四半期報告書-第18期第1四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/05/14 15:05
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【項目】
15項目
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」)およびIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」)から、非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除または調整したものです。当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しており、当社グループはNon-GAAPベースで予想値を開示しております。具体的には、企業買収に伴い、認識した無形資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、企業買収関連費用、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除または調整しております。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
(1) 業績の状況
① 当第1四半期連結累計期間の業績(Non-GAAPベース)
(単位:億円)
前第1四半期
連結累計期間
(2018年1月1日~ 2018年3月31日)
当第1四半期連結累計期間
(2019年1月1日~ 2019年3月31日)
前期比増(減)
Non-GAAP売上収益1,8561,503△353△19.0%
(Non-GAAP半導体売上収益)1,8201,467△352△19.4%
Non-GAAP売上総利益(率)881
(47.5%)
590
(39.3%)
△291
(△8.2%)
△33.0%
Non-GAAP営業利益(率)301
(16.2%)
72
(4.8%)
△229
(△11.4%)
△76.1%

当第1四半期連結累計期間における業績は以下のとおりです。
(Non-GAAP売上収益)
当第1四半期連結累計期間のNon-GAAP売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ19.0%減少し1,503億円となりました。これは、主に、中国向けの需要が軟化したことや産業向けなどを中心に流通在庫の調整があったことによるものであります。
(Non-GAAP半導体売上収益)
当第1四半期連結累計期間のNon-GAAP半導体売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ19.4%減少し1,467億円となりました。
当社グループの主要な事業内容である「自動車向け事業」、「産業向け事業」および「ブロードベースド向け事業」の各Non-GAAP売上収益は、以下のとおりであります。
<自動車向け事業>:834億円
自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」とカーナビゲーションなどの車載情報機器向け半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC(system-on-a-chip)、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
当第1四半期連結累計期間における自動車向け事業のNon-GAAP売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ9.7%減少し834億円となりました。「車載制御」および「車載情報」の売上収益が共に減少したことによるものであります。
<産業向け事業>:318億円
産業向け事業には、スマート社会を支える「スマートファクトリー」、「スマートホーム」および「スマートインフラ」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラおよびSoCを中心に提供しております。
当第1四半期連結累計期間における産業向け事業のNon-GAAP売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ37.5%減少し318億円となりました。「スマートファクトリー」、「スマートホーム」および「スマートインフラ」のいずれについても売上収益が減少したことによるものであります。
<ブロードベースド向け事業>:301億円
ブロードベースド向け事業は、分野を問わない幅広い用途を対象としており、当事業において、当社グループは「汎用マイクロコントローラ」および「汎用アナログ半導体」を中心に提供しております。
当第1四半期連結累計期間におけるブロードベースド向け事業のNon-GAAP売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ21.0%減少し301億円となりました。「汎用アナログ半導体」および「汎用マイクロコントローラ」の売上収益が共に減少したことによるものであります。
(Non-GAAP売上総利益(率))
当第1四半期連結累計期間のNon-GAAP売上総利益は590億円となり、前第1四半期連結累計期間と比べ291億円の減少となりました。これは、主に売上収益が減少したことや在庫水準の継続的な抑制を目的とした生産減などによるものであります。その結果、当第1四半期連結累計期間のNon-GAAP売上総利益率は、39.3%となり、前第1四半期連結累計期間と比べ8.2%ポイントの減少となりました。
(Non-GAAP営業利益(率))
当第1四半期連結累計期間のNon-GAAP営業利益は72億円となり、前第1四半期連結累計期間と比べ229億円の減少となりました。これは、R&D(研究開発費)やSG&A(販売費及び一般管理費)を抑制したものの、上記の理由により売上総利益が減少したことなどによるものであります。その結果、当第1四半期連結累計期間のNon-GAAP営業利益率は、4.8%となり、前第1四半期連結累計期間と比べ11.4%ポイントの減少となりました。
② Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当第1四半期連結累計期間において、Non-GAAP営業利益で控除される無形資産および固定資産の償却費は42億円、株式報酬費用は16億円となりました。
(単位:億円)
前第1四半期連結累計期間
(2018年1月1日~ 2018年3月31日)
当第1四半期連結累計期間
(2019年1月1日~ 2019年3月31日)
Non-GAAP売上総利益(率)881(47.5%)590(39.3%)
無形資産および固定資産償却費△3△3
株式報酬費用△1△2
その他非経常的な項目
および調整項目
△9△13
IFRS売上総利益(率)867(46.7%)572(38.1%)
Non-GAAP営業利益(率)301(16.2%)72(4.8%)
無形資産および固定資産償却費△45△42
株式報酬費用△12△16
その他非経常的な項目
および調整項目
△10△27
IFRS営業利益(率)234(12.6%)△13(△0.8%)

(注)その他非経常的な項目および調整項目には企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などが含まれております。
③ 当第1四半期連結累計期間の経営成績(IFRSベース)
<当連結会計年度(2019年1月1日~2019年3月31日)の連結業績>(IFRSベース)
(単位:億円)
前第1四半期
連結累計期間
(2018年1月1日~ 2018年3月31日)
当第1四半期連結累計期間
(2019年1月1日~ 2019年3月31日)
前期比増(減)
売上収益1,8561,503△353△19.0%
(半導体売上収益)1,8201,467△352△19.4%
売上総利益(率)867(46.7%)572(38.1%)△295△34.1%
営業利益(率)234(12.6%)△13(△0.8%)△246


(2) 財政状態
<資産、負債及び資本>(単位:億円)
前連結会計年度
(2018年12月31日)
当第1四半期
連結会計期間
(2019年3月31日)
前期末比
増(減)
資 産 合 計10,55218,4327,880
資 本 合 計6,0106,380370
親会社の所有者に帰属する持分5,9816,351370
親会社所有者帰属持分比率(%)56.734.5△22.2
有 利 子 負 債1,9509,6517,701
D/Eレシオ(倍)0.331.521.19

当第1四半期連結会計期間の資産合計は18,432億円で、前連結会計年度と比べ7,880億円の増加となりました。これは、IDT社の買収により、のれんが増加したことなどによるものであります。資本合計は6,380億円で、前連結会計年度と比べ370億円の増加となりました。これは、主にその他の資本の構成要素が増加したことなどによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度と比べ370億円増加しましたが、IDT社の買収に伴う借入金の増加などにより、親会社所有者帰属持分比率は34.5%となりました。また、有利子負債は、前連結会計年度末と比べ7,701億円の増加となりました。これらの結果、D/Eレシオは1.52倍となりました。
<キャッシュ・フローの状況>(単位:億円)
前第1四半期
連結累計期間
(2018年1月1日~ 2018年3月31日)
当第1四半期連結累計期間
(2019年1月1日~ 2019年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー179200
投資活動によるキャッシュ・フロー△245△7,021
フリー・キャッシュ・フロー△66△6,821
財務活動によるキャッシュ・フロー△276,901
現金及び現金同等物の期首残高1,3951,888
現金及び現金同等物の期末残高1,2431,967

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、200億円の収入となりました。これは主として、税引前四半期純損失を計上したものの、減価償却費などの非資金項目を調整したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、7,021億円の支出となりました。これは主として、IDT社の株式を取得したことなどによるものであります。
この結果、当第1四半期累計期間におけるフリー・キャッシュ・フローは、6,821億円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、6,901億円の収入となりました。これは主として、IDT社買収に必要な資金の調達を目的として主要取引銀行とのタームローン契約を実行したことなどによるものであります。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、288億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数
当第1四半期連結累計期間の末日現在(2019年3月31日)における当社グループの従業員数は21,190人となり、前連結会計年度の末日現在(2018年12月31日)と比べ、IDT社買収などにより1,644人増加しました。
当社グループは半導体事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
また、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。)であります。
(6) 主要な設備
当連結会計年度における当社グループの設備投資の新設、除却などの具体的な計画については、前事業年度の有価証券報告書提出日時点においては確定しておりませんでしたが、次のとおりその計画が確定しました。
当第2四半期連結累計期間における投資額は、合計約70億円を計画しております。設備投資額は、当社グループにおける有形固定資産(生産設備)および無形固定資産の当該期間中の投資決定ベースの金額を表しています。
主な投資内容としては、前工程や後工程の増強に係る設備投資などであります。その所要資金は、主に自己資金を充当する予定であります。
また、当第1四半期連結累計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。
なお、当社グループは半導体事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。