有価証券報告書-第129期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 14:10
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有報資料

(1)リスクマネジメントの体制
当社は、当社グループ全体を対象とするエンタープライズリスクマネジメント(以下、ERMという)を導入するため、2025年3月にERM室を新設し、同年7月に第1回リスクマネジメント委員会を開催した。
当社グループは、企業価値の最大化を図るため、事業活動にかかるリスク(機会と脅威の不確実性)を一元的に把握・整理・可視化のうえ対応策を検討している。当社グループでは、取締役会がリスクマネジメント方針の決定と最終的な監督責任を負い、リスクマネジメント委員会を中心とする執行側のリスクマネジメント体制の運用状況を評価し、必要な是正措置を行う構造としている。また、当社グループは、事業部門、リスクマネジメントを所管する部門及び内部監査部門がそれぞれの役割を担い、相互に連携するスリーラインモデルに基づき、リスクマネジメント及びガバナンス体制の実効性向上を図っている。
取締役会及びリスクマネジメント委員会は、中期経営計画策定及び事業計画策定に際し、経営戦略又は事業戦略実現に係るトップリスクを見直すための審議を行う。
取締役会は、リスクマネジメント方針を決定し、リスクマネジメント委員会の運用状況を監督する。リスクマネジメントに関する議題を扱う取締役会は、年2回開催する。
リスクマネジメント委員会は、委員長を取締役社長、委員会メンバーを経営戦略会議メンバー等で構成する。本委員会では、当社グループにおけるリスクマネジメント方針を立案するとともに、取締役会で決定された方針を運用する。当社グループにおいては、事業部門及び連結子会社が、自らの業務に内在するリスクの管理及び対応策の実行に責任を有し、リスクマネジメント統括部門は、グループ全体の視点からリスクマネジメントの枠組みを整備するとともに、各部門の取組状況を把握し、必要な指示・指導を行っている。内部監査部門は、これらの活動とは独立した立場から、当社グループのガバナンス、リスクマネジメント及び内部統制の有効性について評価を行い、取締役会及び経営層に対して合理的な保証を提供している。
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ERM室は、リスクマネジメント委員会の事務局として、ERMの推進を一元的に担うとともに、リスクマネジメントにかかわる方針の立案やリスク管理実行に必要な指示・指導・支援、リスクに関する情報収集、分析、評価等を行っており、トップリスクに対する対応策の進捗状況を経営陣に報告し、経営陣が適時に問題を認識し対処するための体制を整えている。
(2)リスクマネジメント体制の運用
リスクとは、事象が発生し、戦略や事業目標の達成に影響を与える可能性をいう。このうち、事象発生時にグループに重大な影響を及ぼすものを重要リスクといい、トップリスクは、その中でも事象発生時に、企業理念やグループの戦略に重大な影響を及ぼすものをいう。トップリスクは経営アジェンダであることから、経営陣のコミットメントとしてリスクを管理し、対応状況を含め、取締役会へ報告する。
0102010_007.pngリスクの特定においては、内部環境・短期的視点のリスクだけでなく、外部環境・中長期的視点のリスクを加え、内外環境変化に対応できるようリスク分類を整備する。また、リスクの重要性は、リスクの影響度と発生可能性をそれぞれ定量的、定性的要因を考慮し総合的に判断する。

(3)主要なリスク
当社グループは、企業の社会的責任を果たし社会倫理を守ることで存続することができる。したがって、品質リスク、労働安全衛生リスク、法令等違反によるリスク、人権リスクが発現した場合、多様かつ長期的な悪影響が生じ、社会からの信頼を失い、最終的に当社グループは存続できなくなる。このため、これらのリスクを極めて重要度の高いリスクと位置付け、徹底的に対策を講じる。また、これら以外のリスクについても、その性質、内容に応じたリスク対応方針を設定し対策を講じている。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとその対応策は、以下のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
No.リスク名称上段:リスクシナリオ / 下段:対応策
1品質リスク品質基準を満たさない製品やサービスを顧客に納入した結果、納入した製品・サービスが社会的に重大な事故や環境汚染を引き起こしたり、顧客からの契約解除や指名停止等の行政処分を受けたりする可能性がある。
「(4)品質不適切行為への対応」参照
2重大労働災害リスク国内外の工事・運転・保全等の現場(海外派遣・長期出張を含む)において、安全措置の不備や不安全行動、ならびに過重労働・心理的負荷の蓄積等により、死亡・重大傷病(精神障害を含む)等の重大労働災害が発生し、操業停止、行政処分、訴訟・賠償、レピュテーション毀損等が生じる可能性がある。
従業員が重大な労働災害に遭う可能性を低減するため、労働安全衛生リスクマネジメントシステムを再構築し、リスクアセスメント、設備管理体制・作業標準の整備、教育・啓発を徹底する。加えて海外派遣者については、派遣前の研修・適性確認、労働時間の客観的管理と是正、独立した相談窓口と定期面談、医療支援・緊急帰国体制、ハラスメント防止措置を組み合わせ、災害防止のPDCA(Plan-Do-Check-Act)を強化する。
3法令違反等によるリスク当社グループの事業は、国や地方自治体が行う入札により受注することが多く、独占禁止法違反その他の法令違反等が発生した場合、刑事罰や行政処分(指名停止等)を受けたり、又は損害賠償請求等の法的紛争になる可能性がある。
当社グループでは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つとして位置付け、コンプライアンス委員会を設置し、そのための諸施策を継続的に実施している。具体的には、当社グループの役職員全員が遵守すべき倫理行動指針である「カナデビアグループ倫理行動憲章」を制定し、経営トップによる積極的なメッセージの発信、社内規程の整備・運用、定期的なコンプライアンス教育の実施、内部通報体制の整備等に力を注いでいる。

No.リスク名称上段:リスクシナリオ / 下段:対応策
4人権リスク企業活動において、当社グループはもちろん、サプライチェーン全体の人権尊重が社会的要請となっており、人権に関する法規制が強化されている国もある。当社グループ又は当社グループのサプライチェーンで人権問題が生じると、顧客や仕入先が自らのレピュテーションリスクを懸念して取引を停止したり、当社グループが人権侵害に加担しているとして提訴されたりする可能性がある。
当社グループでは、「人権方針」を定め、従業員、顧客、サプライヤー、地域社会等のすべてのステークホルダーとの関係において人権を尊重することの重要性を認識し、人権尊重の取組をさらに推進している。事業活動における人権リスクの特定、管理、予防、軽減を目的に人権デュー・デリジェンスに取り組むとともに、「カナデビアグループ調達基本方針」を定め、強制労働・児童労働・ハラスメント排除等の当社が持つあらゆる人権尊重の理念と価値観をサプライヤーに対しても理解を求めている。
5サイバーリスク当社グループの社内情報システム及び当社製品の遠隔監視サービス等(制御系システムを含む)に対し、不正アクセス、マルウェア感染、ランサムウェア等のサイバー攻撃や設定不備等が発生した場合、顧客設備の操業への影響、当社業務の停止、機密情報や顧客情報等の漏えい・改ざん等が生じ、復旧費用の増加、損害賠償、信用毀損等により事業継続に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループでは、情報セキュリティの確保を重要な経営課題と位置付け、「情報セキュリティ委員会」を設置し、情報セキュリティを専門とする「サイバーセキュリティセンター」が中心となって、規程・要領・手順書に基づき、アクセス権管理、ウイルス対策、インシデント発生時の連絡・初動対応、社内周知・教育等の基本的対策を推進・管理している。当連結会計年度末現在、当社の連結子会社に対する情報セキュリティ対応の強化として、規程類の見直しやインシデント対応要領の整備を進めている。
6災害リスク災害激甚化により、ひとたび自然災害が発生すると、工場・設備の被災、操業停止、工期の遅延、サプライチェーンの寸断等が生じ、当社グループの事業運営に必要な機能を復旧するのに長期間を要し、事業運営が停止する可能性がある。
安全確保や当社グループが担う社会インフラの運転継続のための対策を講じるとともに、すべての拠点にBCPを整備したうえで、計画的に要員のバックアップ体制整備や設備の代替手段確保を推進する。また、サプライヤーの災害対策状況を順次調査・評価し、結果に応じて代替調達先の確保等の対策を検討する。さらに、当社グループは顧客から委託を受け、当社グループが建設したWtE施設(WtEは、Waste to Energy(ごみ焼却発電)の略称。「WtE施設」とは、ごみ焼却発電施設)等の運転管理を行う場合があるところ、建設前においては顧客が実施したリスクアセスメント(自然災害リスクの評価を含む)を踏まえた事業運営計画を立案し、顧客とともに災害リスクの最小化に向けた検討を行う。

No.リスク名称上段:リスクシナリオ / 下段:対応策
7安定調達リスク本リスクは、世界情勢全般によるリスク(No.11)等の外部環境変化が、資材・エネルギーの調達に波及した場合に顕在化する。当社グループは、事業運営および製造・建設工程において、燃料としてLNGを使用する比率が高く、また主要原材料として鉄鋼製品の使用量が大きい。これら資材・エネルギーについて、地政学的緊張、輸出規制、海上輸送制約、需給逼迫等を背景に、供給制限、調達リードタイムの長期化、価格の急騰が発生する可能性がある。加えて、ネオジム等のレアメタル・レアアースを含む一部品目は、特定国・地域への依存や規制動向の影響を受けやすく、入手性の悪化が機器・部材の長納期化や代替調達コストの増加を通じて、工期遅延、原価上昇、機会損失につながるおそれがある。
当社グループは、恒常的に取引を行う主要サプライヤーと連携し、資材・エネルギーの安定確保に向け、①長納期化品目の早期把握と先行手配、②代替材・代替サプライヤーの検討・確保、③一定量の安全在庫の確保、④調達先の環境・人権等の観点を含むサステナブル調達の実効性向上(サプライヤーとのエンゲージメント強化)を継続している。特に、輸出規制等により入手性が悪化し得るレアメタル・レアアースを含む品目については、在庫確保や代替調達先の探索に加え、材料置換・仕様代替・技術開発を進めることで、供給途絶時の事業影響を最小化する。
8人材確保リスク人口減少トレンドの日本に限らず、当社グループが事業展開する国において技術人材が不足し、新規技術の開発力や競争力が低下する可能性がある。また、各国で労働力が不足し、工事の遂行や製品の製造に遅延が頻繁に生じ、事業運営に支障をきたす可能性がある。
事業戦略に必要な人材を外部から迅速に確保しつつ、人事制度改革や最適配置、DE&I推進、研修強化により職員が能力を発揮できる環境を整える。また、DX・AI活用による効率化やグローバル人材交流を進め、多様な人材ポートフォリオを維持しながら、限られた要員でも持続的に事業を支える体制を構築する。
9ESGリスク環境、社会、ガバナンスの観点での社会動向変化により、当社グループの戦略や事業が影響を受ける可能性がある。例えば、環境よりも経済性を重視する傾向が強まり(又は弱まり)、環境分野に注力する当社グループの企業価値が大きく毀損(又は拡大)する可能性がある。
前述「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照。
10市場形成リスク将来の社会・業界・技術動向、顧客・競合動向の分析・予測を踏まえ、将来の主力事業となる新たな製品・サービスの開発に取り組んでいるが、期待どおりに市場が立ち上がらない可能性がある。その場合、事業の拡大時期が遅れたり、逆に急速に市場が拡大し、主力事業に成長したりする可能性がある。
当社経営企画部を中心に、各事業及び各社が連携して社会トレンドや業界動向、技術動向、顧客・競合動向を分析し、市場把握に努め、市場形成リスクを認識して中期経営計画や事業計画を策定する体制としている。
11世界情勢全般によるリスク地政学リスク等、外部環境によりグループの戦略や事業が影響を受けるリスクである。近年、中東情勢、ロシア・ウクライナ情勢や米中の対立等、国際情勢が大きく変化しており、先行きが不透明である。当社グループは、日本、アジア、オーストラリア、欧州、中東、アフリカ、北米、南米で事業活動を行っていることから、該当地域に影響が及ぶことで事業活動に支障をきたすほか、当社グループ各社において製品の輸出・原材料の輸入、技術者の派遣等に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある(資材・エネルギーの安定確保に関する影響はNo.7「安定調達リスク」を参照)。
当社グループでは、外部専門機関等からの情報・サポートを含め、海外拠点において国際情勢や戦争等のリスク情報、経済制裁等の情報を収集し、経営戦略会議において迅速に対応を決定する体制としている。

(4)品質不適切行為への対応
当社は、当社グループのうち舶用エンジン事業を行っている連結子会社において不適切行為が行われていたことが判明したことを受け、特別調査委員会による調査を実施した結果、2025年3月25日、同年4月30日及び11月6日に公表した通り、他の事業・製品等についても、一部に不適切行為が行われていたことが判明した。当社グループとしては、これらの不適切行為が明らかになったことを厳粛に受け止め、特別調査委員会の提言をもとに6つの再発防止策を策定・実施している。
主な取組は次のとおりである。
① 経営トップによるコミットメント
新年度挨拶、訓示等を通じたメッセージ発信はもちろん、特別調査委員会による調査内容の報告会及び再発防止策進捗説明会を当社各事業所で実施し、取締役社長からメッセージを発信し、質疑応答を行った。報告会・説明会当日の質問と回答及び会場外での質問と回答を社内イントラネットで公開している。
② 組織風土改革・意識改革
当社グループは、「私達は、技術と誠意で社会に役立つ価値を創造し、豊かな未来に貢献します」を企業理念として掲げ、「安全最優先」「品質の追求」「コンプライアンスの徹底」「社会との共生」を経営姿勢としている。品質不適切行為の判明を重く受け止め、改めて役員研修、PMVVワークショップ(PMVVとは、Purpose、Mission、Vision、Valueの各頭文字)、職員向けアンケート等を行い、企業理念の浸透に力を注ぎ、「求める行動」を当社グループの一人ひとりに浸透させる活動を行っている。
また、不適切行為を未然に防止するには、役職員の間に心理的安全性が確保され、お互いに注意したり賞賛しあったりできる関係が不可欠である。まず、経営層と職員の間のコミュニケーションを向上させるため、経営層と職員との懇談会や取締役社長のタウンホールミーティングを随時開催している。他方で、不正を許さない姿勢を明確に示すことも重要であるので、不適切行為に伴う懲戒処分を役職員に公表し、信賞必罰を徹底している。
③ 業務プロセスの改善
品質不適切行為があった部門を優先的に業務プロセスの是正、可視化・標準化を行い、順次運用を開始している。具体的には、事業部門・連結子会社における品質管理、品質検査、品質保証業務を明確化し、品質保証統括部がこれらの業務プロセスが適切に実施されていることを監督する。また、デジタルツールを利用した改ざん防止の仕組みづくりを推進している。
④ 品質不正防止の取組み
当社グループが生産・提供する製品やサービスにおける品質に関する法令、規制、社内規程、顧客との契約条件遵守についての指導及び監督、当社グループにおける品質保証体制の強化ならびに問題の予防・早期発見と是正措置実施により、顧客及び社会からの信頼を維持・向上することを目的として、2025年4月に品質コンプライアンス委員会を設置した。品質コンプライアンス委員会は年4回実施し、その運営状況は、コンプライアンス委員会へ報告する。また、品質相談機能を充実させるため、チャットボットを設置し、運用している。
⑤ 品質保証機能の強化
当社品質保証統括部の人員を増強し、品質不適切行為を発生させた部門及び連結子会社に対する品質保証機能強化を推進している。品質保証機能強化を効果的・効率的に進めるため、当社品質保証部門及び事業部門の責任と権限をISO9001規格に従い再整理し関連社則を改正するとともに、当社の連結子会社においても同様の目的で社内体制を再整備している。
また、品質に対する職員の知識と感度を向上させるため、品質教育にも力を注いでいる。具体的には、e-ラーニングを継続的に実施するとともに、新入職員向け教育や昇格時教育を充実させ、定期的に品質に対する意識調査を実施し、課題を洗い出し、教育内容の改善を図っている。
⑥ 取締役会の監督機能強化
品質不正再発防止推進室を設置し、再発防止策実行状況を定期的に取締役会に報告するとともに、内部通報への対応状況等コンプライアンス委員会の活動状況を定期的に取締役会へ報告している。
(5)プロジェクトリスク
当社グループは、ERMによりグループ全体のリスクの把握・管理を進めている一方で、当社グループの事業が個別受注案件の積み上げによって価値を創出する事業構造であることから、案件単位で顕在化するリスクの管理が経営上重要であると認識している。
個別案件に係るリスク(契約条件、技術的成立性、工事完工能力、製造能力等)については、当連結会計年度末現在、主としてプロジェクトリスク管理の枠組みの中で管理されているが、これらのリスクが経営成績に与える影響の大きさを踏まえ、次期連結会計年度以降、ERMとの関係性について整理を行い、経営としてのリスク認識の高度化を図ることが課題であると認識している。
当社グループの事業では、自治体や民間事業者が発行するRFP(Request for Proposalの略、日本では要求水準書又は発注仕様書と称される)に基づき設計し、調達・製造した部材や機器を投入して、建設事業者と連携して施設を建設し、引き渡す形態が多く存在する。施設等は当社グループで長期間運営する場合も多い。このようなプロジェクトにおいては、受注時の見積コストを上回る費用の発生、工程遅延による納期遅れ、あるいは技術・製品トラブル等に基づくペナルティが発生した場合には、プロジェクトの収益が悪化し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある。そこで、前述のグループ全体のリスクマネジメント体制とは別に、これらのプロジェクトリスクの回避及びリスクが顕在化した場合の損失の最小化のため、次のとおりリスク管理に取り組んでいる。
① 受注時におけるプロジェクトリスク管理
プロジェクトの見積段階において、プロジェクトに関係する部門が、技術、コスト、納期、契約条件等に関するリスクの抽出及び評価を行い、対策を検討する。プロジェクトの規模や条件(輸出・海外案件、新機種・新技術を含むか否か等)を踏まえたリスクの大きさに応じ、全社リスク検討会又は事業部リスク検討会に付議され、リスク低減対策の妥当性や見積コストの妥当性について検討のうえ、所定の要件を満たす場合には、受注意思決定会議や経営戦略会議等を開催し、様々な観点からリスクを検討したうえで、受注の可否を判断する。
② 受注後におけるプロジェクトリスク管理
所定の要件を満たす大型プロジェクトについては、受注後も継続してフォローする体制を敷き、徹底した収益管理を行っている。特に重要な案件については、取締役社長が議長を務めるトップマネジメント・レビュー会議で進捗状況を確認し、必要に応じて経営幹部による指示・指導を行っている。
工事が完了した後は、プロジェクト成果報告会を開催し、各工事における成果、課題等を水平展開することで、現在進行中のプロジェクトや将来のプロジェクトの収益管理強化及びトラブルの未然防止を図っている。
③ 海外子会社が受注したプロジェクトのリスク管理
当社の連結子会社のうち、Kanadevia Inova AG.、Osmoflo Holdings Pty Ltd.、NAC International Inc.等の主要な海外子会社のプロジェクトについては、その規模や契約条件等に鑑み、大きなリスクが想定される場合には、当社の経営戦略会議の事前承認を受けることを義務付けている。さらに、Kanadevia Inova AG.については、プロジェクトの進捗状況、収益状況等をタイムリーに把握するために、モニタリング組織を同社内に設置し、当社から人員を派遣して個別のプロジェクトのリスク管理体制を強化している。
(6)その他のリスク
上記の他、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があるその他のリスクについて、投資家の理解に資する観点から、以下のとおり補足する。
(a) 金利上昇及び為替変動リスク
:当社グループは、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化を進めるとともに、社内管理規程に基づき、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジしているが、想定以上の金利上昇や為替変動が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を与える可能性がある。
(b) 固定資産の減損リスク
:当社グループが保有する固定資産について、時価が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(c) 繰延税金資産の回収可能性
:当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積も
った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上している。将来の課税所得については、経営環境の変
化などを踏まえ適宜見直しを行っているが、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がな
いと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響
を及ぼす可能性がある。

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