885百万円(前年同期比20.2%減)となりました。
インダストリアルソリューション事業
当事業は、オーディオ・ビデオ機器やコンピュータ周辺機器等の規準及び調整用テストディスク等の開発・製造・販売を行っております。
主要顧客であるカーオーディオ・カーナビ等の車載機器メーカー向けの販売が、テストメディア使用量の減少等により、前年同期の売上下回りました。また、AV機器市場及びPC市場においても、光ディスク以外の媒体への移行が引き続き進んでいることから、需要は減少しました。
以上により、インダストリアルソリューション事業の売上高は63百万円(前年同期比18.7%減)となりました。
その他事業
当事業は、ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行う「ナノマテリアル事業」が主な事業となっております。
ナノマテリアル事業は、粉末状の炭素繊維を製品化しております。標準品の拡充や、各顧客に対して、有償でのサンプル品の販売を行いました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う、取引先のテレワーク対応等の影響により、評価時期の遅れがありましたが、量産採用に向けての評価は進展しております。
以上により、その他事業の売上高は8百万円(前年同期比99.1%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態については、以下のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて4.1%増加し、3,036百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金の増加等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて11.4%減少し、438百万円となりました。これは、主として減損損失の計上による、建物及び構築物、及び有形固定資産のその他(工具、器具及び備品)の減少等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて28.5%増加し、834百万円となりました。これは、主として断熱材事業の受注増加に伴う、流動資産のその他(前受金)の増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて9.2%減少し、130百万円となりました。これは、主として長期借入金の減少等によるものであります。
(純 資 産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて4.2%減少し、2,509百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは45百万円(前連結会計年度は182百万円)となりました。これは、主として売上債権の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは△135百万円(前連結会計年度は422百万円)となりました。これは、主として事業用資産である有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは△41百万円(前連結会計年度は△181百万円)となりました。これは、主として長期借入金の返済によるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は1,397百万円(前連結会計年度は1,514百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
断熱材事業2,153,58618.1
アーカイブ事業
インダストリアルソリューション事業13,964△43.2
その他事業
合計2,167,55017.3

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
断熱材事業1,760,41851.260,558182.9
アーカイブ事業879,265△14.022,434△21.2
インダストリアルソリューション事業62,980△21.0412△68.3
その他事業8,13699.1
合計2,710,80019.483,40563.0

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
断熱材事業1,724,16810.6
アーカイブ事業885,290△20.2
インダストリアルソリューション事業63,868△18.7
その他事業8,13699.1
合計2,681,463△2.6

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
TEAC AMERICA, INC.389,10014.1329,20912.3
天津世通器械進出口有限公司293,86911.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.天津世通器械進出口有限公司の社名は中国語簡体字を含んでいるため、日本語常用漢字で代用しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
その他、固定資産の減損処理についても会計基準に従って見積りを行っておりますが、経済状況に大きな変化が生じた場合には、財政状態や経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において減損損失82,960千円を計上しております。回収可能価額は使用価値により算定しており、使用価値はゼロと算定しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,681百万円(前年同期比2.6%減)、利益面は、営業損失11百万円(前年同期は営業利益55百万円)、経常損失3百万円(前年同期は経常利益48百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失135百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13百万円)となりました。
当社グループは、「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」を策定し、本計画に基づき、「経営体制の強化」「新成長ドライバーの確立」を図りました。
これにより、ナノマテリアル事業の成長、断熱材事業の更なる成長、新成長ドライバーの確立を行った結果、連結売上高、連結営業利益は計画を上回りました。
ナノマテリアル事業は、2019年4月に事業を立ち上げてから、標準品の拡充や、有償でのサンプル品の販売を行い、評価段階も上がりました。
断熱材事業は、「材料メーカー」から「高付加価値商品・サービスを提供する総合断熱材企業」へ展開するため、高級高温耐火材付加価値製品の販売を重点に、断熱材に拘らない周辺商材の販売活動を展開しました。なお、連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司において、日本国内大手製鉄会社からの大型案件受注等により、前年同期の売上を上回り、断熱材事業の売上高が前年同期比10.6%増加しました。
アーカイブ事業及びインダストリアルソリューション事業は、効率的な事業運営に努めましたが低調に推移しました。
「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」に基づき、積極的投資を行いました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下のようなものがあります。
断熱材事業は、産業炉業界の設備投資需要に大きく影響を受けるため、景気動向により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国経済の成長鈍化が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
アーカイブ事業は、重要情報デジタル化の動き、産業機器及びAV機器の需要に大きく影響を受けるため、需要が減少した場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
インダストリアルソリューション事業は、主要な取引先はカーオーディオ・カーナビ等の車載機器メーカーであるため、これらの車載機器メーカーの動向により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
光ディスク関連市場においては、中期的には需要が急激に縮小することはないと考えていますが、長期的には光ディスクに替わる半導体メディア等や音楽または映像のネット配信の市場が更に拡大した場合、また、メーカー各社の生産動向が大きな影響を受けた場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルスの影響による企業活動の停滞が続き、世界経済に大きな悪影響を及ぼす場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループは、財務基盤の強化については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としております。当連結会計年度の運転資金及び設備投資資金等につきましては、内部資金及び銀行等からの借入による間接金融並びに新株予約権の発行による直接金融の手段により調達しております。
資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしており、当社においては、資金の流動性の確保を目的として、主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結しております。
当社のキャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりとなっております。
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率70.558.057.876.571.7
時価ベースの自己資本比率35.742.353.452.573.1
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率
△929.52,050.4△950.1211.9765.5
インタレスト・カバレッジ・
レシオ
△6.85.4△13.346.316.0

自己資本比率(%):自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率(%):株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年):有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレストカバレッジ・レシオ(倍):キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
財政状態の状況に関しましては、たな卸資産の削減、固定資産の効率化及び営業債権の早期回収が各セグメントに共通する課題であると認識しており、資産効率の改善に向け、注力してまいります。
また、当社は、2017年3月期から2021年3月期までの個別業績において、5期連続の営業損失を計上しております。
これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しており、「2 事業等のリスク」において、重要事象等が存在する旨及びその内容を記載しております。
しかしながら、2021年3月期の当社グループの連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスであり、当面の十分な自己資金も確保しております。
また、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策として、「中期経営計画2021」を策定し、これを反映した事業計画に基づく翌事業年度の資金計画による評価を実施した結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。