有価証券報告書

【提出】
2022/06/24 15:59
【資料】
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【項目】
142項目
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査
a. 組織・人員
当社の監査役は5名であり、社内監査役2名と社外監査役3名から構成されています。社内監査役である平野肇氏は全社経営、鴨脚光眞氏は全社経営及び財務・会計部門における経験があり、それぞれ常勤監査役に選任されています。また、常勤監査役 平野肇氏が、監査役会の議長及び特定監査役を務めています。なお、社外監査役のうち佐藤りえ子氏、及び中尾健氏は、それぞれ、弁護士(企業法務)、公認会計士としての長年の経験を有しています。また、もう一名の社外監査役である小木曾麻里氏は、ESG及びファイナンスへの深い造詣を有しています。監査役5名の内、常勤監査役 鴨脚光眞氏及び社外監査役 中尾健氏は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。監査役を補佐する独立の組織として監査役室を設置しており、8名(提出日時点)の専任スタッフが対応する体制としています。
b. 監査役会の活動状況
監査役会は、原則月1回開催しています。2021年度は合計12回開催し、全監査役が在任中の全ての監査役会に出席しています。2021年度の監査役会所要時間は最大1時間40分、平均1時間7分となり、年間を通じて次のような決議、協議及び報告がなされました。これらに加え、監査役会では主要な投融資案件や監査活動で把握した課題等についても共有し、議論しています。
決議12件:監査計画・往査先、監査役選任案、及び会計監査人の再任・報酬、監査報告書案等 協議 8件:監査役会運営方法、監査記録、及び監査役監査レビュー等 報告62件:会社決算に関する事項、会計監査人監査状況(監査上の主要な検討事項(KAM)対応状況含 む)、監査部監査結果、及び訴訟・コンプライアンス事案等
監査計画については、毎年年度開始前に監査計画を立て、当該年度の重点監査項目を定めています。2021年度は以下項目を重点監査項目として監査し、必要に応じて執行側に提言を行いました。
1. 中期経営戦略2021の総括
・ DX施策によるビジネスモデルの変革:
全社横断でのDX関連の取組及び各ビジネスグループにおけるDX関連の取組の進捗と課題につき、関係部局のヒアリング及びモニタリングを行いました。
・ 事業ポートフォリオの最適化の現状
関係部局との対話や社内会議への参加等を通じて、投資入替施策と赤字会社対応状況を確認しました。
・ 循環型成長モデルに基づく資産最適化の進捗
循環型成長モデルのコンセプトに基づき、各意思決定機関において資産入替に係る意思決定がなされていることを確認しました。
・ 新人事制度の運用/経営人材育成の取組
新人事制度に係る取締役会宛報告や人事部長との対話等を通じて、各種施策の進捗状況を確認しました。
2. 連結経営の深化
・ 本店/拠点/事業会社の役割分担とその在り方
担当役員との対話や国内外拠点への往査等を通じ、全社の役割期待に沿って各拠点が活動を行っていることを確認し、また事業会社の往査等を通じて各社の自立化に向けた状況を確認しました。
・ 事業会社の実態に応じた権限移譲と管理体制の整備運用の現状
本部長対話や社内会議への参加、事業会社への往査等を通じて、各事業会社における権限移譲の状況、及びそのガバナンス体制の整備運用状況につき、確認しました。
3. エネルギー・トランスフォーメーション(EX)/サステナビリティへの取組
・ EXに向けた取組/脱炭素社会を見据えた当社グループとしての取組推進
社内各組織が横断的に取組み、「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」の策定・対外公表が行われたことを確認しました。
4. コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み
・ 取締役会における審議の充実
役員宛の取締役会議題の事前説明機会の増加や取締役会審議事項の選別等が進んだことを確認しました。
・ ポストコロナの新たなワークスタイルを踏まえた監査/内部統制の実効性確保オンライン会議システムを活用し、効率的に対話・往査を実施すると共に、コロナ禍での監査方法や潜在リスクにつき、内部監査組織や会計監査人、事業会社監査役とも意見交換を行いました。
c. 監査役の主な活動
監査役は年間を通じて主に以下の活動を行っています。
1. 経営執行責任者との対話監査役は、取締役会長、社長、各コーポレート担当役員、各営業グループCEO、営業グループ各本部長・各管理部長、監査部長、経営企画部長及びコーポレートスタッフ部門各部長との対話を実施しています。2021年度は全65回実施し、内62回において社外監査役が1名以上参加しています。
2. 重要会議への出席常勤監査役は、監査役会のほか、取締役会及びガバナンス・指名・報酬委員会、並びに社長室会、事業戦略会議等の主要な社内経営会議に出席し、必要な意見を述べています(2021年度は全130回)。社外監査役は、監査役会に加え、社長室会以下の会議体での審議内容を聴取した上で取締役会に出席し、必要な意見を述べています(2021年度は全25回)。
3. 往査・視察
監査役は、国内外のグループ会社への往査・視察を積極的に行い、現場状況の把握に努めています。監査役の往査・視察先の選定にあたっては、出資額や純利益といった定量面に加え、当該会社を取り巻く事業環境やコンプライアンス事案の発生状況等の定性面も選定基準に取り入れています。
2021年度も昨年度に続き、新型コロナウイルスの影響により特に海外渡航への制約・制限があったことから、国内の往査・視察先を充実させたほか、海外についても各種ツールによるリモート往査の手法を採り入れ、状況に応じた対応を進めました。2021年度においては、海外3か国3社、国内15社の当社グループ企業の経営執行責任者、及び国内外11拠点の全社拠点長と対話を行い、往査・視察結果を取締役会長、社長、関連の担当役員等へ報告しています。尚、社外監査役は1名以上が海外3か国3社、国内14社、国内外9拠点の往査・視察に参加しています。
4. 三様監査
会計監査人や内部監査部門と月1回以上の頻度で定期的に会合を持ち、緊密な連携を通じて当社の状況を適時適切に把握し、情報交換・意見交換を行っています。
5. グループ・ガバナンスの強化
当社グループ企業の経営執行責任者との対話に加え、国内主要グループ企業39社の監査役と四半期毎の情報交換の機会を設ける一方、グループ企業の監査役間でも少人数の分科会を開催し、情報共有や意見交換の場を提供しています。また、グループ企業に派遣される常勤監査役への派遣前研修等のサポートも実施しています。今後も定期的なモニタリングを通じてグループ・ガバナンスの強化を図っていきます。
6. 社外役員間の連携強化
監査役による経営執行責任者との対話や取締役会に諮られる重要案件等の事前説明には、社外取締役も参加しているほか、独立社外役員会議等の様々な場での意見交換を通じ、社外監査役及び社外取締役の間での連携を強化しています。
7. 監査役(会)活動の実効性向上に向けた取組
監査役監査の実効性向上を目的に、2021年度は従来行ってきた監査役会の活動レビューをより充実させました。具体的には、期中及び期末に事務局による各監査役宛ヒアリングを実施し、監査活動全般に係る気付きや次年度に向けた改善点を洗い出したうえで、その結果につき監査役会において共有・議論しました。また、同ヒアリングでは期初に設定した重点監査項目の監査進捗状況についても議論を行い、その中で得た気付きを執行側に改めてフィードバックするプロセスを加えるなど、監査方法の改善を試みました。
② 内部監査
内部監査については、監査部(2022年4月1日現在83名)が全社的見地から当社、現地法人及び関係会社の監査を行っていることに加え、個々の営業グループも各々内部監査組織を設けて、管下組織の監査を連結ベースで行っています。これらの内部監査は、年間の監査計画に基づき、監査先を選定の上実施しており、監査の結果については、都度社長及び監査役等に報告するとともに、定期的に取締役会及び社長室会に報告しています。
③ 会計監査
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、東川裕樹、大谷博史、伊藤惣悟の3氏であり、有限責任監査法人トーマツに所属しています。また、当社の監査業務に係る補助者は、公認会計士29名、会計士試験合格者18名、その他56名となっています。当社は、監査役会で定めた評価基準に沿ってその監査体制、独立性、専門性及び職務遂行状況等を総合的に評価し、グローバルな事業活動を監査する会計監査人として適任か否か判断することとしています。
また、当社では、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査役の全員の同意に基づき監査役会が会計監査人を解任する方針です。この場合、解任後最初に招集される株主総会において、監査役会が選定した監査役から、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告する方針です。加えて、監査役会が会計監査人の職務執行状況その他諸般の事情を総合的に勘案・評価し、解任又は不再任とすることが適切であると判断した場合は、当該会計監査人を解任又は不再任とし、新たな会計監査人を選任する議案を株主総会に提出する方針です。
当社の監査役及び監査役会は、2021年度も上述のプロセスに従い会計監査人に対して評価を行っています。その結果、現会計監査人は職務遂行を適正に行うことを確保するための体制を具備し、独立の立場を保持しつつ職業的専門家として適切な監査を実施しているものと評価し、監査役会で再任を決議しています。
なお、有限責任監査法人トーマツによる継続監査期間は69年間です。
(ご参考) 監査役と会計監査人との連携内容
連携内容
(2021年度実績)
概要4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
四半期レビュー報告決算監査の状況等の説明
監査計画監査計画及び監査報酬案の説明
監査報告書会社法・金融商品取引法監査の結果
内部統制監査報告監査結果説明
情報・意見交換諸規制や法令の施行・改訂や、会計監査の新しい手法・課題、監査役往査先の状況等に関する情報・意見交換

④ 監査役監査、内部監査及び会計監査の相互連携及び内部統制部門との関係
監査役、主計部及び会計監査人は、四半期決算時及び月次での定例会を開催するとともに、子会社・関連会社とも随時意見交換の機会を設けています。
また、監査部による四半期ごとの監査役会への監査報告や監査役と監査部の月次定例会、及び監査役・監査部による子会社・関連会社の監査役・内部監査部門を交えた連絡会等を実施しています。
これらの連携により、三様監査の連結ベースの強化を図っています。
⑤ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度における、当社の監査公認会計士等である有限責任監査法人トーマツに対する報酬額は以下のとおりです。
区分前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
監査証明業務
に基づく報酬
非監査業務
に基づく報酬
監査証明業務
に基づく報酬
非監査業務
に基づく報酬
当社8691985813
連結子会社1,7181601,805100
2,5871792,663113

(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、会計アドバイザリー、研修関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、会計アドバイザリー、研修関連業務等です。
b. その他重要な報酬の内容
当社及び連結子会社は、当社の監査公認会計士等である有限責任監査法人トーマツと同一のネットワークに属している外国監査法人に対して、監査証明業務及び非監査業務を委託しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における報酬額は以下のとおりです。
区分前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
監査証明業務
に基づく報酬
非監査業務
に基づく報酬
監査証明業務
に基づく報酬
非監査業務
に基づく報酬
当社16311437
連結子会社2,8334493,001376
2,8494803,015413

(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
c. 監査報酬の決定方針
当社は、事業の規模・特性、監査時間等を勘案し、監査報酬を決定しています。
d. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況、報酬見積りの算出根拠等を確認し、必要な検証を行った結果、会計監査人の監査品質の確保及び独立性の担保の観点に照らして妥当と考えられることから、会計監査人の報酬等の額について会社法第399条第1項に基づく同意を行っています。