訂正有価証券報告書-第21期(2022/01/01-2022/12/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針および将来に関する仮定および報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。
(2) 財政状態の状況
(単位:億円)
当連結会計年度末の資産合計は28,123億円で、前連結会計年度末と比べ3,860億円の増加となりました。これは、主に売上収益の拡大による売掛債権の増加および為替相場の変動によりのれんなどが増加したことによるものであります。資本合計は15,375億円で、前連結会計年度末と比べ3,841億円の増加となりました。これは、自己株式の取得により減少したものの、為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額などのその他の資本の構成要素が増加したこと、および当期利益により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比べ3,837億円増加し、親会社所有者帰属持分比率は54.5%となりました。有利子負債は、主に借入金の返済による減少などにより、前連結会計年度末と比べ613億円の減少となりました。これらの結果、D/Eレシオは0.50倍となりました。
なお、第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
(3) 経営成績の状況
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP」)およびIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。
Non-GAAP売上収益、Non-GAAP売上総利益ならびにNon-GAAP営業利益は、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益(以下それぞれ「IFRS売上収益」、「IFRS売上総利益」および「IFRS営業利益」)から、非経常的な項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであります。当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しており、当社グループはNon-GAAPベースで予想値を開示しております。具体的には、企業買収に伴い、認識した無形資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
① 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績(Non-GAAPベース)
(単位:億円)
(注)1 第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
2 上記表の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
3 為替レートは、収益・費用の換算に用いた各月のレートを平均したものであります。
当連結会計年度における業績は、以下のとおりであります。
(Non-GAAP売上収益)
当連結会計年度のNon-GAAP売上収益は、前連結会計年度と比べ51.1%増加し15,027億円となりました。これは、2021年8月31日に買収が完了したDialog社の連結効果や円安効果に加え、自動車向け事業では、1台あたりの半導体搭載金額の継続的な伸長を背景に、売上収益が増加したこと、産業・インフラ・IoT向け事業では、データセンタなどに代表されるインフラの需要拡大などを捉えた売上収益の増加などによるものであります。
(Non-GAAP売上総利益 (率))
当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益は8,632億円となり、前連結会計年度と比べ3,343億円の増加となりました。これは、上記の売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などに伴う売上総利益率の上昇によるものであります。その結果、当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益率は、57.4%となり、前連結会計年度と比べ4.3ポイントの増加となりました。
(Non-GAAP営業利益 (率))
当連結会計年度のNon-GAAP営業利益は5,594億円となり、前連結会計年度と比べ2,628億円の増加となりました。これは、上記の売上総利益の増加のほか、効率的な業務運営に努めたことなどによるものであります。その結果、当連結会計年度のNon-GAAP営業利益率は、37.2%となり、前連結会計年度と比べ7.4ポイントの増加となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<自動車向け事業>自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
当連結会計年度における自動車向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ39.5%増加し6,450億円となりました。これは主に、上記のとおり自動車生産減少からの回復を受け、「車載制御」および「車載情報」の売上収益が共に増加したことによるものであります。
当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP売上総利益は、前連結会計年度と比べ1,099億円増加し、3,244億円となりました。これは、売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などによる売上総利益率の上昇によるものであります。
当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP営業利益は、増収効果および売上総利益率改善に伴う利益増により、前連結会計年度と比べ968億円増加し2,192億円となりました。
<産業・インフラ・IoT向け事業>産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoCおよびアナログ半導体を中心に提供しております。
当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ64.1%増加し8,459億円となりました。これは、上記のとおり、Dialog社の連結に伴う増収や円安効果に加え、「産業」、「インフラストラクチャー」、「IoT」のそれぞれの区分において増収したことによるものであります。増収に寄与したのは、FA(ファクトリーオートメーション)機器向け、PC/携帯電話向け、データセンタ向けでありました。
当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上総利益は、前連結会計年度と比べ2,230億円増加し5,353億円となりました。これは、売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などによる売上総利益率の上昇によるものであります。
当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP営業利益は、増収効果および売上総利益率改善に伴う利益増により、前連結会計年度と比べ1,647億円増加し3,318億円となりました。
当社グループは2020年2月17日に中期の戦略および財務モデルを公表しております。当社グループでは、注力市場に経営資源を集中投下することで、Long-term targetとして市場を上回る売上成長率を実現し、生産効率の最適化、製品ミックスの改善および買収した企業との統合シナジーの発現を目指しております。2021年9月29日には財務モデルを更新し、Non-GAAPベースで売上総利益率50~55%に、営業利益率25~30%とすることを目標に掲げました。
なお、中期の戦略および財務モデルで各目標は、提出日現在における当社グループの長期的な経営目標であり、その達成を保証するものではなく、「2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスク要因その他外部環境等の変化により、その結果が左右される可能性があります。
② Non-GAAP売上総利益からIFRS売上総利益、およびNon-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
(注)1 PPA(取得原価の配分)実施に伴う調整であります。
2 その他非経常的な項目および調整項目には企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などが含まれております。
3 第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
③ 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績(IFRS)
(注)第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品群であっても、その性能、構造、形式などは必ずしも一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、品目ごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注および販売の状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における売上収益のセグメントに関連付けて示しております。なお、主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注) 当連結会計年度においては、総販売実績に対し10%以上を占める単一の外部顧客との取引はないため、記載を省略しております。
(4) キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
(注)フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,793億円の収入となりました。これは主として、税引前利益を3,623億円計上したこと、および減価償却費などの非資金項目を調整したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、975億円の支出となりました。これは主として、有形固定資産や無形資産の取得による支出などによるものであります。
この結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは、3,818億円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,948億円の支出となりました。これは主として、自己株式の取得による支出や主要取引銀行などへの借入金の返済を行ったことなどによるものであります。
(5) 流動性および資金の源泉
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、および健全なバランスシートを維持することを基本方針としております。
当社は、旧IDT社の買収に必要な資金の調達、および中長期的な運転資金の確保を目的とした既存借入金の借り換えのため、2019年1月15日付で主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総額8,970億円のシンジケートローン契約を締結しました。このうち、2019年3月に6,980億円の実行可能期間付タームローンの借入を実行しました。また、2019年6月に既存のタームローンの借入の一部を返済するとともに、1,490億円のタームローンの借入を実行しました。
当社は、2021年8月31日付で、Dialog社の買収に必要な資金を調達するため、㈱三菱UFJ銀行および㈱みずほ銀行から総借入額2,700億円のタームローンの借入を実行しました。
また、2021年12月23日付で、既存借入れ2,700億円のうち、既に返済済みの300億円を除いた2,400億円について、中長期性の資金に借り換えることを目的として、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総借入額960億円のシンジケートローン契約を締結し、㈱国際協力銀行との間で、総借入額1,440億円のJBICローン契約を締結しました。これらの契約に基づいて、2021年12月30日に総額2,400億円の借入を実行しました。
当社は、2021年11月19日付で、複数トランシェによる米ドル建無担保普通社債の発行を決定し、2024年満期米ドル建無担保普通社債500百万米ドルおよび2026年満期米ドル建無担保普通社債850百万米ドルを発行し、総額1,350百万米ドルの資金を調達しております。当連結会計年度末における当社債の残高の円換算額は1,786億円となっております。
当社は、2022年4月に、2019年1月15日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする500億円の短期借入を実行し、2022年7月に全額返済しました。
また、2022年6月28日付で、今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的として、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店との間で、総額200百万米ドルのタームローン契約を締結し、2022年6月30日付で、㈱三菱UFJ銀行との間で、総額200億円のタームローン契約を締結しました。これらの契約に基づいて、2022年6月30日に総額471億円の借入を実行しました。
当連結会計年度末における借入金の残高は5,772億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,361億円となっております。
(6) オフバランス取引
当社グループは、資産効率を高めるために、特定の売上債権等の流動化を適宜行っております。当連結会計年度末における流動化残高は140億円であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針および将来に関する仮定および報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。
(2) 財政状態の状況
(単位:億円)
前連結会計年度末 (2021年12月31日) | 当連結会計年度末 (2022年12月31日) | 前連結会計年度末比 増(減) | |
資 産 合 計 | 24,263 | 28,123 | 3,860 |
資 本 合 計 | 11,534 | 15,375 | 3,841 |
親会社の所有者に帰属する持分 | 11,501 | 15,338 | 3,837 |
親会社所有者帰属持分比率(%) | 47.4 | 54.5 | 7.1 |
有 利 子 負 債 | 8,313 | 7,700 | △613 |
D/Eレシオ(倍) | 0.72 | 0.50 | △0.22 |
当連結会計年度末の資産合計は28,123億円で、前連結会計年度末と比べ3,860億円の増加となりました。これは、主に売上収益の拡大による売掛債権の増加および為替相場の変動によりのれんなどが増加したことによるものであります。資本合計は15,375億円で、前連結会計年度末と比べ3,841億円の増加となりました。これは、自己株式の取得により減少したものの、為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額などのその他の資本の構成要素が増加したこと、および当期利益により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比べ3,837億円増加し、親会社所有者帰属持分比率は54.5%となりました。有利子負債は、主に借入金の返済による減少などにより、前連結会計年度末と比べ613億円の減少となりました。これらの結果、D/Eレシオは0.50倍となりました。
なお、第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
(3) 経営成績の状況
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP」)およびIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。
Non-GAAP売上収益、Non-GAAP売上総利益ならびにNon-GAAP営業利益は、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益(以下それぞれ「IFRS売上収益」、「IFRS売上総利益」および「IFRS営業利益」)から、非経常的な項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであります。当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しており、当社グループはNon-GAAPベースで予想値を開示しております。具体的には、企業買収に伴い、認識した無形資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
① 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績(Non-GAAPベース)
(単位:億円)
前連結会計年度 (2021年1月1日~ 2021年12月31日) | 当連結会計年度 (2022年1月1日~ 2022年12月31日) | 前期比増(減) | |||
Non-GAAP売上収益 | 9,944 | 15,027 | 5,083 | 51.1% | |
自動車 | 4,623 | 6,450 | 1,827 | 39.5% | |
産業・インフラ・IoT | 5,155 | 8,459 | 3,303 | 64.1% | |
Non-GAAP売上総利益 (率) | 5,289 (53.2%) | 8,632 (57.4%) | 3,343 (4.3pts) | 63.2% ― | |
自動車 | 2,146 (46.4%) | 3,244 (50.3%) | 1,099 (3.9pts) | 51.2% ― | |
産業・インフラ・IoT | 3,123 (60.6%) | 5,353 (63.3%) | 2,230 (2.7pts) | 71.4% ― | |
Non-GAAP営業利益 (率) | 2,966 (29.8%) | 5,594 (37.2%) | 2,628 (7.4pts) | 88.6% ― | |
自動車 | 1,224 (26.5%) | 2,192 (34.0%) | 968 (7.5pts) | 79.0% ― | |
産業・インフラ・IoT | 1,671 (32.4%) | 3,318 (39.2%) | 1,647 (6.8pts) | 98.6% ― | |
米ドル為替レート(円) | 109 | 130 | ― | ― | |
ユーロ為替レート(円) | 130 | 137 | ― | ― |
(注)1 第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
2 上記表の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
3 為替レートは、収益・費用の換算に用いた各月のレートを平均したものであります。
当連結会計年度における業績は、以下のとおりであります。
(Non-GAAP売上収益)
当連結会計年度のNon-GAAP売上収益は、前連結会計年度と比べ51.1%増加し15,027億円となりました。これは、2021年8月31日に買収が完了したDialog社の連結効果や円安効果に加え、自動車向け事業では、1台あたりの半導体搭載金額の継続的な伸長を背景に、売上収益が増加したこと、産業・インフラ・IoT向け事業では、データセンタなどに代表されるインフラの需要拡大などを捉えた売上収益の増加などによるものであります。
(Non-GAAP売上総利益 (率))
当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益は8,632億円となり、前連結会計年度と比べ3,343億円の増加となりました。これは、上記の売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などに伴う売上総利益率の上昇によるものであります。その結果、当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益率は、57.4%となり、前連結会計年度と比べ4.3ポイントの増加となりました。
(Non-GAAP営業利益 (率))
当連結会計年度のNon-GAAP営業利益は5,594億円となり、前連結会計年度と比べ2,628億円の増加となりました。これは、上記の売上総利益の増加のほか、効率的な業務運営に努めたことなどによるものであります。その結果、当連結会計年度のNon-GAAP営業利益率は、37.2%となり、前連結会計年度と比べ7.4ポイントの増加となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<自動車向け事業>自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
当連結会計年度における自動車向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ39.5%増加し6,450億円となりました。これは主に、上記のとおり自動車生産減少からの回復を受け、「車載制御」および「車載情報」の売上収益が共に増加したことによるものであります。
当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP売上総利益は、前連結会計年度と比べ1,099億円増加し、3,244億円となりました。これは、売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などによる売上総利益率の上昇によるものであります。
当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP営業利益は、増収効果および売上総利益率改善に伴う利益増により、前連結会計年度と比べ968億円増加し2,192億円となりました。
<産業・インフラ・IoT向け事業>産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoCおよびアナログ半導体を中心に提供しております。
当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ64.1%増加し8,459億円となりました。これは、上記のとおり、Dialog社の連結に伴う増収や円安効果に加え、「産業」、「インフラストラクチャー」、「IoT」のそれぞれの区分において増収したことによるものであります。増収に寄与したのは、FA(ファクトリーオートメーション)機器向け、PC/携帯電話向け、データセンタ向けでありました。
当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上総利益は、前連結会計年度と比べ2,230億円増加し5,353億円となりました。これは、売上収益の増加に加え、製品ミックスの改善などによる売上総利益率の上昇によるものであります。
当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP営業利益は、増収効果および売上総利益率改善に伴う利益増により、前連結会計年度と比べ1,647億円増加し3,318億円となりました。
当社グループは2020年2月17日に中期の戦略および財務モデルを公表しております。当社グループでは、注力市場に経営資源を集中投下することで、Long-term targetとして市場を上回る売上成長率を実現し、生産効率の最適化、製品ミックスの改善および買収した企業との統合シナジーの発現を目指しております。2021年9月29日には財務モデルを更新し、Non-GAAPベースで売上総利益率50~55%に、営業利益率25~30%とすることを目標に掲げました。
なお、中期の戦略および財務モデルで各目標は、提出日現在における当社グループの長期的な経営目標であり、その達成を保証するものではなく、「2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスク要因その他外部環境等の変化により、その結果が左右される可能性があります。
② Non-GAAP売上総利益からIFRS売上総利益、およびNon-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
(単位:億円) | ||
前連結会計年度 (2021年1月1日~ 2021年12月31日) | 当連結会計年度 (2022年1月1日~ 2022年12月31日) | |
Non-GAAP売上総利益 (率) | 5,289 (53.2%) | 8,632 (57.4%) |
売上収益段階までの調整項目(注)1 | △5 | △18 |
無形資産および固定資産償却費 | △9 | △10 |
棚卸資産の時価評価額 | △131 | △15 |
株式報酬費用 | △14 | △15 |
その他非経常的な項目 および調整項目(注)2 | △169 | △32 |
IFRS売上総利益 (率) | 4,961 (49.9%) | 8,540 (56.9%) |
Non-GAAP営業利益 (率) | 2,966 (29.8%) | 5,594 (37.2%) |
売上収益段階までの調整項目(注)1 | △5 | △18 |
無形資産および固定資産償却費 | △673 | △1,062 |
棚卸資産の時価評価額 | △131 | △15 |
株式報酬費用 | △149 | △181 |
その他非経常的な項目 および調整項目(注)2 | △270 | △75 |
IFRS営業利益 (率) | 1,738 (17.5%) | 4,242 (28.3%) |
(注)1 PPA(取得原価の配分)実施に伴う調整であります。
2 その他非経常的な項目および調整項目には企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などが含まれております。
3 第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
③ 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績(IFRS)
(単位:億円) | ||||
前連結会計年度 (2021年1月1日~ 2021年12月31日) | 当連結会計年度 (2022年1月1日~ 2022年12月31日) | 前期比増(減) | ||
売上収益 | 9,939 | 15,009 | 5,069 | 51.0% |
売上総利益 (率) | 4,961 (49.9%) | 8,540 (56.9%) | 3,579 (7.0pts) | 72.1% ― |
営業利益 (率) | 1,738 (17.5%) | 4,242 (28.3%) | 2,503 (10.8pts) | 144.0% ― |
(注)第1四半期連結会計期間においてDialog社、および第2四半期連結会計期間においてCeleno社取得による、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度末については、取得原価の配分額の重要な見直しが反映されております。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品群であっても、その性能、構造、形式などは必ずしも一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、品目ごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注および販売の状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における売上収益のセグメントに関連付けて示しております。なお、主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
関連する報告セグメント名 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
金額 (百万円) | 比率(%) | 金額 (百万円) | 比率(%) | ||
㈱リョーサン | 自動車および産業・インフラ・IoT | 141,325 | 14.21 | ― | ― |
WT Microelectoronics | 自動車および産業・インフラ・IoT | 127,845 | 12.86 | ― | ― |
(注) 当連結会計年度においては、総販売実績に対し10%以上を占める単一の外部顧客との取引はないため、記載を省略しております。
(4) キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
前連結会計年度 (2021年1月1日~ 2021年12月31日) | 当連結会計年度 (2022年1月1日~ 2022年12月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,074 | 4,793 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,631 | △975 |
フリー・キャッシュ・フロー | △3,557 | 3,818 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 3,409 | △2,948 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 2,198 | 2,219 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 2,219 | 3,361 |
(注)フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,793億円の収入となりました。これは主として、税引前利益を3,623億円計上したこと、および減価償却費などの非資金項目を調整したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、975億円の支出となりました。これは主として、有形固定資産や無形資産の取得による支出などによるものであります。
この結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは、3,818億円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,948億円の支出となりました。これは主として、自己株式の取得による支出や主要取引銀行などへの借入金の返済を行ったことなどによるものであります。
(5) 流動性および資金の源泉
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、および健全なバランスシートを維持することを基本方針としております。
当社は、旧IDT社の買収に必要な資金の調達、および中長期的な運転資金の確保を目的とした既存借入金の借り換えのため、2019年1月15日付で主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総額8,970億円のシンジケートローン契約を締結しました。このうち、2019年3月に6,980億円の実行可能期間付タームローンの借入を実行しました。また、2019年6月に既存のタームローンの借入の一部を返済するとともに、1,490億円のタームローンの借入を実行しました。
当社は、2021年8月31日付で、Dialog社の買収に必要な資金を調達するため、㈱三菱UFJ銀行および㈱みずほ銀行から総借入額2,700億円のタームローンの借入を実行しました。
また、2021年12月23日付で、既存借入れ2,700億円のうち、既に返済済みの300億円を除いた2,400億円について、中長期性の資金に借り換えることを目的として、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総借入額960億円のシンジケートローン契約を締結し、㈱国際協力銀行との間で、総借入額1,440億円のJBICローン契約を締結しました。これらの契約に基づいて、2021年12月30日に総額2,400億円の借入を実行しました。
当社は、2021年11月19日付で、複数トランシェによる米ドル建無担保普通社債の発行を決定し、2024年満期米ドル建無担保普通社債500百万米ドルおよび2026年満期米ドル建無担保普通社債850百万米ドルを発行し、総額1,350百万米ドルの資金を調達しております。当連結会計年度末における当社債の残高の円換算額は1,786億円となっております。
当社は、2022年4月に、2019年1月15日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする500億円の短期借入を実行し、2022年7月に全額返済しました。
また、2022年6月28日付で、今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的として、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店との間で、総額200百万米ドルのタームローン契約を締結し、2022年6月30日付で、㈱三菱UFJ銀行との間で、総額200億円のタームローン契約を締結しました。これらの契約に基づいて、2022年6月30日に総額471億円の借入を実行しました。
当連結会計年度末における借入金の残高は5,772億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,361億円となっております。
(6) オフバランス取引
当社グループは、資産効率を高めるために、特定の売上債権等の流動化を適宜行っております。当連結会計年度末における流動化残高は140億円であります。