有価証券報告書-第44期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 16:30
【資料】
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【項目】
148項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては新型コロナウイルス感染症拡大による二度の緊急事態宣言により経済活動が制限されたことに伴い景気低迷となりました。海外では、中国において早期に経済活動を再開し、米国においても大規模な経済対策やワクチンの普及等により経済活動の再開が進展している一方で、欧州においては英国型等の変異株による感染再拡大に伴い経済活動の制限が長期化しています。総じて世界経済の状況は、ワクチンの接種が行われているものの、変異株の流行に加え、米中貿易摩擦が継続していることもあり先行きは不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、感染症拡大防止を目的として、WebinarやWeb会議等を活用し営業活動を推進してまいりました。また、製品のコストダウン活動を推進するとともに固定費の抑制に努めるなか、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応するため、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は48,424百万円(前連結会計年度比1.6%減)、営業利益は4,404百万円(前連結会計年度比19.0%増)、経常利益は4,564百万円(前連結会計年度比33.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,339百万円(前連結会計年度比111.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが5,194百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,222百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△257百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が308百万円発生した結果、12,129百万円(前連結会計年度比33.2%増)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
生産高(百万円)前期比(%)
計測・計量機器事業日本20,42579.3
米州59966.0
欧州
アジア・オセアニア5,77688.9
26,80180.8
医療・健康機器事業日本7,751143.4
米州1,08966.6
欧州37461.2
アジア・オセアニア12,064114.8
21,279117.1
合計48,08193.6

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
b.受注実績
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
受注高
(百万円)
前期比(%)受注残高
(百万円)
前期比(%)
計測・計量機器
事業
日本9,66272.94,42996.7
米州1,87595.41,227145.3
欧州
アジア・
オセアニア
733118.549414.4
12,27177.55,706104.9
医療・健康機器
事業
日本2,345177.1831208.0
米州
欧州
アジア・
オセアニア
115134.402.0
2,460174.5831204.1
合計14,73285.46,537111.8

(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(百万円)前期比(%)
計測・計量機器事業日本19,32682.8
米州3,19890.0
欧州80294.2
アジア・オセアニア3,333111.5
26,66286.7
医療・健康機器事業日本6,445151.6
米州7,586119.1
欧州7,35098.2
アジア・オセアニア379109.6
21,762117.9
合計48,42498.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%減収の48,424百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、新型コロナウイルス感染症拡大により、需要の低迷、設備投資の先送りが見られ、計量機器、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)を始めとして、軒並み前年同期比で売上が減少し、利益も落としています。半導体製造関連装置も計画通りの売上を獲得したものの減収となりました。米州においては、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)において前年同期比で売上は減少したものの、受注は下期から回復基調となっております。また、計量機器においても、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたため売上は伸び悩みましたが経費削減に努めた結果、増益となりました。アジア・オセアニアにおいては、豪州において金属検出機・ウェイトチェッカを始めとした計量機器全般の売上が増加し、韓国・インドにおいても経済活動が徐々に回復し売上は堅調となりました。さらに、前第4四半期連結会計期間に子会社化した台湾の子会社(A&D SCIENTECH TAIWAN LIMITED)の売上も寄与し、前年同期比で増収増益となりました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ13.3%減収の26,662百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、非接触型体温計を中心に健康機器事業は売上が大きく増加し、医療機器については医療用計量器が徐々に回復し堅調な売上となり、売上及び利益ともに大きく増加しました。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、遠隔医療の需要が増加したことに伴い通信機能付き血圧計及び体重計の売上が増加し、カナダにおいても家庭用血圧計が大手量販店での販売が好調で、売上及び利益は増加しました。欧州においては、英国でロックダウンの長期化もありeコマースが好調で売上は増加しております。ロシアにおいては血圧計の他、体温計も好調で現地通貨での売上は増加したものの、ルーブル安が進行し、円建ての売上は減少しております。一方、経費削減に努め利益は増加しました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ17.9%増収の21,762百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、生産工場の効率化及び材料費のコストダウン等の原価低減活動が寄与し、前連結会計年度に比べ0.4%減少し、55.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による活動制限に伴う営業活動費の削減や、一部の子会社における人員配置の見直し等により、前連結会計年度と比べ4.7%減少の17,232百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、4,404百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による日本における売上高の減少が主要因となり、前連結会計年度比33.5%減益の1,693百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、当社および北米の子会社A&D ENGINEERING, INC.の増収、カナダの子会社A&D Instruments Canada Inc.における利益率の良い製品の販売増加、ロシアにおける経費削減等が主要因となり、前連結会計年度比116.4%増益の4,608百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,897百万円が発生しております。
売上高営業利益率は9.1%となり、前連結会計年度より1.6%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国政府からの補助金の受給や円安により為替差益が生じたことを主要因とし、前連結会計年度比223百万円増加の447百万円となりました。営業外費用は、為替差損の減少の他、支払利息の減少等により、前連結会計年度比205百万円減少の287百万円となりました。これらの結果、経常利益は4,564百万円(前連結会計年度比33.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は4,536百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を1,338百万円、法人税等調整額を△386百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を245百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は3,339百万円(前連結会計年度比111.8%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は3,584百万円となった他、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益が682百万円となったことにより、包括利益は4,267百万円(前連結会計年度比403.5%増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、40,028百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,758百万円増加いたしました。これは主に当期純利益の大幅な増加や当社の連結子会社である㈱ホロンにおける増資等により、現金及び預金が増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は14,091百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
a 有形固定資産
有形固定資産については㈱ホロンの新工場建設による土地と建設仮勘定の増加を中心に、前連結会計年度末に比べ811百万円増加いたしました。
b 無形固定資産
無形固定資産についてはソフトウエアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ230百万円減少いたしました。
c 投資その他の資産
投資その他の資産については棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の増加を主要因として、前連結会計年度末に比べ477百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は24,588百万円となり、前連結会計年度末に比べ718百万円増加いたしました。これは主に、課税所得の増加により未払法人税等が308百万円増加した他、短期借入金や賞与引当金が増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ713百万円減少いたしました。これは、主に長期の借入が必要な大型の設備投資が少なく、長期借入金が減少したものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は23,387百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,811百万円増加いたしました。これは主に㈱ホロンの増資等により非支配株主持分が1,252百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が2,891百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5,194百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が4,536百万円、減価償却費が1,615百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,089百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,222百万円(前連結会計年度比101.9%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,645百万円、無形固定資産の取得による支出が507百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は2,971百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は257百万円(前連結会計年度比80.3%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入が2,811百万円、非支配株主からの払込みによる収入が1,021百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が3,448百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債500百万円、長期借入金6,692百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,374百万円の構成となっており、合わせて18,567百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は38.3%(前連結会計年度末は38.5%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

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