有価証券報告書
(3) 【監査の状況】
① 監査役/監査等委員会監査
当社は2024年6月21日をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。そのため、当事業年度の活動状況(以下b.及びc.)については、移行前の監査役会設置会社における内容を記載しています。
a. 組織・人員
当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で構成され、このうち3名は社外取締役です。社内出身の取締役である鴨脚光眞氏は全社経営及び財務・会計部門、村越晃氏は全社経営における経験があり、それぞれ常勤の監査等委員に選任されています。また、監査等委員である社外取締役のうち立岡恒良氏は産業界全体への深い造詣と環境・エネルギー政策に関する高い見識を有しており、佐藤りえ子氏、及び中尾健氏は、それぞれ、弁護士(企業法務)、公認会計士としての長年の経験を有しています。監査等委員である取締役5名のうち、常勤の監査等委員である取締役 鴨脚光眞氏及び監査等委員である社外取締役 中尾健氏は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。監査等委員会を補佐する独立の組織として監査等委員会室を設置しており、12名(2024年6月21日時点)の専任スタッフが対応する体制としています。
b. 監査役会の活動状況
監査役会は、原則月1回開催しています。2023年度は合計12回開催し、全監査役が在任中の全ての監査役会に出席しています。2023年度の監査役会所要時間は最大2時間17分、平均1時間17分となり、年間を通じて決議事項は16件、協議事項は11件、報告事項は72件でした。その主な内容は次のとおりです。
監査計画については、毎年年度開始前に監査計画を立て、当該年度の重点監査項目を定めています。2023年度は以下項目を重点監査項目として監査し、必要に応じて執行側に提言を行いました。
1. 中期経営戦略の実行状況
・ 成長戦略の実行状況
・ 経営管理制度の効果・課題
・ 人事・サステナビリティ施策の進捗
・ 新規部門の運営状況
関係部局との対話や社内会議への参加、三菱商事グループ会社への往査等を通じて、成長戦略(EX・DX・未来創造)の実行状況、経営管理制度の効果・課題、人事・サステナビリティ施策の進捗及び新規部門(次世代エネルギー及び産業DX)の運営状況等について実行状況を確認しました。
2. 連結ベースでのリスク管理体制
・ 連結ベースでのリスク管理に向けた執行側の人員体制・取組
・ ITインフラ・情報セキュリティ体制の強化に向けた取組
・ 連結先での三様監査の状況
社内会議への参加やGCEО等との対話、事業会社への往査等を通じて、連結ベースでのリスク管理やガバナンスの体制・取組の状況及び事業会社における三様監査の連携状況、並びに企業運営維持に欠かせないIT組織体制の構築・維持に向けた取組状況や複雑化するITセキュリティへの対応状況等を確認し、必要に応じて提言を行いました。
3. コーポレートガバナンスの強化に向けた取り組み
・ 当社ガバナンスに係る議論の状況
・ 取締役会における審議の更なる充実
当社は、取締役会における充実した審議による実効性の高い監督を発展させつつ、企業価値の向上に努めてきました。加速する外部環境変化への対応を一層強化し更なる発展を遂げるための当社にとって最適なコーポレートガバナンス体制や取締役会において審議すべき事項に係る議論について、常勤監査役もガバナンス・指名・報酬委員会の委員として参加しながら、また他監査役とも状況を共有し、連携しながら確認しました。
なお、取締役会における充実した審議に向けた過年度からの取組みである役員宛の取締役会議題の事前説明機会を通じた社外役員への情報提供が継続されかつさらに充実していることを確認しました。また、対話等の監査活動への社外取締役の参加受入や独立社外役員会議等の機会における意見交換等を通じて、監査役会と社外取締役の連携強化、及び社外取締役による業務執行側活動の更なる理解促進を図りました。
c. 監査役の主な活動
監査役は年間を通じて主に以下の活動を行っています。
1. 経営・業務執行責任者との対話監査役は、取締役会長、社長、副社長、各コーポレート担当役員、各部門長・営業グループCEO、営業グループ各本部長・各管理部長、監査部長、経営企画部長及びコーポレートスタッフ部門各部長との対話を実施しています。2023年度は全70回実施し、内68回において社外監査役が1名以上参加しています。
2. 重要会議への出席常勤監査役は、監査役会のほか、取締役会及びガバナンス・指名・報酬委員会、並びに社長室会、事業戦略会議等の主要な社内経営会議に出席し、必要な意見を述べています(2023年度は全129回)。社外監査役は、監査役会に加え、社長室会以下の会議体での審議内容を聴取した上で取締役会に出席し、必要な意見を述べています(2023年度は全26回)。
3. 往査・視察
監査役は、国内外のグループ会社への往査・視察を積極的に行い、現場状況の把握に努めています。監査役の往査・視察先の選定にあたっては、出資額や純利益といった定量面に加え、当該会社を取り巻く事業環境やコンプライアンス事案の発生状況等の定性面も選定基準に取り入れています。
2023年度においては、海外3か国12社、国内16社の三菱商事グループ企業の経営執行責任者、及び国内外7拠点の全社拠点長と対話を行い、往査・視察結果を取締役会長、社長、関連の担当役員等へ報告しています。なお、社外監査役は1名以上が海外2か国6社、国内8社、国内外2拠点の往査・視察に参加しています。
4. 三様監査
会計監査人や内部監査部門と月1回以上の頻度で定期的に会合を持ち、緊密な連携を通じて当社の状況を適時適切に把握し、情報交換・意見交換を行っています。
5. グループ・ガバナンスの強化
三菱商事グループ企業の経営執行責任者との対話に加え、国内主要グループ企業34社の監査役と四半期毎の情報交換の機会を設ける一方、グループ企業の監査役間でも少人数の分科会を開催し、情報共有や意見交換の場を提供しています。また、グループ企業に派遣される常勤監査役への派遣前研修等のサポートも実施しています。今後も定期的なモニタリングを通じてグループ・ガバナンスの強化を図っていきます。
6. 社外役員間の連携強化
監査役による経営執行責任者との対話や取締役会に諮られる重要案件等の事前説明には、社外取締役も参加しているほか、独立社外役員会議等の様々な場での意見交換を通じ、社外監査役及び社外取締役の間での連携を強化しています。
7. 監査役(会)活動の実効性向上に向けた取組
監査役監査の実効性向上を目的に、2023年度は前年度に引き続き監査役会の活動レビューをより充実させました。具体的には、従来、期中及び期末で実施してきた、重点監査項目を中心とした監査状況のレビューに加えて、各監査役へのアンケート及び当該結果に係るヒアリングに基づいた監査役会実効性評価を実施し、監査手法の見直しや次年度の監査活動でフォローを要する事項について監査役会で討議しました。その概要は以下のとおりです。
・監査役会の人員構成、活動内容・頻度、運営手法、各関係者との連携状況等について17の評価項目のアンケートに各監査役が回答。
・監査役室が同回答に係るヒアリングを実施し、監査役会活動の改善点を聴取。
・当該ヒアリング結果をもとに監査役会で協議し、以下のとおり評価。
・監査役会による監査は現状十分に機能し、実効性が適切に確保されている。
・更なる実効性の向上に向けた取組(取締役会への意見共有や社外取締役との意見交換等)を不断に検討する。
② 内部監査
内部監査については、監査部(2024年4月1日時点83名)が全社的見地から当社、現地法人及び関係会社の監査を行っていることに加え、個々の営業グループもおのおの内部監査組織を設けて、管下組織の監査を連結ベースで行っています。これらの内部監査は、年間の監査計画に基づき、監査先を選定の上実施しており、監査の結果については、デュアルレポーティングとして、都度社長及び監査役(2024年6月21日以降は監査等委員会)等に報告するとともに、定期的に取締役会及び社長室会に報告しています。
なお、年間を通じて実施している定例監査は国際内部監査基準に準じて、当社及びグループ関係会社を対象にリスクや規模等を考慮し、3年~5年の頻度で実施しています。監査にあたっては、法令遵守に加え、社会規範や企業倫理の観点も重視して、ガバナンス/リスク管理/コントロールの各プロセスを検証・評価します。また、テーマ監査を毎年実施しており、2023年度においては主要子会社等を対象として監査機能の整備状況を確認するテーマ監査を実施しています。
③ 会計監査
当社は2024年6月21日をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。以下については、移行前の監査役会設置会社における内容を記載しています。
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、東川裕樹、大谷博史、伊藤惣悟の3氏であり、有限責任監査法人トーマツに所属しています。また、当社の監査業務に係る補助者は、公認会計士30名、会計士試験合格者22名、その他121名となっています。当社は、監査役会で定めた評価基準に沿ってその監査体制、独立性、専門性及び職務遂行状況等を総合的に評価し、グローバルな事業活動を監査する会計監査人として適任か否か判断してきています。
また、当社では、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査役の全員の同意に基づき監査役会が会計監査人を解任する方針としてきています。この場合、解任後最初に招集される株主総会において、監査役会が選定した監査役から、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告し、加えて、監査役会が会計監査人の職務執行状況その他諸般の事情を総合的に勘案・評価し、解任又は不再任とすることが適切であると判断した場合は、当該会計監査人を解任又は不再任とし、新たな会計監査人を選任する議案を株主総会に提出する方針としてきています。
当社の監査役及び監査役会は、2023年度も上述のプロセスに従い会計監査人に対して評価を行っています。その結果、現会計監査人は職務遂行を適正に行うことを確保するための体制を具備し、独立の立場を保持しつつ職業的専門家として適切な監査を実施しているものと評価し、監査役会で再任を決議しています。
なお、有限責任監査法人トーマツによる継続監査期間は71年間です。
(ご参考) 監査役と会計監査人との連携内容
④ 監査役/監査等委員会監査、内部監査及び会計監査の相互連携及び内部統制部門との関係
2023年度も前年度に引き続き、監査役、主計部及び会計監査人は、四半期決算時及び月次での定例会を開催し、意見交換の機会を設けました。監査上の主要な検討事項(KAM)については、会計監査人の監査計画説明の際にKAM候補の提示を受け、監査上の対応や検討状況を踏まえた意見交換を行っています。また、前年度に見直しを行った有限責任監査法人トーマツ及びそのメンバーファームへの非保証業務の委託許容範囲等に関する方針に基づき、該当案件については会計監査人より個別に事前説明を受け監査役会として会計監査人の独立性確保の観点から問題がないか検討を行うと共に、四半期毎に会計監査人より非保証業務の受託状況について報告を受けました。
また、監査部による四半期ごとの監査役会への監査報告、監査役と監査部の月次定例会、及び監査役・監査部による子会社・関連会社の監査役・内部監査部門を交えた連絡会等を実施しています。また、監査部は監査役と会計監査人の情報・意見交換の場にも参加しています。
監査等委員会設置会社移行後もこれらの連携を継続・深化させ、三様監査の連結ベースの強化を図ってまいります。
⑤ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度における、当社の監査公認会計士等である有限責任監査法人トーマツに対する報酬額は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成、研修関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成、研修関連業務等です。
b. その他重要な報酬の内容
当社及び連結子会社は、当社の監査公認会計士等である有限責任監査法人トーマツと同一のネットワークに属している法人に対して、監査証明業務及び非監査業務を委託しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における報酬額は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
c. 監査報酬の決定方針
当社は、事業の規模・特性、監査時間等を勘案し、監査報酬を決定しています。
d. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況、報酬見積りの算出根拠等を確認し、必要な検証を行った結果、会計監査人の監査品質の確保及び独立性の担保の観点に照らして妥当と考えられることから、会計監査人の報酬等の額について会社法第399条第1項に基づく同意を行っています。
① 監査役/監査等委員会監査
当社は2024年6月21日をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。そのため、当事業年度の活動状況(以下b.及びc.)については、移行前の監査役会設置会社における内容を記載しています。
a. 組織・人員
当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で構成され、このうち3名は社外取締役です。社内出身の取締役である鴨脚光眞氏は全社経営及び財務・会計部門、村越晃氏は全社経営における経験があり、それぞれ常勤の監査等委員に選任されています。また、監査等委員である社外取締役のうち立岡恒良氏は産業界全体への深い造詣と環境・エネルギー政策に関する高い見識を有しており、佐藤りえ子氏、及び中尾健氏は、それぞれ、弁護士(企業法務)、公認会計士としての長年の経験を有しています。監査等委員である取締役5名のうち、常勤の監査等委員である取締役 鴨脚光眞氏及び監査等委員である社外取締役 中尾健氏は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。監査等委員会を補佐する独立の組織として監査等委員会室を設置しており、12名(2024年6月21日時点)の専任スタッフが対応する体制としています。
b. 監査役会の活動状況
監査役会は、原則月1回開催しています。2023年度は合計12回開催し、全監査役が在任中の全ての監査役会に出席しています。2023年度の監査役会所要時間は最大2時間17分、平均1時間17分となり、年間を通じて決議事項は16件、協議事項は11件、報告事項は72件でした。その主な内容は次のとおりです。
議題 | 具体的な内容 |
監査計画 | 年間の監査活動について、後述の監査役会実効性評価・監査役監査レビューを通じて振り返り、監査での確認事項、及び監査の改善方法を監査役会で共有・議論した上で、当該結果を踏まえて翌年度の監査計画を決議しています。なお、監査等委員会設置会社に移行したことに伴い、監査等委員会において改めて2024年度監査計画を決議しています。 |
会計監査人の再任又は不再任に係る件 | 後述の会計監査人との連携・意見交換に加え、会計監査人による自己評価及び主計部からの会計監査活動に関する意見聴取も行った上で、各監査役がその相当性・独立性を評価し、監査役会として審議の上、再任又は不再任に係る決議を行っています。 |
会計監査人との非保証業務の委託に係る合意 | 会計監査人の独立性を考慮し、会計監査人及び其のメンバーファームに委託する非保証業務の範囲について決議しました。 |
監査役会実効性評価 | 監査役会の実効性について各監査役が評価を行い、議論の上、その実効性が適切に確保されていると評価しました。 |
往査・視察実施報告 | 往査・視察に参加した各監査役から報告を行い、必要に応じて意見交換を行っています。 |
監査部監査報告 | 監査部から定期的に、主な監査活動の内容・状況について報告を受け、必要に応じて意見交換を行っています。 |
争訟案件報告 | 法務部から定期的に、当社及び当社グループ会社が関わる争訟案件のうち、特筆すべき案件について報告を受け、必要に応じて意見交換を行っています。 |
常勤監査役による監査活動報告 | 社外監査役に対して、常勤監査役の主要な監査活動(常勤監査役が出席した社内会議の報告、執行部との対話、会計監査人との情報・意見交換等)について報告を行い、必要に応じて意見交換を行っています。 |
監査計画については、毎年年度開始前に監査計画を立て、当該年度の重点監査項目を定めています。2023年度は以下項目を重点監査項目として監査し、必要に応じて執行側に提言を行いました。
1. 中期経営戦略の実行状況
・ 成長戦略の実行状況
・ 経営管理制度の効果・課題
・ 人事・サステナビリティ施策の進捗
・ 新規部門の運営状況
関係部局との対話や社内会議への参加、三菱商事グループ会社への往査等を通じて、成長戦略(EX・DX・未来創造)の実行状況、経営管理制度の効果・課題、人事・サステナビリティ施策の進捗及び新規部門(次世代エネルギー及び産業DX)の運営状況等について実行状況を確認しました。
2. 連結ベースでのリスク管理体制
・ 連結ベースでのリスク管理に向けた執行側の人員体制・取組
・ ITインフラ・情報セキュリティ体制の強化に向けた取組
・ 連結先での三様監査の状況
社内会議への参加やGCEО等との対話、事業会社への往査等を通じて、連結ベースでのリスク管理やガバナンスの体制・取組の状況及び事業会社における三様監査の連携状況、並びに企業運営維持に欠かせないIT組織体制の構築・維持に向けた取組状況や複雑化するITセキュリティへの対応状況等を確認し、必要に応じて提言を行いました。
3. コーポレートガバナンスの強化に向けた取り組み
・ 当社ガバナンスに係る議論の状況
・ 取締役会における審議の更なる充実
当社は、取締役会における充実した審議による実効性の高い監督を発展させつつ、企業価値の向上に努めてきました。加速する外部環境変化への対応を一層強化し更なる発展を遂げるための当社にとって最適なコーポレートガバナンス体制や取締役会において審議すべき事項に係る議論について、常勤監査役もガバナンス・指名・報酬委員会の委員として参加しながら、また他監査役とも状況を共有し、連携しながら確認しました。
なお、取締役会における充実した審議に向けた過年度からの取組みである役員宛の取締役会議題の事前説明機会を通じた社外役員への情報提供が継続されかつさらに充実していることを確認しました。また、対話等の監査活動への社外取締役の参加受入や独立社外役員会議等の機会における意見交換等を通じて、監査役会と社外取締役の連携強化、及び社外取締役による業務執行側活動の更なる理解促進を図りました。
c. 監査役の主な活動
監査役は年間を通じて主に以下の活動を行っています。
1. 経営・業務執行責任者との対話監査役は、取締役会長、社長、副社長、各コーポレート担当役員、各部門長・営業グループCEO、営業グループ各本部長・各管理部長、監査部長、経営企画部長及びコーポレートスタッフ部門各部長との対話を実施しています。2023年度は全70回実施し、内68回において社外監査役が1名以上参加しています。
2. 重要会議への出席常勤監査役は、監査役会のほか、取締役会及びガバナンス・指名・報酬委員会、並びに社長室会、事業戦略会議等の主要な社内経営会議に出席し、必要な意見を述べています(2023年度は全129回)。社外監査役は、監査役会に加え、社長室会以下の会議体での審議内容を聴取した上で取締役会に出席し、必要な意見を述べています(2023年度は全26回)。
3. 往査・視察
監査役は、国内外のグループ会社への往査・視察を積極的に行い、現場状況の把握に努めています。監査役の往査・視察先の選定にあたっては、出資額や純利益といった定量面に加え、当該会社を取り巻く事業環境やコンプライアンス事案の発生状況等の定性面も選定基準に取り入れています。
2023年度においては、海外3か国12社、国内16社の三菱商事グループ企業の経営執行責任者、及び国内外7拠点の全社拠点長と対話を行い、往査・視察結果を取締役会長、社長、関連の担当役員等へ報告しています。なお、社外監査役は1名以上が海外2か国6社、国内8社、国内外2拠点の往査・視察に参加しています。
4. 三様監査
会計監査人や内部監査部門と月1回以上の頻度で定期的に会合を持ち、緊密な連携を通じて当社の状況を適時適切に把握し、情報交換・意見交換を行っています。
5. グループ・ガバナンスの強化
三菱商事グループ企業の経営執行責任者との対話に加え、国内主要グループ企業34社の監査役と四半期毎の情報交換の機会を設ける一方、グループ企業の監査役間でも少人数の分科会を開催し、情報共有や意見交換の場を提供しています。また、グループ企業に派遣される常勤監査役への派遣前研修等のサポートも実施しています。今後も定期的なモニタリングを通じてグループ・ガバナンスの強化を図っていきます。
6. 社外役員間の連携強化
監査役による経営執行責任者との対話や取締役会に諮られる重要案件等の事前説明には、社外取締役も参加しているほか、独立社外役員会議等の様々な場での意見交換を通じ、社外監査役及び社外取締役の間での連携を強化しています。
7. 監査役(会)活動の実効性向上に向けた取組
監査役監査の実効性向上を目的に、2023年度は前年度に引き続き監査役会の活動レビューをより充実させました。具体的には、従来、期中及び期末で実施してきた、重点監査項目を中心とした監査状況のレビューに加えて、各監査役へのアンケート及び当該結果に係るヒアリングに基づいた監査役会実効性評価を実施し、監査手法の見直しや次年度の監査活動でフォローを要する事項について監査役会で討議しました。その概要は以下のとおりです。
・監査役会の人員構成、活動内容・頻度、運営手法、各関係者との連携状況等について17の評価項目のアンケートに各監査役が回答。
・監査役室が同回答に係るヒアリングを実施し、監査役会活動の改善点を聴取。
・当該ヒアリング結果をもとに監査役会で協議し、以下のとおり評価。
・監査役会による監査は現状十分に機能し、実効性が適切に確保されている。
・更なる実効性の向上に向けた取組(取締役会への意見共有や社外取締役との意見交換等)を不断に検討する。
② 内部監査
内部監査については、監査部(2024年4月1日時点83名)が全社的見地から当社、現地法人及び関係会社の監査を行っていることに加え、個々の営業グループもおのおの内部監査組織を設けて、管下組織の監査を連結ベースで行っています。これらの内部監査は、年間の監査計画に基づき、監査先を選定の上実施しており、監査の結果については、デュアルレポーティングとして、都度社長及び監査役(2024年6月21日以降は監査等委員会)等に報告するとともに、定期的に取締役会及び社長室会に報告しています。
なお、年間を通じて実施している定例監査は国際内部監査基準に準じて、当社及びグループ関係会社を対象にリスクや規模等を考慮し、3年~5年の頻度で実施しています。監査にあたっては、法令遵守に加え、社会規範や企業倫理の観点も重視して、ガバナンス/リスク管理/コントロールの各プロセスを検証・評価します。また、テーマ監査を毎年実施しており、2023年度においては主要子会社等を対象として監査機能の整備状況を確認するテーマ監査を実施しています。
③ 会計監査
当社は2024年6月21日をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。以下については、移行前の監査役会設置会社における内容を記載しています。
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、東川裕樹、大谷博史、伊藤惣悟の3氏であり、有限責任監査法人トーマツに所属しています。また、当社の監査業務に係る補助者は、公認会計士30名、会計士試験合格者22名、その他121名となっています。当社は、監査役会で定めた評価基準に沿ってその監査体制、独立性、専門性及び職務遂行状況等を総合的に評価し、グローバルな事業活動を監査する会計監査人として適任か否か判断してきています。
また、当社では、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査役の全員の同意に基づき監査役会が会計監査人を解任する方針としてきています。この場合、解任後最初に招集される株主総会において、監査役会が選定した監査役から、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告し、加えて、監査役会が会計監査人の職務執行状況その他諸般の事情を総合的に勘案・評価し、解任又は不再任とすることが適切であると判断した場合は、当該会計監査人を解任又は不再任とし、新たな会計監査人を選任する議案を株主総会に提出する方針としてきています。
当社の監査役及び監査役会は、2023年度も上述のプロセスに従い会計監査人に対して評価を行っています。その結果、現会計監査人は職務遂行を適正に行うことを確保するための体制を具備し、独立の立場を保持しつつ職業的専門家として適切な監査を実施しているものと評価し、監査役会で再任を決議しています。
なお、有限責任監査法人トーマツによる継続監査期間は71年間です。
(ご参考) 監査役と会計監査人との連携内容
連携内容 (2023年度実績) | 概要 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
監査計画 | 監査計画及び監査報酬案の説明 | ● | ● | ||||||||||
四半期レビュー結果報告 | 決算監査の状況等の説明 | ● | ● | ● | |||||||||
会計監査結果報告 | 会社法・金融商品取引法監査の結果 | ● | ● | ||||||||||
内部統制監査結果報告 | 監査結果説明 | ● | |||||||||||
情報・意見交換 | 諸規制や法令の施行・改訂や、会計監査の新しい手法・課題、監査役往査先の状況等に関する情報・意見交換 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
④ 監査役/監査等委員会監査、内部監査及び会計監査の相互連携及び内部統制部門との関係
2023年度も前年度に引き続き、監査役、主計部及び会計監査人は、四半期決算時及び月次での定例会を開催し、意見交換の機会を設けました。監査上の主要な検討事項(KAM)については、会計監査人の監査計画説明の際にKAM候補の提示を受け、監査上の対応や検討状況を踏まえた意見交換を行っています。また、前年度に見直しを行った有限責任監査法人トーマツ及びそのメンバーファームへの非保証業務の委託許容範囲等に関する方針に基づき、該当案件については会計監査人より個別に事前説明を受け監査役会として会計監査人の独立性確保の観点から問題がないか検討を行うと共に、四半期毎に会計監査人より非保証業務の受託状況について報告を受けました。
また、監査部による四半期ごとの監査役会への監査報告、監査役と監査部の月次定例会、及び監査役・監査部による子会社・関連会社の監査役・内部監査部門を交えた連絡会等を実施しています。また、監査部は監査役と会計監査人の情報・意見交換の場にも参加しています。
監査等委員会設置会社移行後もこれらの連携を継続・深化させ、三様監査の連結ベースの強化を図ってまいります。
⑤ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度における、当社の監査公認会計士等である有限責任監査法人トーマツに対する報酬額は以下のとおりです。
区分 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | ||
監査証明業務 に基づく報酬 | 非監査業務 に基づく報酬 | 監査証明業務 に基づく報酬 | 非監査業務 に基づく報酬 | |
当社 | 846 | 38 | 914 | 34 |
連結子会社 | 1,872 | 82 | 1,855 | 57 |
計 | 2,718 | 120 | 2,769 | 91 |
(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成、研修関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成、研修関連業務等です。
b. その他重要な報酬の内容
当社及び連結子会社は、当社の監査公認会計士等である有限責任監査法人トーマツと同一のネットワークに属している法人に対して、監査証明業務及び非監査業務を委託しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における報酬額は以下のとおりです。
区分 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | ||
監査証明業務 に基づく報酬 | 非監査業務 に基づく報酬 | 監査証明業務 に基づく報酬 | 非監査業務 に基づく報酬 | |
当社 | 18 | 54 | 24 | 133 |
連結子会社 | 3,420 | 417 | 3,923 | 619 |
計 | 3,438 | 471 | 3,947 | 752 |
(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
c. 監査報酬の決定方針
当社は、事業の規模・特性、監査時間等を勘案し、監査報酬を決定しています。
d. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況、報酬見積りの算出根拠等を確認し、必要な検証を行った結果、会計監査人の監査品質の確保及び独立性の担保の観点に照らして妥当と考えられることから、会計監査人の報酬等の額について会社法第399条第1項に基づく同意を行っています。