有価証券報告書-第155期(2022/04/01-2023/03/31)
13 無形資産
(1) のれん
のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
[減損損失累計額]
前期及び当期において、それぞれ1,368百万円及び354百万円ののれんの減損損失を認識しており、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含まれております。
[帳簿価額]
企業結合で生じたのれんは、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分しております。のれんの帳簿価額のセグメント別内訳は、次のとおりであります。
(注) 上記「消去又は全社」には、エネルギーイノベーション・イニシアチブ(EII)の帳簿価額が含まれております。
重要なのれんは、北欧駐車場事業及び欧米州青果事業であります。北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ30,741百万円及び29,974百万円、欧米州青果事業では前期末及び当期末において、それぞれ11,316百万円及び12,061百万円であります。
(2) その他無形資産
その他無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
[償却累計額及び減損損失累計額]
[帳簿価額]
販売権・商標権・顧客との関係のうち、重要なものは欧米州青果事業及び北欧駐車場事業であります。欧米州青果事業では前期末及び当期末において、それぞれ23,821百万円及び23,950百万円、北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ18,251百万円及び16,031百万円であります。このうち耐用年数を確定できる資産の平均残存償却期間は欧米州青果事業では18年、北欧駐車場事業で9年であります。
前期及び当期において、それぞれ1,209百万円及び1,028百万円のその他無形資産の減損損失を認識しております。また、当期において、12,179百万円のその他無形資産の減損損失戻入益を認識しており、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含まれております。このうち、主なものは、北米鋼管事業会社B&L PIPECO SERVICES,INC.において、市況回復に伴い長期事業計画を見直した結果、11,379百万円の減損損失戻入益を金属事業部門にて認識しているものであります。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できる資産は、その耐用年数にわたって償却しております。償却対象の無形資産償却費は、連結包括利益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できない資産は、前期末及び当期末において、それぞれ20,397百万円及び20,323百万円であります。このうち、主なものは商標権であります。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。耐用年数を確定できない資産のうち、重要なものはありません。
(3) のれん及びその他無形資産の減損テスト
当社は、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回減損テストを行っており、さらに、減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っております。重要なのれん及びその他無形資産の減損テストの前提は次のとおりであります。
欧米州青果事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、バナナ&パイン事業について実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、欧米州青果事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた4年間の将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、バナナ&パイン事業において販売数量・マージン・割引率等であります。成長率及び割引率は次のとおりであります。
成長率は、資金生成単位グループが属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しております。
バナナ&パイン事業において、当期末の減損判定に用いた使用価値は帳簿価額を11,023百万円上回っております。なお、ロシア・ウクライナ情勢の悪化と対ロシア経済制裁の強化、新型コロナウイルス感染再拡大等により、欧州市場における収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約1.0%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
北欧駐車場事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの北欧3ヶ国の駐車場事業全体を一つの資金生成単位グループとして実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、北欧駐車場事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。事業計画の対象期間は駐車場拠点の平均賃借期間を基礎に算定し6~9年間としております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、将来の時間貸し駐車場収益、割引率等です。成長率及び割引率は次のとおりであります。
成長率は、各国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、各国の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
北欧駐車場事業において、ロシア・ウクライナ情勢の悪化等の国際的な地政学リスクの高まりによるインフレ率の上昇を背景とする割引率の大幅な上昇があったものの、新型コロナウイルス感染拡大からの回復に伴い時間貸し駐車場収益は堅調に推移しており、2023年度以降も同傾向が続くことを見込んでいることから、当期末の減損判定に用いた使用価値は帳簿価額を5,274百万円上回っております。なお、新型コロナウイルス感染再拡大等により収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約1.0%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
その他
その他ののれんの減損テストにおいても、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。事業計画は原則として5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関するマネジメントの評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報及び内部情報に基づき作成しております。成長率は、各資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しております。当社は市場もしくは国の長期平均成長率を超過する成長率は用いておりません(国内:最大で1%程度、海外:最大で4%程度)。割引率は、各資金生成単位の加重平均資本コストもしくは資本コスト等を基礎に算定しております(国内:5%~11%程度、海外:7%~23%程度)。
(1) のれん
のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
前期 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) (百万円) | 当期 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) (百万円) | |
期首 | 223,808 | 216,485 |
企業結合による取得 | 1,092 | 8,600 |
連結範囲の異動及び売却目的保有資産への振替による減少 | △11,958 | △5,932 |
処分 | △6 | △400 |
在外営業活動体の換算差額 | 13,055 | 8,083 |
その他 | △9,506 | 794 |
期末 | 216,485 | 227,630 |
[減損損失累計額]
前期 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) (百万円) | 当期 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) (百万円) | |
期首 | △114,012 | △110,975 |
減損損失 | △1,368 | △354 |
連結範囲の異動及び売却目的保有資産への振替による減少 | 11,958 | 5,880 |
処分 | - | 400 |
在外営業活動体の換算差額 | △7,313 | △6,887 |
その他 | △240 | - |
期末 | △110,975 | △111,936 |
前期及び当期において、それぞれ1,368百万円及び354百万円ののれんの減損損失を認識しており、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含まれております。
[帳簿価額]
帳簿価額 (百万円) | |
前期(2022年3月31日) | 105,510 |
当期(2023年3月31日) | 115,694 |
企業結合で生じたのれんは、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分しております。のれんの帳簿価額のセグメント別内訳は、次のとおりであります。
前期 (2022年3月31日) (百万円) | 当期 (2023年3月31日) (百万円) | |
金属 | 5,116 | 4,604 |
輸送機・建機 | 46,629 | 48,301 |
インフラ | - | - |
メディア・デジタル | 13,861 | 13,861 |
生活・不動産 | 32,603 | 38,295 |
資源・化学品 | 7,192 | 10,525 |
消去又は全社 | 109 | 108 |
合計 | 105,510 | 115,694 |
(注) 上記「消去又は全社」には、エネルギーイノベーション・イニシアチブ(EII)の帳簿価額が含まれております。
重要なのれんは、北欧駐車場事業及び欧米州青果事業であります。北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ30,741百万円及び29,974百万円、欧米州青果事業では前期末及び当期末において、それぞれ11,316百万円及び12,061百万円であります。
(2) その他無形資産
その他無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
ソフトウェア (百万円) | 販売権・商標権・顧客との関係 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前期首(2021年4月1日) | 154,150 | 229,610 | 44,176 | 427,936 |
企業結合による取得 | 176 | 488 | 6 | 670 |
個別取得 | 11,055 | 94 | 920 | 12,069 |
連結範囲の異動及び売却目的保有資産への振替による減少 | △563 | - | △1,687 | △2,250 |
処分 | △12,119 | △5,035 | △3,102 | △20,256 |
在外営業活動体の換算差額 | 2,896 | 16,398 | 983 | 20,277 |
その他 | 2,034 | 5,157 | 717 | 7,908 |
前期末(2022年3月31日) | 157,629 | 246,712 | 42,013 | 446,354 |
企業結合による取得 | 2,731 | - | 1,285 | 4,016 |
個別取得 | 13,438 | 217 | 1,854 | 15,509 |
連結範囲の異動及び売却目的保有資産への振替による減少 | △165 | △3,513 | - | △3,678 |
処分 | △5,374 | △682 | △215 | △6,271 |
在外営業活動体の換算差額 | 1,150 | 11,967 | 655 | 13,772 |
その他 | 6,109 | △7,160 | 630 | △421 |
当期末(2023年3月31日) | 175,518 | 247,541 | 46,222 | 469,281 |
[償却累計額及び減損損失累計額]
ソフトウェア (百万円) | 販売権・商標権・顧客との関係 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前期首(2021年4月1日) | △126,271 | △145,591 | △9,909 | △281,771 |
処分 | 10,610 | 5,031 | 2,169 | 17,810 |
無形資産償却費 | △6,864 | △8,751 | △1,866 | △17,481 |
減損損失 | △503 | △241 | △465 | △1,209 |
連結範囲の異動及び売却目的保有資産への振替による減少 | 496 | - | 1,061 | 1,557 |
在外営業活動体の換算差額 | △2,322 | △9,655 | △467 | △12,444 |
その他 | △2,769 | △10 | △581 | △3,360 |
前期末(2022年3月31日) | △127,623 | △159,217 | △10,058 | △296,898 |
処分 | 5,302 | 681 | 179 | 6,162 |
無形資産償却費 | △7,913 | △7,516 | △2,434 | △17,863 |
減損損失 | △773 | - | △255 | △1,028 |
減損損失戻入 | - | 12,179 | - | 12,179 |
連結範囲の異動及び売却目的保有資産への振替による減少 | 170 | 3,513 | - | 3,683 |
在外営業活動体の換算差額 | △272 | △8,570 | △267 | △9,109 |
その他 | △3,642 | 7,175 | △844 | 2,689 |
当期末(2023年3月31日) | △134,751 | △151,755 | △13,679 | △300,185 |
[帳簿価額]
ソフトウェア (百万円) | 販売権・商標権・顧客との関係 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
前期(2022年3月31日) | 30,006 | 87,495 | 31,955 | 149,456 |
当期(2023年3月31日) | 40,767 | 95,786 | 32,543 | 169,096 |
販売権・商標権・顧客との関係のうち、重要なものは欧米州青果事業及び北欧駐車場事業であります。欧米州青果事業では前期末及び当期末において、それぞれ23,821百万円及び23,950百万円、北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ18,251百万円及び16,031百万円であります。このうち耐用年数を確定できる資産の平均残存償却期間は欧米州青果事業では18年、北欧駐車場事業で9年であります。
前期及び当期において、それぞれ1,209百万円及び1,028百万円のその他無形資産の減損損失を認識しております。また、当期において、12,179百万円のその他無形資産の減損損失戻入益を認識しており、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含まれております。このうち、主なものは、北米鋼管事業会社B&L PIPECO SERVICES,INC.において、市況回復に伴い長期事業計画を見直した結果、11,379百万円の減損損失戻入益を金属事業部門にて認識しているものであります。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できる資産は、その耐用年数にわたって償却しております。償却対象の無形資産償却費は、連結包括利益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できない資産は、前期末及び当期末において、それぞれ20,397百万円及び20,323百万円であります。このうち、主なものは商標権であります。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。耐用年数を確定できない資産のうち、重要なものはありません。
(3) のれん及びその他無形資産の減損テスト
当社は、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回減損テストを行っており、さらに、減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っております。重要なのれん及びその他無形資産の減損テストの前提は次のとおりであります。
欧米州青果事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、バナナ&パイン事業について実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、欧米州青果事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた4年間の将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、バナナ&パイン事業において販売数量・マージン・割引率等であります。成長率及び割引率は次のとおりであります。
前期 (2022年3月31日) (%) | 当期 (2023年3月31日) (%) | |||
資金生成単位グループ | 成長率 | 割引率 | 成長率 | 割引率 |
バナナ&パイン事業 | 1.8 | 5.2 | 1.9 | 6.6 |
成長率は、資金生成単位グループが属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しております。
バナナ&パイン事業において、当期末の減損判定に用いた使用価値は帳簿価額を11,023百万円上回っております。なお、ロシア・ウクライナ情勢の悪化と対ロシア経済制裁の強化、新型コロナウイルス感染再拡大等により、欧州市場における収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約1.0%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
北欧駐車場事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの北欧3ヶ国の駐車場事業全体を一つの資金生成単位グループとして実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、北欧駐車場事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。事業計画の対象期間は駐車場拠点の平均賃借期間を基礎に算定し6~9年間としております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、将来の時間貸し駐車場収益、割引率等です。成長率及び割引率は次のとおりであります。
前期 (2022年3月31日) (%) | 当期 (2023年3月31日) (%) | |||
資金生成単位グループ | 成長率 | 割引率 | 成長率 | 割引率 |
北欧駐車場事業 (スウェーデン・ノルウェー・ フィンランド) | 1.9~2.0 | 5.5~7.0 | 1.8~2.0 | 8.0~8.5 |
成長率は、各国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、各国の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
北欧駐車場事業において、ロシア・ウクライナ情勢の悪化等の国際的な地政学リスクの高まりによるインフレ率の上昇を背景とする割引率の大幅な上昇があったものの、新型コロナウイルス感染拡大からの回復に伴い時間貸し駐車場収益は堅調に推移しており、2023年度以降も同傾向が続くことを見込んでいることから、当期末の減損判定に用いた使用価値は帳簿価額を5,274百万円上回っております。なお、新型コロナウイルス感染再拡大等により収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約1.0%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
その他
その他ののれんの減損テストにおいても、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。事業計画は原則として5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関するマネジメントの評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報及び内部情報に基づき作成しております。成長率は、各資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しております。当社は市場もしくは国の長期平均成長率を超過する成長率は用いておりません(国内:最大で1%程度、海外:最大で4%程度)。割引率は、各資金生成単位の加重平均資本コストもしくは資本コスト等を基礎に算定しております(国内:5%~11%程度、海外:7%~23%程度)。