訂正有価証券報告書-第194期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。このような見積りについて経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの採用している重要な会計方針のなかで、経営者の見積りが大きな影響を与える事項は次のとおりです。
① 貸倒引当金算定における見積り
一般債権についての引当金算定における貸倒実績率と、貸倒懸念債権等特定の債権についての個別の回収不能見込額について、見積りを行っております。
② たな卸資産評価における見積り
たな卸資産評価において、総平均法単価等と比較すべき時価の一部の算定について、見積りを行っております。
③ 固定資産の減損会計における見積り
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フロー及び割引率について見積りを行っております。
④ 時価のあるその他有価証券の減損処理における見積り
「著しく下落した」と判断し減損対象として候補にあがった銘柄についての回復可能性について、判定を行っております。
⑤ 繰延税金資産算定における見積り
繰延税金資産の回収可能性評価のために、将来の合理的な課税所得を算定するうえで、見積りを行っております。
⑥ 製品保証引当金算定における見積り
製品販売後に発生する補修費用の算定における、売上高もしくは販売台数に対する経験率による見積り及び個別見積りを行っております。
⑦ 退職給付に係る負債算定における見積り
退職給付に係る負債算定の前提になる退職給付債務について、見積りを行っております。
(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績
当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、世界経済全体としては緩やかな回復が続きました。個別の国や地域においては、米国では雇用環境や所得の改善が進み、順調な景気拡大がみられました。また、欧州では個人消費と設備投資が増加し、景気は堅調に推移しました。中国では景気拡大を維持したものの、成長のペースは鈍化しました。国内では個人消費の回復が続きました。
このような環境の中で当社グループは、中期経営計画「NEXT STAGE 12」の2年目として、重点施策である「個性際立つ商品の開発」、「お客様の拡大」、「持続的なコスト低減」、「グローバル事業運営の基盤強化」に引き続き取り組みました。
「個性際立つ商品の開発」につきましては、楽器事業では、クラビノーバの新シリーズやグッドデザイン大賞を受賞したカジュアル管楽器「Venova™」、音響機器事業では、高品質とデザインが評価されたAVサウンドバーの新モデル、商業施設のBGM用小型スピーカー、また企業会議室向けのカメラ一体型USBマイクスピーカー等、新しいテクノロジーや美しいデザインをお客様に感じていただける商品を投入いたしました。
「お客様の拡大」につきましては、楽器事業では、販売網整備を進め、特に新興国の販売拠点数は目標を大幅に上回る増加を達成しました。また新興国での音楽教育支援活動「Music Time」プログラムの取り組みは、アジアの新興国を中心に、生徒数がのべ12万人となるまで展開が進みました。音響機器事業では、音響設備事業者の取引先拡大を図りました。オーディオの重点市場である欧州で、MusicCast®対応商品の店舗展示コーナー「プレミアム Y アイランド」の整備を進めました。ネットワーク領域では、LAN製品の拡大に伴い、教育機関や店舗、また監視カメラとの連携など、従来と異なる顧客を拡大しました。
「持続的なコスト低減」につきましては、電子部品を中心に調達コストの上昇がありましたが、生産工程の再配置、生産効率化、間接業務の生産性向上などの施策を進めています。なお、当期はインドネシアとインドでの新工場の建設に着手するとともに、現存の工場での生産能力の増強を進めました。
「グローバル事業運営の基盤強化」につきましては、国を超えた人材の活躍推進に取り組んでいます。また、ITセキュリティ強化、効率的な物流システム等のサポート機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤の強化、業務の効率化を計画に沿って進めております。
中期経営計画「NEXT STAGE 12」では、最終年度の2019年3月期の営業利益率目標を12%に設定しています。中期経営計画2年目である2018年3月期は、営業利益率11.3%となり、最終年度である2019年3月期は12.4%を予想しております。
(イ)セグメントごとの売上高の状況
当連結会計年度の売上高は、楽器事業、音響機器事業、その他の事業の全ての報告セグメントにおいて前年同期を上回り、前年同期に比べ247億19百万円(6.1%)増収の4,329億67百万円となりました。
楽器事業の売上高は、前年同期に対し168億21百万円(6.5%)増加し、2,744億86百万円となりました。
商品別では、ピアノ、電子楽器、管楽器、弦打楽器の全商品カテゴリーで前年同期を上回りました。ピアノは中国での販売が全体を牽引、デジタルピアノは新商品効果により売上げを伸ばし、ポータブルキーボードは欧州向け高価格帯向けや新興国の普及帯が好調でした。管楽器は北米での売上げが堅調に推移したほか、ギターは中国・新興国での販売が伸長しました。
地域別では、北米は自然災害影響、販売網の変遷により通期では前年並み売上げを維持、欧州も同様に前年並みの売上げを維持しました。一方、中国市場は2桁成長を継続し、新興国市場は前年伸び率を上回る成長となりました。特に中国市場では、販売網拡大、マーケティング施策の進捗等もあり、ピアノに加えて、デジタルピアノ、ギターも大きく伸長し、市場全体を上回るペースで売上げが成長しています。
音響機器事業の売上高は、前年同期に対し、63億4百万円(5.5%)増加し、1,217億88百万円となりました。
商品別では、オーディオ、業務用音響機器、ICT(情報通信)機器の全商品カテゴリーで前年同期を上回りました。
オーディオは、北米および欧州を中心に販売が堅調に推移し、コネクティッド・オーディオの市場浸透も欧州中心に進み全地域で前年を上回りました。
業務用音響機器は、デジタルミキサーのフラッグシップモデル『RIVAGE PM10』のバージョンアップ、『RIVAGE PM7』等の新製品も堅調に推移しました。また、法人・B2B顧客サポートの人員体制、音響設備業者アカウント数も順調に増加しました。地域別では、中国、新興国で前年同期に対し、2桁成長となりました。
また、ICT(情報通信)機器は、国内での音声コミュニケーション機器の販売が好調でした。
その他の事業の売上高は、前年同期に対し15億92百万円(4.5%)増加し、366億92百万円となりました。
FA機器が売上げを大きく伸ばしたほか、自動車用内装部品の国内および北米向けの販売が伸長したこと等により、部品・装置事業は前年同期に対し2桁成長となりました。
ゴルフ事業も新商品効果、ブランド施策が奏功し、前年同期に対し2桁の伸びを示しました。
(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費
売上原価は、前年同期に比べ160億14百万円(6.6%)増加し、2,584億65百万円となりました。売上原価率は、前年同期から0.3ポイント上昇し59.7%となりました。
売上総利益は前年同期に比べ87億4百万円(5.3%)増加し、1,745億1百万円となりました。売上総利益率は、前年同期から0.3ポイント下がり40.3%となりました。
また、販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ41億74百万円(3.4%)増加し、1,256億68百万円となりました。売上高販売管理費比率は、前年同期から0.8ポイント改善し29.0%となりました。
(ハ)営業利益
営業利益は、全ての報告セグメントで前年同期を上回り、前年同期に比べ45億30百万円(10.2%)増益の488億33百万円となり、6期連続の増益を達成し、過去最高益となりました。
報告セグメントごとの営業利益では、楽器事業は、前年同期の321億38百万円から25億5百万円(7.8%)増益となり、346億44百万円となりました。音響機器事業は、前年同期の104億47百万円から2億67百万円(2.6%)増益となり、107億15百万円となりました。その他の事業は、前年同期の17億16百万円から、17億56百万円(102.4%)増益となり、34億73百万円となりました。
要因別には、販売管理費の増加(36億円)、海外生産拠点の労務費上昇等による製造コストアップ(13億円)等の減益影響がありましたが、増収増産による増益(49億円)、為替影響(40億円)、コストダウン(20億円)等により、前年同期に比べ増益となりました。
(ニ)営業外損益
営業外収益は、前年同期の47億25百万円から9億50百万円(20.1%)増加の56億76百万円となりました。このうち、受取配当金はヤマハ発動機株式会社からの配当金が増加したこと等により、前年同期の31億8百万円から、8億13百万円(26.2%)増加し、39億21百万円となりました。
営業外費用は、前年同期の41億1百万円から11億74百万円(28.6%)増加し、52億76百万円となりました。このうち、売上割引は前年同期の26億16百万円から2億87百万円(11.0%)増加し、29億3百万円、為替差損は前年同期の2億18百万円から10億83百万円(496.7%)増加の13億1百万円となりました。
(ホ)特別損益
特別利益は、ヤマハ発動機株式会社株式の一部売却による投資有価証券売却益の計上等により、前年同期の43億37百万円から216億11百万円増加し259億49百万円となりました。
特別損失は、リゾート事業再編や米国子会社であるRevolabs,Inc.及びその子会社に係るのれんの一時償却のあった前年同期の63億66百万円から、56億54百万円減少し、7億12百万円となりました。
(ヘ)税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前年同期の428億98百万円から315億72百万円(73.6%)増益の744億71百万円となりました。売上高税金等調整前当期純利益率は、前年同期の10.5%から6.7ポイント改善し、17.2%となりました。
(ト)法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は、前年同期の87億28百万円から126億48百万円(144.9%)増加し、213億77百万円となりました。
法人税等調整額は、繰延税金資産の回収可能性について見直しを行い繰延税金資産の追加計上を行った前年同期の△127億6百万円から113億75百万円増加し、△13億30百万円となりました。
(チ)非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期の1億56百万円から1億10百万円(70.4%)減益の46百万円となりました。
(リ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期の467億19百万円から76億58百万円(16.4%)増益の543億78百万円と過去最高益となりました。1株当たり当期純利益は、前年同期の249円17銭から291円81銭となりました。
(ヌ)為替変動とリスクヘッジ
海外連結子会社の売上高は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前年同期に対し約3円円安の111円となり、前年同期に比べ約23億円の増収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前年同期に対し約11円円安の130円となり、前年同期に比べ約75億円の増収影響となりました。また、人民元、イギリスポンドなど、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に比べ約50億円の増収影響となり、売上高全体では、前年同期に比べ約148億円の増収影響となりました。
また、営業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外連結子会社の営業利益の換算等により、約5億円の増益影響となりました。ユーロの決済レートは、前年同期に対し約5円円安の126円となり、約24億円の増益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前年同期に比べ約40億円の増益影響となりました。
(ル)生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前年同期末の5,223億62百万円から378億21百万円(7.2%)増加し、5,601億84百万円となりました。
負債は、前年同期末の1,549億24百万円から169億14百万円(10.9%)増加し、1,718億38百万円となりました。
純資産は、前年同期末の3,674億37百万円から209億7百万円(5.7%)増加し、3,883億45百万円となりました。当連結会計年度において株主還元として250億円の自己株式取得を行っております。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ167億33百万円増加(前年同期は156億51百万円増加)し、期末残高は1,174億3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税金等調整前当期純利益により、474億98百万円(前年同期に得られた資金は391億42百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は、投資有価証券の売却及び償還による収入等により、47億66百万円(前年同期に使用した資金は96億63百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、自己株式の取得による支出、配当金の支払額等により、355億84百万円(前年同期に使用した資金は125億88百万円)となりました。
(イ)資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。
当連結会計年度の設備投資額は、前年同期の175億42百万円から70億58百万円(40.2%)増加し、246億円となりました。本社研究開発棟の建設、海外新工場建設(インド・インドネシア)等、減価償却費(107億77百万円)を大幅に超える設備投資を行っております。
研究開発費は、前年同期の244億15百万円から3億82百万円(1.6%)増加し、247億97百万円となりました。売上高研究開発費比率は前年同期の6.0%から0.3ポイント下がり、5.7%となりました。
(ロ)資金調達
運転資金及び設備投資資金について、一部の子会社において借入金により調達しております。借入については通常、会社ごとに現地通貨による短期借入を行っておりますが、借入金額・期間・金利等を勘案し、長期借入を行う場合があります。なお、当社及び国内子会社についてはグループファイナンスを実施しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。このような見積りについて経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの採用している重要な会計方針のなかで、経営者の見積りが大きな影響を与える事項は次のとおりです。
① 貸倒引当金算定における見積り
一般債権についての引当金算定における貸倒実績率と、貸倒懸念債権等特定の債権についての個別の回収不能見込額について、見積りを行っております。
② たな卸資産評価における見積り
たな卸資産評価において、総平均法単価等と比較すべき時価の一部の算定について、見積りを行っております。
③ 固定資産の減損会計における見積り
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フロー及び割引率について見積りを行っております。
④ 時価のあるその他有価証券の減損処理における見積り
「著しく下落した」と判断し減損対象として候補にあがった銘柄についての回復可能性について、判定を行っております。
⑤ 繰延税金資産算定における見積り
繰延税金資産の回収可能性評価のために、将来の合理的な課税所得を算定するうえで、見積りを行っております。
⑥ 製品保証引当金算定における見積り
製品販売後に発生する補修費用の算定における、売上高もしくは販売台数に対する経験率による見積り及び個別見積りを行っております。
⑦ 退職給付に係る負債算定における見積り
退職給付に係る負債算定の前提になる退職給付債務について、見積りを行っております。
(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績
当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、世界経済全体としては緩やかな回復が続きました。個別の国や地域においては、米国では雇用環境や所得の改善が進み、順調な景気拡大がみられました。また、欧州では個人消費と設備投資が増加し、景気は堅調に推移しました。中国では景気拡大を維持したものの、成長のペースは鈍化しました。国内では個人消費の回復が続きました。
このような環境の中で当社グループは、中期経営計画「NEXT STAGE 12」の2年目として、重点施策である「個性際立つ商品の開発」、「お客様の拡大」、「持続的なコスト低減」、「グローバル事業運営の基盤強化」に引き続き取り組みました。
「個性際立つ商品の開発」につきましては、楽器事業では、クラビノーバの新シリーズやグッドデザイン大賞を受賞したカジュアル管楽器「Venova™」、音響機器事業では、高品質とデザインが評価されたAVサウンドバーの新モデル、商業施設のBGM用小型スピーカー、また企業会議室向けのカメラ一体型USBマイクスピーカー等、新しいテクノロジーや美しいデザインをお客様に感じていただける商品を投入いたしました。
「お客様の拡大」につきましては、楽器事業では、販売網整備を進め、特に新興国の販売拠点数は目標を大幅に上回る増加を達成しました。また新興国での音楽教育支援活動「Music Time」プログラムの取り組みは、アジアの新興国を中心に、生徒数がのべ12万人となるまで展開が進みました。音響機器事業では、音響設備事業者の取引先拡大を図りました。オーディオの重点市場である欧州で、MusicCast®対応商品の店舗展示コーナー「プレミアム Y アイランド」の整備を進めました。ネットワーク領域では、LAN製品の拡大に伴い、教育機関や店舗、また監視カメラとの連携など、従来と異なる顧客を拡大しました。
「持続的なコスト低減」につきましては、電子部品を中心に調達コストの上昇がありましたが、生産工程の再配置、生産効率化、間接業務の生産性向上などの施策を進めています。なお、当期はインドネシアとインドでの新工場の建設に着手するとともに、現存の工場での生産能力の増強を進めました。
「グローバル事業運営の基盤強化」につきましては、国を超えた人材の活躍推進に取り組んでいます。また、ITセキュリティ強化、効率的な物流システム等のサポート機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤の強化、業務の効率化を計画に沿って進めております。
中期経営計画「NEXT STAGE 12」では、最終年度の2019年3月期の営業利益率目標を12%に設定しています。中期経営計画2年目である2018年3月期は、営業利益率11.3%となり、最終年度である2019年3月期は12.4%を予想しております。
(イ)セグメントごとの売上高の状況
当連結会計年度の売上高は、楽器事業、音響機器事業、その他の事業の全ての報告セグメントにおいて前年同期を上回り、前年同期に比べ247億19百万円(6.1%)増収の4,329億67百万円となりました。
楽器事業の売上高は、前年同期に対し168億21百万円(6.5%)増加し、2,744億86百万円となりました。
商品別では、ピアノ、電子楽器、管楽器、弦打楽器の全商品カテゴリーで前年同期を上回りました。ピアノは中国での販売が全体を牽引、デジタルピアノは新商品効果により売上げを伸ばし、ポータブルキーボードは欧州向け高価格帯向けや新興国の普及帯が好調でした。管楽器は北米での売上げが堅調に推移したほか、ギターは中国・新興国での販売が伸長しました。
地域別では、北米は自然災害影響、販売網の変遷により通期では前年並み売上げを維持、欧州も同様に前年並みの売上げを維持しました。一方、中国市場は2桁成長を継続し、新興国市場は前年伸び率を上回る成長となりました。特に中国市場では、販売網拡大、マーケティング施策の進捗等もあり、ピアノに加えて、デジタルピアノ、ギターも大きく伸長し、市場全体を上回るペースで売上げが成長しています。
音響機器事業の売上高は、前年同期に対し、63億4百万円(5.5%)増加し、1,217億88百万円となりました。
商品別では、オーディオ、業務用音響機器、ICT(情報通信)機器の全商品カテゴリーで前年同期を上回りました。
オーディオは、北米および欧州を中心に販売が堅調に推移し、コネクティッド・オーディオの市場浸透も欧州中心に進み全地域で前年を上回りました。
業務用音響機器は、デジタルミキサーのフラッグシップモデル『RIVAGE PM10』のバージョンアップ、『RIVAGE PM7』等の新製品も堅調に推移しました。また、法人・B2B顧客サポートの人員体制、音響設備業者アカウント数も順調に増加しました。地域別では、中国、新興国で前年同期に対し、2桁成長となりました。
また、ICT(情報通信)機器は、国内での音声コミュニケーション機器の販売が好調でした。
その他の事業の売上高は、前年同期に対し15億92百万円(4.5%)増加し、366億92百万円となりました。
FA機器が売上げを大きく伸ばしたほか、自動車用内装部品の国内および北米向けの販売が伸長したこと等により、部品・装置事業は前年同期に対し2桁成長となりました。
ゴルフ事業も新商品効果、ブランド施策が奏功し、前年同期に対し2桁の伸びを示しました。
(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費
売上原価は、前年同期に比べ160億14百万円(6.6%)増加し、2,584億65百万円となりました。売上原価率は、前年同期から0.3ポイント上昇し59.7%となりました。
売上総利益は前年同期に比べ87億4百万円(5.3%)増加し、1,745億1百万円となりました。売上総利益率は、前年同期から0.3ポイント下がり40.3%となりました。
また、販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ41億74百万円(3.4%)増加し、1,256億68百万円となりました。売上高販売管理費比率は、前年同期から0.8ポイント改善し29.0%となりました。
(ハ)営業利益
営業利益は、全ての報告セグメントで前年同期を上回り、前年同期に比べ45億30百万円(10.2%)増益の488億33百万円となり、6期連続の増益を達成し、過去最高益となりました。
報告セグメントごとの営業利益では、楽器事業は、前年同期の321億38百万円から25億5百万円(7.8%)増益となり、346億44百万円となりました。音響機器事業は、前年同期の104億47百万円から2億67百万円(2.6%)増益となり、107億15百万円となりました。その他の事業は、前年同期の17億16百万円から、17億56百万円(102.4%)増益となり、34億73百万円となりました。
要因別には、販売管理費の増加(36億円)、海外生産拠点の労務費上昇等による製造コストアップ(13億円)等の減益影響がありましたが、増収増産による増益(49億円)、為替影響(40億円)、コストダウン(20億円)等により、前年同期に比べ増益となりました。
(ニ)営業外損益
営業外収益は、前年同期の47億25百万円から9億50百万円(20.1%)増加の56億76百万円となりました。このうち、受取配当金はヤマハ発動機株式会社からの配当金が増加したこと等により、前年同期の31億8百万円から、8億13百万円(26.2%)増加し、39億21百万円となりました。
営業外費用は、前年同期の41億1百万円から11億74百万円(28.6%)増加し、52億76百万円となりました。このうち、売上割引は前年同期の26億16百万円から2億87百万円(11.0%)増加し、29億3百万円、為替差損は前年同期の2億18百万円から10億83百万円(496.7%)増加の13億1百万円となりました。
(ホ)特別損益
特別利益は、ヤマハ発動機株式会社株式の一部売却による投資有価証券売却益の計上等により、前年同期の43億37百万円から216億11百万円増加し259億49百万円となりました。
特別損失は、リゾート事業再編や米国子会社であるRevolabs,Inc.及びその子会社に係るのれんの一時償却のあった前年同期の63億66百万円から、56億54百万円減少し、7億12百万円となりました。
(ヘ)税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前年同期の428億98百万円から315億72百万円(73.6%)増益の744億71百万円となりました。売上高税金等調整前当期純利益率は、前年同期の10.5%から6.7ポイント改善し、17.2%となりました。
(ト)法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は、前年同期の87億28百万円から126億48百万円(144.9%)増加し、213億77百万円となりました。
法人税等調整額は、繰延税金資産の回収可能性について見直しを行い繰延税金資産の追加計上を行った前年同期の△127億6百万円から113億75百万円増加し、△13億30百万円となりました。
(チ)非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期の1億56百万円から1億10百万円(70.4%)減益の46百万円となりました。
(リ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期の467億19百万円から76億58百万円(16.4%)増益の543億78百万円と過去最高益となりました。1株当たり当期純利益は、前年同期の249円17銭から291円81銭となりました。
(ヌ)為替変動とリスクヘッジ
海外連結子会社の売上高は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前年同期に対し約3円円安の111円となり、前年同期に比べ約23億円の増収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前年同期に対し約11円円安の130円となり、前年同期に比べ約75億円の増収影響となりました。また、人民元、イギリスポンドなど、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に比べ約50億円の増収影響となり、売上高全体では、前年同期に比べ約148億円の増収影響となりました。
また、営業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外連結子会社の営業利益の換算等により、約5億円の増益影響となりました。ユーロの決済レートは、前年同期に対し約5円円安の126円となり、約24億円の増益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前年同期に比べ約40億円の増益影響となりました。
(ル)生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 楽器 | 193,151 | 104.5 |
| 音響機器 | 107,911 | 106.7 |
| その他 | 34,391 | 117.4 |
| 合計 | 335,454 | 106.4 |
(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 楽器 | 274,486 | 106.5 |
| 音響機器 | 121,788 | 105.5 |
| その他 | 36,692 | 104.5 |
| 合計 | 432,967 | 106.1 |
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前年同期末の5,223億62百万円から378億21百万円(7.2%)増加し、5,601億84百万円となりました。
負債は、前年同期末の1,549億24百万円から169億14百万円(10.9%)増加し、1,718億38百万円となりました。
純資産は、前年同期末の3,674億37百万円から209億7百万円(5.7%)増加し、3,883億45百万円となりました。当連結会計年度において株主還元として250億円の自己株式取得を行っております。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ167億33百万円増加(前年同期は156億51百万円増加)し、期末残高は1,174億3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税金等調整前当期純利益により、474億98百万円(前年同期に得られた資金は391億42百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は、投資有価証券の売却及び償還による収入等により、47億66百万円(前年同期に使用した資金は96億63百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、自己株式の取得による支出、配当金の支払額等により、355億84百万円(前年同期に使用した資金は125億88百万円)となりました。
(イ)資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。
当連結会計年度の設備投資額は、前年同期の175億42百万円から70億58百万円(40.2%)増加し、246億円となりました。本社研究開発棟の建設、海外新工場建設(インド・インドネシア)等、減価償却費(107億77百万円)を大幅に超える設備投資を行っております。
研究開発費は、前年同期の244億15百万円から3億82百万円(1.6%)増加し、247億97百万円となりました。売上高研究開発費比率は前年同期の6.0%から0.3ポイント下がり、5.7%となりました。
(ロ)資金調達
運転資金及び設備投資資金について、一部の子会社において借入金により調達しております。借入については通常、会社ごとに現地通貨による短期借入を行っておりますが、借入金額・期間・金利等を勘案し、長期借入を行う場合があります。なお、当社及び国内子会社についてはグループファイナンスを実施しております。