有価証券報告書-第197期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、その性質上、実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績
当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、世界経済は新型コロナウイルス感染拡大により、大きな打撃を受け、2020年の世界全体の実質成長率はマイナスとなりました。国内においても新型コロナウイルス感染拡大の影響は甚大であり、収束の見通しが立たない中で、感染拡大防止と社会経済活動を両立することが大きな課題となりました。また、米国の新政権発足、米中貿易摩擦の激化、英国EU完全離脱などが、世界経済に大きな影響を与えました。
このような環境の中で当社グループは、中期経営計画「Make Waves 1.0」の2年目として、4つの重点戦略「顧客ともっと繋がる」「新たな価値を創造する」「生産性を向上する」「事業を通じて社会に貢献する」に引き続き取り組んで参りました。
「顧客ともっと繋がる」につきましては、お客様がヤマハと繋がるきっかけとなる顧客体験の仕組み作りや顧客情報基盤の整備を進めました。ブランド価値の伝達では、インターネットを媒体とするデジタルでの顧客接点の増加を受け、SNS等の更なる活用によりオンラインでの価値伝達を行い実店舗でのビジネスヘ繋げることに加え、Eコマースの拡大や新たな販売形態であるライブコマースなど、様々な取り組みも加速しました。また、ヘッドホン・イヤホン市場における認知度の進展、車載オーディオの中国自動車メーカー採用獲得など、ドメインの拡大も進みました。
「新たな価値を創造する」につきましては、デジタルサックス「YDS-150」は、アコースティック楽器の自然で美しい音の響きとともにリード楽器を演奏するハードルを下げることを実現しました。ギターアンプ「THR30ⅡA Wireless」は、フルワイヤレスによる自宅等での小規模演奏やSNSへの演奏動画投稿などのニーズにもマッチし、幅広い顧客の支持を受けました。また、リモート応援システムの「Remote Cheerer」、次世代ライブビューイング「Distance Viewing」など、コロナ禍で苦境にあるライブやコンサート、スポーツ観戦など様々なイベントを安心・安全な形で実施できるよう支援するサービスヘの取り組みを始めました。
「生産性を向上する」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により工場停止等の混乱があったものの、製造拠点のエリア統括体制の整備、生産管理の標準化、スマートファクトリー化等、様々な施策が進みました。また、音響機器事業では、社内外のリソースを活用した開発期間短縮に向けた活動も進展しました。
「事業を通じて社会に貢献する」につきましては、中期経営計画3年目の目標である「新興国の器楽教育普及累計100万人」に対し、累計71万人に達しました。また、「認証木材使用率50%」についても、2年目で48%を達成し、着実に進捗しました。
中期経営計画「Make Waves 1.0」における2022年3月期の経営目標「事業利益率 13.8%」「ROE 11.5%」「EPS 270円」は、コロナウイルス感染拡大の影響もあり、当連結会計年度においてそれぞれ10.9%、7.4%、151円39銭となりました。
(イ)セグメントごとの売上収益の状況
当連結会計年度の売上収益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響等により、為替のマイナス影響23億円を含め、前期に対し415億97百万円(10.0%)減少の3,726億30百万円となりました。
楽器事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、為替のマイナス影響17億円を含め、前期に対し303億90百万円(11.3%)減少の2,389億81百万円となりました。
商品別では、ピアノは、中国での販売が成長軌道に回帰した他、各国の市況が回復基調にあるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響による店頭販売の落ち込みを受けて減収となりました。電子楽器は、ステイホーム需要により普及価格帯商品を中心に需要が堅調であったものの、商品供給不足もあり減収となりました。管楽器は、吹奏楽活動の停滞により市況の回復が遅れ減収となりました。ギターは、在宅時間の増加により新たに演奏を始めるユーザーが増え市場が拡大し、主に国内や中国で販売を伸ばし増収となりました。
地域別では、日本はステイホーム需要の顕在化によりギター等の販売が増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大による店舗・教室の休業や吹奏楽活動の停滞等の影響により、全体では減収となりました。北米及び欧州では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中、EC販売へのシフトが進みステイホーム需要も堅調に推移したものの、商品供給不足や各国での活動制限による需要の減少などにより減収となりました。中国では、他地域に先駆けて成長軌道に回帰し、市況の回復が遅れている管楽器を除き、全ての商品カテゴリーで増収となりました。その他の地域では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により減収となりました。
音響機器事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、為替のマイナス影響4億円を含め、前期に対し105億79百万円(9.2%)減少の1,038億13百万円となりました。
商品別では、オーディオ機器は、ステイホーム需要によりサウンドバー等の販売が伸長しましたが、商品供給不足の影響もあり、上期の減収をカバーするまでには至らず、全体では減収となりました。業務用音響機器は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるライブ市場や設備市場の停滞により減収となりました。ICT機器は、テレワークの定着や遠隔会議の急速な普及による旺盛な需要により会議システム等の販売が増加し、増収となりました。
その他の事業の売上収益は、前期に対し6億26百万円(2.1%)減少の298億36百万円となりました。
部品・装置事業では、電子デバイスは、中国自動車メーカー向けに新たな車載向けヤマハブランドオーディオの出荷を開始し、順調に販売を伸ばしましたが、アミューズメント向けの出荷が減少し減収となりました。自動車用内装部品及びFA機器は、需要の回復により増収となりました。
(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費
売上原価は、前期に対し162億46百万円(6.6%)減少の2,297億20百万円となりました。売上原価率は、前期から2.2ポイント上昇し61.6%となりました。
売上総利益は前期に対し、253億50百万円(15.1%)減少の1,429億9百万円となりました。売上総利益率は、前期から2.2ポイント下落し38.4%となりました。
また、販売費及び一般管理費は、前期に比べ197億8百万円(16.2%)減少し、1,021億98百万円となりました。売上収益販売管理費比率は、前期から2.0ポイント改善し27.4%となりました。
(ハ)事業利益
事業利益は、前期に対し56億41百万円(12.2%)減少の407億11百万円となりました。 報告セグメントごとの事業利益では、楽器事業は、為替のマイナス影響8億円を含め、前期に対し53億32百万円(14.1%)減少の324億17百万円となりました。音響機器事業は、為替のプラス影響2億円を含め、前期に対し15億4百万円(17.5%)減少の70億67百万円となりました。その他の事業は、前期に対し11億95百万円増加の12億25百万円となりました。
要因別には、主に新型コロナウイルス感染拡大の影響による減収減産(233億円)や海外生産拠点の労務費の上昇(16億円)等の減益要因に対して、販売管理費の削減(173億円)、コストダウン(12億円)、部品・装置その他の事業の増益(12億円)等による増益要因があったものの、前期に比べ減益となりました。
(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものです。
(ニ)その他の収益及びその他の費用
その他の収益は、前期に対し8億97百万円(32.0%)減少の19億9百万円となりました。その他の費用は、前期に対し17億54百万円(30.1%)増加の75億80百万円となりました。その他の費用は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止損23億18百万円及び固定資産の減損損失35億53百万円を計上したことにより増加しました。
(ホ)金融収益及び金融費用
金融収益は、前期に対し16億2百万円(32.2%)減少の33億66百万円となりました。金融費用は、前期に対し2億20百万円(20.4%)増加の13億3百万円となりました。
(ヘ)税引前当期利益
税引前当期利益は、前期に対し101億22百万円(21.4%)減少し371億2百万円となりました。売上収益税引前当期利益率は、前期から1.4ポイント下落し10.0%となりました。
(ト)法人所得税費用
法人所得税費用は、前期に対し21億28百万円(17.0%)減少の103億93百万円となりました。主として、税引前当期利益の減少により減少となりました。
(チ)親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に対し80億6百万円(23.1%)減少の266億15百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期の194円71銭から151円39銭となりました。
(リ)為替変動とリスクヘッジ
海外子会社の売上収益は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前期に対し約3円円高の106円となり、前期に対し約22億円の減収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前期に対し約3円円安の124円となり、前期に対し約17億円の増収影響となりました。また、人民元など、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に対し約18億円の減収影響となり、売上収益全体では、前期に対し約23億円の減収影響となりました。
また、事業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外子会社の事業利益の換算等により、約3億円の減益影響となりました。ユーロの決済レートは、前期に対し約1円円高の121円となり、約0.4億円の減益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前期に対し約6億円の減益影響となりました。
(ヌ)生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上収益であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の4,740億34百万円から835億82百万円(17.6%)増加し、5,576億16百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末から309億13百万円(11.4%)増加し、3,011億3百万円となり、非流動資産は、526億69百万円(25.8%)増加し、2,565億13百万円となりました。流動資産では、現金及び現金同等物が増加しました。非流動資産では、保有有価証券の時価上昇により金融資産が増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末の1,475億84百万円から130億83百万円(8.9%)増加し、1,606億67百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末から17億3百万円(1.7%)増加し、1,008億52百万円となり、非流動負債は、前連結会計年度末から113億79百万円(23.5%)増加し、598億14百万円となりました。非流動負債では、保有有価証券の時価上昇により繰延税金負債が増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末の3,264億50百万円から704億99百万円(21.6%)増加し、3,969億49百万円となりました。当期利益により利益剰余金が増加したことに加え、保有有価証券の時価上昇や為替変動の影響によりその他の資本の構成要素が増加しました。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比べ366億73百万円増加(前期は31億43百万円減少)し、期末残高は1,293億45百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税引前当期利益により、582億25百万円(前期に得られた資金は571億62百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産及び無形資産等の取得による支出により、57億85百万円(前期に使用した資金は210億67百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、主として配当金の支払いにより、206億2百万円(前期に使用した資金は364億22百万円)となりました。
(イ)資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。
当連結会計年度の設備投資額は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、前期の205億45百万円から92億85百万円(45.2%)減少し、112億60百万円となりました。設備の更新改修を中心として減価償却費(113億87百万円)と同程度の設備投資を行いました。
研究開発費は、前期の248億14百万円から6億25百万円(2.5%)減少し、241億89百万円となりました。売上収益研究開発費比率は前期の6.0%から0.5ポイント上昇し、6.5%となりました。
(ロ)資金調達
運転資金及び設備投資資金について、当社及び国内子会社、一部の海外子会社においてグループ内資金を有効活用するためグループファイナンスを運用しています。また、一部の子会社においては、借入金額・期間・金利等の条件を総合的に勘案し、金融機関から借入を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、その性質上、実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績
当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、世界経済は新型コロナウイルス感染拡大により、大きな打撃を受け、2020年の世界全体の実質成長率はマイナスとなりました。国内においても新型コロナウイルス感染拡大の影響は甚大であり、収束の見通しが立たない中で、感染拡大防止と社会経済活動を両立することが大きな課題となりました。また、米国の新政権発足、米中貿易摩擦の激化、英国EU完全離脱などが、世界経済に大きな影響を与えました。
このような環境の中で当社グループは、中期経営計画「Make Waves 1.0」の2年目として、4つの重点戦略「顧客ともっと繋がる」「新たな価値を創造する」「生産性を向上する」「事業を通じて社会に貢献する」に引き続き取り組んで参りました。
「顧客ともっと繋がる」につきましては、お客様がヤマハと繋がるきっかけとなる顧客体験の仕組み作りや顧客情報基盤の整備を進めました。ブランド価値の伝達では、インターネットを媒体とするデジタルでの顧客接点の増加を受け、SNS等の更なる活用によりオンラインでの価値伝達を行い実店舗でのビジネスヘ繋げることに加え、Eコマースの拡大や新たな販売形態であるライブコマースなど、様々な取り組みも加速しました。また、ヘッドホン・イヤホン市場における認知度の進展、車載オーディオの中国自動車メーカー採用獲得など、ドメインの拡大も進みました。
「新たな価値を創造する」につきましては、デジタルサックス「YDS-150」は、アコースティック楽器の自然で美しい音の響きとともにリード楽器を演奏するハードルを下げることを実現しました。ギターアンプ「THR30ⅡA Wireless」は、フルワイヤレスによる自宅等での小規模演奏やSNSへの演奏動画投稿などのニーズにもマッチし、幅広い顧客の支持を受けました。また、リモート応援システムの「Remote Cheerer」、次世代ライブビューイング「Distance Viewing」など、コロナ禍で苦境にあるライブやコンサート、スポーツ観戦など様々なイベントを安心・安全な形で実施できるよう支援するサービスヘの取り組みを始めました。
「生産性を向上する」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により工場停止等の混乱があったものの、製造拠点のエリア統括体制の整備、生産管理の標準化、スマートファクトリー化等、様々な施策が進みました。また、音響機器事業では、社内外のリソースを活用した開発期間短縮に向けた活動も進展しました。
「事業を通じて社会に貢献する」につきましては、中期経営計画3年目の目標である「新興国の器楽教育普及累計100万人」に対し、累計71万人に達しました。また、「認証木材使用率50%」についても、2年目で48%を達成し、着実に進捗しました。
中期経営計画「Make Waves 1.0」における2022年3月期の経営目標「事業利益率 13.8%」「ROE 11.5%」「EPS 270円」は、コロナウイルス感染拡大の影響もあり、当連結会計年度においてそれぞれ10.9%、7.4%、151円39銭となりました。
(イ)セグメントごとの売上収益の状況
当連結会計年度の売上収益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響等により、為替のマイナス影響23億円を含め、前期に対し415億97百万円(10.0%)減少の3,726億30百万円となりました。
楽器事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、為替のマイナス影響17億円を含め、前期に対し303億90百万円(11.3%)減少の2,389億81百万円となりました。
商品別では、ピアノは、中国での販売が成長軌道に回帰した他、各国の市況が回復基調にあるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響による店頭販売の落ち込みを受けて減収となりました。電子楽器は、ステイホーム需要により普及価格帯商品を中心に需要が堅調であったものの、商品供給不足もあり減収となりました。管楽器は、吹奏楽活動の停滞により市況の回復が遅れ減収となりました。ギターは、在宅時間の増加により新たに演奏を始めるユーザーが増え市場が拡大し、主に国内や中国で販売を伸ばし増収となりました。
地域別では、日本はステイホーム需要の顕在化によりギター等の販売が増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大による店舗・教室の休業や吹奏楽活動の停滞等の影響により、全体では減収となりました。北米及び欧州では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中、EC販売へのシフトが進みステイホーム需要も堅調に推移したものの、商品供給不足や各国での活動制限による需要の減少などにより減収となりました。中国では、他地域に先駆けて成長軌道に回帰し、市況の回復が遅れている管楽器を除き、全ての商品カテゴリーで増収となりました。その他の地域では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により減収となりました。
音響機器事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、為替のマイナス影響4億円を含め、前期に対し105億79百万円(9.2%)減少の1,038億13百万円となりました。
商品別では、オーディオ機器は、ステイホーム需要によりサウンドバー等の販売が伸長しましたが、商品供給不足の影響もあり、上期の減収をカバーするまでには至らず、全体では減収となりました。業務用音響機器は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるライブ市場や設備市場の停滞により減収となりました。ICT機器は、テレワークの定着や遠隔会議の急速な普及による旺盛な需要により会議システム等の販売が増加し、増収となりました。
その他の事業の売上収益は、前期に対し6億26百万円(2.1%)減少の298億36百万円となりました。
部品・装置事業では、電子デバイスは、中国自動車メーカー向けに新たな車載向けヤマハブランドオーディオの出荷を開始し、順調に販売を伸ばしましたが、アミューズメント向けの出荷が減少し減収となりました。自動車用内装部品及びFA機器は、需要の回復により増収となりました。
(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費
売上原価は、前期に対し162億46百万円(6.6%)減少の2,297億20百万円となりました。売上原価率は、前期から2.2ポイント上昇し61.6%となりました。
売上総利益は前期に対し、253億50百万円(15.1%)減少の1,429億9百万円となりました。売上総利益率は、前期から2.2ポイント下落し38.4%となりました。
また、販売費及び一般管理費は、前期に比べ197億8百万円(16.2%)減少し、1,021億98百万円となりました。売上収益販売管理費比率は、前期から2.0ポイント改善し27.4%となりました。
(ハ)事業利益
事業利益は、前期に対し56億41百万円(12.2%)減少の407億11百万円となりました。 報告セグメントごとの事業利益では、楽器事業は、為替のマイナス影響8億円を含め、前期に対し53億32百万円(14.1%)減少の324億17百万円となりました。音響機器事業は、為替のプラス影響2億円を含め、前期に対し15億4百万円(17.5%)減少の70億67百万円となりました。その他の事業は、前期に対し11億95百万円増加の12億25百万円となりました。
要因別には、主に新型コロナウイルス感染拡大の影響による減収減産(233億円)や海外生産拠点の労務費の上昇(16億円)等の減益要因に対して、販売管理費の削減(173億円)、コストダウン(12億円)、部品・装置その他の事業の増益(12億円)等による増益要因があったものの、前期に比べ減益となりました。
(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものです。
(ニ)その他の収益及びその他の費用
その他の収益は、前期に対し8億97百万円(32.0%)減少の19億9百万円となりました。その他の費用は、前期に対し17億54百万円(30.1%)増加の75億80百万円となりました。その他の費用は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止損23億18百万円及び固定資産の減損損失35億53百万円を計上したことにより増加しました。
(ホ)金融収益及び金融費用
金融収益は、前期に対し16億2百万円(32.2%)減少の33億66百万円となりました。金融費用は、前期に対し2億20百万円(20.4%)増加の13億3百万円となりました。
(ヘ)税引前当期利益
税引前当期利益は、前期に対し101億22百万円(21.4%)減少し371億2百万円となりました。売上収益税引前当期利益率は、前期から1.4ポイント下落し10.0%となりました。
(ト)法人所得税費用
法人所得税費用は、前期に対し21億28百万円(17.0%)減少の103億93百万円となりました。主として、税引前当期利益の減少により減少となりました。
(チ)親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に対し80億6百万円(23.1%)減少の266億15百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期の194円71銭から151円39銭となりました。
(リ)為替変動とリスクヘッジ
海外子会社の売上収益は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前期に対し約3円円高の106円となり、前期に対し約22億円の減収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前期に対し約3円円安の124円となり、前期に対し約17億円の増収影響となりました。また、人民元など、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に対し約18億円の減収影響となり、売上収益全体では、前期に対し約23億円の減収影響となりました。
また、事業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外子会社の事業利益の換算等により、約3億円の減益影響となりました。ユーロの決済レートは、前期に対し約1円円高の121円となり、約0.4億円の減益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前期に対し約6億円の減益影響となりました。
(ヌ)生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 楽器 | 178,139 | 83.9 |
| 音響機器 | 96,224 | 85.8 |
| その他 | 27,569 | 108.0 |
| 合計 | 301,933 | 86.3 |
(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 楽器 | 238,981 | 88.7 |
| 音響機器 | 103,813 | 90.8 |
| その他 | 29,836 | 97.9 |
| 合計 | 372,630 | 90.0 |
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上収益であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の4,740億34百万円から835億82百万円(17.6%)増加し、5,576億16百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末から309億13百万円(11.4%)増加し、3,011億3百万円となり、非流動資産は、526億69百万円(25.8%)増加し、2,565億13百万円となりました。流動資産では、現金及び現金同等物が増加しました。非流動資産では、保有有価証券の時価上昇により金融資産が増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末の1,475億84百万円から130億83百万円(8.9%)増加し、1,606億67百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末から17億3百万円(1.7%)増加し、1,008億52百万円となり、非流動負債は、前連結会計年度末から113億79百万円(23.5%)増加し、598億14百万円となりました。非流動負債では、保有有価証券の時価上昇により繰延税金負債が増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末の3,264億50百万円から704億99百万円(21.6%)増加し、3,969億49百万円となりました。当期利益により利益剰余金が増加したことに加え、保有有価証券の時価上昇や為替変動の影響によりその他の資本の構成要素が増加しました。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比べ366億73百万円増加(前期は31億43百万円減少)し、期末残高は1,293億45百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税引前当期利益により、582億25百万円(前期に得られた資金は571億62百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産及び無形資産等の取得による支出により、57億85百万円(前期に使用した資金は210億67百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、主として配当金の支払いにより、206億2百万円(前期に使用した資金は364億22百万円)となりました。
(イ)資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。
当連結会計年度の設備投資額は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、前期の205億45百万円から92億85百万円(45.2%)減少し、112億60百万円となりました。設備の更新改修を中心として減価償却費(113億87百万円)と同程度の設備投資を行いました。
研究開発費は、前期の248億14百万円から6億25百万円(2.5%)減少し、241億89百万円となりました。売上収益研究開発費比率は前期の6.0%から0.5ポイント上昇し、6.5%となりました。
(ロ)資金調達
運転資金及び設備投資資金について、当社及び国内子会社、一部の海外子会社においてグループ内資金を有効活用するためグループファイナンスを運用しています。また、一部の子会社においては、借入金額・期間・金利等の条件を総合的に勘案し、金融機関から借入を行っております。