有価証券報告書-第43期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては当初こそ企業業績や設備投資が堅調に推移したものの、秋に相次いだ台風災害や10月からの消費増税に伴う景気の減速に加え、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小が見られました。海外においては従来から見られた米中貿易摩擦の影響により需要が減退していたところに加えて、年明け以降は当社グループが所在する各国においても新型コロナウイルスの感染拡大に伴いロックダウン等による事業活動の停止あるいは縮小を余儀なくされました。新型コロナウイルスについては、感染の収束や事業活動再開の時期についても明確な見通しが立てられないため、全世界的に不安な状況のまま期末を迎えることになりました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は49,197百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,309百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,100百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△1,308百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△321百万円発生した結果、9,105百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
b.受注実績
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%増収の49,197百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社ホロンの扱う半導体機器関連を中心に大きく売上を伸ばした他、温度計類が売上を伸ばしております。また試験機やパワートレインベンチ等が好調で、前年同期比で売上を微増としております。米州においては、計量機器のうち金属検出機・ウェイトチェッカの売上が伸び悩んだものの、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)で利益率の良い案件を獲得できたため、売上・利益とも改善しました。アジア・オセアニアにおいては、豪州や韓国において前年同期にあった金属検出機・ウェイトチェッカや試験機の特需が一段落したことから売上、利益ともに減少しております。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ2.8%増収の30,742百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、家庭用健康機器については前年同期に特需のあった活動量計を中心に、医療機器については全自動血圧計を中心に売上を大きく落としました。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、カナダにおいても血糖計等の販売が好調で売上を大きく伸ばしたことに加え、経費削減の効果もあり利益が改善しました。欧州においては、ロシアにおける家庭用血圧計を中心に売上・利益ともに伸ばしました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、概ね前連結会計年度並みの18,455百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、資産の効率的な運用に努めた結果、グループ内で保有するたな卸資産が減少し、それに伴い連結上消去される未実現利益の額も減少したこと等から、前連結会計年度に比べ1.2%減少し55.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、売上増に伴う販売費の増加に加え、研究開発費も増加傾向にあったものの、一部の子会社において人員配置の見直しを行ったことに加え、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、概ね前連結会計年度並みの18,085百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度に大きく業績を落とした北米の子会社A&D Technology Inc.において利益率の高い案件を獲得でき、かつ人員配置の見直しを行い業績を回復できたことが主要因となり、前連結会計年度比2.2%増益の2,545百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、北米の子会社A&D ENGINEERING, INC.において費用の削減に努めたこと、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、前連結会計年度比8.3%増益の2,129百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として974百万円が発生しております。
売上高営業利益率は7.5%となり、前連結会計年度より1.8%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は224百万円発生しました。当連結会計年度の途中でA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDが持分法適用会社から連結子会社になったため持分法による投資利益が減少しております。営業外費用は493百万円発生しました。前連結会計年度に比べさらに円高傾向で推移したことから為替差損の額が増加しております。これらの結果、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
大きな企業結合により多額の特別利益と特別損失が発生した前連結会計年度と異なり、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は3,423百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税930百万円の発生に加えたな卸資産に係る未実現利益に対する繰延税金資産の取り崩しを主要因として法人税等調整額を417百万円計上し、また非支配株主に帰属する当期純利益を499百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
(包括利益)
当期純利益は2,075百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益累計額が△1,228百万円となった結果、包括利益は847百万円(前連結会計年度比51.9%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、36,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ871百万円減少いたしました。これは資産の効率的な運用に努めた結果、受取手形及び売掛金、たな卸資産等の残高削減が進んだことが主要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は13,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ807百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
a 有形固定資産
有形固定資産については新規設備投資と減価償却がほぼバランスしております。
b 無形固定資産
無形固定資産については、ソフトウェアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ393百万円減少いたしました。
c 投資その他の資産
投資その他の資産については従来投資有価証券に含めていたA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDの連結子会社化により同社の株式が連結相殺消去の対象となったために減少したこと、棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の減少を主要因として、前連結会計年度末に比べ416百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は23,869百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,924百万円減少いたしました。これは短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたことに加えて資産の効率的な運用に努めたために短期借入金を削減できたこと、前連結会計年度と異なり期末日が休日でなかったことに加え期末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響から一部原材料の調達が遅れた影響もあり支払手形及び買掛金等が減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ761百万円増加いたしました。これは主に短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたこと、在外子会社について新しい会計基準が適用された結果リース債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は18,576百万円となり、前連結会計年度末に比べ485百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が1,218百万円減少した一方で親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が1,290百万円増加したこと、非支配株主持分が413百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,309百万円(前連結会計年度比92.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3,423百万円、減価償却費が1,804百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,046百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,100百万円(前連結会計年度比24.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が619百万円、無形固定資産の取得による支出が461百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は3,208百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,308百万円(前連結会計年度比297.5%増)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が△668百万円だったこと、配当金の支払額が416百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債505百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,285百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,136百万円の構成となっており、合わせて18,926百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は38.5%(前連結会計年度末は40.7%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響を考慮されていない時点で作成された予算案を踏まえつつ、2021年3月期のうち概ね第2四半期終了時点までは新型コロナウイルス感染症に伴うロックダウンをはじめとする事業活動への制約により売上及び利益が一定の割合で減少するものと想定し、それ以降の期間については影響が限定的なものであるとの前提で見積りを行っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
① 業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては当初こそ企業業績や設備投資が堅調に推移したものの、秋に相次いだ台風災害や10月からの消費増税に伴う景気の減速に加え、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小が見られました。海外においては従来から見られた米中貿易摩擦の影響により需要が減退していたところに加えて、年明け以降は当社グループが所在する各国においても新型コロナウイルスの感染拡大に伴いロックダウン等による事業活動の停止あるいは縮小を余儀なくされました。新型コロナウイルスについては、感染の収束や事業活動再開の時期についても明確な見通しが立てられないため、全世界的に不安な状況のまま期末を迎えることになりました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は49,197百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,309百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,100百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△1,308百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△321百万円発生した結果、9,105百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 生産高(百万円) | 前期比(%) | ||
| 計測・計量機器事業 | 日本 | 25,769 | 100.9 |
| 米州 | 907 | 105.3 | |
| 欧州 | - | - | |
| アジア・オセアニア | 6,498 | 87.3 | |
| 計 | 33,175 | 98.0 | |
| 医療・健康機器事業 | 日本 | 5,407 | 82.6 |
| 米州 | 1,636 | 490.0 | |
| 欧州 | 610 | 103.3 | |
| アジア・オセアニア | 10,511 | 78.4 | |
| 計 | 18,166 | 87.0 | |
| 合計 | 51,342 | 93.8 | |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
b.受注実績
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||
| 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) | ||
| 計測・計量機器 事業 | 日本 | 13,257 | 98.5 | 4,581 | 90.1 |
| 米州 | 1,965 | 122.8 | 844 | 130.1 | |
| 欧州 | ― | ― | ― | ― | |
| アジア・ オセアニア | 618 | 92.6 | 11 | 72.3 | |
| 計 | 15,842 | 100.8 | 5,438 | 94.6 | |
| 医療・健康機器 事業 | 日本 | 1,324 | 63.8 | 399 | 110.8 |
| 米州 | ― | ― | ― | ― | |
| 欧州 | ― | ― | ― | ― | |
| アジア・ オセアニア | 85 | 113.8 | 7 | 2,814.2 | |
| 計 | 1,409 | 65.6 | 407 | 112.9 | |
| 合計 | 17,251 | 96.5 | 5,845 | 95.7 | |
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 販売高(百万円) | 前期比(%) | ||
| 計測・計量機器事業 | 日本 | 23,344 | 105.5 |
| 米州 | 3,554 | 102.0 | |
| 欧州 | 852 | 96.6 | |
| アジア・オセアニア | 2,991 | 88.0 | |
| 計 | 30,742 | 102.8 | |
| 医療・健康機器事業 | 日本 | 4,252 | 84.1 |
| 米州 | 6,371 | 110.7 | |
| 欧州 | 7,485 | 102.8 | |
| アジア・オセアニア | 346 | 98.4 | |
| 計 | 18,455 | 100.0 | |
| 合計 | 49,197 | 101.8 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%増収の49,197百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社ホロンの扱う半導体機器関連を中心に大きく売上を伸ばした他、温度計類が売上を伸ばしております。また試験機やパワートレインベンチ等が好調で、前年同期比で売上を微増としております。米州においては、計量機器のうち金属検出機・ウェイトチェッカの売上が伸び悩んだものの、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)で利益率の良い案件を獲得できたため、売上・利益とも改善しました。アジア・オセアニアにおいては、豪州や韓国において前年同期にあった金属検出機・ウェイトチェッカや試験機の特需が一段落したことから売上、利益ともに減少しております。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ2.8%増収の30,742百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、家庭用健康機器については前年同期に特需のあった活動量計を中心に、医療機器については全自動血圧計を中心に売上を大きく落としました。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、カナダにおいても血糖計等の販売が好調で売上を大きく伸ばしたことに加え、経費削減の効果もあり利益が改善しました。欧州においては、ロシアにおける家庭用血圧計を中心に売上・利益ともに伸ばしました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、概ね前連結会計年度並みの18,455百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、資産の効率的な運用に努めた結果、グループ内で保有するたな卸資産が減少し、それに伴い連結上消去される未実現利益の額も減少したこと等から、前連結会計年度に比べ1.2%減少し55.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、売上増に伴う販売費の増加に加え、研究開発費も増加傾向にあったものの、一部の子会社において人員配置の見直しを行ったことに加え、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、概ね前連結会計年度並みの18,085百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度に大きく業績を落とした北米の子会社A&D Technology Inc.において利益率の高い案件を獲得でき、かつ人員配置の見直しを行い業績を回復できたことが主要因となり、前連結会計年度比2.2%増益の2,545百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、北米の子会社A&D ENGINEERING, INC.において費用の削減に努めたこと、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、前連結会計年度比8.3%増益の2,129百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として974百万円が発生しております。
売上高営業利益率は7.5%となり、前連結会計年度より1.8%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は224百万円発生しました。当連結会計年度の途中でA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDが持分法適用会社から連結子会社になったため持分法による投資利益が減少しております。営業外費用は493百万円発生しました。前連結会計年度に比べさらに円高傾向で推移したことから為替差損の額が増加しております。これらの結果、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
大きな企業結合により多額の特別利益と特別損失が発生した前連結会計年度と異なり、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は3,423百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税930百万円の発生に加えたな卸資産に係る未実現利益に対する繰延税金資産の取り崩しを主要因として法人税等調整額を417百万円計上し、また非支配株主に帰属する当期純利益を499百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
(包括利益)
当期純利益は2,075百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益累計額が△1,228百万円となった結果、包括利益は847百万円(前連結会計年度比51.9%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、36,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ871百万円減少いたしました。これは資産の効率的な運用に努めた結果、受取手形及び売掛金、たな卸資産等の残高削減が進んだことが主要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は13,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ807百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
a 有形固定資産
有形固定資産については新規設備投資と減価償却がほぼバランスしております。
b 無形固定資産
無形固定資産については、ソフトウェアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ393百万円減少いたしました。
c 投資その他の資産
投資その他の資産については従来投資有価証券に含めていたA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDの連結子会社化により同社の株式が連結相殺消去の対象となったために減少したこと、棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の減少を主要因として、前連結会計年度末に比べ416百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は23,869百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,924百万円減少いたしました。これは短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたことに加えて資産の効率的な運用に努めたために短期借入金を削減できたこと、前連結会計年度と異なり期末日が休日でなかったことに加え期末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響から一部原材料の調達が遅れた影響もあり支払手形及び買掛金等が減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ761百万円増加いたしました。これは主に短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたこと、在外子会社について新しい会計基準が適用された結果リース債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は18,576百万円となり、前連結会計年度末に比べ485百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が1,218百万円減少した一方で親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が1,290百万円増加したこと、非支配株主持分が413百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,309百万円(前連結会計年度比92.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3,423百万円、減価償却費が1,804百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,046百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,100百万円(前連結会計年度比24.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が619百万円、無形固定資産の取得による支出が461百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は3,208百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,308百万円(前連結会計年度比297.5%増)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が△668百万円だったこと、配当金の支払額が416百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債505百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,285百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,136百万円の構成となっており、合わせて18,926百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は38.5%(前連結会計年度末は40.7%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響を考慮されていない時点で作成された予算案を踏まえつつ、2021年3月期のうち概ね第2四半期終了時点までは新型コロナウイルス感染症に伴うロックダウンをはじめとする事業活動への制約により売上及び利益が一定の割合で減少するものと想定し、それ以降の期間については影響が限定的なものであるとの前提で見積りを行っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。